【医師監修】「糖質コントロール」は「内臓脂肪」にも効果あり!

肥満や内臓脂肪の蓄積は生活習慣病に大きな悪影響を与えます。じわじわと身体を蝕む恐怖について、肥満対策にも詳しい山村聡医師に伺いました。

この記事の監修者

最初の1枚を食い止めたい!恐怖の「メタボリックドミノ」

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の進行とともに、様々な身体の異常がドミノ倒しのように連鎖し、やがて重大な病気を招いてしまうことを「メタボリックドミノ」と呼びます。

 

ドミノの最初の1枚目は「内臓脂肪型肥満」です。内臓脂肪が蓄積すると、インスリンの働きが悪くなるなど、体に悪い影響が出始めます。次第に血圧、血糖、脂質とまさにドミノ倒しのように病が進行してしまいます。

内臓脂肪は「ご長寿ホルモン」を減らしてしまう

血中には、“ご長寿ホルモン”と呼ばれている「アディポネクチン」が存在します。血管の傷を修復する働きがあり、重病のリスクを軽減してくれると言われています。内臓脂肪が蓄積すると、このご長寿ホルモンの分泌が減り、健康リスクが高まってしまいます

実は加齢臭も内臓脂肪の仕業だった!?

中高年のお悩みの定番「加齢臭」。原因は「ノネナール」という成分で、血中の脂肪(遊離脂肪酸)が分解されてできます。当然、内臓脂肪が増えると血中の脂質、そしてノネナールの量も増えることになります。

また、脂肪を多く含む汗にも含まれ、体脂肪が多く汗をかきやすい人は、ノネナールがさらに発生してしまうのです。

「糖質コントロール」は「内臓脂肪対策」にも効果あり!

内臓脂肪と糖質には密接な関係があります。糖質を摂りすぎると、体内で脂肪に変換されて蓄積するのはご存じの通り。食事での糖質摂取をケアしていれば、身体には確かな変化が訪れます

管理栄養士に聞きました!
痩せる食事のポイント&レシピ

糖質を抑えたいからと言って食べる量を極端に控えると、筋肉が落ちてエネルギーが消費されづらくなり逆効果。肉や魚は低糖質でタンパク質が豊富。脂肪を燃やすのを助けます!

おすすめ食材① 魚の水煮缶

糖質オフのおかずが時短で完成!水煮缶は、旬の食材の栄養を丸ごと摂れる優秀食材。DHAやEPAなどの魚油には、体脂肪の減少を助ける効果も。ビタミンB群やカルシウムなども補えます!

おすすめ食材② 豚肉

他の肉に比べて糖質や脂質の代謝を促すビタミンB1が豊富!脂身の多いバラ肉よりも、赤みのヒレ、もも、ロースなどに多く含むのでおすすめ。

タンパク質が豊富なおすすめレシピ

『さば水煮のガーリックトマト煮』

371kcal
●食材(2人分)調理時間:10~15分
さば水煮 ……………………… 小2缶(固形分100gx2)
Aタマネギ(くし切り) ………   中1/2個(60g)
 ニンニク(粗みじん切り)… 1片(6g)
 オリーブオイル ……………    小さじ2
Bしめじ ………………… 60g
 トマト水煮 …………… 200g
 水 ……………………… 100cc
 コンソメの素(顆粒)… 5g
 本みりん ……………… 小さじ2
ブロッコリー(茹で) …… 6房
ハーブソルト …………… 適量

●作り方
Aを火にかけニンニクの香りがしたら、水気を切ったサバ缶とBを加える。 沸騰したら弱火〜中火で約3分煮て、ブロッコリーを加えさらに1分ほど煮る。最後にハーブソルトで味を調える。

ワンポイント栄養素 トマトに含まれる「リコピン」には抗酸化作用があり、血糖値を下げるインスリンの働きを助けます。オリーブオイルと一緒に摂ると吸収率UP。

 

『豚しゃぶ肉の香味野菜巻き ごまソースがけ』 

296kcal
●食材(2人分)調理時間:15〜20分
豚もも肉(薄切り) …… 10枚 (200g)
A長ネギ(細切り) ……    40g
 にんじん(細切り) …   30g
 好みの発芽野菜 ……   1パック(20g)
B練りごま ……………… 20g
いりごま ………………… 大さじ2
めんつゆ(3倍濃縮) ……  大さじ2
本みりん ………………… 小さじ2
白だし …………………… 大さじ1
酢 ………………………… 大さじ1

●作り方
豚もも肉を鍋に1枚ずつ広げて入れ、ひたひたより3~4センチほど多めの水と、塩少々(分量外)を入れて火にかけます。豚肉の色がピンク色からうっすら白っぽくなるまで加熱したらザルにあげ、水でアクを洗い流したら表面の水気をしっかりふきとります。
①の肉で10等分したAの野菜を巻き、器に盛り付けます。合わせておいたBのごまだれを添え、たっぷり付けていただきます。

ワンポイント栄養素 カイワレなどの発芽野菜には、美肌に効果的なカロテンが豊富です。また、たれに使ったごまにはアンチエイジング効果も期待できます。
 

すでに対策しているあなたは素晴らしい!

体の血糖値コントロール力は、自力で鍛えることができません。だからこそ、食事の糖質の量を抑えることが大切です。

「肥満・内臓脂肪」対策のまとめ

「糖質コントロール」を継続的に行って健やかな身体を保ちましょう。