【対策が人生の分かれ目】日常に潜む恐怖、血糖値スパイクとは

気を付けたい食後の血糖値。誰にでも起こる可能性がある「高血糖スパイク」について、糖尿病内科医の山村聡先生に伺いました。

【記事監修】糖尿病内科医 山村 聡
日本糖尿病学会会員。日本内科学会認定内科医。専門は糖尿病、ダイエットなど
 

血糖値スパイクってなに?

血糖値スパイクとは、食事で過剰に摂った糖をコントロールしきれずに血糖値が急上昇し、またその反動で急降下する現象です。これにより血管が傷つき、健康リスクが高まってしまいます。老若男女誰にでも起こり得ます。

また、血糖値スパイクを繰り返すと、すい臓が疲弊し、インスリンの分泌量が減少。 さらに血糖値コントロールが効かない悪循環に陥ります

山村先生に聞きました!

Q1.血糖値スパイクを起こす要因を教えてください。

山村医師
山村医師
年齢や日々の食生活と密接な関連があります。

1.加齢による、膵臓の老化

40代を超えると膵臓も弱ってきて分泌されるインスリン量が減ります。そのため、若い時と同じように糖を摂取していると血糖値スパイクが起こりやすくなります。
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2.肥満の蓄積

肥満になるとインスリンの働きが鈍くなります。また、若いうちから糖質をたくさん摂る生活を続けていると、働き続けた膵臓はやがて疲弊し機能が低下。普段通りの糖質量でも血糖値スパイクが起きやすくなります。

3.過去に太っていた人も要注意

過去に太っていた方も血糖値スパイクが起きやすくなります。体重を落とすことでインスリン機能の低下を止めることはできますが元には戻らないので、食事の糖質をコントロールすることが必要です。

Q2.高血糖が悪化したら、時間的負担や治療費はどうなる?

山村医師
山村医師
大きな負担がかかる前の予防が重要です。

毎月1回は通院が必要で、費用は保険治療の範囲であれば月7~8千円程度ですが、蓄積すると時間とお金の両面で大きい負担となります。入院が必要になった場合は100万円単位の費用がかかるため、早めの対策が重要です。

Q3.高血糖のリスクを減らすコツはありますか?

山村医師
山村医師
1日でも早く対策を始めることです。

医学用語には「高血糖の記憶」という言葉があります。高血糖を放置していた時期の影響は、後々まで体に残ってしまうことを表しています。

逆に、早いうちに血糖値コントロールをしていれば、後に症状が出ても、過去の努力が財産として体を守ってくれるのです。

ぜひ続けたい血糖値コントロール術3選

①“まいたけ”は優秀フード

低糖質で食物繊維が豊富なきのこの中でも、まいたけは特に優秀。MXフラクションという独自成分が血糖値の正常化だけでなく、血液をサラサラにしてくれる効能もあります。

②ラジオ体操でストレス解消

ストレスは血糖値を上げるので、身体を動かして解消しましょう。ラジオ体操は簡単な動きながら無理なく全身を動かすことができます。実は1回で1日の1/3の運動量に

③歯周病はインスリン機能を下げる

歯周病は重症であるほど血糖値が上がりやすく、菌による炎症がインスリンの働きを低下させることがわかっています。毎食後のお口のケアや定期的な歯科検診を!

「血糖値」対策のまとめ

せっかく始めた糖質コントロール習慣、これからも頑張っていきましょう!