育毛剤を「人気」で選ぶのは危険?~薄毛男性が注目すべきポイント

基本知識

育毛剤を選ぶ際に「人気」や「評判」を気にする方は多いですよね。

実際、ネット上には「育毛剤の人気ランキング」を紹介しているページが多数あります。

ただ、育毛剤のようにその効果に個人差がある商品に関しては、「人気」はひとつの指標に過ぎません。

今回は、育毛剤を選ぶ上で人気よりも重視すべきポイントについて紹介します。

この記事の監修者

監修者葉山 愛弥

吉祥寺まなみ皮膚科 院長
日本大学医学部医学科卒業、東京女子医科大学病院皮膚科にて、助教、副病棟長、皮膚病理組織チーフ等、多くの臨床経験を積む。
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 厚生省認定 臨床研修指導医講習会修了

男性育毛剤を「人気」で選ぶのは危険?

大前提として、男性育毛剤を人気で選ぶことは否定しません。

人気があるということは、それだけ多くの方に支持されている証拠であり、育毛剤選びの参考になるのは事実です。

実際、育毛剤を選ぶ際に人気を重視される方は非常に多いです。

「人気」が重視される理由

そもそも育毛剤に限らず、商品やサービスにおいて「人気」を気にする方が多いのは何故でしょうか。

「安心感」があるから

人気を気にするのは、不安の裏返しと言えます。「人気があるものは安心」という心理が働いているわけです。

育毛剤のように、日常生活においてはあまり馴染みがないものほど、人気や評判を基準にして選ばれる傾向があります。

ドラックストアで売っている育毛剤の方が認知度が高いため人気は高くなりやすい

人気を参考にして育毛剤を選ぶ上で、気を付けたいポイントがあります。

それはドラックストアで売っている商品は上位になりやすいということです。ドラックストアで売っている商品は目に触れる機会が多く、利用しているユーザーも多いです。利用者の母数自体が多いので、人気も高くなりやすいです。

実際、WEB上によくある「育毛剤の人気ランキング」はドラックストアで販売されている大手の商品は上位にある傾向があります。

しかし、育毛剤はドラックストアで売られている商品だけでなく、通販限定のものも数多くあります。

「人気がある」=「効果がある」ではない

育毛剤は人気が高いからといって、効果も高いわけではありません。

頭皮環境や髪質は人それぞれであり、多くの人に効果がある育毛剤が自分にも合うとは限らないのです。

約半数の方が育毛剤の効果を実感していない

編集部が過去に行った独自調査では、現在育毛剤を使っている方の約半数が効果を実感していないという結果になりました。

この調査に協力してくれた方の大半はドラックストアでも販売されている大手の育毛剤を使用していました。

決して、ドラックストアで販売されている育毛剤の効果が薄いわけではありませんが、多くの方がお求めやすいお店で“何となく”育毛剤を選んでいることが分かります。

上記の育毛剤の口コミ調査については「本当に効果のある男性育毛剤って何?口コミ調査で分かった事実」で詳しく解説しています。

育毛剤を選ぶ上で人気よりも見るべきポイント

育毛剤は成分に注目しよう

人気はあくまでも参考として、実際に育毛剤を選ぶ際に注目すべきは配合成分です。育毛剤の成分はそれぞれに役割があります。

自分の肌に成分が合っていないと、効果が発揮されないだけでなく、かゆみや炎症の原因にもなります。

とはいえ、育毛剤自体に馴染みがない方だと、成分名を見ただけではよく分からないですよね。

ここでは、育毛剤に配合されている代表的な成分を役割別に紹介します。

髪の成長促進させる成分

髪の成長を促進させる成分とは、血行促進や毛母細胞を活性化させる働きがあるものです。

次のような成分が該当します。

・D-パントテニルアルコール(パンテノール)

・アデノシン

・アラントイン

・ペンタデカン酸グリセリド

・ステモキシジン

・D-パントテニルアルコール

・酢酸DL-α-トコフェロール(ビタミンE誘導体)

・ナイアシンアミド

・アルギニン

・ブドウカルス培養エキス

・L-アルギニン

・ショウブ根エキス

・イチョウ葉エキス

・エビネエキス

・センブリエキス

抜け毛を予防する成分

抜け毛の主な原因として、ホルモンバランスや生活習慣の乱れが挙げられます。

それらを改善する成分には次のようなものがあります。

・オレアノール酸

・ビオチン

・L-リシン塩酸塩

・イノシトール

・ヒオウギエキス

・キャピシル

・冬虫夏草エキス

・t-フラバノン

・イソフラボン

・ノコギリヤシ

頭皮環境を改善する成分

健康的に髪の毛が成長するためには、頭皮環境を整える必要があります。

頭皮環境の改善に効果がある成分は次のようなものです。

・クダミエキス

・ビタミンC(アスコルビン酸)

・カシュウ

・セファランチン

・サイトプリン

3つの成分がバランス良く入った育毛剤がいい

抜け毛は何か特定の原因で起こるというよりは、様々な要因が複合的に絡み合って引き起こされます。

つまり、上記で紹介した3種類の成分はバランス良く配合されているものがベターです。

添加物はできるだけ少ないものを選ぼう

育毛剤には有効成分だけでなく、添加物も含まれています。

育毛剤に含まれる代表的な添加物は次のようなものがあります。

・安息香酸

・グリセリン

・エタノール

・加水分解コラーゲン

・アクリル酸~

・メタクリル酸~

・クエン酸

添加物は炎症、かゆみの原因になることがあります。無添加の育毛剤がベストといいうわけではありませんが、添加物はできるだけ少ないものを選ぶようにしましょう。

育毛剤の種類の違いを知っておこう

育毛剤と発毛剤のちがい

育毛剤自体にも様々な種類がありますが、なかには育毛剤と発毛剤を混同している方がいます。この2つは明確に、効果や対象が異なります。

育毛剤 発毛剤
分類 医療部外品 第一類医薬品
効果 今生えている髪の毛を育てる 脱毛箇所に髪の毛を生やす
対象 健常な方 壮年性脱毛症(AGA・FAGA)の方

先述したように、育毛剤は抜け毛の予防や頭皮環境を改善するものであり、髪の毛を健康的に育てる働きがあります。

つまり、「育毛剤を使ったけど髪の毛が生えない」というのはお門違いなのです。

育毛剤と発毛剤はそれぞれアプローチが異なりますので、その点を心得た上で商品を選びましょう。

育毛剤は使って始めて真価が分かる

ここまで育毛剤を選ぶ上で注意したいポイントを解説してきましたが、育毛剤は使わないと分からないというのが実情です。

実際に使ってみて、使用感や効果を確認するしかないのです。

また、育毛剤は外用量、外用方法ともに正しく使わないと効果が発揮されません。

最低でも半年間は利用しよう

育毛剤は即効性のあるものではなく、継続的に使うことで徐々に効果が表れるものです。そのため、最低でも半年間は同じ育毛剤を使用することをおすすめします。

半年間使っても一向に効果を実感できないのであれば、別の育毛剤を試しましょう。

育毛剤を使う上でのNG行為

育毛剤の効果を増幅させるために、定められた用量以上に使用したり、他の育毛剤と併用する方がいますが、必ずしも効果が上がるわけではありません。

逆に、炎症などの副作用が出る可能性やどちらが効果的か、あるいはどちらが副作用の原因かがわからなくなってしまうためやめておきましょう。

頭皮が清潔な状態で使おう

育毛剤を塗布するベストタイミングは、風呂上がりの頭皮が清潔な状態です。清潔な状態の頭皮に塗布することで、有効成分がしっかり浸透します。

頭皮を清潔にするためには、シャンプーも正しく行わなければいけません。

シャンプー前に優しくブラッシングして汚れを落とす、シャンプー後はしっかり洗い流すなど、意識的に丁寧に洗いましょう。

シャンプーの方法も含め、育毛剤の正しい使い方について詳しくは「【医師監修】育毛剤はタイミングが大事!正しい使い方と使い始める時期」で解説しています。