肌荒れ改善に効くビタミンはどれ?豊富に含まれる食べ物は?
肌荒れの改善に効くビタミンは、ビタミンC・ビタミンB群・ビタミンA・ビタミンEなどです。
これらのビタミン類が豊富な食べ物やお肌に必要な栄養素を、毎日の食事でバランス良く摂取しましょう。肌荒れに効果があるビタミン類を、サプリメントで補うのもおすすめです。
「肌荒れに効くビタミンってどれ?」
「肌荒れにはどんな食べ物が良いの?」
この記事をご覧のみなさんは、このようにお悩みではないでしょうか。
肌荒れ知らずの健康的なお肌は、毎日のスキンケアだけではなく、体の内側からのケアが大切です。
まずは毎日の食事内容を見直し、ビタミン不足や栄養不足を解消しましょう。
この記事では、肌荒れの予防や改善に効くビタミン類や栄養素を、豊富に含む食べ物についてご紹介します。
この記事の監修者
恵比寿美容クリニック院長
東海大学医学部医学科卒業。都内市中病院で初期研修後、消化器内科診療に従事。その後は人間ドックでの診療を続けながら恵比寿美容クリニックにて勤務し、現在は院長として診療に従事
そもそも肌荒れとは?肌荒れする原因は何?
肌荒れとは、皮膚の表面にある角質層を含む表皮、真皮などに起きているトラブル全体のことを指します。
例えば、大人ニキビ(吹き出物)ができる、肌に赤みやかゆみが出る、乾燥してカサカサになる、などですね。
顔の肌荒れであれば、おでこ・頬・口周り・顎にこれらの症状が出やすくなります。
肌荒れの三大原因
肌荒れする原因は、「肌のターンオーバーの乱れ」「角質層のバリア機能の低下」「ホルモンバランスの影響」の3つに分類されます。
原因①肌のターンオーバーの乱れ
肌荒れの原因の1つ目として考えられるのが、肌のターンオーバーの乱れです。
肌のターンオーバーとは「皮膚細胞が生まれ変わるサイクル(肌の新陳代謝)」のことで、皮膚の奥にある基底層で皮膚細胞が「生成」され、それが角質層に押し出されながら「成長」し、やがて古い角質(垢)となって「排出」される仕組みです。
肌のターンオーバーが正常であれば、皮膚細胞の生成~排出まで約4週間(28日)かかります。
ただ、以下のような原因で肌のターンオーバーが早まったり遅くなったりすると、皮膚のキメの乱れや角質層のバリア機能の低下を招き、その結果肌荒れをしてしまうのです。
肌のターンオーバーを乱す原因 ・偏った食生活 ・無理なダイエット ・疲れや寝不足 ・喫煙 ・過度のアルコール ・ストレス ・冷えや便秘 ・加齢 |
原因②角質層のバリア機能の低下
肌荒れの2つ目の原因として考えられるのが、肌表面にある角質層のバリア機能の低下です。
角質層はわずか0.02mmという食品用ラップに匹敵する薄さですが、大気中の有害物質(ほこりや菌など)が肌の内部に入るのを防ぎ、皮膚内部の潤いを保つという働きを担っています。
しかし何らかの原因で肌の油分と水分のバランスが崩れると、この角質層のバリア機能が低下し、外敵ストレスを受けやすく、皮膚内部の潤いが失われてしまいます。
なお、角質層のバリア機能が低下するのは、以下のような原因が挙げられます。
角質層のバリア機能が低下する原因 ・皮脂の落としすぎ(洗顔のし過ぎなど) ・タオルやマスクの摩擦 ・肌に合わないスキンケア ・紫外線 ・花粉 ・気温や湿度の変化による乾燥 |
原因③ホルモンバランスの影響
肌荒れの3つめの原因は、ホルモンバランスの影響です。
女性は生理の1週間前あたりから、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)がともに減り、皮脂の分泌が活発になって毛穴が詰まりやすくなります。
その結果、肌が脂っぽくなって大人ニキビができやすくなったり、肌のバリア機能が不安定な状態になって、炎症やかさつきを感じやすくなったりしてしまいます。
逆に生理後は卵胞ホルモンの分泌量が増えるため、肌のバリア機能が高まって肌の状態は安定します。
生理前の肌荒れが気になるのであれば、甘い物を控えて、ビタミンEや鉄分を積極的に摂取すると良いでしょう。
肌荒れの予防&改善には「体の内側」からのケアが大切
肌荒れの予防&改善には、体の内側からのケアが大切です。
どんなに良い基礎化粧品を使用していても、食生活が乱れていては肌荒れしてしまいます。
まずは毎日の食事内容を見直し、ビタミン不足や栄養不足を解消してください。
そもそもビタミンとは、人間が生きていく上で必要不可欠な栄養素で、体内で三大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質)の代謝を助ける働きがあります。
ですので「お肌に良いから」とたんぱく質をたっぷり摂取していても、ビタミン不足であれば上手く作用できません。
肌荒れする可能性あり!こんな食事はNG
みなさんは肌荒れする可能性がある、このような食事内容に心当たりはありませんか?
NG食事①偏った食事や甘い物の食べ過ぎ
自炊をしていても、メニューが麺類や丼物や手軽なインスタント食品になっていませんか?口寂しくなって甘い物を食べ過ぎてはいませんか?
脂っこい高脂質な食事や、炭水化物が多い高糖質な食事や甘い物の食べ過ぎは、脂質や糖質の過剰摂取に繋がり、その結果肌荒れの原因となります。
次章でご紹介するビタミン類を中心として、お肌に良い栄養素を豊富に含んだ、バランスの良い食事内容を心がけましょう。
NG食事②過度の脂質制限や糖質制限
過度の脂質制限や糖質制限などのダイエットも、肌荒れの原因となります。
過度な脂質制限は、ホルモンバランスの悪化を招き、肌が乾燥する原因となります。
また過度な糖質制限は、食物繊維不足による便秘や水分不足で腸内環境が悪化し、その結果肌荒れする原因となります。
脂質制限中や脂質制限中であっても、最低限の脂質や糖質は摂取するよう心がけましょう。
肌荒れの予防&改善に効くビタミンと食べ物
肌荒れを予防&改善するには、まずは肌荒れに効くビタミンC・ビタミンB群(B2、B6、B1)・ビタミンA・ビタミンEを、毎日の食事で積極的に摂取しましょう。
ビタミンC
ビタミンC(アスコルビン酸)には、お肌のハリや弾力をアップさせる、コラーゲンの生成を促す作用があります。
また、ビタミンCにはシミやくすみの元となるメラニンの生成を抑制し、抗酸化作用によって肌を酸化ストレスから守ってくれる働きもあります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンCの1日あたりの摂取推奨量は成人女性で100mgとされているため、以下のような食べ物を積極的に摂取すると良いでしょう。
ビタミンCが豊富な食べ物 | ビタミンCの量(※) |
キウイフルーツ | 140mg |
カキ | 70mg |
いちご | 62mg |
オレンジ | 60mg |
赤ピーマン | 170mg |
黄ピーマン | 150mg |
ブロッコリー | 140mg |
カリフラワー | 81mg |
にがうり | 76mg |
【参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」】
※生の状態の可食部100gあたりの量を記載
ビタミンCは水溶性ビタミンで、水に溶けやすく熱に弱いという特徴があります。
そのため、上記の食べ物を手早く水洗いして生の状態、もしくは蒸す・レンジ調理などで食べると良いでしょう。
またビタミンCは体内に貯められないため、1日複数回に分けてこまめに摂取することが大切です。
ビタミンB群(B2、B6)
ビタミンB群の中でも、肌荒れの予防&改善にはビタミンB2・ビタミンB6がおすすめです。
ビタミンB2は肌のターンオーバーをサポートし、皮膚や粘膜を健やかな状態へと導いてくれます。
またビタミンB6は糖質や脂質などの代謝を促し、皮膚や粘膜を健やかな状態へ導き、女性ホルモンのエストロゲンの合成を助け、ビタミンB2と共に皮脂量を調節してニキビ予防にも役立ちます
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性の1日あたりの摂取推奨量は、ビタミンB2は1.2mg、ビタミンB6は1.1mgとされているため、以下のような食べ物を毎日の食事で積極的に摂取しましょう。
ビタミン類が豊富な食べ物 | ビタミンB2の量(※) | ビタミンB6の量(※) |
豚レバー | 3.60mg | 0.57mg |
牛レバー | 3.00mg | 0.89mg |
鶏レバー | 1.10mg | 0.21mg |
豚かたロース | 0.28mg | 0.33mg |
卵 | 0.37mg | 0.09mg |
うなぎ | 0.48mg | 0.13mg |
いわし | 0.39mg | 0.49mg |
サバ | 0.31mg | 0.59mg |
さけ | 0.21mg | 0.64mg |
アーモンド | 1.06mg | 0.09mg |
【参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」】
※生の状態の可食部100gあたりの量を記載
なお、ビタミンB群も水溶性ビタミンですが、ビタミンCとは違って熱に弱いという特性はありません。ですので、汁物などに調理して食べると良いでしょう。
ビタミンA
ビタミンA乱れた肌のターンオーバーの周期を正常化させ、皮膚や粘膜の健康維持に働きかけます。
さらに肌の乾燥や色素沈着を防ぎ、肌に潤いを与えてハリ感を出してくれる作用もあります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンAの1日あたりの摂取推奨量は成人女性650~700µgとされているため、以下のような食べ物を毎日の食事で積極的に摂取しましょう。
ビタミンAが豊富な食べ物 | ビタミンAの量(※) |
牛レバー | 1100µg |
豚レバー | 13000µg |
鶏レバー | 14000µg |
うなぎ | 2400µg |
ニンジン | 690µg |
ほうれん草 | 350µg |
西洋かぼちゃ | 330µg |
小松菜 | 260µg |
【参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」】
※生の状態の可食部100gあたりの量を記載
ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、炒め物やソテーなど、油と一緒に調理をすれば吸収率がアップします。
ビタミンE
ビタミンEは別名「若返りのビタミン」とも呼ばれており、酸化ストレスから肌を守る抗酸化作用や、血行促進作用などがあります。
お肌のターンオーバーを促進してバリア機能を安定させるだけではなく、血行不良による肌のくすみを改善する働きもあります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンEの1日あたりの摂取推奨量は成人女性5.0~6.0mgとされているため、以下のような食べ物を毎日の食事で積極的に摂取しましょう。
ビタミンEが豊富な食べ物 | ビタミンEの量(※) |
アーモンド | 30.0 |
うなぎ | 7.4 |
西洋かぼちゃ | 4.9 |
赤ピーマン | 4.3 |
アボカド | 3.3 |
ふきのとう | 3.2 |
ブロッコリー | 3.0 |
ニラ | 2.5 |
ほうれんそう | 2.1 |
卵 | 1.3 |
【参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」】
※生の状態の可食部100gあたりの量を記載
ビタミンEは脂溶性ビタミンのため、油で調理して食べると吸収率がアップします。
また、ビタミンCやビタミンB2と一緒に摂取することで、抗酸化力を底上げすることに繋がります。
肌荒れの予防&改善で摂取したい栄養素
毎日の食事でお肌に良いビタミン類はもちろん、健康なお肌に欠かせない「必須脂肪酸」「たんぱく質」「食物繊維」などの栄養素をバランス良く摂取しましょう。
必須脂肪酸
必須脂肪酸とは、オメガ6系の不飽和脂肪酸(リノール酸やアラキドン酸)とオメガ3系の不飽和脂肪酸(DHA・EPA・αリノレン酸)のことです。
必須脂肪酸は体で重要な役割を担っているものの、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。
オメガ6系の不飽和脂肪酸にはコレステロール値を低下させ、生活習慣病の予防に効果があります。
そしてオメガ3系の不飽和脂肪酸には、脂肪燃焼効果や血流改善効果があり、さらに内臓脂肪や皮下脂肪になりにくいという特徴があります。
▶必須脂肪酸(オメガ6系)が豊富な食べ物 コーン油、大豆油、ゴマ油、くるみ▶必須脂肪酸(オメガ3系)が豊富な食べ物 ・青魚、エゴマ油、アマニ油 |
お肌の乾燥を予防するためにも、これらの必須脂肪酸をバランス良く毎日の食事に取り入れましょう。
タンパク質
タンパク質は皮膚細胞を作る材料となり、肌のハリを担うコラーゲンの基にもなる栄養素です。
たんぱく質は動物性と植物性に分類されますが、どちらもバランス良く摂取することが大切です。
▶動物性タンパク質が豊富な食べ物 肉類全般、魚介類、卵、乳製品など ▶植物性タンパク質が豊富な食べ物 大豆製品(豆腐や納豆)、えんどう豆、そら豆、枝豆など |
タンパク質の概要や摂取量について、詳しくは「そのたんぱく質の摂取は必要?たんぱく質の基礎から紹介!」をご覧ください。
食物繊維
食物繊維は、炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルといった「五大栄養素」に次ぐ「第六の栄養素」として注目されている栄養素です。
食物繊維には整腸効果があるため、腸内環境の悪化による大人ニキビの予防&改善に効果があります。
▶食物繊維が豊富な食べ物 豆類、キノコ類、穀物、芋類、根野菜など |
食物繊維を豊富に含む食べ物についてもっと詳しく知りたい方は、「食物繊維が多い食べ物ランキング!手軽&効率的に摂取する方法とは」も併せてご覧ください。
毎日の生活でほんの少しでも"美容って楽しい"と思ってほしい。そんな気持ちで、美に関する情報を発信していきますので、見ていただけると嬉しいです。