【医師監修】シミが消える仕組みとは?前兆はある?タイプ別の適切なケアと対策

Skincare

美白ケアをしているはずなのに

濃くなっているような?

そんな経験はありませんか?

今回は、シミが消える仕組み、消える前兆で起こることについて解説します。

この記事の監修者

葉山愛弥医師

 

監修者葉山 愛弥
吉祥寺まなみ皮膚科 院長
日本大学医学部医学科卒業、東京女子医科大学病院皮膚科にて、助教、副病棟長、皮膚病理組織チーフ等、多くの臨床経験を積む。
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 厚生省認定 臨床研修指導医講習会修了

シミが出来る5つの要因

シミが出来る仕組み

  • 紫外線
  • ターンオーバーの乱れ
  • 女性ホルモンの変化
  • 肌への刺激
  • 活性酸素(酸化)

シミが出来る要因は5つあります。

主に、シミが発生するメカニズムは、肌の表皮にいるメラノサイトが刺激され、黒色メラニンが生成、蓄積すること、メラノサイトそのものが過剰に産生されることです。

色の濃度や色味に差がでるのは、シミができる皮膚の深さが原因です。

青空

メラニンは、紫外線を吸収して紫外線から肌にとって大切な毛や血管、皮脂腺や汗腺のある真皮を守り、皮膚癌の発生を抑える役割があるため、決して悪いものではありません。紫外線を多く浴びると日焼けをするのは、メラニンがきちんと皮膚を守ってくれている証拠なのです。しかし、過剰に生成されると肌に蓄積されてしまい、シミとして現れてしまいます。また、年齢を重ねることでターンオーバーが遅くなることもメラミンが蓄積されやすくなる理由のひとつです。

ポイントメラニンが過剰に生成され、蓄積されるとシミになります。

シミが消える仕組み

シミは消える?消えない

美白ケアを始めると一番気になるポイントです。
正直、できてしまったシミがスキンケアで簡単に消える方法はありません。ただし、適切なケアや予防を行うことで薄くすること、増やさないことは可能です。

シミが消える仕組み

ターンオーバーが正常な皮膚では、メラニンも古い角質のように徐々に表皮から排出されます。そのため、シミの原因になるメラニンが肌に溜まりません。クリニックで実施するレーザー治療では、メラニンを分解し、強制的に浮かび上がらせることで排出をしています。

  • メラニン生成を抑える
  • メラニンの酸化(黒くなる)を抑える
  • ターンオーバーを正常に戻す

スキンケアでシミを薄くしたい場合、

 

  • 原因のメラニンの生成と酸化をを抑える
  • 皮膚内のメラニンの排出を促進する

という2点からのケアが大切です。

顔の肌のターンオーバーは20代では30日前後。50代になると55日前後と年齢を重ねると遅くなると言われていますので、年齢を重ねた肌ほど、注意が必要です。若い頃はシミができにくかったのにと思うのは、これが要因の一つです。

ポイントシミのケアをするならメラニン生成抑制と排出促進が大事!

シミが消える前兆はある?

鏡を見る女性

美白ケアを始めてしばらくすると、以前よりシミが濃くなったように感じることはないでしょうか。

前述でもあるように、シミは、ターンオーバーにより徐々に表面に押し出され排出されます。

さらに、表面にあるほど薄い茶色に見える場合が多いです。

  • 肌の全体の透明感がアップした
  • ターンオーバーにより表面に近くなった

シミケアを始めたことで、上記理由により一時的にシミの色調に変化を感じる場合があります。これが、シミが濃くなってしまったのでは?と思う原因です。

肌にかゆみや、湿疹などの異常を感じる場合を除き、好転的な影響の可能性があります。特に、ケアを始めて1か月程度で感じる人が多いです。肌のターンオーバーのサイクルが遅くなっていることを想定して3ヶ月程度は様子を見る期間として続けてみましょう。

ただし、肌に異常を感じた場合は、専門医での受診をおすすめします。

ポイント肌に異常がない場合は、好転的な影響の可能性あり。

シミは色味と位置がポイント

シミの種類

シミには大きく分類すると5つあります。

それぞれ、主な原因、できる位置や色味に違いがあるので、気になっているシミを確認してみてください。シミの色味に違いがでるのは、黒色メラニンの量とシミが出来る深さによるもの。皮膚表面に近いほど茶色みが薄くなります。逆に真皮層まで深くなると灰色や青みがかる場合もあります。

シミが消える仕組み

なぜシミを見分ける必要があるのかというと、シミの種類によって薄くなりやすいもの、なりにくいものが存在するからです。

日光性色素斑や炎症後色素沈着など皮膚表面に近い茶色味が強いシミは、適切な美白ケアを続けることで薄くなったことが実感しやすいシミです。逆に、奥深い真皮層にあるシミや、遺伝的要因が大きいそばかすは、スキンケアでの実感が難しく、時間がかかります。

スキンケアでのシミ対策において大事なことは、シミを完全に無くすことではなく、少しでも薄くすること、これ以上濃くなったり、増やさないことです。美白ケアで効果を感じにくい人は、一度自分のシミがどれにあたるのかチェックしてみてください。

ポイントシミは種類によって、薄くなりやすさが違うため、自分のシミがどれか知ることが大事。

消えにくい!真皮層のシミ

真皮層のシミ

シミの中でも、特に対処が難しいと言われているのが、肌の奥深くの真皮層にできるシミ。

ほとんどの場合、シミはメラニンは皮膚の浅い部分(表皮の基底層)にあります。茶色や黒みがかった色調のシミ・そばかすは、この皮膚の比較的浅い部分にあるメラニンが原因であることが多いです。このタイプの浅いところにできたシミは、肌のターンオーバーが正常に行われることで、メラニンが排出され、だんだんと色が薄くなり、消えます。

しかし、10代の頃から現れ、灰色、青みがかった茶色のものは、もしかすると、皮膚の奥深くにある「真皮層」にメラノサイトが増えてできている可能性があります。この肌奥深くできるシミは「ADM(=後天性真皮メラノサイトーシス)」と呼ばれ、太田母斑の一種です。

ADMはスキンケアで消すことは難しく、レーザー治療が効果的です。

一部のレーザーでは保険適応になりますので、専門医の診察をお勧めします。

ポイント肌の奥にできるADMは、スキンケアではなく専門医での診察を。

“色味"と"位置"に特徴がある

できたシミがADMかどうか見分けるには、何を見れば良いのでしょう?

注目すべきはその色味です。

他のシミは、茶褐色ですが、ADMは灰色や青みがかった茶褐色をしている傾向にあります。メラニン色素は、その深さによって、表皮に近いものから褐色→灰色→青色と色が変わって見えます。メラノサイトが肌深層に存在しているADMは、褐色以外にも、灰色や、青色に見えるものもあります。

さらにADMは肝斑などのように、両頬の上部に左右対称に出る傾向にあります。頬骨と下まぶたに点状、もしくは斑状に生じることが最も多いパターンです。鼻根部、こめかみ、目の周りなども発生しやすいと言われています。いずれにせよADMの場合、メラノサイトが肌深層に存在しており、年齢によっては他のシミと混在することもあり、特に肝斑との判別が難しいことがあります。

真皮層のシミを消すには?

肌悩み

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は皮膚の深い層である真皮層にあるため、一般的な美白化粧品の成分はほとんど届かず、薄くなりづらいです。

  •  レーザー治療

ADMはセルフケアで消すことが非常に難しいのが現状です。

クリニックでの治療の場合、レーザー治療が効果的ですが、3ヶ月毎に5回程度は照射が必要になります。つまり治療期間は、一般的なシミ治療と比較すると長くなります。

また、他のシミも含めてですが、レーザー治療を受けた場合、肌が一時的に炎症状態になります。そのため治療後に、紫外線ケアを怠るとその部分の色調が強くできる場合もありますので、適切な紫外線ケアも合わせて必要となります。大抵は数ヶ月の経過で薄くなります。

ADMは遺伝的な要因と言われてはいますが、はっきりとした原因が分かっていません。

現在、紫外線や肌への刺激が要因のひとつと考えられていますので、適切な紫外線ケアや肌の摩擦を避けることがADMの予防と言えます。

ポイントADMの原因はまだ解明されてないが、適切な紫外線ケアや摩擦を避けることは予防のひとつ。

ビタミンCはシミに効果があるのか

ビタミンC

ポイントビタミンCは、シミへの効果が期待できる

  • 抗酸化作用
  • 還元作用

ビタミンCがもつ二つの作用によりシミの原因のメラミン生成を抑え、酸化して黒くなってしまったメラニンを白く戻す効果が認められています。

メラニン生成を防ぐ(抗酸化作用)

メラノサイトがメラニンを過剰生成することで出来てしまうシミ。メラノサイトは、メラニンを作る際にチロシナーゼという酵素が必要になります。ビタミンCはこの酵素が活性化するのを抑えるので、メラニンができること、増えることを抑えることができます。

シミの色素を薄くする(還元作用)

ビタミンはできてしまった黒色メラニンを白く戻す還元作用があります。メラニンは褐色の色素ですが、徐々に黒くなりながら肌表面に定着することでシミとなります。ビタミンCには、メラニンが黒くなるのと同時にメラニン色素を薄くする働きもあります。

活性酸素を除去する(抗酸化作用)

最近、シミの原因として注目されている活性酸素。

発生の原因は、紫外線、ストレス、大気汚染、たばこなどに様々です。活性酸素が肌の表皮で発生することで、肌内では炎症が起こり、肌を守るため過剰なメラニンが生成されます。さらに、生成されたメラニンは活性酸素により酸化が進むことで、色が黒く変化しシミになってしまいます。

デメリットはないの?

鏡を見る女性

ビタミンCがシミに効果がありますが、どんなものでも効果があるというわけではありません。

  • 酸化しやすい
  • 体内に蓄積できない
  • 経口摂取では肌まで届きにくい

肌のシミ対策を目的とするのであれば、肌に直接塗布するスキンケアでのビタミンC使用をオススメします。
ビタミンCでのスキンケアを検討している場合、肌に浸透しやすい商品を選ぶこともポイントです。

ポイントビタミンCは、壊れやすく・蓄積しづらく・届けにくいのが弱点