GABAは睡眠の質向上に効果がある?正しい摂取方法についても解説
日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、加盟国30カ国のうち最下位*1です。
世界的に見ても、日本人の睡眠時間は短いと言えます。近年、睡眠不足や睡眠の質の低下は深刻な問題となっています。質の良い睡眠は、健康な生活を送る上で欠かせない要素です。この記事では、睡眠の質向上に効果が期待できるGABAについて、その効果や摂取方法などを詳しく解説していきます。
※1 経済協力開発機構(OECD)の調査「Gender Data Portal 2021」
GABAとは何か?
GABAとは、「γ(ガンマ)-アミノ酪酸」(Gamma Amino Butyric Acid)の略称であり、アミノ酸の一種。タンパク質にはならない「非タンパク質性アミノ酸」に分類されます。
GABAは動物から植物まで幅広く自然界に存在し、人間では脳や脊髄などの中枢神経に特に多く存在しています。
近年、GABAは機能性表示食品として最も届出件数が多い成分として知られており、実際にGABAが含まれる特定保健用食品やサプリメントが増えています。ストレス緩和や睡眠の質の改善など、現代人の悩みを解消する成分として大いに注目を集めているのです。
GABAの役割と効果
GABAは、リラックス効果や睡眠の質向上、血圧の上昇を抑える効果、ストレス緩和効果などが期待されています。
GABAの効果について詳しくは「GABA(ギャバ)の効果はストレス緩和だけではない〜高血圧予防や美容にもおすすめ〜」もご覧ください。
GABAによる睡眠の質向上
GABAは、睡眠の質を向上させる効果が期待されています。具体的には、深い睡眠を促したり、睡眠時間を長くしたりする効果が報告されています。
睡眠の質について詳しくは「睡眠の質とは何か? 睡眠チェックシート&改善方法」
睡眠サイクルへの影響
GABAは、脳の活動を鎮静化させることで、自然な睡眠導入をサポートし、睡眠サイクルを整える効果が期待できます。睡眠サイクルが整うことで、深い睡眠と浅い睡眠のリズムが調整され、より質の高い睡眠を得られる可能性があります。
GABAは、脳波の中でも深い睡眠時に現れるθ波を増加させる効果があるという研究結果が出ています。θ波が増加することで、深い睡眠状態が長く続くため、睡眠の質が向上すると考えられています。
ストレスと不安の軽減
GABAには、ストレスホルモンの分泌を抑え、不安や緊張を和らげる効果があります。ストレスや不安は、不眠の原因となることも多いため、GABAを摂取することで、リラックス効果を得られ、スムーズな入眠を促し、睡眠の質向上に繋がると考えられています。
すっきりとした目覚めに対するGABAの効果
GABAは、睡眠の質を向上させるだけでなく、すっきりとした目覚めにも効果が期待できます。
GABAの摂取方法
GABAは食事からも摂取することができます。いつも何気なく食べている食品の中にもGABAが豊富に含まれているものはたくさんあります。
GABAが豊富な食品ランキング
食品名 | GABA含有量 mg/100g | |
1 | トマト缶詰(ホール) | 95 |
2 | メロン | 63.0~96.3 |
3 | たくあん | 39~95 |
4 | 奈良漬 | 58 |
5 | キムチ | 38~84 |
6 | トマト(桃太郎) | 57 |
7 | 西洋かぼちゃ(えびす) | 56 |
8 | 野菜ジュース | 56 |
9 | じゃがいも | 43 |
10 | 大豆もやし | 40 |
農研機構「機能性成分含有量データ(抜粋)」
美味技術研究会誌「ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察」
愛媛県県工業系研究報告「野菜によるγ-アミノ酪酸の蓄積」
詳しくは、「GABA(ギャバ)が豊富な食品&一緒に摂りたい食品〜おすすめレシピ3選〜」をご覧ください。
その他にはサプリメントから摂取する方法もあります。
GABAサプリメントの選び方
GABAサプリメントは、様々なメーカーから販売されています。製品によって、GABAの含有量や配合成分が異なるため、購入する際には、成分表示をよく確認することが大切です。信頼できるメーカーの製品を選ぶようにしましょう。
詳しくは「GABA(ギャバ)サプリメントの選び方&効果的な飲み方〜おすすめ商品も紹介〜」もご覧ください。
1日の推奨摂取量
GABAの1日の推奨摂取量は、製品によって異なります。一般的には、1日あたり100mg~300mg程度とされています。ただし、過剰摂取は、副作用のリスクも高まるため、推奨摂取量を守ることが大切です。
詳しくは、「「副作用がない」といわれるGABA(ギャバ)は過剰摂取しても大丈夫?」こちらもご覧ください。
摂取のタイミング
GABAは食品やサプリメントから摂取するので、薬のように明確な摂取タイミングの決まりはありません。おすすめとしては、食後や就寝前に摂取するのがおすすめです。食後に摂取することで、消化吸収が促進され、効率よく体内に吸収されます。また、就寝前に摂取することで、リラックス効果が期待でき、スムーズな入眠をサポートします。
GABA摂取時の注意点
GABAは、安全性の高い成分ですが、摂取する際には、いくつかの注意点があります。GABAの副作用と安全性
GABAの過剰摂取によって起こり得る副作用は以下の2つです。
・胃腸トラブル
・疲労感の増大
レアケースではあるものの、GABAの過剰摂取によって、腹痛や下痢などの胃腸トラブル、または疲れやすさを感じることがあるかもしれません。とくに、持病をお持ちの方や妊娠や授乳中の方は、GABAの過剰摂取は控えた方がよいでしょう。
他の睡眠薬との併用
GABAを他の睡眠薬と併用する場合は、必ず医師に相談してください。併用によって、効果が強くなりすぎたり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。
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