【医師監修】シミ対策にはビタミンC!化粧品を塗る&サプリメントを飲むのが大切
「シミやそばかすはビタミンCで消えるの?」
この記事をご覧の皆さんは、このようにお悩みかと思います。
先に答えを言うと、シミの予防や対策にはビタミンCがおすすめです!
ビタミンCにはシミの元となるメラニンの生成阻害や、黒色メラニンの色素の還元作用などの効果があります。そのため、ビタミンCだけでシミを完全に消すことはできませんが、シミを薄くすることは可能です。
ビタミンCでシミ対策をするなら「化粧品を塗る」「サプリメントを飲む」という2つの方法がありますが、どちらも絶対に欠かせません!
この記事では、シミができる原因やビタミンCの効果はもちろん、具体的にどのようなシミ対策をすれば良いのか解説します。
記事監修者
監修者紹介吉岡 容子
医療法人容紘会高梨医院院長
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設。
シミが増えた原因は紫外線!徹底的な予防がカギ
シミやそばかすができる最大の原因は、過剰な量の紫外線(UV-B)を浴びることです。
紫外線を浴びてからシミができるまでのメカニズムをまとめると…
メカニズム
- 紫外線の刺激から肌を守るために活性酵素(チロシナーゼ)が発生
- 活性酵素が素肌の表皮(基底層)にあるメラノサイトを刺激
- メラノサイト内でチロシンが活性化&酸化し黒色メラニンが生成
- 蓄積された黒色メラニンがターンオーバーによって表面に運ばれる
シミやそばかすの色味や濃さに違いがあるのは、シミが蓄積されている皮膚の深さが違うためです。
シミが増える最大の原因は紫外線ですが、他にもいくつか要因が考えられます。
- 加齢による肌のターンオーバーの乱れ
- 女性ホルモンの変化
- 肌への摩擦や刺激
- 活性酸素による刺激
シミが増える原因やシミのタイプについて、詳しくは「【医師監修】シミが消える仕組みとは?前兆はある?タイプ別の適切なケアと対策 」をご覧ください。
シミ予防は徹底的な「紫外線対策」がカギ
シミやそばかすをこれ以上増やさない予防策として、年間を通した徹底的な紫外線対策が大切です。以下は気象庁が発表した、2020年の東京都のUVインデックスの月別平均グラフです。
【引用:気象庁「日最大UVインデックス(解析値)の年間推移グラフ 」】
8月のUV量が最も強くなりますが、4月~9月もUV量がとても多いですよね。
「紫外線を4秒浴びただけでメラニン生成の指示が出始める」と言われているため、夏だけの紫外線対策では足りないのです。
シミ予防をするなら、以下のような紫外線対策を365日行うことが大切です。
- 年間通して日焼け止めを塗る
- UVカット化粧品を使用する
紫外線対策について、詳しくは「あの常識が覆る?!2020年最新UV対策まとめ 」や「この夏「シミ・たるみ」を作らないために!知っておきたい3つの美容習慣 」をご覧ください。
ポイント
シミが増える最大の原因は、紫外線!
シミ対策にはビタミンCがおすすめ!その効果とメカニズム
できてしまったシミやそばかすの対策には、ビタミンCがおすすめです。
正直に言うと、できてしまったシミやそばかすをビタミンCで消すことはできませんが、シミを予防して色素を薄くすることは可能です。
ビタミンCはシミやそばかすに、以下のような効果を発揮してくれます。
3つの効果
- メラニン生成を抑える(生成阻害)
- 黒色メラニンを無色化(還元作用)
- 活性酸素を除去(抗酸化作用)
ビタミンCの効果はシミ対策の他にも、血行促進作用のあるビタミンEのサポートや、美肌の土台となるコラーゲンの生成促進もあります。
ビタミンCには過剰な皮脂の分泌を抑制する効果もあるため、大人ニキビの改善も期待できます。
①メラニン生成を抑える(生成阻害)
ビタミンCはチロシンの活性を抑制するため、シミの元となる黒色メラニンの生成を阻害してくれます。
黒色メラニンが生成されるメカニズムは、メラノサイトの中でチロシナーゼ(活性酵素)がチロシン(アミノ酸)を活性化させるのが原因です。
ビタミンCでチロシンの活性を抑制してメラニンの生成を阻害し、シミが作られるのを予防してくれます。
②黒色メラニンを無色化(還元作用)
ビタミンCはメラノサイトで生成された黒色メラニンを無色化してくれる、黒色メラニン褐色化還元作用があります。
黒色メラニンの元となるチロシンは褐色ですが、その後酸化が進むことでドーパ・ドーパキノン・メラニンの順に徐々に色が濃くなります。
ビタミンCの黒色メラニン褐色化還元作用によって、メラノサイト内でメラニンの黒色化を防ぎ、シミの色素を薄くしてくれます。
③活性酵素を除去(抗酸化作用)
ビタミンCはシミを作り出すメラノサイトに刺激を与える、活性酵素を除去する抗酸化作用があります。
活性酵素は紫外線によって作り出されるのはもちろん、タバコ・大気汚染・ストレスによっても作り出されます。
活性酵素が表皮内で作り出されると炎症を起こし、肌を守るために過剰なメラニンが生成されます。
ビタミンCの抗酸化作用で、シミを作り出すキッカケとなる活性酸素を除去し、メラニンが生成されるのを予防します。
ポイントビタミンCで、予防することでシミを薄くすることは可能
シミ対策にはビタミンC!「塗る」「飲む」の2つのケアが大切
シミ対策にはビタミンCがおすすめですが、ビタミンCは体内で生成されないため、意識的に補うことが大切です。
ビタミンCを補う方法
- 化粧品でビタミンCを「塗る」
- サプリメントビタミンCを「飲む」
ビタミンCでシミ対策を始めるなら、「塗る」「飲む」のどちらも欠かせません!
というのも、ビタミンCは酸化しやすい上に体内に蓄積されず、経口だけでは肌に届きにくいというデメリットがあります。
ただし、スキンケアでは届きづらい部分もありますので、「化粧品を塗る」「サプリメントを飲む」という2方向から、徹底的にビタミンCを補うシミ対策をおすすめします。
シミ対策①化粧品でビタミンCを「塗る」
シミ対策としてまず挙げられるのは、化粧品を塗ることでビタミンC(アスコルビン酸)を補う方法です。
ただ、ビタミンCは水に溶けやすいために肌に浸透しづらく、不安定で分子構造が壊れやすいという性質があります。
そのため、ビタミンCを角質層に浸透しやすい状態に、変化させる必要があります。
例えば…
- ビタミンC誘導体
(厚生労働省が美白有効成分として認可) - プロビタミンC
(ビタミンCの前駆体)
この他にも、近年では安定性・浸透性・機能性を高めた、特許技術によるビタミンC美容アイテムも登場しています。
ただしどんなに良い化粧品でも、ビタミンCの効果を実感するのは時間がかかるため、最低でも3~4ヶ月継続してじっくり効果を試すことが大切なのは心得ておきましょう。
シミ対策②サプリメントでビタミンCを「飲む」
シミ対策として次に挙げられるのが、栄養として飲むことでビタミンCを補う方法です。内側からもアプローチすることで、塗るだけでは届きにくい箇所にも届けることができます。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) 」によると、成人女性のビタミンCの摂取量は1日104mgです。
ただ、美容目的であればビタミンCの摂取量104mgでは少ないです。
また、この量のビタミンCを毎日食事で補うのは大変なので、サプリメントで補うとさらに良いでしょう。
シミ対策のサプリメントであれば、ビタミンCだけではなく、相乗効果が得られる美容成分も同時に摂取できます◎
シミ対策や美容におすすめの成分は以下となるので、ぜひ参考にしてください。
栄養素 | 効果 |
ビタミンB2やB6 | 肌のターンオーバーを正常化 |
ビタミンE | 血行促進してメラニンの排出を促す |
βカロチン | 活性酸素の発生を抑制 |
L-システイン | チロシナーゼの活性を抑制 |
サプリメントは簡単にビタミン類を補えますが、もちろん食べ物でビタミンCを補うこともお忘れなく!
ほんの少しのアイデアで、ビタミンCの効果をアップさせる方法もあります。
ビタミンCとの相乗効果を発揮してくれる栄養素や食材の組み合わせについて、詳しくは「キレイをつくる。より効率的にビタミンCを摂る方法とは? 」をご覧ください。
ポイントシミ対策には、ビタミンC以外も含むマルチなサプリを選ぶ
シミ対策とビタミンCでよくある質問まとめ
ビタミンCでシミ対策といえば、ネット上に沢山の噂がありますよね。
- 「大量摂取すれば効果アップする」
- 「ビタミンCの摂取でシミが増える」
- 「ビタミンCの摂取で逆にシミが濃くなった」
この章では、ビタミンCとシミにまつわる、よくある質問をまとめたので参考にしてください。
Q1:ビタミンCを大量摂取すれば効果アップする?
ビタミンCを大量摂取しても体内に蓄積されず、消費されない分は尿として体外に排出されてしまうので意味はありません。
化粧品を塗る場合もサプリメントを飲む場合も、1日複数回に分けてこまめにビタミンCを摂取することが大切です。
サプリメントでビタミンCを補う場合、1日の目安量を「朝・昼・晩(2~3回)」に分けて飲むと良いでしょう。
Q2:ビタミンCでシミが増えることもあるって本当?
ビタミンCの影響で、シミやそばかすが増えることはありません。
「ビタミンC=シミが増える」というのは、「ビタミンC=ソラレンを含む柑橘類」というイメージの元に生まれた誤解です。
柑橘類(レモン・ライム・グレープフルーツ等)の皮に多く含まれる「ソラレン」という物質には光毒性があり、紫外線に当たることでシミや炎症などの皮膚トラブルの可能性があります。
以下のような間違えたスキンケアをすると、シミなどの皮膚トラブルを起こす可能性があるということです。
×グレープフルーツの皮から抽出されたオイルを付けて紫外線を浴びる
×皮つきレモンの輪切りでパックをして紫外線を浴びる
ソラレンが含まれるのは柑橘類の皮のため、果実を大量に食べたからといってシミが増えることはまずありません。
ただし、グレープフルーツは1日500g以上、セロリは1日300g以上食べると、日焼けが増す可能性があるという話もあるので偏った食事には注意しましょう。
Q3:ビタミンCで対策したら逆にシミが濃くなったのはなぜ?
ビタミンCなどでシミ対策をしているのに逆にシミが濃くなった場合は、シミケアが順調な証拠と言えます。
というのも、シミは肌のターンオーバーによって表面に押し出されて排出されるため、一時的に濃くなったように感じていることが考えられます。
シミケアを始めて1ヶ月程度で、痒みなどの異常を感じない場合は、シミに良い影響が出ている可能性が高いです。
もう少し気長に、同じスキンケアを継続されることをおすすめします。
毎日の生活でほんの少しでも"美容って楽しい"と思ってほしい。そんな気持ちで、美に関する情報を発信していきますので、見ていただけると嬉しいです。