年齢肌は何歳から?自己診断と肌悩みに応えるスキンケア方法
『あなたは年齢肌がいつから始まるかをご存じでしょうか。』
一般的には肌の曲がり角といわれる30代以降やホルモンの分泌量が大きく変わる更年期以降をイメージする方が多いでしょう。しかし、実は加齢に伴うお肌の変化は20代から現れます。10代の頃や20代になったばかりの頃に比べ、肌が変わったと感じているのなら、それは年齢肌かもしれません。
また、今すぐ始められる年齢肌向けのスキンケアについてもまとめました。自分が年齢肌なのか気になっている方や、正しいスキンケア方法を知りたい方は、ご参考ください。
この記事の監修者
恵比寿美容クリニック院長
東海大学医学部医学科卒業。都内市中病院で初期研修後、消化器内科診療に従事。その後は人間ドックでの診療を続けながら恵比寿美容クリニックにて勤務し、現在は院長として診療に従事
そもそも「年齢肌」とはどういう意味?
テレビCMなどでも耳にすることが多い「年齢肌」ですが、その意味をイマイチ分かっていない方は多いのではないでしょうか。年齢肌とは、加齢に伴い変化が現れた肌のことを意味します。例えば、保水力の低下により水分量が少なくなった肌、紫外線ダメージの蓄積によりメラニンを含む角質が表面に溜まった肌などです。
一般的には、30代頃以降から「年齢肌」と言われることが多いですが、10代、20代から始まっているケースも少なくありません。「まだ若いから大丈夫!」というものではありません。
年齢肌はいつから始まる?自己診断で肌をチェック
まずは自分の肌状態を確認していきましょう。
年齢肌に起こりやすい肌悩みのチェックリストを用意しました。
年齢肌が引き起こす肌悩みチェックリスト
以下のリストから、当てはまるものにチェックをつけてください。
・肌が乾燥しやすい
・保湿をしても肌に浸透しづらい
・くすみやシミが目立つ
・肌がごわごわする、ザラザラする
・毛穴の黒ずみや皮脂が目立つ
・毛穴の形が楕円型やしずく型になっている
・小じわがある
チェックをつけた肌悩みのなかに、ここ数年で新しく増えたものや、悩みが強くなったものはあるではないしょうか。ひとつでもあるのであれば、それは年齢肌が始まっているかもしれません。早めに適切なスキンケアを心掛けなくては、さらに肌環境が悪くなり、よりお肌を老化させてしまうかもしれません。
年齢肌は20代から注意が必要
一般的にエイジングケアといえば、お肌のハリが目に見えて落ちてくる40代以降に勧める傾向があります。しかし、肌内部の保湿成分量は20歳がピーク。それ以降は段々と減っていきます。できることなら20代半ばという若い内から、年齢肌ケアをして“美肌貯金”をしておきたいところです。
エイジングサインを見逃さないために、ここで加齢に伴う肌の変化を世代ごとに見ていきましょう。
20代で起こる肌の変化
20代も前半であれば10代の肌に近く、新陳代謝も活発です。
そのため皮脂も多く、箇条な皮脂分泌が原因で起こるニキビや毛穴の黒ずみ、開きなどに悩まされる方が多いでしょう。しかし20代も半ばになると、少しずつ肌に含まれる保湿成分量が減少します。すると肌のバリア機能が衰え始め、紫外線やエアコンなどの外部刺激により乾燥を引き起こしやすくなります。
- 以前よりも乾燥しやすくなった
- 季節の変わり目に肌トラブルを起こしやすくなった
- 化粧品の浸透力が落ちた
こういった実感があるのなら、年齢肌かもしれません。
30代で起こる肌の変化
30代も20代同様、保湿成分が少しずつ減少しています。以前よりも外部刺激に弱くなったと感じやすいでしょう。
また、加齢とともにお肌のターンオーバーにかかる日数は増えていきますが、特に大きく変わるのは30代です。古い角質が残りやすくなるため、毛穴の黒ずみやシミの悩みも出てくるでしょう。20代に比べると血流も悪くなることから、お肌のくすみも目立ち始めます。
それから30代も後半に差し掛かると、今度は少しずつお肌がたるみ始めます。この段階では大きく目立つたるみではありませんが、毛穴が大きくなってきたと感じるのであれば要注意です。よくよく毛穴を確認すると、楕円型やしずく型になっていないでしょうか。このように毛穴の形が重力によって変形するのも年齢肌の特徴です。
40代で起こる肌の変化
更年期が近づき、これまで以上に肌悩みを警戒する方も多い40代ですが、実は40代前半はお肌の安定期です。ターンオーバーはさらにゆっくりになっているため、肌のくすみは気になるかもしれませんが、ニキビをはじめとした目立った肌トラブルは落ち着く方が多いでしょう。しかし、40代はコラーゲンの体内合成量がピーク時の半分にまで落ちると言われています。40代半ばになると、小じわやたるみが気になり始める方も多いでしょう。これまで以上に目立つエイジングサインが出てくる時期です。
50代で起こる肌の変化
50代以降は、皮膚の下にある脂肪層や筋肉にもたるみが出始めます。するとフェイスラインのゆるみにもつながるでしょう。乾燥による小じわや表情ジワなども目立ち始めます。50代以降のお肌は筋肉量をはじめ、これまでのお肌の扱い方によって決まるともいえるでしょう。いくつになっても若々しいお肌を保ちたいのであれば、いち早く年齢に合ったスキンケアを心掛けましょう。
年齢肌を悪化させる原因を知ろう
年齢肌は加齢によって引き起こされるものですが、悪化させる原因は加齢に限りません。年齢肌を悪化させる原因を把握し、心当たりのあるものがあれば、改善しましょう。
原因1.誤ったスキンケア
スキンケア用品は正しく使わないと効果が落ちるどころか、かえって年齢肌を悪化させる恐れがあります。原則として、添付の説明書に記載されている使い方は必ず守りましょう。
また、お肌に塗布するときは摩擦をなるべく起こさないのがポイントです。お肌にはそっと触れるほか、触る回数もなるべく少なくしましょう。きちんとした知識を持たずにおこなう自己流マッサージは避けるのが無難です。正しいスキンケアについては、のちほど改めて解説します。
原因2.生活習慣の乱れ
お肌は食事や運動、睡眠などの生活習慣によって健康に保たれます。特にポイントとなるのは、細胞を老化させる原因になる「活性酸素」を増やさない生活です。活性酸素は、食品添加物や激しい運動、ストレスなどによって増えます。バランスのよい食事を心がけ、ヨガや有酸素運動など心地よい程度の運動を生活習慣に取り入れましょう。
また、睡眠不足は脳にとって大きなストレスになります。1日7~8時間の睡眠を目安にしましょう。それが難しい場合には、せめて15分程度の仮眠を夕方までに挟みましょう。
原因3.紫外線やブルーライトの影響
紫外線やブルーライトもまた、活性酸素を増やす原因のひとつです。
日焼け止めを利用するほか、スマートフォンやPCの彩度を調整して、対策をしましょう。ちなみに紫外線は目から入ったとしても、活性酸素を増やします。サングラスやツバのある帽子、日傘なども取り入れてみてください。
日焼け止めの正しい使い方については、のちほど改めて解説します。
今すぐ始めたい年齢肌向けスキンケア方法
ここでは年齢肌向けのスキンケア方法をチェックしていきましょう。どれも今すぐに取り入れられる方法ばかりです。できることから早速試してみてください。
朝の洗顔はサッと済ませる
朝の洗顔は、ぬるま湯で肌を濡らしたら、洗顔料を広げてから45秒程度で洗い流しましょう。
朝の洗顔に時間をかけると、必要な水分や油分まで取り除いてしまいます。ただし水だけの洗顔では、寝ている間に出た皮脂汚れを落とし切れません。洗浄力はそこまでいらないので、朝はお肌への優しさを追求した洗顔料を使いましょう。
日焼け止めはTPOに合わせて併用
紫外線は外にはもちろん、部屋の中にも一年をとおして降り注いでいます。日焼け止めは、できる限り毎日使いましょう。ただし、外での活動が少ない日にまで効果の高い日焼け止めを使っていては、お肌が疲れてしまいます。最低でも2種類の日焼け止めを用意して、TPOで使い分けましょう。使い分けの目安は以下をご確認ください。
・屋内:SPF10/PA+
・春や秋の屋外:SPF30/PA+++
・夏の屋外:SPF50+/PA++++
・冬の屋外:SPF10/PA+
また日焼け止めには紫外線吸収剤を使用したものと、紫外線散乱剤(ノンケミカル)を使用したものがあります。後者のほうがお肌には優しいため、日ごろから使用する日焼け止めは紫外線散乱剤を使用したものがおすすめです。
クレンジングによるメイク落としはしっかりと
お肌の乾燥が気になるときは、ついついクレンジングもサッと終わらせてしまいがちです。しかし、メイクや余分な皮脂は肌に残ると次第に酸化し、黒ずみの原因になります。クレンジングで最優先すべきは、メイクや汚れをしっかり取り除くことだと心得ましょう。
そのためにもクレンジング選びは重要です。メイクが落ちるまで1分以上かかる場合には、洗浄力が弱いかもしれません。アイメイクやリップなど部分的なメイク落ちが悪い場合には、ポイントメイクリムーバーを追加しましょう。
また目のキワなどはどうしても落としにくいため、綿棒を使うのもおすすめです。目は皮膚が薄く、刺激で色素沈着しやすいため、使用する綿棒は柔らかいものをおすすめします。
古い角質や毛穴の汚れは定期的に除去
加齢とともに遅くなるターンオーバーをそのままにしていると、肌環境がどんどんと悪くなり、年齢肌を進行させてしまいます。定期的にピーリングで角質ケアをしましょう。ピーリングは美容皮膚科で治療として受けるのが効果的です。しかし気軽にセルフケアをしたいのであれば、ピーリングジェルやふき取りタイプの化粧水を使うとよいでしょう。
ピーリング成分はいくつかありますが、毛穴ケアなら「BHA」、角質ケアなら「AHA」がおすすめです。またこれらでは肌への刺激が強い場合には「PHA」を使いましょう。
保湿不足を実感したら化粧水や美容液、クリームなどをプラス
正しくスキンケアを続けていても、お肌が乾燥しやすいと感じるのであれば、今のスキンケアでは物足りないのかもしれません。高級帯の基礎化粧品を揃えるのもよいですが、お金をなるべく抑えたいのであれば、まずは1つだけプラスしてみましょう。たとえば浸透力を高めるブースターや、パーツケア用の化粧水、クリーム、肌悩みに応じた美容液などがおすすめです。
肌悩みごとにおすすめの成分をまとめたので、こちらが配合された化粧品を探してみてください。
- シミ、くすみ
酸化亜鉛、ナイアシンアミド - シワ
ビタミンC誘導体、ナイアシンアミド、アデノシン - 乾燥
酸化亜鉛、ナイアシンアミド、セリン - たるみ、毛穴
コラーゲン、レチノール、ヒアルロン酸、アセチルグルコサミン
毎日の生活でほんの少しでも"美容って楽しい"と思ってほしい。そんな気持ちで、美に関する情報を発信していきますので、見ていただけると嬉しいです。