【管理栄養士監修】成長期に必要なのは「おやつ」だった!
「おやつ」は甘いものやお菓子を食べるお楽しみと思っていませんか?
実は成長期の子どもには【補食としてのおやつ】がとっても大切なんです!
でも、おやつといっても「お菓子」ではありません。詳しく見てみましょう。
日々の栄養はこんなに足りていない!
成長期はぐんぐん身体が大きくなったり、目に見えなくても脳や内臓、骨、血などが作られる時期。年齢によっては大人よりも多くの栄養を必要とします。
例えばカルシウムだと、最も必要といわれる12~14歳男子は1日に1,000mgも必要(女子は800mg)!毎日の食事で補うには、なかなかハードルが高い量ですね。
他に不足しがちな栄養は「エネルギー/鉄/ビタミン/食物繊維」。スポーツをしている子なら、さらに多くのエネルギーが必要です。いずれも不足すると健やかな成長はおろか、体調や学力に影響することも。
栄養がたくさん必要なのはわかっていても、3度の食事を考えるので精いっぱい・・・という方も多いのでは?そこで活用したいのが「補食」としてのおやつです。
「お菓子」で栄養は補えない
いつもおやつに食べているお菓子で、栄養は補えるのでしょうか?
タンパク質など摂れる栄養もありますが、カルシウムやビタミン、鉄は、なかなかお菓子では摂れません。カロリーが高いことも気になります。
また、体内で糖質をエネルギーに変換する過程ではビタミンB1が必要です。お菓子でたくさんの糖質を摂ると、ビタミンB1がどんどん使われてしまいます。せっかく摂った栄養がお菓子のために使われしまうのはもったいないですよね。
栄養を「補う」おやつ
おやつとして手軽に食べられるメニューをご紹介します。「おやつで栄養補給」といっても、やはり3度の食事が食生活の基本です。おやつは「第4の食事」として、3度の食事に支障が出ないよう、下記のポイントに注意しましょう。
●食事まで2時間はあける
成長期のためのオススメおやつ
●ヨーグルト(カルシウム、タンパク質)
全脂無糖タイプ100g 62kcal、カルシウム120mg、タンパク質3.6g
●おむすび(エネルギー)
子どものこぶしくらいの大きさ・100g 179kcal、タンパク質2.7g
シラスや小エビ、ごまを混ぜたり、炊き込みご飯で作ればさらに栄養価アップ!
●煮干(カルシウム、タンパク質、鉄)
10尾(約10g) 33kcal、カルシウム220mg、タンパク質6.4g、鉄1.8mg
●ナッツ(エネルギー、食物繊維)
手のひら一杯(約25g)171kcal、タンパク質4.3g、食物繊維3.2g
*アーモンド、くるみ、カシューナッツ、マカデミアナッツが入った無塩のもので算出。
●果物(ビタミン、食物繊維)
みかん1個75g 35kcal、 ビタミンC26mg
りんごMサイズ1/2個125g 76kcal、食物繊維2.4g
バナナ1本100g 86kcal、食物繊維1.1g
●焼き芋(ビタミン、食物繊維)
1/2本100g 163kcal、ビタミンE1.3mg、ビタミンC23mg、食物繊維3.5g
●ドライフルーツ(食物繊維、鉄)
レーズン1/3カップ40g 120kcal、食物繊維1.6g、鉄0.9mg
プルーン5粒50g 118kcal、食物繊維3.3g
栄養が凝縮されている分、糖質も高いので食べすぎに注意。砂糖が入っていないものを選びましょう。
●納豆(食物繊維、鉄)
1パック40g 76kcal、タンパク質7.2g、食物繊維2.9g、鉄1.3g
●チーズ(カルシウム、タンパク質)
プロセスチーズ1個15g 51kcal、カルシウム91mg、タンパク質3.1g
身近なメニューでどれも簡単に用意できるものですが、お菓子と比べたら栄養の差は歴然です。これら以外にも、悩んだときは「食事に近いもの」と意識してくださいね。
栄養満点のレベルアップも活用!
栄養満点のレベルアップはおやつにも最適!牛乳に混ぜておやつのお供に飲むのはもちろん、アイスやヨーグルトに混ぜるのも手軽に栄養価がアップしておすすめです。
時にはお楽しみとしてお菓子を食べこともあると思います。その場合はカロリーを目安に量をコントロールし、上記のおやつやレベルアップと組み合わせるなど工夫しましょう。
■子どもの肥満とダイエット
思春期までに肥満になると、そうでない子どもと比べて大人になってからも肥満の割合が高いことがわかっています。一方、女の子は小学生から「痩せたい」願望が出て、中学生になると3割以上がダイエットを検討するという調査結果も。成長期に「食べないダイエット」をするのは危険なので、どちらの場合も健康的な食事に加えて、ご紹介したヘルシーなおやつや、適度な運動をするよう親がリードしましょう。
おやつで成長期をサポート!
おやつを「栄養補給のチャンス」と捉えると、日々の献立を考えるのにも余裕が出てくるかもしれませんね。また、「おやつが果物なのはビタミンが摂れるからだよ。」等、きちんと話してあげることで、自分の身体や栄養について考えるきっかけになり、一生ものの健康習慣が身に付きます。
おやつ=補食を上手に取り入れて、お子さんの成長期をサポートしましょう!
麻生れいみ 管理栄養士
病院の臨床研究においての栄養療法を監修。医薬に頼りすぎない新しい治療法をサポートしている。また医療と予防医学、栄養学を深く結びつける役割を担うべく、料理研究を行っている。飲食店メニュー開発、調理指導、フードコーディネート、講演等、活動は多岐にわたる。