美容師が教える! 育毛剤の効果を高めるドライヤー、シャンプー方法

「育毛剤を使う前はドライヤーで乾燥させたほうがいい?」

「シャンプー、リンスで洗髪した後に使用した方がいい?」

「濡れた髪でも使用していい?」

初めて育毛剤を使う人は、より効果的な使い方、正しい使い方を知りたいですよね。育毛剤によって推奨される使い方は若干違いますが、「頭皮が清潔な状態で使う」は共通して大切なことです。この記事では、現役のヘアサロンオーナーの監修のもと、育毛剤の効果を高めるために知っておくべき、ドライヤーと洗髪の方法を紹介します。

この記事の監修者

ヘアスタイリスト 田中聡

東京都世田谷区のヘアサロン・Sofaでオーナーを務める。スタイリストとしても多くの人から寄せられる髪の毛や頭皮の悩みに寄り添い続け、世田谷・目黒エリアの主婦層を中心に、デザインとヘアケア両面で高いクオリティの地域密着サロンを運営。

髪と頭皮に優しいドライヤーの方法

冒頭にも書いたように、「育毛剤を使う前にドライヤーをするかどうか」を迷う人は少なくありません。まずは、育毛剤の効果を高めるためのドライヤー方法を解説します。

育毛剤は濡れた髪と乾いた髪、どちらに使うと良い?

結論は、「ドライヤーの後に使用することが一般的」だと覚えておきましょう。その理由は次のとおりです。

髪や頭皮を傷めないドライヤー方法

ドライヤーは髪の毛を乾かすだけでなく、頭皮のためにも使ったほうが良いものの、乾燥させすぎてしまうと逆効果になることがあります。また、髪の毛(毛先)は乾いたけど頭皮が濡れたままというケースもあります。上手に頭皮を乾かすためには、どのような点に気をつけると良いのでしょうか。美容師の観点から「風の当て方」「風の温度」「乾き具合のチェック方法」の3つの点を見ていきましょう。

風の当て方

一番のポイントは「根本から乾かすこと」です。なぜなら、育毛剤を塗布するのは頭皮、根本だからです。そのためには、手ぐしやブラシで髪の根本をかき分けながら風を当てることが大切です。何気なくドライヤーをしているとつい毛先を中心に風を当てがちですが、根本に風を当てることを意識しましょう。また、風の当たり方にムラが出ないようにしましょう。特に「えりあし」と「耳周り」は見えづらいので、“乾かし忘れ”が起きやすいです。頭皮全体をムラなく乾かすためには、「後頭部から前に向かって風を当てる」ことがポイントです。髪の毛はつむじから前に向かって生えている毛が多いので、後ろからドライヤーをすると、根本に風が当たりやすく、ムラも生まれにくいのです。えりあしや耳周りにも風が当たりやすくなります。また、前からドライヤーを当てると顔に風が当たりすぎて、肌の乾燥にもつながります。最初は後ろから風を当て、つむじの毛流れ、えりあし、耳周りを意識しつつ、最後の仕上げとして前から風を当てて全体の形を整えると良いでしょう。

風の温度

頭皮や髪の毛を乾かすためにドライヤーを使う場合は、冷風ではなく温風を使うようにしましょう。ただし、熱くしすぎないことが大切です。ここで注意したいのが、ドライヤーと頭との距離 です。ドライヤーを近づけすぎると頭皮が乾燥しすぎてしまったり、髪が傷む原因になってしまったりします。片手で髪の根元をかき分けながらドライヤーを当てて、髪の毛や手が熱いと感じたらドライヤーを近づけすぎているので、少し話すようにしましょう。また、同じ部分に風を当て続けないように、ドライヤーを振りながら当てると熱を分散させることができます。ちなみに、冷風は最後に髪の毛の形を整えるために使います。ちなみに、毛の立ち上がりが弱い人は、根本をつまんで温風→冷風の順で風を当てると、ボリュームが出やすくなります。

乾き具合のチェック

一番難しいのが乾き具合のチェックです。濡れているとよくないものの、パサパサになっているのも良くありません。そのバランス感は髪の毛を触ってチェックしましょう。このときの加減としては、「髪の毛が少しひんやりする」感覚であれば理想的です。しっとりする、だけど濡れてはいないという絶妙な状態です。これよりも乾燥した状態になると、髪の毛の潤いが失われる、頭皮の乾燥によってフケが出る可能性があります。なお、ドライヤーの前に洗い流さないトリートメントを使うと、乾かし過ぎを避けることができます。

どんなドライヤーが良いか?

ドライヤーはいろいろな価格帯・機能のものが出回っていますが、基本的には現在使用しているもので問題ありません。ただし、「買ったときよりも風が弱くなった」と感じる場合は、買い替えもしくはフィルターの清掃をしましょう。ドライヤーの寿命はフィルターの状態で大きく左右されるので、もし長く使いたい場合はこまめに清掃しましょう。また、風の強さは選べると良いですが、風の温度のパートでも書いたように、通常の温風が出れば問題ありません。もし温風の強弱が選べるのであれば、最後のほうに乾かし過ぎを避けたり、形を整えたりするために弱風を使うと良いでしょう。

頭皮ケアに効果的なシャンプー&リンスの方法

ドライヤーの仕方と同じく、シャンプーやリンス(コンディショナー)の仕方にも良し悪しがあります。ここからは育毛剤の効果を高める髪や頭皮に優しい洗髪方法について紹介します。

実際に洗髪する際の4つの手順に沿って見ていきましょう。

① 水洗い

もっとも忘れられがちですが、もっとも大切なのがこの工程です。シャンプーの前に「髪の毛を濡らす」ではなく、「水洗いをする」ことを覚えておきましょう(もちろんお湯でOKです)。なぜ水洗いが大事かというと、この工程で60〜70%の汚れが落ちるといわれているからです。最近、モデルやタレントなどの間でシャンプーを使わずに洗髪をする人が増えていますが、これはシャンプーを使わなくても一定以上の汚れが落ちる、頭皮を守る皮脂を落としすぎないようにするためです。水洗いがしっかりとできていれば、汚れは十分に落ちます。ポイントは毛の1本1本が水を含むよう、頭皮と髪の毛の根本から毛先を指でかくこと。髪の毛は表面が水を弾く性質なので、十分な量の水を使うことが大切です。ドライヤーの章で紹介したえりあしや耳周りなど、乾きづらい場所は洗い残しが多い箇所でもあるので、特に意識するようにしましょう。また、髪が長い人であれば水洗いの前にブラシでとかすと髪も絡まず、髪の根元が立ち上がって水洗いがしやすくなります。

②シャンプー(泡立て、マッサージ)

シャンプーは泡立てば、水洗いでしっかり油分が落とせている証拠です。そのため、シャンプーをつけた後に頭皮をごしごしとこする必要はありません。感覚としては、軽くマッサージする感覚で馴染ませるように、頭部全体に指を通していきます。指の腹を使って、こするよりも揉み込むような使い方が理想的です。バレーボールを両手で掴むようなイメージで、できるだけ頭に指を沿わせるような形をつくると良いでしょう。洗う場所の順番はとくに決まりはありません。血行という意味だと、髪の毛の生え際や後頭部の付け根(首との境目)・耳の上(こめかみの少し後ろ)などは生活の中で凝りやすいので、頭皮の血行を妨げている可能性あります。親指などで少し刺激するとマッサージ効果が高まります。

シャンプーの量は調整しよう

シャンプーの量は、髪の毛の長さによって変えましょう。耳が隠れるくらいの長さであれば1プッシュ、もしくは500円玉くらいが目安です。それよりも短ければ量を減らします。また、髪の毛に付ける前に手のひらで泡立てることで、シャンプーがまんべんなく頭部に行き渡ります。

洗い直しはしないほうがいい?

もし「一度シャンプーまでしたけど、どうも汚れが落ちた感じがしない」と感じるときは、洗い直しをするのもいいでしょう。ただし、頭皮の皮脂を落としすぎないように、1回目のシャンプーでは洗いすぎたり頭皮をこすりすぎたりしないように気をつけてください。洗い直しをする場合でも、その都度すすぎだけはしっかりと行いましょう。1回目のシャンプーで浮いた汚れをきちんと洗い流してから、2回目の水洗い・シャンプーを行うことがポイントです。ちなみに、シャンプーが髪についている時間はあまり長すぎない方が頭皮には優しいといわます。シャンプーで汚れを落とす成分「界面活性剤」は、あまり長く髪の毛に付着しすぎると汚れだけでなく髪の毛の成分自体も奪ってしまいます。

③すすぎ

すすぎは水洗いと同じくらい大事です。すすぎができないとせっかく落とした汚れが頭皮に残ってしまうので、最初の水洗いと同じくらいよく洗うことが大切です。えりあしや耳の周りは、ここでも洗い流し切れていない場所になりがちなので、後頭部からシャワーを当ててすすぐようにしましょう。

④リンス(コンディショナー)

リンスやコンディショナーは毛先中心に付けるものなので、頭皮自体にはあまり関係ありません。頭皮のマッサージはシャンプーの段階で済ませておきましょう。もし水に濡れても大丈夫な素材でできたコームを持っている場合は、コンディショナーを毛先につけてからコームを通すことで、仕上がりのツヤが変わるのでぜひ試してみてください。最後にもう一度すすぎをしてから、頭皮をさわってべたつきがないかをチェックしてみてください。コンディショナーによるしっとり感は毛先がサラッとしているので、頭皮のべたっとした感じとは違います。

どんなものを選ぶと良い?

洗浄力が強すぎると頭皮の油分が奪われ、頭皮の乾燥の原因になるので注意しましょう。あくまで一般論ですが、ドラッグストアやスーパーなどで売られているものは泡立ちが良い分、洗浄力も強くなっています。また、シリコン・ノンシリコンは実はあまり違いがありません。もしノンシリコンのシャンプーを使う場合は、シリコンの代わりになる成分が入っていない逆に髪の毛がパサパサになってしまうので注意しましょう。シアバターはシリコンの代わりになる代表的な成分です。トリートメントは、頭皮につけるタイプのものが主流ですが、中には頭皮ケアとして使えるものもあります。

育毛剤の効果をアップさせる3つのポイント

育毛剤を使う前の頭皮ケア方法について理解したら、次は育毛剤の使い方について詳しく見ていきましょう。冒頭でも触れたように、育毛剤は製品ごとに用法・回数が違っているため、ここでは共通している塗布方法や頭皮へのなじませ方を紹介します。製品ごとの詳しい使い方について、それぞれの説明書などを確認してみてください。

ポイント① 頭皮を清潔にしてから使う

ここまで紹介してきたように、頭皮に汚れがない状態で使うことが大切です。毛穴の詰まりや皮膚の荒れが育毛剤のはたらきに影響を与える可能性もあるので、この記事で紹介した洗髪やドライヤーの仕方をぜひ試してみてください。

ポイント② 書かれている用量・回数を守る

基本的に、育毛剤は継続して使うことで頭皮や毛根のケアをすることができます。繰り返しになりますが、製品によって塗布方法や用量、使用回数が違うので、それを守ることが大切です。

ポイント③ 頭皮 全体に塗布する

3つめのポイントは、育毛剤をきちんと頭皮に塗布することです。スプレータイプやポンプタイプなど、メーカーによって形状が異なりますが、頭皮に浸透させるのは鉄則です。ドライヤーや洗髪をする際と同じように、手ぐしで髪の毛をかき分けながら育毛剤を塗布し、指の腹でもみ込むようになじませると浸透しやすくなります。なお、育毛剤を塗布した後に濡れた感じがある場合、基本的には拭き取らずに自然乾燥で頭皮に浸透していくのを待ちます。ドライヤーの当て方で触れたような、雑菌が繁殖するほどの水分量ではないので、その点での心配はないと思って良いでしょう。ただし、ポイント②で書いたように用量がきちんと守れているかどうかは一度確認してみてください。

育毛剤の効果を高める「適切な前後ケア」

ここまで、育毛剤をより効果的に使うための方法を紹介しました。最後に、あらためて大切なポイントを解説します。

正しい生活習慣と適切な前後ケアが育毛剤の効果を最大化させる

育毛剤は、製品ごとの用法・用量を守りながら使うことが大前提です。そして、その浸透をより早めるために、育毛剤を使う前の頭皮ケアも意識しましょう。頭皮の“生乾き”は、雑菌発生とそれによる頭皮トラブルの原因になってしまいます。具体的な対策としては、洗髪はシャンプーを使う前の水洗いから丁寧に行うことと、ドライヤーや毛先ではなく根本を乾かすことに重点を置き、なおかつ乾かし過ぎには注意することを覚えておきましょう。

健康な髪や頭皮のために、生活習慣の見直しを

また同時に、頭皮の健康状態はケアの仕方だけでなく、生活習慣とも大きく関係しています。例えば食生活では良質なタンパク質を摂ることや、脂質の中でも身体に良くない脂をできるだけ摂らないようにすることなどが挙げられます。また、睡眠は成長ホルモンの分泌を促す大切な要素です。睡眠時間はもちろん、寝る時間も意識することが大切です。睡眠の質にも関係することとして、生活の中で過剰なストレスがかかることも悪影響を及ぼします。育毛剤にプラスして、日頃の生活や育毛剤を使う前の頭皮ケアを意識して、頭皮や髪の毛の状態をより健康な状態にしていきましょう。

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