ビタミンCを摂りすぎると副作用などの症状はある?1日の摂取量は?

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ビタミンCを摂りすぎても健康な人であれば重篤な副作用はありませんが、下痢・便秘・腹痛等の症状が出る可能性はあります。ビタミンCの1日あたりの摂取量目安は、食事100mgサプリ1,000mg以下です。1日2,000mg以上は摂りすぎとなりますのでご注意ください。

「ビタミンCを摂りすぎても大丈夫?」

「ビタミンCを摂りすぎるとどうなる?副作用などの症状は?」

「ビタミンCの1日あたりの摂取量ってどのくらい?」

この記事をご覧のみなさんは、このようにお悩みかと思います。

 

結論から言いますと、ビタミンCを摂りすぎても、健康な人であれば重篤な副作用などはありませんので安心してください。

しかし、ビタミンCを摂りすぎると腹痛などの症状が出る可能性もありますし、吸収率が下がってしまうためおすすめできません。

この記事で、毎日の食事やサプリメントで、具体的にどのくらいビタミンCを摂取すれば良いのかを知りましょう。

 

 この記事の監修者

 

西田恭之

恵比寿美容クリニック院長

 

東海大学医学部医学科卒業。都内市中病院で初期研修後、消化器内科診療に従事。その後は人間ドックでの診療を続けながら恵比寿美容クリニックにて勤務し、現在は院長として診療に従事

 

ビタミンCを摂りすぎるとどうなる?副作用はある?

ビタミンCを摂りすぎても、健康な人であれば、重篤な副作用はありませんので安心してください。

実際に厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」においても、以下のように記載されています。

【引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」】

つまり、ビタミンCを摂りすぎても、消化器官で吸収されなかったビタミンCは尿として排出されるということです。

しかし慢性腎臓病患者の人がビタミンCを摂りすぎた場合、腎蓚酸結石のリスクが高まることが示されているとされています。

腎機能障害がある人は、ビタミンCの摂りすぎには注意が必要と言えるでしょう。

 

ビタミンCの摂りすぎによる一般的な症状

健康な人がビタミンCを摂りすぎた場合、重篤な副作用はないものの、吐き気・下痢・胃けいれん・腹痛などの症状が報告されています。

この理由は、消化器官内における、未吸収のビタミンCの浸透圧に起因するためです。

しかしこれは、サプリメントなどで1日に3~4gものビタミンCを摂取した結果となりますので、この記事内でご紹介するビタミンを守ればまず心配はありません。

 

ビタミンCを摂りすぎると吸収率が下がる

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンCを摂りすぎると吸収率が下がるとされています。

ビタミンCは1日あたり200mg程度までは吸収率が90%となりますが、1日1g以上になると吸収率は50%以下となります。

せっかくサプリメントでビタミンCを摂取しても、摂取量が多すぎるとその吸収率も下がってしまうということです。

サプリメントでビタミンCを摂取する場合、どのくらいの量を摂取するのかを考える必要があると言えるでしょう。

 

そもそもビタミンCとは?どんな効果があるの?

ビタミンCの1日あたりの摂取量を知る前に、まずはビタミンCの知識を深めておきましょう。

ビタミンCはアスコルビン酸とも呼ばれており、食べ物やサプリメントで摂取した後、消化器官から吸収されて血液中に送られます。

ビタミンCを摂取する方法は、毎日の食事やサプリメントからの摂取ですが、どのような形でビタミンCを摂取しても、その効果に変わりはありません。

ビタミンCは「水溶性ビタミン」に分類されるため、熱に弱く水に溶けやすいという性質があり、さらに体内に蓄積できないため、1日複数回に分けて少しずつ摂取することが大切です。

 

ビタミンCの効果と働き

ビタミンCには、皮膚や細胞のコラーゲンを合成するための酵素を助ける働きがあります。

「コラーゲン=肌の弾力」と解釈される方も多いですが、コラーゲンは皮膚だけではなく、血管や骨などで細胞同士を繋げる役目を担っています。

また、ビタミンCにはビタミンEと共に活性酸素を消去して、細胞を保護する働き(抗酸化作用)があります。

具体的には、シミの元となる皮膚のメラニン色素の生成を抑えたり、ニキビ改善、日焼け肌の回復のほか、風邪などの病気やストレスに対する免疫を高めてくれたりといった効果も期待できます。

ビタミンCの1日あたりの摂取量を知ろう

ビタミンCの摂りすぎを避けるためにも、1日あたりの摂取量を知りましょう。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンCは食品から摂取することを基本とし、サプリメントなどから1日あたり1,000mg以上の量を摂取することは推奨できない、とされています。

 

食事からのビタミンCの摂取推奨量は1100mg

ビタミンCを毎日の食事から摂取する場合、男性女性共に成人は1日あたり100mgが推奨量とされています。

しかし、妊婦・授乳婦・喫煙者などは、1日あたりの推奨量よりも多く摂取することが大切です。

ビタミンCが豊富に含まれる食べ物は、以下のような新鮮な野菜や果物ですので、毎日の献立を考える際の参考にしてください。

 

ビタミンCが豊富な食べ物 含有量/mg
果物 アセロラ(甘味種 800mg
キウイフルーツ 140mg
レモン 100mg
カキ 70mg
いちご 62mg
オレンジ 60mg
野菜 赤ピーマン 170mg
黄ピーマン 150mg
ブロッコリー 140mg
カリフラワー 81mg
にがうり 76mg
さやえんどう 60mg

【参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」】

※生の状態の可食部100gあたりの量を記載

 

毎日の食事でビタミンCを摂取する際は、上記の食べ物を生の状態で手早く水洗いして食べることが望ましいです。

またビタミンCは摂りすぎた分は尿として排出されるため、1日数回に分けてこまめに食べることを心がけましょう。

なお可食部100gを食べただけで、ビタミンC食事摂取基準を超えている食品もありますが、食べる量を制限する必要はありません。

 

サプリメントによるビタミンCの摂取推奨量は1,000mg以下

ビタミンCをサプリメントで摂取する場合、摂取量は1日あたり1,000g以下になるよう心がけましょう。

この理由は、記事の冒頭でご紹介した通り、ビタミンCを大量に摂取した場合は吸収率が下がってしまうためです。

また、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンCの摂取量と血液中濃度、体外排泄を検討した研究から、11,000mg以上を摂取する意味はないことが示されている、と明記されています。

もちろん、健康な人であれば1日あたり2,000mgのビタミンCをサプリメントで摂取しても健康上の問題はありませんが、食事からもビタミンCを摂取することを想定すると、1日1,000mg以下を目安にしたほうが良いでしょう。

 

ビタミンCの摂りすぎよりもビタミンC不足にご注意を

ビタミンCは摂りすぎよりも、ビタミン不足になってしまうことを心配しましょう。

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」の「栄養素等摂取量の1人1日あたりの平均値(ビタミンC)」を見ていると、若い世代ほどビタミンC不足であると言えます。

 

ビタミンC摂取量の1人1日あたりの平均値
年代 男性 女性
20代 62mg 62mg
30代 66mg 65mg
40代 76mg 74mg
50代 82mg 88mg
60代 102mg 118mg
70代 128mg 135mg

 

ビタミンCが不足すると、倦怠感などを感じやすくなってしまい、貧血や筋肉減少などの症状も出てしまいます。

また、美容面でのお話をすると、ビタミンC不足になると顔色が悪くなったり、お肌の弾力・ハリ・ツヤが低下してたるみが出やすくなったりしてしまいます。

健康な人であれば、ビタミンCの摂りすぎを心配するよりも、ビタミンC不足を心配したほうが良いと言えるでしょう。

 

健康な人もビタミンCの摂り過ぎには注意

健康な人がビタミンCを摂りすぎても、吸収されなかった分は尿として排出されるため、そこまで心配する必要はありません。

しかし、ビタミンCの摂りすぎによる、下痢・嘔吐・腹痛などの症状を避けるためにも、1日の摂取量を守りましょう。

毎日の食事でビタミンCを100mg以上摂取することが望ましいですが、どうしても難しい場合はサプリメントでビタミンCを補われることをおすすめします。

サプリメントでビタミンCを摂取するのであれば、1日あたり1,000mg以下になるよう心がけましょう。