乾燥肌の特徴とは?肌タイプ診断&スキンケア方法

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実は、完全な乾燥肌である人は少ないことをご存じでしょうか。

乾燥肌だと思い込んでいる方でも、混合肌(インナードライ)と呼ばれる肌タイプであるケースが多いです。

乾燥肌の特徴を調べようと思ったあなたも、「本当に私は乾燥肌なのだろうか……」と不安になったからではないでしょうか。

そこでこの記事では、乾燥肌と混合肌の特徴をまとめることで、肌タイプを簡単にセルフ診断できるようにしました。

肌タイプの見分け方がわからないと悩んでいるのなら、ぜひご参考ください。

この記事の監修者

 

吉岡 容子

医療法人容紘会高梨医院院長

東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設。

乾燥肌の特徴から肌タイプを診断しよう

乾燥肌の主な特徴は、以下のとおりです。

☑ 肌が粉をふきやすい

☑ 肌につっぱりを感じやすい

☑ 痛みやかゆみを感じやすい

☑ 目じりや口の周りにシワが目立つ

☑ 化粧ノリが悪く、落ちやすい

これらすべての特徴を持っているのなら、あなたは乾燥肌の可能性が高いでしょう。

しかし、ひとつでも当てはまらないものがあるようであれば、乾燥肌と診断するのは早計かもしれません。ひとつずつ詳細を確認し、自分の肌と照らし合わせてみてください。

肌が粉をふきやすい

肌の表面が白っぽく、粉をふいたような状態になっているのであれば、それは乾燥肌がかなり進んだ状態です。現状のケアに誤りがあるか、ケアが足りていないのかもしれません。

場合によっては、皮膚炎や乾皮症など、病気の症状として粉ふきが起きている可能性もあります。セルフケアで改善が見られない場合や、顔だけでなく全身に症状が見られる場合には、皮膚科の受診も検討しましょう。

肌につっぱりを感じやすい

日焼けや環境の変化により、一時的に肌がつっぱりやすくなることは乾燥肌でなくても起こり得ます。しかし、洗顔や入浴のたびにつっぱり感があるのなら、乾燥肌の可能性があるでしょう。一時的なケアではなく、根本的なケアを肌が求めている状態です。

痛みやかゆみを感じやすい

乾燥肌が深刻であればあるほど、痛みやかゆみを頻繫に感じやすくなります。乾燥した肌はバリア機能が弱まっているため、刺激にとても弱くなっているからです。

「以前は平気だったスキンケア用品でも、最近は染みるようになった」などの変化が見られるようであれば、炎症を伴う乾燥性の敏感肌を引き起こしている可能性があります。

目じりや口の周りにシワが目立つ

乾燥によるダメージがシワとして初めに現れるのは、目じりや口の周りといった皮膚の薄い部位です。

いわゆる小じわやちりめんじわといった、細かく小さなシワができ始めたら、肌からのレスキューサインです。早めに正しいスキンケアを開始しないと、より深いシワになりかねません。

化粧ノリが悪く、くずれ落ちやすい

乾燥肌になると肌のキメが乱れるため、化粧ノリが悪くなります。とくにベースメイクは時間経過とともにくずれ落ちやすくなるうえ、化粧直しをしてもなかなか化粧が肌にのりません。

はじめのメイクと化粧直しのときの両方で化粧ムラが起こりやすいようであれば、乾燥肌の可能性があります。

混合肌(インナードライ)の特徴も要チェック!

先にご紹介した乾燥肌の特徴に、あなたはすべて当てはまったでしょうか。

当てはまらない特徴があったのなら、あなたの肌タイプは完全な乾燥肌ではなく、脂性肌の特徴も持つ混合肌(インナードライ)かもしれません。

・角栓や毛穴の開きが気になる

・ニキビができやすい

これら混合肌の特徴も確認し、肌タイプのセルフ診断を進めましょう。

角栓や毛穴の開きが気になる

角栓や毛穴の開きができるのは、皮脂の過剰分泌が主な原因です。乾燥肌とは水分も油分も足りない状態の肌を指すため、乾燥だけでなく皮脂の過剰分泌が起こっているようなら、混合肌の可能性が高いでしょう。

ニキビができやすい

ニキビができる主な原因もまた、皮脂の過剰分泌です。たまにできる程度であればまだ完全な乾燥肌の可能性もありますが、頻繫にくり返しできるようであれば、混合肌の可能性が高いといえます。

部分的に赤みやかゆみが気になる

混合肌でも、肌にかゆみが出ることがあるでしょう。ただし混合肌の場合は、脂性肌の部位と乾燥肌の部位が分かれているため、顔全体というよりは部分的にかゆみや赤みが出る傾向にあります。

とくに「くり返し同じ部位が赤くなりやすい、かゆくなりやすい」という場合には、混合肌の可能性が高いです。

乾燥肌でも混合肌でも、スキンケアの重点は「バリア機能の正常化」

ここまで乾燥肌と混合肌の見分け方をご紹介してきましたが、実はどちらの肌タイプであってもスキンケアはほぼ変わりません。

なぜなら乾燥肌も混合肌も、肌トラブルを引き起こす大きな原因は「バリア機能の低下」にあるためです。だからこそ、ただ保湿を徹底するのでは、根本的な改善が望めず、肌トラブルをくり返してしまいます。

肌環境を整え、バリア機能の正常化を重点としたスキンケアこそが、乾燥肌にとっても混合肌に大切なのです。

乾燥肌&混合肌の特徴に合うスキンケア方法

ここでは、乾燥肌と混合肌の特徴に合うスキンケア方法を具体的にご紹介します。

肌トラブルに応じたおすすめの成分も紹介しているので、ぜひスキンケア用品選びにもお役立てください。

粉ふきや皮むけがあるなら「アラントイン」をプラス

粉ふきや皮むけといった肌荒れを引き起こしているのなら、アラントイン配合のスキンケア用品をプラスしてみましょう。

アラントインは、傷の修復を促進する効果を持ち、傷薬ややけどの治療薬に配合されることもよくある成分です。そのため、粉ふきや皮むけといった肌の損傷にも効果が期待できるでしょう。

医薬部外品に分類される有効成分であり、昔から医薬品や化粧品に配合されてきた成分のため、安全性も高いといえます。抗炎症効果や抗アレルギー効果があることも含め、刺激に弱くなっている乾燥肌や混合肌にはぴったりの成分でしょう。

乾燥小じわが気になるなら「ナイアシンアミド」をプラス

乾燥小じわが気になるのなら、ナイアシンアミド配合のスキンケア用品をプラスしてみましょう。

ナイアシンアミドは、2018年にシワ改善有効成分として承認された医薬部外品の成分です。肌表面のセラミド生成を促進することで、乾燥小じわをケア。さらには真皮のコラーゲン生成を促進するため、コラーゲン不足から引き起こされる深いシワの予防や改善効果が実証されています。

また、メラニンの生成を抑える効果を持つことから、シミ・ソバカスの予防による美白効果が得られるのもおすすめポイントです。

ニキビや皮脂が気になるなら「ビタミンC」をプラス

ニキビや皮脂の過剰分泌、毛穴の角栓などが気になるのなら、ビタミンC誘導体配合のスキンケア用品をプラスしてみましょう。

ビタミンC誘導体は過剰な皮脂分泌を抑えるため、ニキビや角栓の根本的なケアが望めます。また、抗炎症効果やメラニンの生成を抑える効果により、できてしまったニキビの悪化や色素沈着を防いでくれるでしょう。

ちなみにビタミンC誘導体には、水溶性タイプと油性タイプ、両方を併せ持ったタイプ、パウダータイプがあります。皮脂が原因となってニキビができやすいタイプには水溶性かパウダータイプ、乾燥が原因となってニキビができやすいタイプには油性がおすすめです。

洗顔は最初から最後まで低刺激を心掛けて

乾燥肌も混合肌も、刺激に弱いのが特徴です。洗顔は低刺激にすることを徹底しましょう。お湯の温度は人肌よりも低いぬるま湯(約32度)で、洗顔料は惜しまず、たっぷりの泡やジェルで摩擦を起こさないようにしてください。

ただし、クレンジングに関しては、しっかりとメイクを落とすことが最も大切です。濃いメイクをするようであれば、クレンジング力の高いものを選びましょう。それで肌の荒れが治らないようであれば、メイクそのものを落としやすいものに変える必要があります。

乾燥がとくに気になる部位は重ねづけが◎

乾燥がとくに気になる部位は、化粧水もクリームも重ねづけしましょう。とくにバリア機能が低下している肌は、一度に吸収できる水分量が少なくなる傾向にあります。一気に多量の水分を補給するのではなく、細かく分けて補給するようにしましょう。

とくに乾燥が気になるときは、洗顔後だけでなく、日中もこまめに保湿するのがおすすめです。

 紫外線対策は一年中&屋内でも必須

紫外線は老化や日焼けを引き起こすだけでなく、肌のバリア機能を低下させます。肌のバリア機能を正常化するためにも、紫外線対策は一年中しましょう。紫外線は屋内にも差し込むため、外での活動時間が少ない場合でも同様です。

ただし、常に効果の高い日焼け止めを塗っていては、それ自体が肌に大きな負担を与えてしまいます。普段の生活ではSPF15程度での日焼け止めでも十分です。肌にやさしいものを使用しましょう。