あなたは大丈夫!?思い込み薄毛ケアを美容師がジャッジ!もう間違えない育毛のキホン

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ハリ・コシのある髪をはぐくむために欠かせない、毎日のシャンプーや育毛剤でのケア。でもプロの美容師から見ると「間違い育毛習慣」をしている人も多いのだとか。薄毛に悩む二人が正しいケアを指南してもらいました!

今回教えてくれたのは・・・
美容師・山野俊貴さんLond rouge 銀座店 店長 山野俊貴さん
合格率は1割以下、美容業界において名誉と権威ある称号「日本ヘアケアマイスター」を最短の約2年で取得。豊富なヘアケア知識をもとに正しく毛髪診断ができ、適切なアドバイスで信頼の厚い美容師。

悩みを相談したのは・・・
相談したお二人(左)Oさん 36歳 男性
仕事でストレスを抱えていた30歳ごろから薄毛が気になり始め、さまざまな育毛剤にトライ。ビタブリッドCにたどり着いた今、どうしたら早く効果が出るか知りたい。

(右)Mさん 38歳 男性
薄毛が気になり始めたのはここ1年ぐらい。生活が不規則だから仕方ない…と思いつつ、ビタブリッドCで初めての育毛をスタート。

 

Q1.髪が抜けないように、シャンプーはソフトタッチで行うべき?

Oさん:ゴシゴシ洗うと髪が抜けそうでコワイんです…。

山野さん:ゴシゴシ洗うのはよくないですが、頭皮の汚れをきちんと落とさないと、においや炎症の原因になってしまいます。指の腹を使って、小さく円を描くように、頭皮を押し上げながら洗ってみてください。

洗う順番も見直してみるといいですよ。Oさんはどこから最初に洗っていますか?

Oさん:深く考えずに、前頭部から洗っていますね。

山野さん:耳の上に太い血管が走っているので、ここを最初に洗ってよくもみほぐすと、頭皮全体の血流がアップします。
山野さん:頭皮の血管は上にいくほど細くなるので、トップ(頭頂部)と前頭部は血流が悪いんですよ。波平さんを見るとよくわかりますよね。

Oさん:確かに!(笑)

Q2.育毛剤はお風呂上がりすぐ、濡れた髪につけた方がいい?

Mさん:髪も頭皮も濡れているほうが、育毛剤がよく染み込む気がしています。気のせいでしょうか(笑)。

山野さん:せっかくの育毛剤が水で薄まってしまう可能性があるので、髪を乾かしてからつけましょう。乾かすとき髪の根元にドライヤーをあてると、立ち上がりがよくなります。熱のダメージを防ぐために、15~20cm離して乾かすのがおすすめです。
山野さん:また育毛剤は髪ではなく、頭皮に揉み込みながらつけることがポイントです。髪が長い人は、少しずつ分け目をつくってつけるといいですよ。

Q3.育毛剤は薄毛が気になる部分だけつければいい?

Oさん:側頭部はまだフサフサなので大丈夫だろうと(笑)。育毛剤は、薄い部分に多めにつけています。

山野さん:頭皮の吸収量には限界があるので「つければつけるほどいい」というわけではないんですよ。また頭皮は顔とつながった1枚の皮なので、育毛剤は部分的ではなく全体につけて、頭皮環境全体を健やかにすることが大切です。

Oさん:なるほど!ちなみに育毛剤は、どのぐらい続けたら効果を感じられるものですか?

山野さん:悩みの深さや使用する育毛剤によって違いますが、毛周期を考えると6か月ぐらいはかかりますね。

毛穴には、髪が抜けた後に休止期が2~3か月ありますし、発毛してからは2~6年かけて成長していきます。「ボリュームがでてきた」「産毛がでてきた」と実感するためには、最低でも6か月の継続をおすすめします。

Oさん:発毛促進は、長い目で見ていくことが大切なんですね!

Q4.髪はタンパク質(ケラチン)でできているから、肉をモリモリ食べるといい?

Mさん:肉が大好きなので、髪に良いならうれしいですね。昼食では牛丼や生姜焼き定食をよく食べています。1日3食、肉でもOKです!

山野さん:う~ん…。もちろんタンパク質は発毛に欠かせない栄養素ですが、それだけではダメなんです。
食事からとったタンパク質は、一度アミノ酸まで分解されます。そこからタンパク質(ケラチン)に再合成するには、亜鉛の力が必要なんですよ。

Mさん:亜鉛はどんな食べ物に多いんですか?

山野さん:カキやホタテなどの魚介類ですね。でも亜鉛は、肉や野菜、海藻、豆などにも含まれています。亜鉛だけでなく、栄養バランスのいい食事が髪の材料になるので、偏らないように気をつけてみてください。

Q5.薄毛を助長する生活習慣ってありますか?

Oさん:仕事で疲れると、ソファでお酒を飲みながらゴロゴロしてしまい、寝るのが遅くなることがよくあります。

Mさん:僕も同じです!あと、たばこは体に悪いとわかっているんですが、1日1箱は吸ってしまいます…。

山野さん:ご心配の通りなんですが、たばこと睡眠不足は育毛の大敵です。
たばこを吸うと毛細血管が収縮するので、頭皮の血行不良につながります。血管をつくるために必要な、ビタミンCも大量に消費されてしまうんですよ。

Mさん:今すぐ禁煙はムリだなぁ…。睡眠に関しては、休日にたっぷり寝だめすれば大丈夫でしょうか。

山野さん:いえいえ、睡眠は「質」も大事なんです。日中に受けた体や頭皮のダメージは、夜眠っているときに分泌される「成長ホルモン」によって修復されます。とくに分泌が活発になるのが、寝付いてからの3時間なんですよ。このときにぐっすり深く眠るのがポイントです。

またヒトは、朝の光を浴びてから14時間以降に眠くなる[1] といわれています。寝だめして起きる時間が遅くなると、夜なかなか寝付けなくなって、睡眠の質が低下してしまいます。

Oさん:そうか…昼まで長く眠っても、成長ホルモンは増えないんですね。

山野さん:そうですね。毎日の睡眠時間が少ないと、頭皮や髪のダメージが蓄積することになります。

Mさん:成長ホルモンって、大人になっても分泌されるものなのですか?

山野さん:睡眠中の成長ホルモンは30代から減少する[2] といわれていますが、睡眠不足は血行不良にも大きく影響します。年代問わず睡眠は大切にしてほしいですね。
また寝る前にお酒を飲むと、途中で目覚めやすくなるので、なるべく控えましょう。

Oさん:身に覚えがありすぎて…困ったな(笑)。

山野さん:体に悪いことは、やっぱり髪にも悪いんです。とはいっても間違った習慣をいっぺんに改善するのは難しいので、無理なくできることから始めましょう。まずはシャンプーの仕方や育毛剤の付け方から気を付けてみてくださいね。

[1]三島 和夫. “不眠症”e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/(参照2020-07-17)
[2]“睡眠時間と成長ホルモンの分泌量” 日本医事新報社webサイト.https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=8215(参照2020-07-17)