日焼け対策にも日焼け後のケアにもビタミンCがいい理由【医師監修】

Skincare

「白く美しい肌を保ちたい、手に入れたい」と考える方にとって、日焼けは厳禁です。

 

ビタミンC系化粧品を日焼け対策、ケアにとして使っている方も多いですが、なんとなく使っているという方もいるしょう。

 

この記事では、改めて知ってもらいたいビタミンCの日焼け対策&ケア効果、効果を高めるおすすめの取り入れ方について解説します。

 

「ビタミンC系化粧品は朝に使って大丈夫?夜だけにしないとダメ?」など、よくある疑問にもお答えしているので、ぜひチェックしてみてください。

この記事の監修者

 

西田恭之

恵比寿美容クリニック院長

東海大学医学部医学科卒業。都内市中病院で初期研修後、消化器内科診療に従事。その後は人間ドックでの診療を続けながら恵比寿美容クリニックにて勤務し、現在は院長として診療に従事

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

ビタミンCは日焼け対策にも日焼け後のケアにもおすすめ

はじめに日焼け前と後、それぞれのシーン別にビタミンCが効果的である理由を解説します。

日焼け対策にビタミンCがよい理由

日焼け対策にビタミンCがよいと言われているのは、ビタミンCには抗酸化作用があるからです。

 

なぜ抗酸化作用が日焼け予防に役立つのかを説明するために、まずは日焼けによって肌が黒くなるメカニズムをおさらいしましょう。

 

1.紫外線に当たることで、体内で活性酸素が増加

2.活性酸素の増加を食い止めるため、メラノサイトと呼ばれる細胞がメラニン色素を生成

3.メラニン色素は黒い色素であるため、肌が黒くなる

 

抗酸化作用には、活性酸素を必要以上に作らせない働きがあります。そのため、日焼けを最小限にとどめることにつながるのです。

日焼け後の肌ケアにもよい理由

日焼け後の肌ケアにもビタミンCがよいと言われいるのは、美白効果もさることながら、ビタミンCが肌の水分量をコントロールするセラミド(細胞間脂質)の合成を促し、紫外線のダメージを受けた肌のバリア機能、回復機能を高める効果を持っているからです。

 

また、ビタミンCにはコラーゲンの生成促進効果もあるため、肌にハリや弾力を与えるといった美肌効果も得られます。

 

日焼けした後のケアについては「日焼けしたあとは正しくケアしないと治らない~独自調査で分かった事実~」でも詳しく解説しています。

日焼け対策特化!ビタミンCの効果的な取り入れ方

日焼け前の肌にも、日焼けした後の肌にも効果を発揮してくれるビタミンCですが、なるべくは日焼けをしないのが一番です。

 

ここでは、日焼け対策に特化したビタミンCの取り入れ方をご紹介します。食べ物からサプリメント、化粧品まで、さまざまなアプローチからビタミンCを活用する方法をチェックしましょう。

朝や夜に関係なく、食べ物からのビタミンC摂取は積極的に

ビタミンCは化粧品類で外から摂取するだけでなく、食べ物やサプリメントで内からも摂取することも大切です。

ビタミンC

ソラレンは気にしなくてもいい

食べ物の話に入る前に、日焼け対策と食べ物の話になるとよく出てくる「ソラレン」です。ソラレンとは日焼けを促進する成分であり、果物を中心に一部の食べ物に含まれています。とくにオレンジやグレープフルーツ、みかんなどいった柑橘類、キウイフルーツやいちじくといった果物は、ソラレンを含むため朝に摂るのはNGと言われることがあります。

 

しかし、キウイフルーツに関してはソラレンを含有していないことが駒沢女子大学の研究で判明しているほか、ほかの果物に関してもソラレン含有量はごくわずかです。日焼けを促進するレベルで摂取しようと思うと、相当量を食べなくてはいけない果物ばかりであることが分かっています。

 

※参考:駒沢女子大学HP「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします【拡散希望】

 

朝昼晩、時間を気にすることなく、ビタミンCの摂取は積極的にしましょう。唯一、グレープフルーツだけはやや高めのソラニン含有量であるため、気になるという方は朝の摂取を避けてもよいかもしれません。

ビタミンCが豊富な食べ物

ビタミンCは緑黄色野菜、果物に多く含まれています。

 

とくにビタミンCが多いのは、赤ピーマン(170mg)、黄ピーマン(150mg)、ブロッコリー(140mg)。果物では、アセロラ※2(1700mg)、キウイ(140mg)、レモン(100㎎)などです。

※カッコ内の数値は生の状態の可食部100gあたりのビタミンC量

※2 酸味種の場合

 

また、海苔などの海藻、サツマイモなどの根菜にもビタミンCは含まれています。

 

ビタミンCが多い食べ物については「ビタミンCが多い食べ物・飲み物ランキング20選~効率的な取り方~」で詳しく解説しています。

ビタミンCサプリは複数回に分けて飲めるものがおすすめ

 

ビタミンCの推奨量(成人女性で100㎎/日)を食べ物だけで摂取するのはなかなか難しいものです。ですので、サプリメントを活用するのもいいでしょう。

 

ビタミンCサプリを選ぶときは、1日分の摂取量が複数錠になっているものがおすすめです。ビタミンCは必要量以上になるとすぐに体外へと排出されてしまうため、一度に多く摂取してもあまり意味がないからです。

 

とくに日焼け対策を考えるのであれば、1日にわたって効果が得られるように、朝昼晩や朝晩など複数回に分けて飲みましょう。

 

また紫外線の影響は目からも受けると言われているため、ビタミンCサプリにプラスして、ルテインサプリを取り入れてもいいでしょう。

ビタミンC化粧品は朝に塗っても問題なし

ここ数年で話題になることが増えたソラレンですが、噂が一人歩きし、「ビタミンC系の化粧品を朝つけるのはNGなのではないか」という話もよく聞かれます。

 

しかし勘違いしてはいけないのが、ビタミンCそのものにソラレンが含まれている訳ではない、ということです。そのため、たとえ食べ物類からビタミンCを抽出している化粧品であったとしても、市販の化粧品であればまずソラレンは含まれません。朝でも夜でも安心して、ビタミンC化粧品をたっぷりと使ってください。

 

一方、レモン化粧水をはじめとした手作り化粧品を使っている場合には、ソラレンが含まれる可能性があります。とはいえ、含有量は少なく、「手作りビタミンC化粧品=日焼けしやすくなる」とはいえません。気になる方は避けたほうが無難である、といった話です。

肌に合った種類のビタミンC誘導体やピュアビタミンを選ぼう

ビタミンCはそのまま化粧品に含有すると酸化しやすいうえ、浸透力が低いといった難点があります。そのため一般的な化粧品では、ビタミンC誘導体として含有する、ピュアビタミンを特殊カプセルなどでコーティングする形で含有しています。

 

ビタミンC誘導体は大きく分けて3種類あり、ピュアビタミンも含めてそれぞれ特徴が異なります。下表を参考に自分の肌に合った成分が含まれた化粧品を選びましょう。

 

種類名 特徴&おすすめの人
APS(水溶性ビタミンC誘導体) ・早く、表皮に効果

・皮脂が気になる脂性肌や混合肌の方におすすめ

VC-IP(油溶性ビタミンC誘導体) ・ゆっくり、真皮に効果

・乾燥肌や敏感肌の方におすすめ

APPS(両溶性ビタミンC誘導体) ・早く、表皮と真皮に効果

・エイジングケアにおすすめ(※臨床段階)

ピュアビタミン ・効果は商品によるところが大きいが、基本的に浸透力が高く、持続性もある

・即効性を求める方におすすめ

「APS」は水溶性のビタミンC誘導体であるため、ローションやさらっとしたタイプの美容液に使われる傾向にあります。皮脂の分泌を抑える効果もあるため、皮脂が気になる方にはとくにおすすめです。

 

効果は比較的出やすいですが、その成分が届くのは表皮までなのが特徴。真皮のコラーゲン生成促進効果まで求める場合には、物足りなさを感じるかもしれません。

 

「VC-IP」は油溶性のビタミンC誘導体であるため、ジェルやクリーム、オイルタイプの美容液に使われる傾向にあります。また、比較的刺激が少ないことから、乾燥肌の方だけでなく敏感肌の方にもおすすめです。

 

真皮まで浸透しやすい成分ですが、浸透スピード自体はかなりゆっくりです。日焼け対策というよりは、保湿ケア向けといえます。

 

「APPS」は水溶性と油溶性の両方を兼ね備えたビタミンC誘導体です。水溶性の浸透スピードの高さと、油溶性の真皮にまで届きやすいといった、両方の良さを持ち合わせています。

 

しかしAPPSはビタミンC誘導体の中でも新しい成分であるため、まだデータが少ないのが難点です。ネズミを対象とした実験ではエイジングケア効果が実証されていますが、対ヒトではまだされていないため、確実に効果ありとはいえない現状です。

 

「ピュアビタミン」とは、その名前のとおり、ビタミンCそのものです。しかし先にお話したとおり、ビタミンCはそのままでは化粧品に向かないため、「ピュアビタミンC配合」としている化粧品はすべて、ピュアビタミンを特殊加工し含有していると考えてよいでしょう。

 

そのため効果に関しては、どのような特殊技術が使われているのかなど、メーカーの技術力に委ねられるところが大きいです。とはいえ、ビタミンCをそのまま届けることに重きを置いている化粧品が多いため、抗酸化作用やコラーゲンの生成促進など、ビタミンCが持つ効果を最大限発揮できるように配慮されている傾向にあります。