【医師監修】男性も女性も悩む「髪の毛の分け目が薄い」問題~原因と対策
髪の毛の分け目が薄いと悩んでいる方、今よりも薄くなるのを避けたい、もしくは改善したいのであれば、原因を知って対策しましょう。
また当記事では、分け目の薄さを今すぐカバーする方法もご紹介します。隠しながらケアを進めたい方は、こちらもご参考ください。
鏡を覗いたとき、「以前に比べて髪の毛の分け目が薄い気がする……」と感じるのなら、早めの対策をおすすめします。
なぜなら放置することでますます薄毛のリスクを高めるからです。今よりも薄くなるのを避けたい、もしくは改善したいのであれば、原因を知り、早めに対策を取りましょう。
また当記事では、分け目の薄さをすぐにカバーできる方法もご紹介します。隠しながらケアを進めたい方は、こちらもご参考ください。
この記事の監修者
あなたの前髪の分け目は本当に薄い?基準をチェック
まずは分け目の状態を客観的に判断してみましょう。
・前髪をおろしたときに髪と髪の間に隙間ができ、すだれのようになる
・抜けた毛の毛根が細い、ない
とくに分かりやすいのは、抜けた毛の毛根です。
正常な頭髪は十分に成長した末に役割を終えて抜けるため、毛根が丸くふくらみを持っています。逆に毛根のふくらみがない・細い毛とは、寿命を待たずに成長途中で抜け落ちた毛です。
つまり、正常に栄養が行き渡らず、新しい毛が生えにくい・抜け毛が増えやすい頭皮環境に陥っています。この状態を放っておいては、さらに分け目が薄くなる恐れがあるでしょう。
しかし、基本的には「以前に比べて分け目が薄く感じる」と思った時点で対策を取るのがよいとされます。薄毛は進行が進むほど改善が難しくなるためです。
【男性と女性で異なる】前髪の分け目が薄い、薄くなる原因
前髪の分け目が薄くなる原因は、「男性ホルモンや女性ホルモンの影響による内部要因」、もしくは「ヘアセットやヘアケアによる外部要因」の2つに分けられます。
ここで自身の原因に見当をつけ、適切な対策を取れる知識を身につけていきましょう。
男性の薄毛は、主に男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」によるもの
男性の薄毛の主な原因は、テストステロンをはじめとした男性ホルモンが増加することによるものです。増加したテストステロンは「5α(アルファ)リダクターゼ」によって別の男性ホルモンである「ジヒドロテストステロン」になります。このジヒドロテストステロンが毛母細胞を弱らせ、発毛を阻害します。
ジヒドロテストステロンは加齢伴って増加するため、年齢が高いほど薄毛になりやすいでしょう。しかし生活習慣が乱れている方や遺伝的なジヒドロテストステロンの生成が活発な方であれば、年齢に関係なく薄毛は起こります。
睡眠不足、ストレスやアルコール過多、喫煙、バランスの悪い食生活などに心当たりのある方は、生活習慣の改善を意識してみてください。
また、運動不足は厳禁ですが、有酸素運動のしすぎはかえって頭髪に良くない影響を及ぼすこともあります。
女性の薄毛は、主に女性ホルモン「エストロゲン」の減少によるもの
女性であっても男性ホルモンの分泌はあり、毛母細胞を弱らせる「ジヒドロテストステロン」も体内に存在しています。そのため、女性ホルモンが減少すると相対的にジヒドロテストステロンのはたらきが強まり、薄毛(FAGA)が進行してしまいます。
しかし、男性ほどはジヒドロテストステロンのはたらきが活発にはなりません。女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」自体に頭髪を健康に保つはたらきがあるためです。とはいえ女性ホルモンの分泌が減少すればその力が弱まるため、女性の薄毛は「進行がしづらいものの、ボリュームが落ち、全体的に薄く見える」傾向にあります。
女性ホルモンの分泌減少は、まず加齢によって起こります。とくに40代~50代ごろに訪れる更年期以降は一気に分泌量が減るため、薄毛にも悩まされやすいでしょう。
そのほか過度なダイエットや生活習慣の乱れ、出産後にも女性ホルモンの減少は見られます。10代、20代、30代という若い世代であっても薄毛になる恐れは十分あるのです。
普段のヘアセットやヘアケアが薄毛を招くこともある
ここまでは男女別に内部要因による薄毛の原因を解説しましたが、普段のヘアセットやヘアケアといった外部要因が薄毛を招くこともあります。
まず長期間にわたって同じ分け目や髪形にセットしている場合、継続的な負担がかかり、頭皮環境が悪化します。「牽引性脱毛症」とも呼ばれます。牽引性脱毛症の場合は、負担のかかっている部分が局所的に薄くなるのが特徴です。
またワックスやスプレーといった整髪料をしっかりと洗い流せていない、シャンプーやトリートメントが頭皮につまっているなどによっても頭皮環境は悪化します。誤ったヘアケアでかえって頭皮や頭髪にダメージを与えている方も少なくありません。心当たりのある方は頭皮や頭髪の扱い方を改めて見直すとよいでしょう。
分け目の薄さを今すぐカバーする方法・隠し方
分け目の薄さをひとまずカバーしたい方向けに簡単な隠し方を3つご紹介します。
ウィッグを利用する
ウィッグを利用することに抵抗がある方もいるかもしれません。しかし近年のウィッグはとても多様化しています。いわゆるカツラといったイメージが強いフルタイプのウィッグだけでなく、前髪だけのタイプ、つむじから前髪にかけてのタイプなどもあります。毛質も安価な人工タイプから、高価な人毛100%タイプ、人工と人毛をミックスしたタイプまで選べます。デザインやカラーも豊富なため、自分にぴったりと合う自然なものを見つけやすいでしょう。
選ぶコツとしては、自身の髪色に近いものを選ぶほか、ツヤにも注目してみてください。ツヤが強いウィッグは人工感が増して悪目立ちするため、なるべくマットなウィッグを選ぶのがおすすめです。
パウダーなどメイク用品で隠す
分け目や生え際が後退しているというよりも、毛と毛の間の隙間が目立つタイプなのであれば、メイク用品で隙間を埋めてしまいましょう。近年では「増毛パウダー」と呼ばれるメイク用品が多数販売されています。髪色に合わせて選ぶほか、パウダーの粒子が細かなものを選ぶと自然に仕上がります。また、頭皮環境を悪化させないため、成分の安全性にも注目しましょう。また増毛パウダーではなく、アイシャドウやシェーディングカラーなどを使って隠す方もいます。一般的なメイク用品は増毛パウダーに比べてカバー力が低い分、より自然な仕上がりになりやすいでしょう。
薄毛が目立たないヘアスタイルにする
ヘアスタイルを少し工夫するだけでも薄毛を目立たなくすることは可能です。まず、ブローをする際にはトップ部分をなるべく立ち上げるように意識しましょう。トップにボリュームを持たせるだけで全体的な毛髪量が多く見え、分け目の薄さが目立たなくなります。
また、分け目をつけるときには、まっすぐにつけるのではなくジグザグにするのがおすすめです。隙間が少なく見え、分け目の薄さが悪目立ちしません。そのほか男性であれば、前髪をおろして隠すとかえって隙間が目立ち、薄毛に見えます。あえておでこは全体的に出したうえで、前髪を立てる・遊ばせるなどして全体的なバランスを整えましょう。
薄くなった髪の毛のケア&対策方法
薄毛のケアや対策には、以下の方法が挙げられます。
・シャンプーやトリートメントなどヘアケアの基本を見直す
・髪型、ヘアセットは定期的に変える
・育毛剤を使用するなら「医薬部外品」指定の商品がおすすめ
・皮膚科や専門クリニックでの治療も視野に入れる
詳細を確認し、薄毛の進行にストップをかけましょう。
ホルモンバランスを整えるための生活を心がける
ホルモンバランスが乱れると薄毛を引き起こす男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」のはたらきが活発化するため、ホルモンバランスを整える生活を心がけましょう。
- 食事
バランスよく、適量を規則正しく取る。過度な間食やアルコール摂取は避ける - 睡眠
少なくとも起きる時間は一定にし、体内リズムを整える - 運動
気持ちよく感じられる程度の運動を習慣づける
まずは生活習慣の基本となるこれら食事・睡眠・運動について、できることから始めてみてください。
シャンプーやトリートメントなどヘアケアの基本を見直す
まずシャンプーは、する前にしっかりと頭皮や頭髪へと水分を行き渡らせることが大切です。水分がなくては泡立ちが悪くなり頭皮や頭髪を傷つけるほか、栄養も行き渡りづらくなります。時間にして1分以上はかけましょう。しっかりと水分を行き渡らせたら、シャンプーは手のひらでよく泡立ててから使います。また、シャンプーで洗うのは頭髪ではなく頭皮です。頭皮をもみ込むように、指の腹でやさしく洗い上げましょう。
つづいてシャンプーの後のトリートメントは、頭皮用でない限り、毛先にだけつけます。頭皮にまで塗布しては、毛穴が詰まる原因になり、かえって薄毛の原因になりかねません。そのほか、シャンプーもトリートメントも十分にすすぎましょう。すすぎ残しがあると頭皮や髪の負担になり、薄毛のほか、かゆみや湿疹などのトラブルにもつながります。
髪型、ヘアセットは定期的に変える
分け目を含め、髪型は定期的に変えましょう。しかし、薄くなるほど負担をかけた分け目は強いクセがつき、変えるのが難しいかもしれません。変えるためのポイントは、ブローにあります。まず、新たにクセをつけやすい「濡らしてから5分以内」にブローを始めましょう。
分け目の部分を乾かすときには、まず髪を流したい方向とは逆側に向けて、ドライヤーを当てます。このとき、決して髪を引っ張るようにはせず、ふんわりと根本を立ち上げるように意識しましょう。つづいて、髪がある程度乾いてきたら、今度は流したい方向に向けてドライヤーを当てます。こうすることでいつもと逆方向にクセがつけやすくなるほか、トップにボリュームが出ることで分け目の薄さが目立ちにくくなるでしょう。
育毛剤を使用するなら「医薬部外品」指定の商品がおすすめ
育毛剤を使用するのであれば、「医薬部外品」と記載された商品がおすすめです。医薬部外品とは、厚生労働省によって認められた有効成分が有効だと規定される量まで含まれている商品を指します。つまり化粧品と分類される育毛剤に比べ、高い効果を期待できるのが医薬部外品です。なかでも、毛髪の成長を促進する「D-パントテニルアルコール」や、頭皮の血行をケアする「酢酸DL-α-トコフェロール」といった成分が配合された育毛剤をおすすめします。
皮膚科や専門クリニックでの治療も視野に入れる
セルフケアではなかなか改善が見られないようであれば、皮膚科や専門クリニックにかかることも検討しましょう。病院にかかれば原因が明確になりやすいほか、医薬部外品よりも高い効果が期待できる医薬品を処方してもらえるでしょう。医薬品には、「抜け毛を抑制するもの(月に3,500~10,000円程度)」「発毛を促進するもの(月に5,000~15,000円程度)」のほか、「発毛促進の注射(1回あたり2~8万円)」や「自毛植毛(40~80万円)」などがあります。
ただし毛髪治療に関しては、たとえ医療の力を借りても100%の効果があるとは言い切れません。そのあたりも踏まえ、どのような対策が自分にベストかを検討してみてください。
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