【医師監修】カラダが酸化するとどうなる?対策は?

Skincare

酸化って何?ヒトの肌やカラダも酸化する?

酸化と聞いてイメージが湧きやすいのは、リンゴの断面ではないでしょうか。

リンゴが酸化すると黒くなるように、人間のカラダも酸化します。

※イメージです

肌が酸化したら・・・考えただけでぞっとしますよね・・・

そこで今回は気になる酸化についての疑問にお答えしたいと思います!

この記事の監修者

 

監修者

上田悠理

在宅クリニック院⻑として⾼齢者の褥瘡管理を中⼼に常に150名以上の⾼齢者ケアに携わる。

臨床を継続する傍ら、ビジネスと医療をつなぐ翻訳家、ヘルステックプロモーターとして活動。

2017年よりヘルステック領域のグローバルカンファレンスのプロデューサーとして活動を開始し、現在までヘルスケア領域のイノベーションのハブとして、⽇本のみならずアメリカ、アジア、ヨーロッパなどでの登壇実績がある。

その他、企業の新規事業開発⽀援や国内外の学術機関との共同研究の推進、 ベンチャー⽀援、執筆や講演など、ヘルスケア領域のエコシステム創造を掲げて積極的に活動している。

早稲⽥⼤学法学部卒業後、岡⼭⼤学医学部に学⼠編⼊し医師免許を取得。 在学中に⼥優・アイドルとしての活動やバーの経営、唎酒師、バックパッカーとして地球を周回するなど異⾊の経歴をもつ「⾃由すぎる⼥医」。

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

Q. 酸化の仕組みや原因は何ですか?

A. 酸化とは物質が電子を失う化学反応のことです。
生物は酸化反応を利用してエネルギーを作っていますが、その過程で「活性酸素」というものが発生します。活性酸素自体は体内で必要不可欠なものですが、過剰に産生されてしまうと様々な病気、不調の原因になってしまいます。
人間は過剰な活性酸素から体を守るため“抗酸化作用”という仕組みを持っています。活性酸素の発生と抗酸化作用のバランスが崩れた状態を酸化ストレスといい、酸化ストレスを引き起こす原因は、飲酒や喫煙だけでなく、紫外線、ストレス、睡眠不足、加齢など日常生活で避けられないものが多くあります
特に、酸化ストレスが肌に及ぼす影響は、すぐにトラブルにつながるのではなく徐々に進行するため、日ごろから抗酸化作用を良好に保つことで酸化ストレスを防止する必要があります。

 

 

Q. 酸化ストレス対策は必要ですか?

A. 酸化ストレス※注1状態が続くと、活性酸素がDNAやたんぱく質、脂質を障害し、老化が進みます。

特に、肌は紫外線や大気汚染など酸化ストレスの原因との接触が多いため、健康的な肌を維持したい場合には抗酸化力の向上は必要です。

酸化ストレスによる肌のトラブルは徐々に進行するため、日常的な対策が必要になります。

※注1 酸化ストレスとは、活性酸素の産生と抗酸化作用のバランスが崩れた状態のこと。

 

Q. 酸化ストレスがもたらす影響は?

A. 酸化ストレスが誘因となり、シミの原因となるメラニンの増加や肌の張りを保つ役割を担うコラーゲンの破壊がおき、シミ・シワ・たるみなど、肌の老化の原因となります。

これは顔に限ったことではなく全身に言えることです。

例えば、腕や首元などのシワやたるみ、髪のパサつきにも影響があると言われています。

 

Q. サプリメントで補助することに意味はありますか?

A. 抗酸化作用を維持するためには、バランスのとれた食生活、適度な運動、十分な休養を意識して毎日の生活を送ることが重要です。

しかし、日々様々な環境・ストレスにさらされている我々にとって、酸化ストレスを予防し続けることは簡単なことではありません。

このため、必要な栄養素をサプリメントなどで適切に補うことも有益だと考えています。

あくまでも補助的なものですが、日々の食事を楽しみつつ、足りない栄養をプラスする選択肢は、抗酸化作用の維持のみならず、生活の満足度の向上にもつながるでしょう。

Q. 酸化・糖化は両方ケアする必要がありますか?

A. 近年、生体内の糖化反応としてタンパク糖化反応により生じるAGEs (Advanced Glycation End Products、糖化最終産物)が老化にも関係あるとして注目されています。

元々、糖尿病の微小血管障害、末梢神経障害などに関わる物質として研究が進められていますが、皮膚の老化にも影響を及ぼす可能性が言及されています。

また、AGEsの産生過程、糖化反応において、酸化ストレス環境下で除去しきれない活性酸素が反応を加速させるため、特に加齢や紫外線で皮膚の抗酸化作用が低下している場合、皮膚の老化の影響が出やすなります。

酸化と糖化には負のスパイラルとなりうる関係性があるため、双方のケアが必要となります。

 

>>酸化と糖化の負のスパイラルに関して詳細はこちらの記事をご覧ください。

Q. 酸化ストレスは若い人でも気を付けるべきですか?

A. 体内の抗酸化力を示す抗酸化酵素の一つであるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の産生誘導能は加齢と共に減少を始め、年齢と共に急速に低下していきます。

若い世代でも紫外線や飲酒・喫煙などの生活習慣、ストレスによって体内の抗酸化成分が十分でなく、活性酸素を分解して酸化ストレスを減少させる力が不足している場合があります。

特に、飲酒や喫煙が習慣となっている人や日常的に激しい運動をする人、食事のバランスがとれていない人などでは酸化ストレスが蓄積している可能性が高いため、若い人でも酸化ストレスに十分気をつけて生活することが大切です。

 

Q. 酸化ストレス対策で大切なことはなんですか?

A. 以下の点に気をつけましょう。

酸化ストレス対策・紫外線対策

・精神的なストレスを溜めない

・喫煙を避ける

・適度な運動(過度な運動は酸化ストレスを上昇させる)

・十分な睡眠

・バランスのとれた食事

・酸化された食品を摂取しない

Q. 酸化と加齢は関係がありますか?

A. 酸化と年齢は関係があります。

加齢に伴い、酸化ストレスの原因となる活性酸素を除去するからだの中の抗酸化酵素(SODやCAT)の産生誘導能が減少していきます。加齢とともに急激に抗酸化酵素が減少していくため、内因性の抗酸化能が低下していきます。

抗酸化能の低下により活性酸素の除去能力が低下し、酸化ストレスによりコラーゲン分解酵素が増加し、肌のハリやツヤがなくなったり、メラニン増加によりしみが増えたりするため、見た目から老けた印象になってしまいます。

 

Q. サプリメントで酸化ケアをする場合、最初に変化を感じるまでにどのくらい時間が必要ですか?

 

POINTサプリメントは短期間での効果実感が難しい。バランスの良い状態を継続する事が大事。

A. サプリメントは日々の食事のバランスを補助する役割を担います。従って、短期的に効果を実感するのが難しくなっています。

また、各個人の今の生体内の状態や酸化ストレスレベル、栄養の摂取状況によっても体感は変わってきます。

しかし、バランスの良い状態を継続することで、抗酸化作用を底上げし、酸化ストレスが生じない体内環境に導くことができます。

 

Q. サプリメントを1回でも忘れるとやる気がなくなってしまうことがあるのですが、このくらいならセーフ!というラインはあるものですか?

POINTサプリメントは日々の食事のバランスを補助する役割を担い、長期的に作用するもの!食事と併せて良いバランスを続けることが大切!

A. 各成分によって基準や作用機序が異なるため、一概に「ここまではセーフ!」というのは難しいです。ただし、先述の通り、サプリメントは日々の食事のバランスを補助する役割を担い、長期的に作用するものです。

従って、「1日飲み忘れたからもう意味がない」ものではなく、あくまでも、食事と併せて良いバランスを続けることが大切になります。

「今日はダメだった」と自分を責めるのではなく、「今日のバランスは良かった!」と褒めてあげましょう。

せっかく栄養バランスを整えて抗酸化作用を期待するのに、精神的ストレスで別の酸化ストレスを増やす必要はありません。

 

Q. 酸化ストレスにさらされている可能性があるチェックリストを作るとしたらどのような項目がありますか?

 

A. 下記の項目に当てはまったら要注意!!

CHECK LIST・日焼け対策をきちんとしていない  

・タバコを吸う  

・ストレスを感じやすい  

・お酒を飲む習慣がある  

・好き嫌いが多い  

・激しい運動を習慣にしている  

・睡眠不足だ

最後に

いかがでしたか?酸化についての疑問が解消できたでしょうか?

繰り返しになりますが、酸化ケアに大切なのは生活習慣です。

バランスの良い食事、十分な睡眠、上手なストレス解消、軽い運動等 生活習慣に気をつけて、サプリメントも上手に活用しながら酸化ストレス対策を行っていきましょう。

少しでも参考になれば幸いです。