今「中性脂肪」に向き合えていることには、とても価値があります。
中性脂肪は自覚症状がなく強敵。しかし、「異常あり」と診断が下っても、放置してしまう人も多いようです。今回は具体的な対策を糖尿病内科医の山村聡医師に伺いました。
日本糖尿病学会会員。日本内科学会認定内科医。専門は糖尿病、ダイエットなど
症状がないため、放置されてしまう脂質異常
悪化すると重病を引き起こす中性脂肪。しかし、健康診断で脂質異常症の疑いがあると診断が下っても、4人に1人は服薬の対策していないという報告が。(平成27年国民健康・栄養調査報告より)
本人は自覚症状がないため、放置されがちなのが恐ろしい点です。
専門医が教える、中性脂肪リスクQ&A
Q1.中性脂肪が高いことの健康的なリスクについて具体的に教えてください。
中性脂肪が増えると、悪玉コレステロールが増え、血管の老化が進んでしまいます。血管は全身を網羅しているので、あらゆる場所で疾患リスクが高まってしまいます。
Q2.健康診断で空腹時の中性脂肪が正常であれば問題ないですか?
空腹時の中性脂肪が低くても、食後の中性脂肪が高いと病気のリスクが上がるということが分かってきました。ガイドラインも改訂され、「非空腹時の中性脂肪175mg/DL」という脂質異常症の新基準が追加に。
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン(日本動脈硬化学会)」より
食後中性脂肪の検査は、病院で相談するか、最近は測定できる薬局も増えています。モチベーションアップにもなるのでぜひ活用してください。
Q3.中性脂肪の異常は体型や年齢との関連性はありますか?
一般的に、中性脂肪は肥満傾向の人が高くなりやすいです。また、加齢とともに糖質と脂質の両方の代謝が落ちてきて、数値の悪化に直結します。食事を中心とした、生活習慣の見直しが必須です。
毎日の中性脂肪対策ができていれば大丈夫!
ぜひ続けたい!中性脂肪対策
「中性脂肪」は、「脂質+糖質」合わせ技で増えるので、影響の大きい食事のケアは欠かせません。
①朝食抜きをやめる
朝食を抜くと、前日から絶食状態のまま低血糖状態で昼食を摂ることに。すると体は糖を猛スピードで吸収し、その分、血中中性脂肪も増える結果に。
②毎日の食事に香味野菜を摂り入れる
唐辛子に含まれるカプサイシンは、体内の中性脂肪をエネルギーに変える力があります。
また、生姜やにんにくなども糖代謝が高まり、燃焼しやすく。スパイスをうまく使えば、料理の風味も豊かになり減塩にも!
③食後30分以内の手足ぶらぶら体操
食後の急激に血糖値が上がるタイミングに軽い運動をして、糖が中性脂肪に変わるのを予防!
「中性脂肪」対策のまとめ
日頃中性脂肪と向き合えていることは素晴らしいことです!自信を持って継続していきましょう!