【30代・40代・50代別】年齢肌のための化粧品選び

Skincare

 

世の中には様々な種類の化粧品が溢れていて、自分に合った化粧品を見つけることは簡単ではありません。

特に、年齢を重ねてくると使用している化粧品が合わなくなることもあるでしょう。

今回は30代~50代の年代別に年齢肌をケアするための化粧品選びについて解説します。

年齢だけでなく、肌の悩み別に有効な成分についても紹介しているので、化粧品選びの参考にしてください。

この記事の監修者

 

佐藤 留美

2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

年齢肌とは?どんな状態の肌か

年齢肌とは、加齢に伴い変化が現れた肌のことを意味します

例えば、保水力の低下により水分量が少なくなった肌、紫外線ダメージの蓄積した肌などを指して使われ、一般的には30代以降から言われることが多いです。

年齢肌について詳しくは、「年齢肌は何歳から?自己診断と肌悩みに応えるスキンケア方法」で解説しています。

年齢肌は20代からでも現れる

一般的に年齢肌は、30代頃からをイメージする方が多いでしょう。しかし、加齢に伴う肌の変化は20代から始まっています。肌の変化に気付いたら、早めのケアを始めることが肝心です

【年代&肌悩み別】年齢肌に適した化粧品の選び方

ここでは、肌の悩みが増える30代、40代、50代の方に向けて、化粧品選びのポイントを解説します。

【全年代共通】高保湿の化粧品を選ぶ

加齢に伴い、肌の水分量と皮脂量が不足するため、小じわ、たるみ、ハリ不足などが気になってきます。どの年代にも共通しておすすめなのが高保湿の化粧品です。

肌の水分量は、生まれた時が1番多く、年齢とともに減少。皮脂量は30代をピークに減少します。特に乾燥肌を自覚している方はまず保湿にこだわりましょう。

そして、保湿でおすすめの成分は以下の3つです。

・セラミド

・ヒアルロン酸

・コラーゲンです。

ひとつずつ解説していきます。

セラミド

セラミドは、肌を守るために必須の成分。表皮のもっとも外側の角質に存在し、細胞と細胞の隙間を埋める役割を果たしています。セラミドが角層細胞の中にある天然保湿因子を保護することで、肌は水分を維持できます。

つまり、セラミドが不足すると肌のバリア機能が十分に働かなくなるので、乾燥だけでなく、肌荒れも起こしやすくなります。

ですので、乾燥に悩む方はセラミドが不足している可能性が高いので補ってあげましょう。セラミドは化粧品として肌に塗るだけでなく、サプリメントで摂取するのもおすすめです。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、肌の水分量や弾力を保つために欠かせない成分です。優れた保水力を持ち、美容治療にもよく使われています。ヒアルロン酸も年齢とともに減少していきますので、塗る・飲むなどの摂取がおすすめです。

コラーゲン

ヒアルロン酸と同様に、コラーゲンも肌の水分量や弾力を保つために欠かせない成分です。コラーゲンは、肌以外にも骨や血管などの人体のあらゆる組織に存在しています。コラーゲンも加齢に伴い減少していきますので、若々しい肌を保つためには必須の成分です。

自分の肌悩みにあった成分を選ぶ

年齢に関係なく、「正しいスキンケア」の基本は肌の状態を知り、悩みに合わせたケアを行うことです。

肌の悩み別のおすすめ成分は以下の通りです。

肌悩み 成分
シミ・くすみ ・ビタミンC誘導体(ビタミンC)

・トラネキサム酸

・レチノール

・ナイアシンアミド

肌荒れ ・ビタミンC誘導体(ビタミンC)

・トラネキサム酸

シワ・たるみ ・ビタミンC誘導体(ビタミンC)

・レチノール

・ナイアシンアミド

毛穴開き ・ビタミンC誘導体(ビタミンC)

・レチノール

・ナイアシンアミド

乾燥 ・セラミド

・ヒアルロン酸

・コラーゲン

有効成分については重複しますが、それぞれについて解説しましょう。

シミ・くすみにおすすめの成分

シミやくすみ、肌荒れが気になるという方におすすめなのは、以下の成分が配合された化粧品です。

ビタミンC誘導体(ビタミンC)

ビタミンCは、化粧品には「ビタミンC誘導体」として配合されることが多く、強い抗酸化作用からメラニン色素の生成(シミ)を抑制する働きがあることで知られています。ビタミンCはメラニン色素の生成を抑えること以外にも、様々な美容効果があります。

ビタミンCの美容効果については、「【図解】ビタミンCの美容効果~シミ改善、美容液の使い方、食べ物~」で詳しく解説しています。

なお、ビタミンCは体内で合成できないので、化粧品や食事、サプリメントなどで意識的に摂取する必要があります。

トラネキサム酸

トラネキサム酸は、シミの元になるメラニン色素の生成を抑える効果がある成分として肝斑治療などにも使用される医薬品・医学部外品であり、美容医療では、経口摂取するケースもあります。

もともと医薬品でしたが、近年は医薬部外品として、トラネキサム酸配合の化粧品も増えてきました。化粧品を選ぶ際はチェックしてみましょう。

レチノール

レチノールはビタミンAの1種であり、肌の新陳代謝を促進し、メラニンの排出を促すなど、シミ予防に効果がある成分として近年注目されています

レチノイド反応という副作用がでることもあり、肌の赤みや乾燥が一時的に見られることもあるため敏感肌の方は注意しましょう。

ビタミンAについては「ビタミンAはサプリで摂るほど重要な栄養素なのか?効果&ベストな摂り方」で詳しく解説しています。

ナイアシンアミド

ナイアシンアミドは、肌荒れやシワ改善の効果が期待できる成分として知られていますが、メラニンの生成を抑える働きもあるためシミ予防にもうってつけです

レチノールと違って刺激が弱いので、敏感肌の方はナイアシンアミドの方がおすすめです。

肌荒れにおすすめの成分

ビタミンC誘導体(ビタミンC)

ビタミンCは肌にダメージを与える活性酸素を抑えること効果により、肌荒れを抑える効果があります。

トラネキサム酸

トラネキサム酸はシミ予防の効果だけでなく、炎症を抑える働きもあります。

シワ・たるみにおすすめの成分

・ビタミンC誘導体(ビタミンC)

ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートする働きもあるため、肌にハリとつやを与え、シワやたるみを改善します。

・レチノール

レチノールは「シワ改善」を謳う化粧品に多く配合されているように、コラーゲンやヒアルロン酸の生成をサポート、角質の水分量をアップさせる働きがあります。

・ナイアシンアミド

ナイアシンアミドは、コラーゲンの生成を促すことで、シワを予防・改善します。

毛穴開き、毛穴詰まりにおすすめの成分

ビタミンC誘導体(ビタミンC)

ビタミンCは毛穴にも効果的です。古い角質を溜まりにくくし、過剰な皮脂分泌を抑え、毛穴を引き締めます。また、シミやくすみを予防する効果があるように、毛穴の色素沈着も防ぐ効果も期待できます。

ビタミンCの毛穴効果については、「【医師監修】黒ずみ・開きなど毛穴トラブルにビタミンCがいい理由」で詳しく解説しています。

レチノール

レチノールはシミやシワだけでなく、毛穴にも効果的です。過剰な皮脂分泌を抑える作用があるため、毛穴詰まりの原因となる皮脂汚れを予防してくれます

ナイアシンアミド

ナイアシンアミドは過剰な皮脂分泌を抑える作用があるため、毛穴詰まりの原因となる皮脂汚れを予防します。

ビタミンCは万能の有効成分

ここまで解説してきたように、ビタミンC(ビタミンC誘導体)、レチノール、ナイアシンアミドは様々な肌悩みを解消してくれる成分です。

その中でも特筆すべきはビタミンCでしょう。シミ・くすみ・シワ・たるみ・毛穴の引き締めだけでなく、美白効果も期待できる、肌にとっては「万能成分」とも言えるでしょう。

【30代~50代】年齢に適した化粧品の選び方

ここから30代~50代の年代別に化粧品選びのポイントを解説します。

一般的に、加齢とともに肌の悩みは増えて、深刻化します。先述したように、どの年代においてもセラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンといった保湿成分はおすすめですが、あらゆる肌悩みに効く「万能成分」であるビタミンC誘導体も全年代を通じておすすめと言えます

その他、各年代で微妙に異なる化粧品選びのポイントについて詳しく解説します。

30代におすすめなのは「トラネキサム酸」「レチノール」

30歳を境に肌の水分量が減少するため、20代では気にならなかった方も乾燥しやすくなります。また、紫外線ダメージの蓄積が表面化しやすくなるのもこの年代の特徴です。

化粧品を選ぶ際は、シミやそばかすの予防効果があるトラネキサム酸、レチノールが配合されたものがおすすめです

40代におすすめなのは「ナイアシンアミド」「フラーレン」

30代よりも肌の水分量、皮脂量が減少するため、シワ、ハリ不足に悩む方が増える年代。そのため、先述したトラネキサム酸、レチノールに加えて、シワ改善の効果を期待できるナイアシンアミドが配合された化粧品がおすすめです

また、シワの予防・改善、たるみなどの肌の老化を防ぐと言われる抗酸化成分「フラーレン」が配合された化粧品もおすすめです

50代におすすめなのは「プラセンタ」

30代、40代と比較しても肌の水分量と皮脂量が少ない50代は、シミやシワ、たるみなどの肌悩みが深刻化しやすい年代です。また、加齢によって肌のターンオーバーが遅れるだけでなく、閉経する方もでてくるため、女性ホルモンの減少によっても肌が変化する時期でもあります。

50代はこれまでに紹介した成分はもちろん、アンチエイジング対策の成分として有名な「プラセンタ」が配合された化粧品もおすすめです。プラセンタは、肌細胞の活性化を促進する成長因子であり、シミや乾燥、たるみなどを予防・改善する効果が期待できます。

今回は30代~50代別におすすめの成分を紹介しましたが、必ずしも全ての成分が配合されていなければならないわけではない点にはご注意ください。自分に合った化粧品を見つけるための参考として、覚えておきましょう。

化粧品選びは「価格」も大事なポイント

化粧品は高価だから必ずしも効くというわけではありません。安くても有効成分の入った化粧品は数多く市場に存在しています。とはいえ、高価な化粧品には特殊な製法技術で作られたものが多いのも事実。

継続できる価格の中で、最大限の効果を発揮してくれる化粧品を探しましょう

年齢肌に関する化粧品Q&A

年齢肌に関する化粧品の疑問についてお答えしていきます。

Q.化粧品は安くてもいい?

A.先述したように、高価な化粧品には特殊な製法技術で作られたものが多いです。

しかし、それらが必ずしも効果が出やすいわけではなく、エイジングケアは「続けること」が最も大事なので継続しやすい価格のものを選ぶことが大切です。

 Q.口コミは参考にするべき?

A.もちろん、参考にはなります。

ただ、一口に年齢肌といっても年代やそれぞれの肌悩みは異なる点には注意が必要です。口コミは参考程度にとどめ、実際に使ってみて自分の肌に合った商品を選ぶようにしましょう。

Q.すっぴんでも自信が持てるくらい綺麗になれる?

A.美肌になりたいのであれば、日々のスキンケアはもちろん、睡眠や運動習慣などの生活習慣も大きく影響するので、生活全体を見直しましょう。

 

化粧品以外にできる肌ケアの方法については次章で紹介します。

化粧品以外でできる年齢肌対策

前述したように美肌になりたいのであれば、外側からのスキンケアだけでは不十分です。睡眠不足やストレス、紫外線、外気など肌は様々な刺激にさらされています。

 

この記事の最後に、化粧品以外でできる年齢肌対策を紹介します。

肌老化の8割は紫外線が原因!紫外線対策は必須

肌老化の8割は紫外線が原因と言われています。紫外線は365日天候を問わず降り注ぎます。そのため、年齢肌を対策するなら年中の紫外線ケアが必須です。

紫外線ケアは日焼け止めだけでなく、日傘・帽子なども有効です。また、紫外線は夏の時期だけではないので、日焼け止めは年中塗ることが大切。そして、日焼け前の対策、日焼け後のケアにはビタミンCが有効であることも心得ておきましょう。

ビタミンCの日焼け対策の効果については「日焼け対策にも日焼け後のケアにもビタミンCがいい理由【医師監修】」で詳しく解説しています。