抜け毛がひどい…とお悩みの女性必見!原因と対策まとめ
「最近抜け毛がひどい…本数が増えた…」
この記事をご覧の女性のみなさんは、このようにお悩みではないでしょうか。
女性の抜け毛が増える原因は、様々な要因によって引き起こされる「ヘアサイクルの乱れ」にあります。
まずは正常な抜け毛であるか否かを見極め、ヘアサイクルを乱してしまう要因を知りましょう。
そして女性の抜け毛の防止&改善対策を知り、今すぐ実践されることをおすすめします。
この記事の監修者
医療法人容紘会高梨医院院長
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設
女性の抜け毛が増える根本原因は「ヘアサイクルの乱れ」
女性の抜け毛が増える根本原因は、「ヘアサイクルの乱れ」です。
ヘアサイクル(毛周期)とは、髪が「生える→成長する→抜け落ちる→また生える」というサイクルのことです。
髪はずっと生えているように見えますが、髪の1本1本がこのヘアサイクルを繰り返しています。
正常なヘアサイクルであれば、2~6年の成長期を経て、髪が太く長く成長します。
しかし、何らかの要因によってヘアサイクルが乱れてしまうと、髪が太く長く成長する前に退行期に入ってしまい、抜け毛が増えてしまうのです(ヘアサイクルが乱れる要因については次章で解説します)。
女性の抜け毛本数は平均1日100本程度
抜け毛がひどい…とお悩みの女性は、まずは本当に抜け毛本数が多いのか否かをセルフチェックしてみましょう。
日本皮膚科学会「皮膚科」によると、頭皮環境が健康な場合、1日あたり100本程度の髪が抜け、一方で100本程度の髪が再生すると言われています。
つまり、1日100本程度の抜け毛であれば、正常な範囲の抜け毛本数なのです。
しかし、秋冬は抜け毛本数が200~300本程度に増えることもありますので、季節による抜け毛本数にも注目してください。
秋冬に抜け毛が増える原因について、詳しくは「【医師監修】秋冬に抜け毛は3倍増える?理由と対策をご紹介」をご覧ください。
抜け毛の「毛根の形状」や「髪質」にも注目を
抜け毛がひどい…とお悩みの女性は、抜け毛の毛根の形状や髪の太さもチェックしましょう。
正常な抜け毛であれば、毛根の形状が楕円形(お米のような形)で、白っぽい毛根鞘(もうこんしょう)が付いていることが多いです(毛根鞘がない場合もあります)。
しかし、毛根の「形状が細い」「膨らみがない」「ベタついている」「真っ黒」な場合、何らかの要因によってヘアサイクルが乱れている可能性が考えられます。
また、抜け毛の毛質にも注目してみましょう。
抜け毛の多くが「しっかりと太くてコシがある長い髪」であれば、正常なヘアサイクルによって抜けた髪と判断できます。
しかし、抜け毛の中に「産毛のように細くて柔らかい短い髪」が多い場合は、ヘアサイクルが乱れて抜け落ちた髪である可能性が高くなります。
女性の抜け毛が増える6つの原因
女性の抜け毛が増える根本原因は「ヘアサイクルの乱れ」とご紹介しましたが、どうしてヘアサイクルが乱れてしまうのでしょうか?
この章では、ヘアサイクルが乱れてしまう6つの原因を知りましょう。
なお、抜け毛の原因について、「抜け毛予防まとめ!シャンプーや食べ物など改善すべきコト【男女共通】」でも詳しく解説をしております。
原因①頭皮環境の悪化
ヘアサイクルが乱れてしまう原因として、まず挙げられるのは「頭皮環境の悪化」です。
抜け毛が多いとお悩みの20代~50代の女性のみなさん、以下に心あたりはありませんか?
頭皮環境が悪化する要因
・洗髪不足や洗髪過多 ・洗浄力が強いシャンプーを使用している ・ドライヤーを長時間使用している ・カラー剤や白髪染めをしている ・パーマ剤や縮毛矯正をしている ・直射日光をあびる機会が多い |
頭皮環境の悪化はヘアサイクルの乱れに直結するため、健康な髪を育てることはできません。
洗髪不足(トリートメントや整髪料の洗い残し)は頭皮の毛穴が詰まって細菌が増殖しやすくなり、かゆみが出たりニキビができたりして、頭皮環境が悪化してしまいます。
また、洗髪過多・洗浄力が強いシャンプーの使用・ドライヤーを長時間使用することで、頭皮の乾燥を引き起こし、頭皮環境が悪化してかゆみや白いフケが出る原因になります。
カラー剤・白髪染め・パーマ剤・強い紫外線は頭皮への刺激が強く、頭皮の炎症を引き起こして頭皮環境が悪化し、かゆみや赤みなどの原因になってしまいます。
原因②血流の悪化
ヘアサイクルが乱れてしまう原因として、次に挙げられるのは「血流の悪化(血行不良)」です。
抜け毛が多いとお悩みの20代~50代の女性のみなさん、以下に心あたりはありませんか?
血流が悪化する要因
・長時間のデスクワークや作業 ・運動不足 ・手足の冷え ・肩こり ・髪をきつく1つ結びにしている |
これらの要因によって血流が悪化すると、頭皮環境が悪化して頭皮が硬くなってします。
その結果、髪の成長に不可欠な栄養素が毛根組織に届きにくくなり、ヘアサイクルを乱して抜け毛が増えるだけではなく、白髪が増える原因にもなります。
髪をきつく1つ結び(ポニーテールやお団子)にする女性は、頭皮に負担がかかって血流が悪化するだけではなく、牽引性脱毛症を発症する可能性もありますので、毎日髪型を変えるなどの工夫が必要です。
原因③ストレス過多や睡眠不足
ヘアサイクルが乱れてしまう原因として、ストレス過多や睡眠不足も要因として挙げられます。
ストレスが蓄積されると、身体機能を正常に保つ自律神経のバランスが乱れて身体に様々な悪影響を及ぼし、結果として血流の悪化・ホルモンバランスの乱れ・不眠症・内蔵機能の低下などに繋がります。
また、睡眠不足となるとストレスを感じやすくなり、ヘアサイクルが乱れるだけではなく、髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌を妨げてしまいます。
ストレスと抜け毛の関係について詳しくは「【図解】ストレスで抜け毛が増える理由と治すために必要なアクション」を、睡眠と抜け毛の関係について詳しくは「眠りが浅い人はご用心!髪の成長を左右する「睡眠の質」の高め方」をご覧ください。
原因④食生活の乱れ
ヘアサイクルが乱れてしまう原因として、次に挙げられるのは「食生活の乱れ」です。
抜け毛が多いとお悩みの20代~50代の女性のみなさん、以下に心あたりはありませんか?
食生活の乱れとは
・糖質(炭水化物や甘いもの)を多く摂取している ・脂質(脂の多い肉類や揚げ物)を多く摂取している ・インスタント食品やファーストフードをよく食べる ・過度なダイエットをしている |
糖質や脂質の摂り過ぎは、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールの増加に繋がりやすく、その結果血液がドロドロになって血流が悪化してしまいます。
ファーストフードは糖質や塩分が多く、インスタント食品には髪の成長に必要不可欠な栄養素である「亜鉛」の吸収を阻害する添加物が多く含まれています。
また20代~30代の女性は、過度なダイエット(過度な糖質制限や脂質制限)をしがちです。
糖質や脂質をカットする際は、適度な糖質量や脂質量を摂取し、髪の毛に必要な栄養素であるタンパク質・ミネラル・ビタミン類を積極的に摂取する必要があります。
原因⑤ホルモンバランスの変化
ヘアサイクルが乱れてしまう原因として、次に挙げられるのは「ホルモンバランスの変化」です。
女性は「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類の女性ホルモンのバランスによって、月経周期をはじめとする身体の様々な働きを調整しています。
しかし、何らかの要因で女性ホルモンのバランスが乱れ、「エストロゲン」の分泌量が減ってしまうと、ヘアサイクルが乱れたり髪の成長を促進できなくなったりするのです。
ホルモンバランスが乱れる原因は、20代~30代の女性であれば出産や授乳による一時的なホルモンバランスの変化、40~50代の女性であれば加齢によるホルモンバランスの変化などが挙げられます。
この他にも、ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れ、過度なダイエットも、ホルモンバランスの乱れに繋がってしまいます。
原因⑥脱毛症を引き起こす病気
ヘアサイクルが乱れてしまう原因として、次に挙げられるのは脱毛症を引き起こす病気である「びまん性脱毛症(FAGA/女性男性型脱毛症)」や「円形脱毛症」の可能性です。
びまん性脱毛症とは、ホルモンバランスが変化しやすい40代や50代の女性に多い脱毛症です。
びまん性脱毛症が発症する原因は複数の要因が考えられ、頭皮全体が薄くなる女性が多いものの、男性のように前頭部や頭頂部が薄くなるFAGA(女性男性型脱毛症)を発症される女性もいらっしゃいます。
また、円形脱毛症は原因は不明ですが、一部分や複数部分の頭髪や体毛が円形状に脱落する脱毛症のことです。
「後頭部で一部のみ急に髪の毛が抜ける」という女性は、円形脱毛症の可能性が高いと言えるでしょう。
びまん性脱毛症や円形脱毛症が発症した女性は、病院やクリニック(皮膚科)での治療が必要となりますので、まずは医師に相談をしましょう。
女性の抜け毛防止&改善対策6選
抜け毛がひどい…とお悩みの女性は、「ヘアサイクルの乱れ」を改善することが、一番の抜け毛防止&対策となります。
女性の抜け毛の根本原因である「ヘアサイクルの乱れ」は、様々な要因が考えられるため、この章でご紹介する抜け毛対策を全て実践されることをおすすめします。
抜け毛対策①スカルプシャンプーを使用
まずは頭皮環境を正常化するために、スカルプシャンプーに切り替えることをおすすめします。
シャンプーは「頭皮の汚れを落として清潔に保つ」のが目的ですが、配合されている洗浄成分が強すぎると、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮の乾燥を招いたりしてしまいます。
抜け毛対策であれば、頭皮に優しい「アミノ酸系の洗浄成分」が配合されたスカルプシャンプーを選びましょう。
さらに、頭皮ケア成分や抜け毛防止成分が配合されており、頭皮の刺激になりやすい添加物がカットされた無添加であれば尚良いです。
抜け毛でお悩みの過多のためのシャンプーの選び方について、詳しくは「【医師監修】抜け毛予防シャンプーで抜け毛本数は減る?選び方やおすすめは?」をご覧ください。
抜け毛対策②正しいヘアケアを行う
頭皮環境を正常化するためにも、正しいヘアケアを行いましょう。
1日に何度もシャンプーをする、シャンプー時に汚れやすすぎ残しがある、ドライヤーを長時間使用する、これらは全て頭皮環境の悪化に繋がります。
以下は正しいヘアケアの流れですので、毎日実践してください。
正しいヘアケアの流れ
①38~40℃のお湯で頭皮を中心に十分にすすぐ ②手やスポンジでシャンプーを泡立てる ③泡立てたシャンプーで頭皮をマッサージする ④頭皮のぬめりがなくなるまでしっかり洗い流す ⑤毛先のみコンディショナーをつける ⑥ぬめりがなくなるまでしっかり洗い流す ⑦頭皮を中心に優しくタオルドライする ⑧ドライヤーを左右に動かしながら乾燥させる |
正しい洗髪方法の詳細について、詳しくは「シャンプーと育毛の関係って?正しい洗髪方法で育毛促進!」をご覧ください。
抜け毛対策③育毛剤を使用
血行促進や頭皮環境の改善をするためにも、育毛剤を使用しましょう。
育毛剤は、「頭皮環境を正常化」して「今生えている髪を健康に育てる効果」がある医薬部外品で、厚生労働省が効果・効能を認めた成分が一定の濃度で配合されています。
育毛剤を選ぶときは、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」でも紹介されている、以下の成分が配合された商品を選ぶと良いでしょう。
育毛剤おすすめ成分
・アデノシン(毛乳頭細胞において増殖因子を促進) ・t-フラバノン(毛乳頭周辺の血行促進やケラチン合成を補助) ・サイトプリンやペンタデカン(毛母細胞の活性化) |
上記は同ガイドラインにおいて、女性型脱毛症において最も推奨度が高い「C1」を獲得した成分です。
これらの成分に加え、抜け毛予防や頭皮環境の改善を目的とする成分が配合されている育毛剤であれば尚良いです。
育毛剤の選び方について、詳しくは「【医師監修】育毛剤は効果がないのか?あるのか?効果的な使い方・成分・期間」をご覧ください。
抜け毛対策④頭皮マッサージ
頭皮の血行を促進するためにも、頭皮マッサージを取り入れましょう。
シャンプー時などに毎日頭皮マッサージを取り入れることで血行が促進され、硬い頭皮が柔らかくなります。
その結果、頭皮環境が正常化されるだけではなく、髪に必要な栄養素を毛根組織に届けやすくなるのです。
「硬い頭皮は薄毛の前触れ!?プロが教えるカンタン柔らか頭皮マッサージ3選」では、ライフスタイルに併せてできる数種類の頭皮マッサージを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
抜け毛対策⑤食生活の見直し
髪の成長の基本となる栄養素を摂取するためにも、食生活の見直しを行いましょう。
毛母細胞の分裂を活性化させるために、髪の成長に必要な栄養素は積極的に摂取すべきです。
具体的には、たんぱく質(アミノ酸)・亜鉛(ミネラル)・ヨウ素・ビタミン類などはもちろん、女性ホルモンと似た働きがあるイソフラボンも積極的に摂取すると良いでしょう。
抜け毛予防におすすめの食事内容について、詳しくは「【図解】抜け毛を予防する食べ物大全~最強の食材&メニュー」をご覧ください。
抜け毛対策⑥生活習慣の見直し
ヘアサイクルの乱れは、睡眠・ストレス・運動不足などの内的要因も大きく関わっているため、生活習慣を見直し、身体の内側からのケアも怠らないようにしましょう。
まずは良質な睡眠をとれるよう工夫を行い、ストレスを溜めないように心がけてください。
そして運動不足を解消し、身体が冷えてしまわないよう気を付けましょう。
抜け毛がひどい…とお悩みの女性は今すぐ対策を
女性の抜け毛が増える原因は、ヘアサイクルの乱れです。
ヘアサイクルが乱れてしまうのは様々な要因が考えられるため、この記事でご紹介した抜け毛の防止&改善対策をすべて実践されることをおすすめします。
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