【図解】ビタミンCの美容効果~シミ改善、美容液の使い方、食べ物~

Skincare

ビタミンCといえば、「美容と健康に良い」というイメージがある方も多いでしょう。

実際にビタミンCは美容的にも健康的にも沢山のメリットがあるわけですが、具体的にどのような効果があるのかをちゃんと知っている方は少ないのではないでしょうか。

今回はビタミンCの美容効果について詳しく解説します。ビタミンCの効果を高める摂取方法からビタミンCが豊富な食べ物も紹介していきます。

この記事の監修者

監修者藤堂 紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック開業医
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。

そもそもビタミンCとは?

ビタミンCは、一般名を「L-アスコルビン酸」といいます。

水溶性ビタミンの1種であり、壊血病を予防する成分として発見されました。

皮膚や腱、軟骨を生成するコラーゲンをつくるために欠かせない栄養素です。

ビタミンは身体のなかから作り出すことができないので、食事やサプリメント、基礎化粧品などで補わなければなりません。

ビタミンCの1日の必要量

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンCの推奨摂取量は成人で1日100mgとされています。

しかし、日本人のビタミンCの平均摂取量は94mgと若干不足傾向にあり、とくに20代、30代は66mgと推奨量からは大きく離れています。

平成28年「国民健康・栄養調査」の結果より

水溶性のビタミンCは基本的に体内に蓄積することができず、すぐに排出されてしまうため、こまめに摂ることが大事です。1日の推奨摂取量は100㎎ですが、3食に分けて摂るのがベストです。

ビタミンCの4つの美容効果

 

それでは、今回のメインテーマであるビタミンCの美容効果について解説します。

漠然と肌に良いイメージがあるビタミンCですが、具体的には次の4つの効果があるためです。

効果

  • 美白作用(シミ改善、予防)
  • ニキビの改善、予防
  • シワ、たるみの改善、予防
  • 日焼けした肌の回復

効果① 美白作用(シミ、そばかす改善)

 

美白作用は、ビタミンCの代表的な美肌効果と言われています。

 

ビタミンCには抗酸化作用があり、メラニンが黒い色素に変わるときに働く酵素(チロシナーゼ)の活性を阻害します。

肌のメラニン色素が黒くなるのを防いでくれるだけでなく、酸化して黒くなったメラニンを元に戻す作用もあります。

 

メラニンはシミやそばかすの原因ともなるので、それらを改善する効果もあるわけです。

 

またビタミンCには血行促進作用のあるビタミンEの働きをサポートするので、肌の新陳代謝アップも期待できます。

 

ビタミンCのシミ改善効果について詳しくは「【医師監修】シミ対策にはビタミンC!化粧品を塗る&サプリメントを飲むのが大切」をご覧ください。

 

効果② ニキビの改善、予防

ビタミンCはニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を抑制する働きがあるだけでなく、抗炎症作用もあります。

また、ストレスを抑える「副腎皮質ホルモン」の合成を促す働きもあるので、ストレスによる肌荒れを予防してくれます。

効果③ シワ、たるみの改善、予防

先述しましたが、ビタミンCはコラーゲンの生成を促す作用があります。

コラーゲンはタンパク質の1種であり、肌にハリ・つやを与えてくれますが、その量は加齢とともに低下してしまいます。

シワやたるみを予防するためにも一定のコラーゲン量をキープする必要があり、そのためにもビタミンCは非常に重要な役割を果たしています。

効果④ 日焼けした肌の回復

ビタミンCには肌の水分量をコントロールするセラミド(細胞間脂質)の合成を促す効果があります。

とくに夏場は強い紫外線によって肌の水分量は減ってしまいますが、セラミドによって肌のバリア機能・回復能力が高まります。

ビタミンCが不足するとどうなる?

これだけ多くの美肌効果があるビタミンCなので、不足すると様々な肌トラブルを招きます。それだけでなく、次のような健康障害を及ぼすこともあります。

不足すると…

  • 貧血
  • 風邪をひきやすい
  • 動機、息切れ
  • 毛細血管が弱くなる
  • ストレスの増大

美容以前に、健康の観点でビタミンCは欠かすことのできない栄養素なのです。

ビタミンCの過剰摂取はNG?

基本的に、ビタミンCは摂り過ぎても尿となって排出されるため問題はありません。

ただ、吸収率の高いサプリメント以外では過剰に経口摂取をすると腸などの消化器官に悪い影響(下痢など)を及ぼすことがあるので、その点は注意しましょう。

ビタミンCは「飲む」or「塗る」のどっちが効果的?

ビタミンCは食事、飲み物、サプリメントなど内側から摂取する方法と美容液など外側からのアプローチする方法があります。

「どちらがより良いの?」という気になる方も多いですが、結論から言うとどちらも必要です。というのも、ビタミンCは“吸収されにくい”という側面があるからです。

ビタミンCは吸収されにくい特性がある

ビタミンCを経口摂取したとしても、体内のあらゆる箇所に使われてしまうので、あっという間に消費されます。肌に届けるには別ルートが必要なのです。経口摂取が難しいだけでなく、ビタミンCは水に溶けやすく、酸化してしまうために肌に浸透しづらいという特性もあります。

体内に浸透しやすい「ビタミンC誘導体」とは

肌に浸透しづらい特性があるビタミンCですが、美容液など基礎化粧品に使われることが多いですよね。

化粧品などに配合されているのは、ビタミンCではなく「ビタミンC誘導体」です。

ビタミンC誘導体は、酸化しやすく、安定性が低いビタミンCに他の分子をくっつけることによりその弱点を改良したものです。化粧品のなかではその分子に守られることで安定して存在することができ、肌に触れることでビタミンCとして働きます。

肌の角質層へビタミンCの透過率を高め、長時間活性を持続することが可能になります。

ビタミンC美容液の効果的な使い方

体内に浸透しやすいビタミンC誘導体になっているとはいえ、ビタミンC美容液は正しい方法で使わないと、その効果は発揮されません。

ここでは、ビタミンC美容液を使う上で注意すべきポイントを紹介します。

乳液・クリームをつける前に使うのが鉄則

ビタミンC美容液を乳液、クリームをつけた後に使用する方がいますが、それだと上手く肌に浸透しません。使うタイミングは、洗顔をして化粧水をつけた後です。

ビタミンC美容液をつけた後に、その成分を閉じ込めるために乳液・クリームをつけましょう。

コットンではなく、手を使う

化粧水をつける際はコットンを使う方も多いですが、ビタミンC美容液はコットンだと浸透しにくくなります。手を使って、やさしく押さえるように塗るのがおすすめです。

気になる箇所には重ねづけ

シワやシミなど気になる箇所には重ねつけをすることでより効果が発揮されやすくなります。

ただし、過剰につけてもその効果が高まるわけではないので、つけすぎには注意しましょう。

用量・用法を守る

ビタミンC美容液は商品によって、用量や用法が異なります。

朝につけてはいけない「夜専用」のものもあれば、朝・夜の両方つけても問題ない美容液もあります。

また、保管場所にも注意しましょう。湿気がなく、直射日光の当たらない場所で保管しましょう。

日頃の食事でもビタミンCを意識して摂ろう

ビタミンCは体内で蓄積されないため、常時補給する必要があります。そのためには、日頃の食事でもビタミンCが多く含まれている食べ物を摂ることが重要です。

サプリメントで補給することも一案

1日に必要なビタミンC(100mg)を食事で摂るのは簡単ではありません。

とくに喫煙習慣がある方は注意が必要です。タバコを1本吸う毎に25mgが破壊されると言われています。禁煙することが理想ですが、吸収率」や浸透率の高いサプリメントでビタミンCを補うこともおすすめです。

ビタミンCが豊富に含まれる食べ物

ビタミンCを摂る方法はいくつかありますが、基本は食事から摂取することです。

食事からビタミンCをしっかり摂るためにするためには、ビタミンCが多く含まれている食べ物を知る必要があります。

ビタミンCは野菜、果物に多く含まれている

ビタミンCが多い主な食べ物は次の通りです。

 

食べ物 ビタミンC含有量(100gあたり)
アセロラ(酸味種) 1700mg
緑茶(せん茶) 260mg
焼きのり(あまのり) 210mg
赤ピーマン 170mg
ゆず 160mg
芽キャベツ 160mg
黄ピーマン 150mg
ブロッコリー 140mg
キウイフルーツ 140mg
アセロラ(10%果汁入り飲料) 120mg
すだち 110mg
レモン 100mg
青ピーマン 76mg
70mg
ドライマンゴー 69mg
いちご 62mg
ほうれん草 60mg
みずな 55mg
グレープフルーツジュース 53mg
レモン果汁 50mg
かぼす果汁 42mg
キャベツ 41mg
赤色ミニトマト 32mg
じゃがいも 28mg
黄色トマト 28mg
ラズベリー 22mg

参考: 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

※野菜、果物は全て生の状態の数値を表示

 

表をみても分かる通り、ビタミンCが豊富に含まれている食べ物は野菜、果物に多いです。

一般的にビタミンCが多いイメージがあるレモンですが、アセロラや赤ピーマンの方がビタミンCは多く含まれています。

ビタミンCは熱に弱い

ビタミンCが多い食材を調理する際には、その調理法に注意しましょう。

なぜなら、加熱することによって、ビタミンCの量が減ってしまうことがあるのです。例えば、芽キャベツは生の状態では100gあたり160mgのビタミンCが含まれていますが、茹でると110mgになります。逆にマンゴーは生では100gあたりのビタミンC量が19mgですが、乾燥させたドライマンゴーは69㎎に増えます。ただし、これは稀な例です。

基本的に、ほとんどの野菜、果物は加熱するとビタミンCが減ってしまうので、生で食べるのがベターです。

ビタミンCを摂りたいときにおすすめメニュー

最後に、ビタミンCが豊富な食材を使ったおすすめメニューをひとつ紹介します。

パプリカのレモンマリネ

材料パプリカ・・・1個

酢・・・大さじ1杯

レモン果汁・・・大さじ1杯

砂糖・・・小さじ1杯

塩コショウ・・・適量

レンジで加熱してもいいですが、ビタミンCの量を減らさないためにも、生で食べるのがおすすめです。パプリカを食べやすいサイズにカットして、あとはレモン果汁、酢など入れて和えるだけの簡単料理です。