ダイエット中の停滞期はなぜ起こる?考えられる原因と対策方法を紹介

ダイエットを長く続けていると、停滞期は必ず訪れます。とはいえ、停滞期が訪れると「これまでどおりのダイエットを続けてよいのか」と不安になってしまいますよね。

停滞期の反動でモチベーションを損なったり、ストレスが溜まったりして、暴飲暴食してしまう方もいるでしょう。

この記事では、ダイエットの停滞期をテーマに、停滞期がなぜ起こるのか、いつまで続くのかといった基礎知識から対策までご紹介します。「長らく体重が減っていない……」と悩んでいる方は、ぜひご一読ください。

この記事の監修者

 

佐藤 留美

藤崎メディカルクリニック 副院長 

2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。

現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック 副院長に就任。
医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。

ダイエット停滞期はなぜ起こる?考えられる原因

順調に減っていた体重がいきなり変わらなくなる停滞期は、なぜ起こるのでしょうか。

ここでは、停滞期の主な原因を3つ解説します。自分の状況と照らし合わせて「これかも?」という目星を付けてみてください。

原因① 摂取カロリー不足によるホメオスタシス機能の活発化

ダイエット停滞期の原因として、真っ先に考えられるのが「ホメオスタシス機能」の活発化です。ホメオスタシス機能とは、自律神経や内分泌、免疫といった器官のバランスをうまく取り、体内環境を一定に保とうとするはたらきを指します。

たとえば外気温の変化や緊張によって体温が上がれば汗をかきますが、これはホメオスタシス機能がはたらき、平熱を保とうとするためです。

このように私たちの体は、生命を守るために、現在を維持するための活動を常日ごろからしています。体にとっては「変化=危険」なので、体重が減れば「これ以上は減らさないようにしないと危ない!」と判断して、ホメオスタシス機能を活発化させてしまうのです。

その結果、少ないカロリーでも生命活動ができるように体をコントロールするため、体重が減らなくなり、停滞期が訪れます。

原因② 筋肉量が減ることによる基礎代謝の低下

食事制限だけでダイエットをしている方は注意が必要です。摂取カロリーが不足すると、体は筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。

そうして筋肉量が減っていくと、基礎代謝がどんどん低下します。そのうちにこれまでの摂取カロリーでは、消費カロリーとつり合いが取れてしまい、停滞期に入るケースもあります。

なお、このケースではリバウンドも起こしやすいのでお気を付けください。

原因➂ ホルモンバランスの変化

女性の場合は、ホルモンバランスの周期的な変化によって、一時的に停滞期に入ることがあります。これは2種類ある女性ホルモンのうち、「プロゲステロン」による影響です。プロゲステロンは妊娠に備えるべく、水分や脂肪を体内に溜め込む性質を持っています。

排卵日前後はプロゲステロンの分泌量が増えますが、加えて、排卵後はエストロゲンの分泌量が減るので相対的にプロゲステロンのはたらくが強まります。以上のことから、生理前おおよそ2週間ほどは、どうしても体重が落ちにくくなるでしょう。

また、強いストレスや医薬品などによりホルモンバランスが乱れた場合には、生理のタイミングに関係なく体重が落ちにくくなってしまうこともあります。

ダイエット停滞期の期間はいつからいつまで続く?

ダイエットにおいて停滞期がやってくるのは仕方がないことと割り切ったとしても、「できることなら早く終わってほしい」と誰もが考えるでしょう。ここでは、停滞期はどのくらい続くのかの目安をご紹介します。

停滞期の始まりと終わりのタイミング

ダイエット中にホメオスタシス機能がはたらくのは、1ヶ月間で体重が5%以上減ったときだといわれています。体重が60kgの方であれば、1ヶ月に3kg以上、50kgの方であれば2.5kg以上です。

しかし、「そこまで急激に痩せていないのに、停滞期に入ってしまった」という方が多いのは、ホメオスタシス機能のはたらきやすさやバランスには個人差があるからです。

この数値はあくまで目安でしかありません。のちほど「停滞期の見極め方」を解説するので、「本当に停滞期なのか分からない」という方は、ぜひそちらもご確認ください。

ダイエットの停滞期は平均1ヶ月程度

ダイエットの停滞期間は平均1ヵ月程度だといわれています。

停滞期を抜ける前兆やサインとしては、よく「一気に体重が落ちる」という方もいますが、これも個人差が大きいです。一気に落ちなくても、少しずつまた体重が減り始めたなら、停滞期は脱出したと考えてよいでしょう。

脱出後も停滞期を何回もくり返す

長期間のダイエットであれば、一度停滞期を脱出したとしても、残念ながらまた停滞期はやってきます。こればかりはホメオスタシス機能を止めることができない以上、仕方ありません。

ダイエットを成功させるうえで大切なのは、停滞期中にどうしても落ちてしまうモチベーションを保つことだともいえます。

モチベーション保つ方法について詳しくは「【タイプ別】ダイエットのモチベーションを上げる&維持する方法」で解説しています。

ダイエット停滞期に見極めるべき判断ポイント

ダイエット中に体重が思うように減らなくなったとき、「これは停滞期?それとも単純に努力が足りていない……?」と悩む方は多いのではないでしょうか。

停滞期対策を始める前に、まずはここであなたの現状が停滞期なのかどうかを見極めるための判断ポイントをご紹介します。

2週間スパンで変動をチェック

体重の変動をチェックするときには、昨日今日といった短いスパンではなく、2週間ほどのスパンを基準にしましょう。

体重は塩分や水分の多い食品を食べたり、逆によく汗をかいたり運動をしたりなど、ちょっとしたことでも変動します。しかもその変化の幅は、1日で1kgや2kgほどあってもおかしくありません。

このように1日の間にも体重は大きく変化するため、短期間での変動で停滞期かどうかを見極めることはできません。

また、なるべく計測時の条件を揃えるために、寝起きやお風呂上がりなど、計るタイミングを決めるとよいでしょう。

確認すべきは体重よりも体脂肪率

先に体重の確認方法について解説しましたが、実は停滞期を見極めるなら体重よりも体脂肪率の変化が重要になります。体重だけでは筋肉量の増減による影響が分からないからです。

体重が変わらなくても体脂肪率が減っているのであれば、それは筋肉量が増えたということなので停滞期とはいえません。逆に、体重が減っていても体脂肪率も減っているのであれば、筋肉量が落ちているので、今後停滞期に陥る可能性が高いです。

ダイエット停滞期の判断は、体重だけでなく、体脂肪も合わせてみるようにしましょう。

停滞期があまりに長い、または太る場合には要注意

停滞期が何ヶ月も続いていたり、むしろダイエットしているのに体重も体脂肪率も増えていたりするのなら、それは単純にカロリーオーバーしている可能性があります。ダイエット方法を見直すときかもしれません。

ちなみに摂取カロリー的には問題がなくとも、脂質や糖質だけなど一部の栄養素摂取に偏っている場合、それが太る原因になることもあります。

たとえば、近年流行りの「ケトジェニックダイエット(低糖質ダイエット)」では、糖質の代わりにたんぱく質を多く摂ることが推奨されます。しかし、たんぱく質を多く含む食品は脂質も多く含む傾向にあるため、知らず知らずのうちに脂質を大幅に摂取しているケースも少なくありません。

まずは一度、普段の食事のカロリーや栄養素をチェックしましょう。レコーディングダイエット用のアプリを使用するなどがおすすめです。

停滞期を抜けるための4つの対策

停滞期を抜けるための対策としては、次の4つの方法が挙げられます。

・停滞期前と同じダイエットを続ける

・体重と体脂肪率の変化グラフを作成する

・チートデイを取り入れる

・筋トレと有酸素運動をバランスよく取り入れる

なかでも一番大切なのは、「停滞期前と同じダイエットを続ける」ことです。また、そのためのモチベーション維持のためには「グラフの作成」をおすすめします。

そのほかの方法も含めて詳細を確認し、できることから取り組んでみてください。

対策1.停滞期前の過ごし方を続けることが「基本」

停滞期が訪れると、不安から食事制限や運動の負荷を上げてしまいがちです。しかし、それではかえってホメオスタシス機能を活発化させてしまい、停滞期を長引かせてしまいます。

停滞期の対策の基本は、これまでと同じダイエットをそのまま続けることです。そうすれば次第に体が今の状態に慣れ、ホメオスタシス機能が過剰にはたらくこともなくなっていくでしょう。

対策2.体重&体脂肪率の変化グラフを作成する

停滞期に同じダイエットを続けるコツは、「あ、また停滞期がきているな」と冷静に認識できるようになることです。そのための準備として、体重と体脂肪率の変化グラフを作成しましょう。

ある程度の期間にわたって計測を続けていると、どのぐらいのペースで減っていくのか、体重変化の傾向が掴めるようになります。どの程度の期間や体重変化後に停滞期がくるのか、また終わるのかといったタイミングも見極められるようになるでしょう。

対策3.食事にはチートデイを取り入れる

チートデイとは、ダイエット中にあえて必要以上のカロリーを摂取することで、ホメオスタシス機能が過剰にはたらくのを防ぐための行動です。

停滞期中にチートデイを取り入れるのであれば、週1回の頻度で、「体重×40」をしたカロリーを1日あたりの目安にして行いましょう。60kgの方であれば、2,400kcalです。

また暴飲暴食するのではなく、なるべく栄養バランスは考えるほか、摂取タイミングも一度に大量ではなく、1日3食以上に分散しましょう。

対策4.筋トレと有酸素運動をバランスよく取り入れる

長期間にわたるダイエットをスムーズに進めるのなら、食事制限だけでなく筋トレや有酸素運動も取り入れることをおすすめします。ダイエット中はどうしても筋肉量が落ちやすいことから、食事制限だけのダイエットではリバウンドの恐れがあるだけでなく、停滞期も引き起こしやすいためです。

これまで食事制限のみでダイエットしてきたのなら、筋トレと有酸素運動のどちらか好きなほうだけでも取り入れてみましょう。これまであまり運動をしてこなかったという方であれば、ちょっとしたストレッチやヨガだけでも、十分に筋肉を刺激することができます。

また、これまで筋トレばかりしてきた方であれば、有酸素運動で脂肪を効率よく燃やせる体になっている可能性が高いです。普段の筋トレの後に、軽い有酸素運動を追加してみてもよいでしょう。筋肉の張りが気になるという方は、ストレッチやマッサージもおすすめです。

逆に有酸素運動ばかりをしてきたという方は、有酸素の前に筋トレを追加してみましょう。特に下半身やインナーマッスルを鍛えると、基礎代謝を上げやすいです。

ダイエットのための運動について詳しくは「痩せるには運動は本当に必要??運動嫌いのためのおすすめメソッド」で解説しています。

ストレスが溜まるダイエット停滞期の強い味方

停滞期が訪れると、今のダイエット方法を続けてよいのか迷走し、ストレスを溜め込んでしまうでしょう。また、これまで順調にダイエットできていたという事実から気がゆるみ、停滞期によるモチベーションの低下も相まって、食欲が強まることもままあります。

ダイエットを成功させるためには、これらの不安や欲求とうまく付き合い、くり返す停滞期を乗り越えなくてはいけません。「自分の気持ちをうまくコントロールできる自信がない……」と悩んでいる方におすすめなのが「ターミナリアファースト」です。

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