【医師監修】食物繊維のとりすぎは便秘を招く?適切な摂取量と効率的なとりかた
「食物繊維が便秘解消に役立つ」という話が定説になった現代。便秘解消のために食物繊維を摂取している方もよく見られるようになりました。便秘を解消するために食物繊維を積極的にとっている方から「便秘がむしろ悪化した」「食物繊維のとりすぎが原因?」という声が聞かれます。結論からいって、食物繊維のとりかたによっては、便秘を悪化させることがあります。そこで今回は誤った食物繊維のとり方によって起こるお腹の変化について特集。また、食物繊維の摂取量目安や効率的なとりかたを解説します。
この記事の監修者
Alohaさおり自由が丘クリニック開業医
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している
食物繊維を偏ってとりすぎると便秘や下痢になりやすい
普段の食事から食物繊維をとりすぎることは、まずありません。しかし、食物繊維を積極的にとったことで便秘が悪化したのであれば、それはとった食物繊維の種類が偏っていたのではないでしょうか。食物繊維は大きく分けると、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があります。どちらも善玉菌のエサになり、腸内環境を整えるのに役立ちますが、活用するためには2つの食物繊維をバランスよくとるのがコツです。どちらかばかりをとりすぎると腸内環境をかえって悪化させ、以下で解説するように便秘や下痢を引き起こしてしまいます。
不溶性食物繊維をとりすぎると便秘に
キャベツやキノコ、もち麦などに多く含まれるのが、こちら不溶性食物繊維。食物繊維といえばイメージされる食品が不溶性食物繊維には多いため、ついつい不溶性食物繊維ばかりをとりすぎる方は少なくありません。不溶性食物繊維は便のかさを増やすことで腸壁を刺激するため、便秘解消につながります。しかし不溶性食物繊維ばかりをとりすぎると、便が硬く大きくなり排泄しづらい、お腹が張るといった便秘の症状を招くでしょう。
水溶性食物繊維をとりすぎると下痢、軟便に
ワカメやひじきといった海藻類に多く含まれるのが、水溶性食物繊維です。こちらは便をやわらかくすることで、排泄しやすい状態の便になります。しかし、水溶性食物繊維ばかりをとりすぎると、便がやわらかくなりすぎて下痢や軟便を引き起こすでしょう。
便秘の原因によっては食物繊維が状態を悪化させることもある
便秘の原因によって、食物繊維のとりかたを考えることも大切です。便秘には主に以下の種類があります。
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これら便秘の種類によって適した食物繊維のとりかたは異なります。自身の便秘に当てはまる対処法を以下で確認してみてください。
「けいれん性便秘」なら、水溶性食物繊維と腸にやさしい食事
けいれん性便秘は、硬くて丸いウサギのような便になりやすい傾向にあります。これは便が腸に長く留まることで水分を失ってしまうためです。そのため、便に水分を増やす水溶性食物繊維を意識した食事が適してします。また、けいれん性便秘を起こしている胃腸は刺激に弱い状態です。消化のよい食事を意識するとよいでしょう。
「弛緩性or直腸性便秘」なら食物繊維2種と腸を刺激する食事
弛緩性便秘と直腸性便秘は、どちらも腸の動きが活発でないことで起こります。腸を刺激するために不溶性食物繊維をとる必要があります。ただし、不溶性食物繊維ばかりをとりすぎると便が硬くなって便秘を悪化させるため、水溶性食物繊維とバランスよくとるように心がけましょう。また腸の動きを促すためには、刺激のある食事がおすすめです。お肉や魚など、油もまた便秘解消には役立つため、積極的に取り入れてみてください。
食物繊維のとりすぎにまつわるQ&A
食物繊維のとりすぎに関して、便秘や下痢以外の疑問にもお答えしていきます。
Q.便秘解消だけでなくダイエット目的の場合、食物繊維のとりすぎは太る?
A.食物繊維は体内で吸収することができないため、ほぼカロリーがなく、とりすぎで太ることはまずありません。むしろ積極的に食物繊維をとることは食べすぎ予防になり、ダイエットにもつながるでしょう。メイン料理を食べる前に食物繊維たっぷりのサラダやスープをゆっくりと食べるのがおすすめです。
Q.食物繊維をとりすぎるとガスが溜まって、おならがよく出るって本当?
A.偏って食物繊維をとることで便秘が引き起こされれば、それがおならの原因になるかもしれません。とくに不溶性食物繊維を偏ってとりすぎると、排泄がスムーズにいかず、便が長く体内に残り続けます。すると腸内環境を悪化させ、ガスも発生させやすくなるのです。
Q.腹痛や胃痛、胃もたれが起きた場合は食物繊維のとりすぎ?
A.偏ってとることでそれらの症状が出ることもあるかもしれません。偏った食物繊維のとりかたで便秘が起これば、お腹が張り、腹痛を引き起こすこともあるでしょう。また食物繊維は消化のできない栄養素であるため、一気にとりすぎたり、よく噛まずに飲み込んだりしていると胃腸に負担をかけるかもしれません。これにより胃痛や胃もたれが起こる可能性は考えられます。
Q.食物繊維のとりすぎが原因で病気につながることはある?
A.食物繊維のとりすぎによって特定の病気につながるとはいわれていません。むしろ糖尿病や高血圧症などの生活習慣病予防につながるといわれています。そもそも食物繊維を普段の食事からとりすぎることは、まずありません。過剰摂取による病気を怖がる必要はそこまでないでしょう。ただし偏って食物繊維をとりすぎることで引き起こされた便秘や下痢が原因となり、「痔」を引き起こす可能性はあります。また腸内環境が悪くなり、「ニキビ」の原因につながることもあるでしょう。
食物繊維の摂取量目安と効率的なとりかた
食物繊維の摂取量目安は、18~69歳の男性で1日21g以上、女性で1日18g以上が推奨されています。
むしろ現代日本人は食物繊維の摂取量が少ない
食物繊維の摂取量目安に対して現代日本人の摂取量は、20代女性で14.6g、30代で15.9g、40代で16.0g……というようにどの世代で見ても大きく下回っています。
※厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」より
そのため食物繊維はとりすぎを気にするよりも、積極的な摂取が理想です。しかし実際に1日18g以上の食物繊維をバランスよく摂取するのは、なかなか難しいことでしょう。参考までに各食品の食物繊維量をまとめました。
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不溶性食物繊維量 |
水溶性食物繊維量 |
白米(200g) |
1g |
0g |
そば乾麺(100g) |
2.1g |
1.6g |
キャベツ(100g) |
1.4g |
0.4g |
しめじ(100g) |
2.6g |
0.7g |
木綿豆腐(200g) |
0.3g |
0.1g |
納豆(50g) |
3.9g |
2.0g |
たとえばキャベツ100gは、千切りにするとかなり大盛りです。しかし、3食大盛りで食べたとしても、不溶性食物繊維が4.2g、水溶性食物繊維にいたっては1.2gしかとれません。このように食物繊維を1日18g以上とることは難しく、適量を日々とろうと思うと、献立をかなり工夫しなくてはいけないでしょう。
食事からの適量摂取が難しいならサプリを活用しよう
日ごろ忙しく余裕のない方では、食物繊維をバランスよく豊富に摂取するのは難しいことです。そこで活用したいのがサプリメントです。
食物繊維サプリは数多くありますが、もしもあなたの便秘解消目的がダイエットなのなら、「ターミナリアファースト」を試してはみませんか。
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