【医師監修】乾燥肌に良い食べ物でバリア機能を高めた潤い肌へ

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乾燥肌には様々な対策方法がありますが、普段の食べ物を工夫することもそのひとつです。

乾燥肌に良い食べ物とはどんなものなのでしょうか。

 

そもそも、乾燥している肌は何が不足しているのでしょうか。

乾燥のつらい肌荒れに良い食べ物と、避けたほうが良い食生活を紹介します。

この記事の監修者

 

吉岡 容子

医療法人容紘会高梨医院院長

東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設。

 

乾燥肌は食べ物で改善する?乾燥肌の原因は?

美肌のためには1にも2にも保湿、と言われています。

しかし、私たちの肌は一年中乾燥のリスクにおそわれています。

春は花粉症で乾燥、夏は日焼けで乾燥、秋は夏の疲れで乾燥、冬は暖房で乾燥……。

 

最近では、1日中マスクをつけているため摩擦で乾燥し、肌が荒れてしまうことが多いです。

そもそも乾燥肌の原因はどこにあるのでしょうか。

 

乾燥肌の原因は?

乾燥肌の原因は、大きく分けると体の外側と内側の2種類に分かれます。

外側

・空気の乾燥 …冷房・暖房の長時間利用

・紫外線ダメージ

・摩擦

 

内側

・体内の水分量の低下

・栄養不足(ビタミンB)

・セラミド不足

・睡眠不足

・加齢(皮脂分泌量)

・ストレス

・間違ったスキンケア

 

乾燥肌の対策は外側と内側か

乾燥肌の原因が外側と内側の両方にあるのであれば、乾燥肌の対策も外と内の両方からアプローチが必要です。

➀ 紫外線対策をする

② 正しいスキンケアを行う

➂ 睡眠を見直す

食べ物に気をつける

このページでは「④食べ物に気をつける」について詳しく掘り下げていきます。

 

それ以外の乾燥肌ケアが気になる方は「【乾燥肌対策】顔と全身のヒリヒリするかゆみ、皮膚科医が教える10の原因」をご覧ください。

 

乾燥肌に良い食べ物・悪い食べ物一覧

 

まずは乾燥肌に良い食べ物を、続いて乾燥肌の人は避けたほうがいい食べ物を紹介します。

 

乾燥肌に良い食べ物・成分3選

乾燥肌に良い食べ物・成分3選・動物性たんぱく質(牛肉、豚肉、鶏肉、魚、乳製品など)

・ビタミンA(レバー、バター、卵、牛乳など)

・ビタミンE(ナッツ類、アボカド、胚芽米、植物油など)

動物性たんぱく質

 

1日のタンパク質60~100gのうち、動物性タンパク質から2/3は摂るようにしましょう。

皮膚や毛、爪の主成分は硫黄を含むタンパク質から作られるケラチンです。

これは動物性タンパク質のみに含まれています。

動物性タンパク質は、皮膚が順調に角化するためにも必要です。

 

動物性たんぱく質が含まれている食品

牛肉、豚肉、鶏肉、魚、乳製品など

 

ビタミンA

 

ビタミンAが欠乏すると汗腺や脂腺の機能が低下して皮脂膜が減少します。

皮膚の角化が不完全になることで、角質の保湿力が低下し、肌が乾燥してしまうのです。

 

ビタミンAが含まれている食品

レバー、バター、卵、牛乳など

 

ビタミンE

 

ビタミンEは、血行を促進して皮膚のターンオーバーを正常化させてくれます。

ターンオーバーとは、肌が生まれて自然に剥がれ落ちるサイクルのことです。

ターンオーバーは20歳前後までは28日程度ですが、年齢が上がるにつれて、その期間が徐々に長くなり、肌トラブルの原因になると言われています。

 

ビタミンEが含まれている食品

ナッツ類、アボカド、胚芽米、植物油など

大前提として水分を摂取しましょう

 

現代人は知らず知らずのうちに水分不足になっていることが多いです。

全身の水分不足はもちろん肌にもあらわれます。

一度にたくさん飲むのではなく、こまめに水分を摂取する習慣をつけましょう。

 

このあとで説明しますが、アルコールやカフェインを含まない飲み物で水分を摂取することが重要です。

栄養素以外にも大切なこと

何を摂るにせよ、胃腸・肝臓の動きが良くないと十分に利用されません。

1日で全てを摂ることができなくても、約3日程度で十分に摂れるよう心がけましょう。

 

乾燥肌に悪い食べ物・成分3選

乾燥肌に悪い食べ物・成分3選・アルコール

・カフェイン(コーヒー・緑茶など)

・喫煙

アルコール

アルコールは適度であれば血行を促進しますが、過剰に摂取するとビタミンBを大量に消費してしまいます。

肝機能が低下すると栄養代謝も低下し、せっかく摂った栄養を十分に吸収できません。

 

また、アルコールを摂取すると抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌を抑えてしまいます。

抗利尿ホルモンとは尿を抑えるわけですから、分泌が減ると尿がどんどんつくられてしまいます。お酒を飲んでトイレが近くなるのはこういったホルモンの影響があるのです。

結果、水分が出ていくことで乾燥につながってしまいます。

カフェイン

カフェインを含む飲み物、とくにコーヒーや緑茶は、水分補給と思って飲んでいる方も多いでしょう。

しかしカフェインには、利尿作用があります。

カフェインの利尿作用により、尿量が増えることで身体の水分が減ってしまいます。

 

できるだけカフェインを含まない飲料で水分を摂取できるとよいですね。

喫煙

食べ物ではありませんが、どうしても肌には悪いので言及しなければいけない嗜好品があります。タバコです。

タバコを吸うと一酸化炭素が血中のヘモグロビンと結合するため、末梢の酸素が低下します。

同時に、ニコチンが毛細血管を収縮させることで、さらに末梢の血行が低下します。

末梢という言葉は手足をイメージしてしまいがちですが、肌の表面などは毛細血管によって栄養されます。末梢の毛細血管が収縮してしまうと酸素や栄養が届きにくくなります。

 

つまり、タバコは肌表面の血流・酸素を低下させることで、肌のターンオーバーを悪化させ、肌荒れを招いてしまいます。

また、ニコチンは胃粘膜を荒らして消化吸収を低下させて栄養の悪化も引き起こします。

そしてビタミンCの消費量を増大してしまうため、美肌のために摂取したビタミンCが十分に肌まで行きわたりません。

美肌のためには、タバコは大敵です。

 

乾燥肌に良い食べ物を使ったメニュー

 アボカドのスクランブルエッグ

 

材料(一人分)

卵・・・2個

アボカド・・・2分の1個

オリーブオイル・・・小さじ1杯

牛乳・・・30cc

レタス・・・2~3枚

塩コショウ・・・適量

卵は動物性たんぱく質とビタミンAを含んだ、お肌にとって“最強の食べ物”のひとつです。そこにビタミンEが豊富なアボカドを合わせることによって、お肌にとっては最強の組み合わせの料理といえます。

 

アボカドはそのままで醬油を付けても食べられるなど手軽さも魅力ですが、卵や豆腐などとも相性がいいのでぜひお試しください。

 

 

鶏レバーとカシューナッツのガーリック炒め

材料(一人分)

鶏レバー・・・100g

カシューナッツ・・・30g

醬油・・・小さじ1杯

オイスターソース・・・小さじ1杯

ニンニクのみじん切り・・・適量

ネギ・・・適量

レバーは総じてビタミンAが豊富ですが、なかでも鶏のレバーが最も多く含まれています。レバーは低カロリー&高タンパクなので、ダイエット中の方にとっても嬉しい食材です。

 

また、ビタミンEが豊富なナッツは先ほどのアボカド同様に、そのまま食べることができますが、料理に加えることでまた違った魅力を感じることができます。