まだ伸びる?成長期の終わりのサインを男子・女子別に解説
子どもの身長は、日々コンスタントに伸びる訳ではなく、人生で二度ある成長期のタイミングで大きく伸びます。そして、2回目の成長期「第二次成長期」を終えたあとは、ほとんど身長が伸びません。
だからこそ、子どもの身長の伸びが落ち着いてきたとき、「この子の成長期はもう終わり?」「これ以上、身長は伸びないのかしら」と、疑問や不安を持つお父さんお母さんは多いでしょう。
そこで今回は、「成長期の始まりと終わりのサイン」について、男子と女子に分けてまとめました。
子どもの最終身長を大きくするためには、親による成長期のサポートが欠かせません。ここで成長期の始まりと終わりのタイミングを知り、お子さまの成長を応援しましょう。
この記事の監修者
一倉 絵莉子
六本木ヒルズクリニック 産婦人科医
日本大学医学部卒業後、川口市立医療センター、北里大学メディカルセンター産婦人科等に勤務。日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会会員
【男子】成長期の始まりと終わりのサイン
こちらでは男子の成長期について、始まりと終わりのサインをそれぞれご紹介します。
男子の成長期の始まりは「精巣の成長」で判別
男子の成長期の始まりは、「4ml以上、精巣の増大が確認できたとき」だと、医学的には定められています。これは目に見てすぐに分かることではなく、正確に判断するためには病院での診断が必要です。
そのため、男子の成長期の始まりは、親も子もハッキリと自覚できないケースがほとんどです。すでに成長期が始まってしばらく経った後、身長の伸びが急激に大きくなった段階で気付くことになるでしょう。
年齢としては、10歳前後から14歳前後までに始まるのが一般的です。
男子の成長期の終わりは「声変わり」で判別
男子の成長期の終わりは、成長期スタートから数えて、2~3年後です。成長過程としては、主に以下の順に進みます。
1.精巣の発育
2.陰茎の発育
3.陰毛の発育
4.声変わり
そのため、成長期の終わりのサインといえるのは、「声変わり」です。声変わりが起きたあとは、身長の伸び幅が小さくなり、やがて止まるでしょう。
そのほか、わき毛やひげといった体毛の発育も見られますが、これは陰毛が生え始めてから約2年後に起こるといわれています。声変わりと体毛の発育タイミングは、人によって前後するでしょう。
【女子】成長期の始まりと終わりのサイン
こちらでは女子の成長期について、始まりと終わりのサインをそれぞれご紹介します。
女子の成長期の始まりは「胸のふくらみ」で判別
女子の成長期の始まりは、「乳房のふくらみや、乳輪が大きくなってきたことを確認できたとき」と定められています。男子に比べると分かりやすい身体的サインであるため、親も子も自覚しやすいでしょう。
年齢としては、8歳前後から12歳前後に始まるのが一般的です。
女子の成長期の終わりは「初潮」で判別
女子の成長期の終わりもまた男子と変わらず、成長期スタートから2~3年後です。成長過程としては、主に以下の順に進みます。
1.乳房の発育
2.陰毛やわき毛の発育
3.初潮
そのため、成長期の終わりのサインといえるのは、「初潮」です。初潮が起きたあとは、身長の伸び幅が小さくなり、やがて止まるでしょう。
また、初潮が近いサインとしておりものが見られるようになるとよくいわれますが、人によってはおりものを確認するより前に初潮を迎えるケースもあります。
うちの子、もしかして成長期の始まりも終わりも早い?
成長期の始まりや終わりが平均よりも早い場合、親として心配になる方もいるのではないでしょうか。しかし、成長期のタイミングは個人差が大きいため、平均から大きく離れていないようであれば、とくに心配はいりません。
平均よりも2~3年ほど早く成長期が始まった場合には、「思春期早発症」の恐れがありますが、この病気が大きな問題になることはまれ(※)です。
とはいえ、私たちの身体は、成長期のタイミングにこそ個人差はあっても、成長期の間に伸びる身長はほぼ変わりません。そのため、身長がまだ小さいうちに成長期が来てしまうと、結果として最終身長が小さくなってしまうのです。
また、周りよりも成長が早いことで交友関係におけるストレスが起こりやすいといった問題も抱えています。
思春期早発症は、早期発見ができれば治療も可能です。周りのお子さんに比べて、著しく成長が早く感じられるようであれば、病院にご相談ください。
(※)思春期早発症は女子に多く見られる病気であり、女子の場合には大きな問題になりにくいため、全体の傾向として大事にはなりにくいと言われています。男子の場合や、一部女子では、ほかの大病が隠されている場合があるため、不安なときには病院での診察を推奨します。
親ができる子どもの身長発育サポートとは
身長の伸びについて、病院にかかるほどの問題がないようであれば、成長期の子どもの発育において大きな影響を与えるのは、なんといっても生活習慣です。
生活習慣としては、適度な運動習慣や質のよい睡眠、ストレスの少ない環境などももちろん大切ですが、なかでも重要なのは、やはり食生活です。バランスのよい食事を意識するとともに、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、亜鉛といった成分が多く含まれる食材を積極的に取り入れましょう。
身長を伸ばすのによいとされる食べ物について詳しくは、「身長を伸ばす食べ物って本当にあるの? 注意すべきは食べ方だった?」で解説しています。