【図解】食後血糖値のピークはいつ?食後1時間、2時間、3時間後の数値を正常値に下げるには?

最近はテレビCMなどでも目にすることが多いですが、「食後の血糖値を下げる」お茶やサプリメントが数多く販売されています。

血糖値が高くなり過ぎると、健康面で様々なリスクがあることはよく知られていますが、食後は健康な方であっても血糖値はある程度上昇します。

この記事では、食後に血糖値がどのように上昇し、やがて正常値に戻るのか、そのメカニズムについて解説します。食後1時間~4時間の血糖値の推移グラフも掲載しています。

この記事の監修者

 

佐藤 留美

2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

食後の血糖値はなぜ上がり、そして下がるのか

「美味しいものは血糖値が上がりやすい」とはよく言われています。

しかし人類が生き延びてきた歴史を考えると、糖は命を守るために大切なものです。糖分が多く含まれ、血糖値が上がる食べ物を好むようになったのは、必然なのかもしれません。

とはいえ、“飽食”の現代においては血糖値の上がりすぎには注意が必要です。

まずは食後の血糖値はなぜ上がり、やがて下がるのかを解説します。

そもそも血糖値とは

血糖値とは、血液中のグルコース(ブドウ糖)の量をさします。

「血液1dL(1デシリットル)のなかにグルコースが何mg含まれているか」を表した数値です。

食後は誰でも一時的に血糖値が高くなる

どんな人でも、食後は必ず血糖値が上昇します。

食事に含まれている糖を摂取・吸収しているわけなので、当然といえば当然です。

食事と血糖値の仕組み

ご飯・パン・麺類など炭水化物(糖質)の多い食品を食べると、血液中のグルコースが増えて血糖値は上昇します。

糖質を摂っても時間が経つと、体内の血糖値が高くなりすぎないよう一定に保つホルモンの働きで、血液中のグルコースが減って血糖値は下降します。

2種類のホルモンが血糖のバランスを保っている

血糖のバランスを保つために逆の働きをする2つのホルモンは膵臓から分泌されています。

・食後の血糖を下げる働きをする「インスリン」

・血糖値が低いときに血糖を上げる働きをする「グルカゴン」

どちらも膵臓から分泌されるホルモンです。

ピークはいつ? 食後1時間、2時間、3時間後の血糖値グラフ

では、食後の血糖値はどの時点からどのようにして上昇し、下降するのでしょうか。

食後の血糖値の推移

下記のグラフは健康な人、食後高血糖(血糖値スパイク)の人、糖尿病の人、それぞれの血糖値の推移です。

※参考:糖尿病ネットワーク「食後高血糖とは?

数値は以下の表の通りです。 ※数値はあくまでも目安です

時間

健康な人

食後高血糖の人

糖尿病の人

食事開始

100

100

150

食後30分

125

190

170

食後60分

140

220

200

食後90分

130

190

225

食後120分

120

160

250

食後150分

110

130

260

食後180分

100

120

240

食後210分

90

115

210

単位:mg/dL

糖尿病の人は食事をする前から血糖値が高く、食後の高血糖のピークも150分後と他の人よりピークを迎えるのが遅いことが分かります。

また食後高血糖(血糖値スパイク)があるだけの人は、食前の血糖値は健康な人と変わらず、食後60分のピーク値が200を超えて高いものの、食後210分では健康な人よりも少し高い程度で推移します。

食後高血糖(血糖値スパイク)とは

食後2時間たった時点で計る血糖値が140mg/dLを超えると、食後高血糖(血糖値スパイク)と判断されます。

 “食後高血糖かどうか正確に判断するためには、75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)という検査をします。

10時間以上絶食した後、空腹時に75gのブドウ糖を飲んで30分・60分・90分・120分後に採血をし、血糖値の変化を測定するものです。”

引用:e-ヘルスネット(厚生労働省)「食後高血糖

食後高血糖のある人は、空腹時の血糖値は正常域であることが多いです。

そのため、通常の健康診断などではみつからずに糖尿病へ進行してしまう恐れがあるのです。

糖尿病や食後高血糖がある人は、インスリンの分泌量が足りていなかったり、分泌が間に合っていなかったりするため、十分に血糖値を下げることができず、食後に高血糖の状態が続いてしまいます。

血糖値スパイクについては「【医師監修】血糖値スパイクの症状は眠気?自己診断、原因、血糖値を抑える飲み物・食事・運動とは」で詳しく解説しています。

食後の高血糖が危険な理由とは

食後血糖値が高い状態が続くと、糖尿病予備群の疑いがあり、糖尿病を発症する可能性もあります。

また、高血糖は動脈硬化の危険因子としても重要で、放置しておくと血管障害が進み脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす恐れがあります。

糖尿病の三代合併症

糖尿病になってしまうと、元の糖尿病だけでなく合併症を引き起こす可能性が高まります

代表的なものは以下の3つです。

糖尿病の三代合併症

・糖尿病性腎症

⇒ 腎臓の機能が低下して、進行すると高度の蛋白尿、低蛋白血症、脂質異常症、浮腫をきたす

・糖尿病性網膜症

⇒ 目の毛細血管が破れていき、目が見えなくなっていく

・糖尿病性神経障害

⇒ 神経細胞に血液が届かなくなり、全身の神経に障害が起こす

 

高血糖を放置すると

また、高血糖を放置すると次のような命にかかわる病気も発症します。

・脳卒中、脳梗塞

・心筋梗塞

以上のように、高血糖の状態が続くことは非常に危険です。

高血糖の予防・改善は、日頃の食事と運動の見直しが基本です。

血糖値を下げるためにできること

では、血糖値を下げるには生活の中でどのような工夫ができるのでしょうか。

食後の高血糖を防ぐ食事

①炭水化物をとりすぎない

ご飯・パン・麺類だけでなく、お菓子や果物、ジュース、お酒にも注意が必要です。夜は炭水化物を控える、炭水化物以外の食べ物に置き換えるなど工夫しましょう。

➁水分をしっかりとる

水を多く飲むだけでも基礎代謝が増えます。

一気にたくさん飲むのではなく、こまめに水分補給をしてみてください。

夏だけでなく、冬も乾燥に注意が必要です。

食事対策について詳しく知りたい方は「今日からできる血糖値を急上昇させない食事のコツ|糖質制限vs低GI」をご覧ください。

BMI20~24が理想

BMIとは体重(kg)÷[身長(m)×身長(m)] で算出される数値です。

日本肥満学会の定めた基準では、BMIが18.5以上25未満を「普通体重」と分類されます。

参考: e-ヘルスネット(厚生労働省)「BMI」

ご自分の身長から、BMI20~24におさまる標準体重を探してください。

BMIが25以上の場合は食事内容を変更する、習慣的に運動をするなど、医師に相談して対策を始めてみるとよいでしょう。

また、BMI18.5を下回る体重は、体調不良や病気のリスクが高まるのでよくありません。注意しましょう。

食後の高血糖を防ぐ運動

運動は、有酸素運動と無酸素運動を両方やることが大切です。

有酸素運動

有酸素運動とは呼吸をしながら長時間おこなう運動です。

ウォーキングやジョギング、ヨガやストレッチなどです。

無酸素運動

無酸素運動とは短時間で大きな力をかける、やっているとつい呼吸が止まってしまうような運動です。

筋トレ」と言われるような腕立て伏せ、スクワット、腹筋などが該当します。

運動について詳しく知りたい方は「痩せるには運動は本当に必要??運動嫌いのためのおすすめメソッド」をご覧ください。

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