日焼けしたあとは正しくケアしないと治らない~独自調査で分かった事実~
日焼け対策を徹底している方は沢山いますが、意外と日焼けあとのケアをおろそかにしている方は少なくありません。
今回は女性100名を対象にアンケートを実施して、日焼けあとのケアに関する意識・実態を調査しました。
日焼けあとのケアが大切な理由から正しいケアの方法まで詳しく解説します。
この記事の監修者
医療法人容紘会高梨医院院長
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません
日焼けしたあとのケアが大切な理由
日焼け止めクリームを塗ったり、サングラスをかけたりなど”日焼けをしないための対策“は徹底していても、日焼けあとのケアをおろそかにしてしまうとシミ、シワ、乾燥などトラブルの原因になります。
まずは、日焼けあとのケアが大切な理由について紹介します。
放っておくとシミ、そばかすの原因になる
日焼けはやけどをした状態です。つまり、放っておくと様々な肌トラブルの原因になります。
代表的なのはシミ、そばかすです。
皮膚は紫外線によるダメージを受けると、その防御反応としてメラニンを過剰に生成します。このメラニン(黒色メラニン)が表皮に過剰に蓄積されることでシミ、そばかすになります。
肌の水分量が少なくなる(乾燥する)
また、日焼けをすると肌の水分は奪われてしまいます。
紫外線のダメージによって肌のバリア機能は低下している状態になり、水分を保つことが難しくなるのです。
肌が乾燥した状態になると、そばかすをはじめ、肌荒れ、シワなどの肌トラブルを招きます。
素早いケアが美肌を保つ
日焼けあとの正しいケアについては後ほど詳しく解説しますが、何よりも大事なのは素早くケアをするということです。
というのも、シミやそばかすの原因となるメラニンが生成されるのは日焼けしてから72時間以内です。その間にしっかりとケアをすることで、その後の肌状態は大きく変わってきます。
日焼けあとにやってはいけないこと
日焼けしたあとに以下のような自己流のケアをする方がいますが、絶対にやめましょう。
・強い刺激の化粧品を使う
・長時間シートパックを使用する
・激しいパッティング
これらは逆に肌にダメージを与える行為です。
また、高温のお風呂に浸かる行為も日焼けあとの赤みを悪化させるのでやめましょう。日焼けした当日は湯船には浸かずにゆるめのシャワーのみにするのがおすすめです。
【女性100名アンケート】日焼けしたあとのケアはしていますか?
日焼けあとのケアが大事なことは理解していても、面倒だからやっていないという方も多いかもしれません。ここでは、女性100名を対象に日焼けあとのケアについての意識調査を行いましたので、その結果をみていきましょう。
調査概要
居住地:全国 ターゲット:[モニタリスト]薄毛対策のために食事を改善した女性 回収時期:2022年6月28日 サンプル数:100 調査方法:インターネット調査 |
約半数が日焼け対策を1年中している
今回アンケートでは日焼け対策を「1年中している」と回答した方が44%、「真夏のみ」という方は全体の20%にも満たない結果となりました。日焼け対策への意識が高いことが分かります。
では、日焼けあとのケアについてはどうでしょうか?
日焼けあとのケアは全くしていない方が約10%もいる
日焼けあとのケアについては上のような結果になりました。最も多かったのが「日焼けした日だけ」で45%、日焼け対策とは対照的に「1年中している」という方は20%にも満たない結果となりました。
日焼けあとのケアを全くしていない方が約10%もいるなど、日焼け対策と比較するとその意識は低いことが分かります。
また、最も多かった「日焼けした日だけ」ケアをするというのも正しいケアという観点から言うと間違いです。
というのも、紫外線のダメージは蓄積するものなので、日焼けした肌はその直後が最もダメージを受けているとはいえ、当日のみケアのみではその効果は薄いからです。数日間はケアを続けるようにしましょう。
日焼けしたあとの正しいケア方法
それでは、日焼けあとのケア方法について解説します。日焼けあとのケアでは、次の3つが基本となります。
・冷やす
・保湿する
・刺激を与えない
具体的にみていきましょう。
日焼けしたあとのケア方法➀しっかりと冷やす
繰り返しますが、日焼けあとは肌がやけどをした状態です。ヒリヒリと痛くなったり赤みが強く出ることもあるでしょう。
そこでまずやるべきことは、肌を冷やすことです。
タオルに凍らせた保冷剤を包む、もしくは氷水にひたして患部に当てましょう。
冷蔵庫で冷やしたシートマスクを使うのもいいでしょう。冷やすことで肌の炎症が抑えられます。
患部に保冷剤を直接当てたり、氷水を直接つける、長時間同じ場所を冷やすと凍傷になる可能性もあるのでやめましょう。
冷やす時間は10分~15分を目安に、ほてりが鎮まるまで繰り返し行いましょう。
日焼けしたあとのケア方法②保湿をする
ほてりを鎮めた後は保湿しましょう。
日焼けあとの肌は水分が奪われて乾燥した状態になっているからです。放っておくと、肌のターンオーバーが乱れて、シミやそばかすの原因になります。
化粧水や美容液、ジェルなどを使って保湿をしますが、くれぐれも肌に刺激を与えないために、化粧水や美容液はパッティングするのは避けて、優しくつけるようにしましょう。
コットンパックするのもおすすめです。化粧水を浸したコットンを患部に覆うように貼り付け、約5分間パックしましょう。
日焼けしたあとのケア方法➂水分をたくさん摂る
日焼けあとは内側からのケアも大切です。日焼けあとの体は水分が足りていない状態なので、水分をたくさん摂るように心掛けましょう。水を飲むことで肌を内側から冷やす役割もあります。
水分は水から摂るのがベストです。利尿作用があるお茶やコーヒー、アルコールは避けましょう。
日焼けしたあとのケア方法④ビタミンを補給する
日焼けあとのケアに効果がある栄養素として、代表的なのがビタミンです。とくにビタミンA、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンEには次のような効果があります。
代表的な効果 | 豊富に含まれる食べ物 | |
ビタミンA | 皮膚や粘膜を健康に保つ | レバー(牛、豚、鳥)、うなぎ、卵etc |
ビタミンB2 | 皮膚や粘膜を強くする | レバー(牛、豚、鳥)、牛乳、焼きのりetc |
ビタミンC | 美白効果、抗酸化作用 | 緑黄色野菜、柑橘類など |
ビタミンE | 抗酸化作用 | アーモンド、アボカド、鮭etc |
抗酸化作用とは、酸化を防ぐことです。肌は酸化することによって、シミやシワなどにつながります。
上に挙げた効果はあくまでも代表的なもので、ビタミンには様々な効果を期待できます。とくにビタミンCは美白、抗酸化作用のほか、肌の水分量をコントロールするセラミド(細胞間脂質)の合成を促すことで、紫外線のダメージによる低下する肌のバリア機能、回復機能を高める効果があります。
ビタミンCの美肌効果については「【図解】ビタミンCの美容効果~シミ改善、美容液の使い方、食べ物~」で詳しく解説しています。
なお、ビタミンは食事だけで十分な量を摂取するのは難しいです。サプリメントを活用するのもいいでしょう。
日焼けあとに効く食べ物を使ったメニュー2選
日焼けあとは食事によるケアも効果的です。ここでは、日焼けあとにおすすめのメニューを紹介します。
トマトと卵の中華炒め
ビタミンCが豊富なトマトは紫外線のダメージを軽減するだけでなく、コラーゲンを生成する働きもある”美肌に効く食材“です。また、卵はビタミンA、ビタミンB2、ビタミンEなど多くのビタミンをバランスよく含んでおり、トマトとの相性もバッチリです。
材料(1人分)
・卵・・・2個 ・トマト・・・1個 ・オイスターソース・・・小さじ1杯 ・しょうゆ・・・小さじ1/2杯 ・塩・・・少々 ・コショウ・・・少々 ・料理酒・・・小さじ1杯 ・サラダ油・・・適量 |
作り方
➀ 卵を割り、塩コショウを少々加えてかき混ぜる ➁ トマトはヘタを取って、8等分にカット ➂ サラダ油をひいたフライパンに溶いた卵を入れて、半熟状態になるまで炒める ④ 卵が半熟状態になったら、カットしたトマト、オイスターソース、しょうゆ、料理酒を加えて、1分ほど炒めたら完成 |
アボカドのナポリタン
アボカドはビタミンC、ビタミンEが豊富な食べ物であり、そのまま食べるのもおすすめな食材ですが、トマトベースのソース、ビタミン豊富なピーマンを使うナポリタンに加えることで、肌にとっても完璧な栄養素が揃った料理になります。
材料(1人分)
・パスタ・・・120g ・アボカド・・・1/2個 ・ピーマン・・・1/2個 ・玉ねぎ・・・1/4個 ・ケチャップ・・・大さじ2杯 ・ウインナー・・・2本 ・塩・・・少々 ・コショウ・・・少々 ・オリーブオイル・・・適量 |
作り方
➀ パスタをお湯で茹でる ➁ アボカド、ピーマン、玉ねぎ、ウインナーを食べやすい大きさにカット ➂ 玉ねぎをオリーブオイルを入れたフライパンに入れて炒める ④ 玉ねぎがしんなりしたら、②の残りとケチャップを入れて炒める ⑤ 全体的に香ばしい香りがしたら火を止めて、茹で上がったパスタを入れる ⑥ 塩コショウを加えて全体を混ぜ合わせたら完成 ※ケチャップを足してもいい |
日焼けしたあとのケアに関するQ&A
ここでは、日焼けあとのケアに関するよくある疑問にお答えします。
日焼けあとは美白化粧水がいい?
A. 美白化粧水は有効です。
絶対に美白化粧水を使わないといけないというわけではありません。肌に合わないこともあるので、日常使いしている化粧水でも問題はありません。
とはいえ、美白化粧水はメラニンに働きかける成分が配合されているので、日焼けあとのケアにはうってつけです。ただし、美白化粧水はシミを消すような効果はないので、日焼けあとに特別に使うというよりは、予防するという役割で日常的に使用するのがいいでしょう。
日焼けあとにぶつぶつになっているのですが、どうしたらいい?
A. 皮膚科に相談しましょう
日焼けのあとに肌がぶつぶつになり、なかなか治まらないことがあります。その場合、「日光皮膚炎」になっている可能性があります。
日光皮膚炎は程度により処置の方法も変わりますが、セルフケアだと悪化することもあるので、速やかに皮膚科医に相談するのがおすすめです。
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