ビタミンCをサプリで補う必要性とは?~効果&選び方も解説~

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美容に良いといわれるビタミンC。そんなビタミンCを手軽に補うために、ビタミンCサプリの活用を検討されている方は多いかと思います。昨今はたくさんのビタミンCサプリが販売されており、どれを購入しようか迷ってしまう方も多いでしょう。

ビタミンCサプリは一般的に知られる錠剤やカプセルタイプのものから粉末タイプ、グミタイプのものなどさまざまな形状のものが販売されています。

今回はビタミンCサプリをテーマに、そもそもビタミンCをサプリメントで摂取する必要はあるのか、そしてサプリの選び方までを解説していきます。

この記事の監修者

 

吉岡 容子

医療法人容紘会高梨医院院長

東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません

ビタミンCはサプリで摂るほど重要な栄養素なの?

美肌づくりに欠かせない栄養素として知られるビタミンCは、体のさまざまな生理機能の調整に関わり、私たちの体を健康に保つためには欠かせない重要な栄養素です。

ビタミンCは体内で合成できない栄養素

そんなビタミンCですが、私たちの体内で合成できないため日々の食事やサプリなどから摂取する必要があります。不足すると、肌トラブルの原因になるだけでなく、疲労感を感じやすくなるなどの体の不調を引き起こします。

また、ビタミンCは基本的に体内に蓄積させることができず、また消費しやすいという特性もあります。

ビタミンCは食事で十分な量を摂取するのが難しい栄養素

ビタミンCが豊富な食材といえば、柑橘系やブロッコリー、パプリカといった果物や野菜です。日々、バランスの取れた食生活を送っている方であれば、ビタミンCが不足する可能性は低いかもしれませんが、炭水化物やタンパク質中心で野菜や果物をあまり摂らない食生活になりがちの方はビタミンC不足になりやすいです。

ビタミンCが多く含まれる食品

食品名 ビタミンC量
アセロラ 1700mg
赤ピーマン 170mg
ブロッコリー 140mg
キウイフルーツ 140mg
レモン 100mg

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ビタミンCが豊富な食べ物については「ビタミンCが多い食べ物・飲み物ランキング20選~効率的な取り方~」で詳しく解説しています。

ビタミンCは調理方法も注意が必要

水溶性ビタミンであるビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱いという特徴があります。このことから、せっかくビタミンCを多く含む食品を摂取しても調理方法によっては摂取量が減少してしまいます。

少しでも多く食品からビタミンCを摂取するためには「蒸す」または「電子レンジ」で調理するのがおすすめです。もし、炒めたり焼いたりする調理法の場合でも加熱時間が長いほどビタミンCの損失が大きくなってしまうため、野菜炒めなどは火の通りづらい野菜から炒めるなどの工夫が有効です。

また、水にさらす際も「野菜などは大きめにカットする」「長時間水にさらすのは避ける」などの工夫を行えば、ビタミンCの流出を抑えることができるといわれています。

以上のように、ビタミンCが豊富な食材は日常的に意識しないと摂取しづらい食材が多いこと、そして調理にも気を付けないといけないことを考えると、美容目的で通常よりも多くビタミンCを摂取したい方が食事のみで必要量を摂取するのはあまり現実的でないといえます。

そもそもビタミンCの役割って?

 そもそもビタミンCにはどのような役割があるのでしょうか?

今一度、ビタミンCの役割をおさらいしておきましょう。

コラーゲン合成のサポート

ビタミンCは、お肌にハリや弾力をもたらす「コラーゲン」の生成に必要な栄養素です。コラーゲンは人の体を構成するタンパク質のうち約30%を占めるといわれており、細胞と細胞をつなぐ接着剤のような役割を持ちます。

また、骨や血管など体のあらゆる部位に分布し「丈夫な骨の形成」や「健康でしなやかな血管づくり」などをサポートしています。

抗酸化作用

体の中で発生した活性酸素から体を守る「抗酸化作用」を持ちます。活性酸素は通常、体の免疫を維持する働きをしますが、増えすぎると細胞を傷つけ老化につながるとされています。

ビタミンCの持つ抗酸化作用は活性酸素による細胞の老化を防ぎ、シミやたるみを予防することで美肌へ導く効果が期待されています。

また、抗酸化作用によりメラニンの生成を抑制してシミの発生を防ぐ効果が期待できます。

それだけでなく、すでにできてしまったシミを薄くする働きも期待でき、美肌づくりに役立ちます。ビタミンCが日焼け対策、ケアに有効とされているのはメラニン生成の抑制効果を持っているためです。

ビタミンCが日焼け対策、ケアに有効である理由については「日焼け対策にも日焼け後のケアにもビタミンCがいい理由【医師監修】」で詳しく解説しています。

抗ストレス効果

人はストレスを感じると副腎皮脂からコルチゾールと呼ばれるホルモンを分泌し、ストレスへの対抗力を高めます。ビタミンCはコルチゾールの合成量を調整する効果を持ち、日々のストレスから体を守るサポートをしています。

ビタミンCはサプリメントで補うべき栄養素

ビタミンCは美肌、健康のためにも欠かせない栄養素ですが、体内で合成・蓄積ができず、また消費されやすいという特性も持っています。

食事から十分な量を摂取するのも難しいため、サプリメントをうまく活用しながら積極的に摂取したい栄養素といえるでしょう。

1日あたりのビタミンC摂取量はどのくらい?

では、ビタミンCは1日あたりどのくらいの量を摂取するのが好ましいのでしょうか?推奨される摂取量を確認していきましょう。

1日あたりのビタミン摂取量目安

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人男性および女性では1日あたり100mgがビタミン摂取量の基準とされています。

妊娠中の方や授乳中の方の場合は普段より多くビタミンCを摂取するのが望ましいとされ、妊娠中の方は1日110mg、授乳中の方は1日145mgが基準となっています。

また、喫煙習慣がある方はタバコ1本あたり約20mgのビタミンCが消費されるといわれていることから、1日あたりのタバコの本数×20mgの量を摂取量の目安にされると良いでしょう。

美容目的ならサプリで1日1,000mg程度を目安に

ビタミンCの食事からの摂取基準量は100mgとされていますが、美容効果を期待するのであればサプリなどを活用し、1日あたり1,000mg程度を目安に摂取されることをおすすめします。

基本的に、ビタミンCは過剰に摂取しても吸収されなかった分は体外に排出されるため健康を害する恐れはないといわれています。

また、ビタミンCは200mgまでは吸収率が90%と高いのですが、1,000mgを超えると吸収率が50%以下になってしまうとされています。そのため、ビタミンCは一度にたくさん摂取するのではなく、こまめに摂取するのがおすすめです。

ビタミンCサプリの選び方

1日1000㎎程度ものビタミンCの摂取量を目安とした場合、サプリは必須といっても過言ではありません。

ここでは実際にビタミンCサプリを選ぶ際のポイントについて解説します。

「形状」は自身のライフスタイルに合った「形状」をチョイスしよう

ビタミンCサプリには、「錠剤」「カプセル」「粉末」「グミ」などさまざまなタイプのものがあります。タイプごとに特徴をまとめました。ご自身に合ったサプリ選びにお役立てください。

錠剤・カプセルタイプ

一般的にサプリといえば錠剤やカプセルタイプを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。味や匂いを感じにくく、飲みやすいのが特徴で、持ち運びも簡単ですし、水さえあればどこでも摂取できるのが魅力といえます。錠剤やカプセルは製品ごとに大きさがさまざまですのでご自身が飲みやすい大きさのものを選ぶと良いでしょう。

粉末タイプ

粉末タイプは添加物が含まれていないものが多いため、安全性が高いのがポイントです。添加物に抵抗のある方、ビタミンCそのものだけを摂取したい方に向いています。

また、大容量タイプのものが多いのでコストパフォーマンスが高いのも魅力の一つです。ただ、大容量タイプは一度封を開けてしまうと酸化しやすいため、気になる方は個包装タイプを選ぶと良いでしょう。

グミタイプ

おやつ感覚でビタミンCを摂取できるのが魅力のグミタイプです。少し価格が高くなってしまいますが錠剤やカプセル、粉末タイプが苦手な方、また味重視な方におすすめです。美味しく食べられる分、砂糖や添加物などが多く使用されているため純粋にビタミンCだけを摂取したい方には向かないでしょう。

ビタミンC以外の成分にも注目

ビタミンCサプリを選ぶ際は、ほかの成分(栄養素)としてどのようなものが含まれているのかも注目しましょう。というのも、他の栄養素との組み合わせによって、よりビタミンCの吸収が良くなるほか、ビタミンC不足の方が同時に不足しやすい栄養素を補うことができるからです。

ビタミンC以外の各種ビタミンをはじめ、ビタミンCの吸収を高めてくれる成分が配合されているものがおすすめです。

続けられる価格帯であることが大事

ビタミンCサプリはその種類が豊富なため、価格帯にも幅があります。もちろん、値段が高いほどいいというわけではありませんが、値段が高いものにはそれ相応の成分、技術が使われています。

できるだけ高くて良いサプリを飲みたいと考える方も多いですが、サプリは即効性があるものではなく、続けてこそ効果を発揮するものです。自身が続けやすい価格帯のものを選ぶようにしましょう。