肌のターンオーバーを促進させる方法~促進され過ぎるデメリットも解説~
「ターンオーバーを促進する」と謳ったスキンケア商品は沢山あります。
実際、ターンオーバーが遅くなると様々な肌トラブルが起こり、ターンオーバーを促進することでそれらは改善、予防できます。
しかし、ターンオーバーは早ければ早いほど良いのでしょうか。
それは間違いです。
一概にターンオーバーを促進すればいいというものではありません。ターンオーバーが促進され過ぎることで起こる肌トラブルもあるからです。
この記事では医師監修のもと、ターンオーバーの促進についてメリット・デメリットの両面から解説します。
この記事の監修者
秋間 雄策
フローラクリニック院長
美容皮膚科・美容外科医。大手美容外科含む複数の美容クリニックで院長を歴任し、2021年に『フローラクリニック』を開院
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。
【おさらい】肌のターンオーバーとは
まずはターンオーバーの仕組みについて、簡単におさらいしましょう。
肌の細胞が一定の周期で生まれ変わること
一般的に、新しい細胞が生まれ角質細胞となるまでに約14日、その角質細胞が一番外側にきてはがれ落ちるまでに約14日の計28日と言われています。
周期は年齢によっても変わり、個人差があります。
ターンオーバー周期の計算方法
ターンオーバーの周期には諸説あります。
・28日(4週間周期)
・年齢×1.5 ・28日+年齢 例.30歳だと、28日+30日=58日 |
ターンオーバーの仕組みについて、詳しくは「【図解】肌のターンオーバーとは?年齢と共に周期が遅くなる原因と対策」をご覧ください。
ターンオーバーは加齢とともに遅くなる傾向がありますが、加齢以外にもターンオーバーが遅くなってしまう原因があります。
ターンオーバーが遅延する原因と、そのデメリット
ターンオーバーが遅くなる、促進されない原因は加齢ほか、主に生活習慣の乱れが挙げられます。細かくみていきましょう。
ターンオーバーが促進されない原因
➀ 睡眠不足
睡眠も健康な肌をつくるための大切な要素です。睡眠時間が不十分だと、ターンオーバーを促す成長ホルモンの分泌が妨げられます。
➁ 食生活の乱れ
肌を作るために必要なたんぱく質やビタミンが足りていない食生活、また過剰に消費してしまっている場合、ターンオーバーは遅くなります。
➂ 運動不足
慢性的に運動不足が続くと、血行不良につながります。すると、末端の毛細血管への血行も悪くなり、肌への栄養供給が足りなくなります。その結果、新陳代謝の結果である老廃物を溶かして静脈やリンパ管に取り込む働きも弱くなり、ターンオーバーは促進されなくなります。
④ 喫煙、飲酒
喫煙は血管を収縮させ、血流を悪くします。前述したように、血流が悪くなるとターンオーバーは遅くなります。
また、飲酒は肝臓に負担をかけます。肝臓にはターンオーバーを促す働きがあるビタミンAが多く蓄積されているのですが、それらを消費してしまうことになり、結果としてターンオーバーは遅くなります。
⑤ ストレス
「皮膚は内臓の鏡」と言われているように、ストレスがあると血色が悪くなったり、刺激を受けやすくなります。過度なストレスは皮膚の血管の収縮機能の低下を招き、ターンオーバーが正常に行われなくなります。
ターンオーバーが促進されないことで起こる肌トラブル
ターンオーバーが促進されないことによって起こる肌トラブルには、次のようなものがあります。
➀乾燥
血行不良により栄養の供給・老廃物の代謝が行われないと、水分も不足します。
その結果、古い角質が肌の表面に留まり、カサカサ・ゴワゴワした肌になります。
②ニキビ・吹き出物
乾燥による毛穴の広がりと角層が厚くなることにより、ニキビ・吹き出物(尋常性ざ瘡)ができやすくなります。
③シミ
ターンオーバーが正常な肌では、真皮のメラノサイトから生成されてしまったメラニン(シミの色素)は時間とともに肌の表面に上がってきます。そしていずれは古い角質として剥がれ落ちることで、徐々にシミは薄くなります。
しかしターンオーバーが遅いと、いつまでもメラニンが肌の中に留まり、また新たに生成されるメラニンも増えることで、シミができてしまいます。
④くすみ
くすみの原因は大きく分けると、以下の5つです。
➀ 紫外線
➁ 糖化による酸化 ➂ 血行不良 ④ 乾燥による水分不足 ⑤ ターンオーバーの遅れによる角層の厚さ |
このように肌のくすみは、ターンオーバーの遅れ以外にも様々な原因がありますが、ターンオーバーを正常にすることで乾燥も予防、改善することができます。
⑤シワ
ターンオーバーが遅くなることで肌の乾燥が慢性的に続くと、乾燥性の小ジワができてしまいます。逆に言えば、乾燥性の小ジワは肌のターンオーバーを促進させることで改善できます。
ターンオーバーを促進させる4つの方法
肌のターンオーバーが遅くなると様々な肌トラブルを招くわけですが、ターンオーバーは次のような方法で促進させることができます。
・温かく、高タンパク、様々なビタミンを含む食事を意識する
・継続可能な運動で基礎代謝を上げる ・良質な睡眠でストレスケア ・保湿 |
ひとつずつ説明していきます。
温かく、高タンパク、様々なビタミンを含む食事を意識する
日々の食事を改善することは、そのまま肌の改善につながります。
冷たい食べ物は体温、新陳代謝を下げてしまうので、なるべく温かいものを食べるようにしましょう。
また、栄養面では肌の材料となるタンパク質、肌ケアに欠かせないビタミン類を豊富に含んだ食事が理想です。とくにビタミンA、B2、C、Eはいずれも肌に素晴らしい働きをもたらしてくれます。
種類 | 働き | 食材 |
ビタミンA | 表面の油分を守る | レバー、バター、卵、牛乳 |
ビタミンB2 | 皮膚の新陳代謝を盛んにする | レバー、ハツ、チーズ、卵、焼きのり、アーモンド |
ビタミンC | キメを整える、トーンアップ、ハリが出る | 柑橘類、イチゴ、大根おろし、パセリ、にら |
ビタミンE | 血行を良くする | 卵、アーモンド、オリーブオイル、アボカド、大豆 |
継続可能な運動で基礎代謝を上げる
運動を続けることで血行がよくなり、全身の新陳代謝アップにつながります。
また、筋トレなどの無酸素運動で筋量を増やして基礎代謝を上げることで、冷えにくい体作りにもなります。
無理せず、続けられることを少しずつ取り入れてみてください。
良質な睡眠でストレスケア
十分に睡眠をとることは、成長ホルモンの分泌を活発にしてターンオーバーを促進するだけでなく、ストレスをためないという意味でも重要です。
就寝直前のスマホやPCの閲覧、カフェイン摂取を控えたり、寝具を新調するなど心地よく就寝できる環境を整えましょう。
それとは別に、枕カバーをこまめに変えるか、タオルを敷いて簡単に変えられるようにするなど清潔な環境をつくり、肌トラブルを予防しましょう。
保湿
ターンオーバーが遅くなった肌は、古い角質層が溜まった状態であり、乾燥しやすくなっています。肌に潤いを与える、保つことはターンオーバーを促進する上で非常に大切です。
洗顔後や入浴後の清潔な肌に化粧水で水分を与え、乳液やクリームなどの油分で潤いが逃げないようにしっかりふたをしましょう。
ポイントは化粧水をたっぷりと使うことです。シートやコットンを使ってパックするのもいいでしょう。
ターンオーバーは早すぎても遅すぎてもいけない
ターンオーバーを促進させる方法をここまで紹介してきましたが、実はターンオーバーは早すぎても肌トラブルの原因になります。
肌のターンオーバーが早くなりすぎる2つの原因
①紫外線や乾燥などの外的ダメージ
肌は紫外線や乾燥などの外的ダメージを受けると、それらを修復しようと過剰にターンオーバーを早めてしまい、未成熟な角質細胞が肌の表面に表れてます。日焼けで剥けた後のピカピカした肌がその状態です。
この不十分な角質細胞ができることで肌はますます乾燥するという負のスパイラルに陥ります。
②スキンケアによる摩擦
スクラブ入りの化粧品を使ったり、ゴシゴシ擦るような洗顔をすると、直後は肌がつるつるになった気がして気持ちが良いものです。しかし、刺激が強すぎると必要以上に角質をとってしまいます。すると、それを修復しようとターンオーバーは早くなります。
また、ピーリングにも注意しましょう。ピーリング成分が含まれた化粧品はドラッグストアでも入手することが可能で身近な存在です。グリコール酸(AHA)、サリチル酸(BHA)、ラクトビオン酸(PHA)、レチノール、トレチノインなどがメジャーです。
しかし、それらも使いすぎるとターンオーバーが過剰になり、肌のバリア機能が働かなくなってしまいます。赤みやピリピリする感覚があったら、使うのを中止して、まずは保湿・鎮静に努めましょう。
ターンオーバーが促進されすぎる4つの肌トラブル
ターンオーバーが促進されすぎることで起こる肌トラブルは、ターンオーバーが遅いことで起こるトラブルと似ています。
➀ 敏感肌
敏感肌は生まれつきの肌質ではなく、ターンオーバーが早すぎる状態だといわれています。
未熟なままの細胞が上に押し上げられたせいで、肌本来の外的刺激から守ること=バリア機能が不全な状態になっているのが敏感肌です。
➁ 乾燥肌
ターンオーバーが早すぎると角層細胞において肌の水分を保有するための天然保湿因子が十分に作られません。これも、未熟な細胞が表面に押し上げられることが原因です。
③ハリや弾力の低下、くすみの原因になる
肌を守る機能が正常に働いていないため、潤いが保つことができません。
その結果、皮膚のハリや弾力が低下してしまいます。
④毛穴が目立つ
角質細胞の成長が不十分なので、ターンオーバーの最終段階である垢としてうまく剥がれ落ちなくなります。
そして角栓として毛穴にたまり、毛穴の広がり・汚れが目立つ状態になってしまいます。
ターンオーバーが早まるのを防ぐには外部刺激へのケアを徹底しよう
ターンオーバーが早まる原因は、主に紫外線や乾燥といった外的刺激です。
とくに紫外線は日焼けや乾燥、シミ、シワなど多くの肌トラブルをもたらします。
日焼け止めクリーム、日傘など紫外線対策は夏の時期だけでなく、年中徹底するのがベストです。
高機能UVクリーム「オール デイ UV ディフェンス」
日焼け止めと言えば肌が乾燥したり塗り直しが面倒なイメージが強いですが、「オール デイ UV ディフェンス」は夕方までうるおい長持ちします。UV対策機能だけでなく、ヒアルロン酸3種をはじめ、美容成分が豊富に含まれているのも特徴です。
また、花粉やほこり、PM2.5などの外部ストレスからも肌を守ってくれます。1年中使えるUVクリームとしてご活用いただけます。
いつもの化粧水に「ビタブリッドCフェイス」をプラスして日焼けケア
ビタミンCには様々な美容効果がありますが、美白効果もそのひとつです。というのも、肌は紫外線からのダメージを受けるとメラニンを過剰に作り、それがシミやそばかすになるわけですが、ビタミンCにはメラニンの生成を抑える働きがあるからです。
このようにビタミンCは日焼けのケアに有効ですが、酸化しやすく、壊れやすいため、肌に浸透しにくいという弱点があります。その酸化しやすいビタミンCをミネラル層で保護することにより、肌に深く継続的に浸透させることを可能にしたのが「ビタブリッドCフェイス」です。
パウダー状になっていて、いつもの化粧水にちょい足しするだけなので、使いやすさも魅力です。
ターンオーバーは「正常」に保つことが大事
ターンオーバーが遅延する、または促進され過ぎるデメリットを両方紹介しました。ターンオーバーが遅くなる主な原因は加齢です。加齢に抗うことはできません。
しかし、少しでも食事やスキンケアなどを変えていくことで、肌の見た目や触り心地をよりよくすることは可能です。
できることから取り入れて継続し、5年後、10年後の肌を変えましょう。
参考文献
「美容の皮膚科学」 南山堂 安田利顕 著 漆畑修 改定 改定9版 「アンチエイジング医療最前線 本当に安心できる医療ガイド」 KKロングセラーズ 末武信弘 著 |

毎日の生活でほんの少しでも"美容って楽しい"と思ってほしい。そんな気持ちで、美に関する情報を発信していきますので、見ていただけると嬉しいです。