見た目だけじゃない!内臓脂肪は健康リスクを高めます

「加齢とともに太りやすくなる」は事実です。ですが、「”歳だからしょうがない”という考え方はとても危険」と、ダイエットの専門医でもある山村医師は提言しています。肥満の原因と対策について、詳しく伺いました。

【記事監修】糖尿病内科医 山村 聡
日本糖尿病学会会員。日本内科学会認定内科医。専門は糖尿病、ダイエットなど
 

専門医が教える、内臓脂肪リスクQ&A

Q1.年齢とともにお腹周りがぽっこりする人が増えるのはなぜですか?

必要以上に付いた「内臓脂肪」の仕業です。

本来、脂肪は身体を動かすエネルギーになります。いざという時に、すぐエネルギーを使うために供給元である肝臓の周りに蓄積しやすいのです。また、胃や腸を覆う膜にも蓄積します。

この必要以上について内臓脂肪が“ぽっこりお腹”の原因です。

Q2.自分でも不思議なぐらい食欲が抑えられません。なぜでしょうか?

内臓脂肪が増えるほど食欲を抑えづらくなります

内臓脂肪が増えると、脳に「もう満腹!」のサインを送り食欲を抑制する「レプチン」というホルモンが効かなくなります。その結果食べすぎて、さらに太るという悪循環に陥ってしまいます。

Q3.女性は更年期を過ぎると、内臓脂肪を蓄積しやすくなるって本当ですか?

本当です。女性ホルモンの減少によるものです

女性ホルモンのひとつで、脂肪の燃焼を促す働きのある「エストロゲン」が急激に減少し、脂肪が溜まりやすくなってしまいます。

Q4.中高年の内臓脂肪対策には、どんなことがおすすめですか?

大事なのは対策を「習慣化」することです。

内臓脂肪型肥満の大きな原因は「生活習慣の乱れ」です。決意して急激にダイエットしてもリバウンドしてしまえば将来の健康にはつながりません。毎日の食事で糖質や脂質の摂取コントロールをしつつ、あわせて運動習慣をつけるといいですね。

すでに対策できているあなたは素晴らしい!

これからも続けたい糖質コントロール。血糖値を上げにくい「低GI食品」に着目

糖質コントロールに役立つ「GI値」とは?

GI値とは、食後血糖値の上昇度を示す指数のこと。低GI食品は太りにくく、高GI食品は太りやすいといわれています。

「低GI食品」が太りにくい理由

「低GI食品」は、食後血糖値の上昇が緩やかなため、インスリンの過剰分泌を抑えられます。脂肪になるリスクが低くなるので、肥満につながりにくいのです。

「GI値」を抑える3つのポイント

①置き換える
普段の食事を低GI食品に置き換えて、食事全体のGI値を段階的に下げることが重要

②組み合わせる
低GI食品を多めに摂り入れて、メニューを組み合わせるだけで食事全体のGI値軽減に!

③ゆっくり食べる
早食いは血糖値の急上昇を招くので要注意!満腹中枢が刺激されて食べ過ぎ抑制効果も!

一目でわかる!食品別「GI値」

食物繊維が豊富な食品は糖の吸収を和らげるため、糖質量は同じでもGI値が低めです。一覧表を参考に、日頃から肥満につながりにくい食品選びを心がけましょう

※GI値は調理方法によって変化します。
※シドニー大学のGI値データベースを元に分類しています。あくまで大まかな指標としてご覧ください。

「肥満・内臓脂肪」対策のまとめ

これからも、コツコツ対策を続けて、将来の健康に差をつけましょう!