ビール腹の原因はビールではない?! 男女別リスク&解消法を紹介
ビールは最も広く親しまれているお酒であり、飲み会では「とりあえず生で」という方も多いのではないでしょうか。キンキンに冷えたビールはとても美味しいですが、糖質が高く太りやすいとも言われています。
ぼこっと突き出たお腹のことを「ビール腹」と言いますが、ビールに限らず、毎日飲むお酒が体重の増加につながっている方も少なくありません。
今回は「ビール腹」をテーマに、ビール腹になる原因から解消法について解説します。
この記事の監修者
2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
ビール腹とは
ビール腹とは、英語の「beer belly」を直訳した言葉で、大量にビールを飲んでふくらんだお腹を意味します。
ビール腹の語源は、以下の2つが有力と言われています。
- お腹の出っ張り具合がビールの樽の形に似ている
- 大量にビールを飲んだ時に膨らんだ腹
語源はともあれ、英語にもその言葉があるように、ビール腹は万国共通の悩みであることが分かります。
ビール腹=ビールで太った腹ではない
「ビールばかり飲んでるからビール腹になる」なんて言われることがありますが、実はビール腹の原因はビールではありません。
ビールは本来太る原因にはならない
ビール自体にもカロリー、糖質は含まれていますが、ビール腹になる一番の原因はビールと一緒に食べる食事です。ビールだけでビール腹になるには、相当量飲まないといけません。
実際、ビールを全く飲んでいないのにビール腹になっている方もいます。一般的に「ビール腹」と呼ばれているものは厳密には「内臓脂肪型肥満」であり、食べ過ぎや運動不足が主な原因です。
ビール腹になる原因
ビール腹(内臓脂肪型肥満)の原因は端的に言うと、先述した食べ過ぎ、運動不足といった生活習慣の乱れです。しかし、「ビール腹」と言われるだけあって、ビールを飲むことがビール腹(内蔵脂肪型肥満)に繋がっているのは事実です。
その理由について詳しく解説します。
ビールは食欲をアップさせる
アルコールは、食欲を抑制するホルモン「レプチン」を減少させます。 レプチンは脂肪細胞から分泌され、脳の視床下部にある満腹中枢に作用して、食欲を抑制する指令を出すホルモンです。
しかし、アルコールを飲むとレプチンの濃度が低下し、満腹中枢による食欲コントロールが働きにくくなり食べ過ぎを誘発します。
アルコールは「空腹感」を増進させる
また、アルコールには「ガストリン」というホルモンを分泌される効果があります。
ガストリンは胃酸の分泌を促し、また、胃の運動を活発化して胃の中の食物を腸に送り込む働きがあります。ガストリンの分泌により、食べたものが腸に送られて胃が空になってしまうため、普段よりたくさん食べてしまいます。
ガストリンの分泌増加は発酵由来の成分で起こると考えられており、特にビールはガストリンを分泌させやすいお酒と言われています。
ビールに合う食べ物は太りやすい
から揚げやポテトフライ、ソーセージなどの脂っこい食べ物はビールと相性抜群。居酒屋でも定番のおつまみとなっています。
脂っこい食べ物は、それ相応にカロリーが高いので当然太る原因になります。
締めのラーメンが食べたくなる理由
ビールを飲むと、肝臓はアルコールの分解を優先します。すると、肝臓に蓄えられているグリコーゲンが放出されにくくなり、体内は低血糖気味になります。
低血糖の状態になると、人間の脳は糖質を欲するようになります。ついつい、締めにラーメンなどの麺類やごはんものを食べたくなるのはこのためです。
言うまでもありませんが、この締めのラーメンが内臓脂肪型の肥満、ビール腹の原因になります。
アルコールが中性脂肪になるメカニズムは「アルコールが中性脂肪になるメカニズムを解説「検査前日の飲酒は大丈夫?」をご覧ください。
なお、脳が糖質を欲するのはアルコール分解に伴う生理的な反応であり、本当に体が糖を必要としているわけではありません。食べずに我慢しているといつの間にか空腹感は落ち着くので、温かいお茶などを飲んで我慢しましょう。
【男女別】ビール腹によるリスク
ビール腹体形の方は単なる肥満の方に比べて死亡リスクが男性で約1.9倍、女性で約1.5倍に上昇すると言われています。
男性と女性では、ホルモンの影響で脂肪が溜まる場所が異なるため、同じビール腹であっても少し意味合いが異なります。
男性はビール腹になりやすい
男性は胃や腸などの内臓を包み込む「腹膜」の表面に脂肪がつくことが多いと言われています。腹膜の表面に脂肪がつくと、お腹周りだけがぽこっと出る、いわゆる「ビール腹」=内臓脂肪型肥満になります。※「リンゴ型肥満体型」とも言われる
内臓脂肪型肥満になると、糖尿病や脳卒中、心臓病を発症するリスクが高くなります。
男性は食べた分の脂肪が内臓脂肪として溜まりやすいため、とくに運動不足で筋肉を使わない生活をしている方だと、手足が細く見えてビール腹が目立つようになります。
女性はビール腹になりにくいがリスクは当然ある
女性は、お尻や太もも、二の腕など体の柔らかい部分に皮下脂肪として溜める傾向があります。体全体に脂肪がつくので、お腹だけが突き出たようなビール腹にはなりにくいのです。
※男性に比べて、下半身に脂肪が付きやすいため「洋ナシ型肥満」になりやすい
しかし女性でも内臓脂肪がたまり、ビール腹のぽっこりお腹になるリスクがあります。
女性も内臓脂肪型肥満になると、男性同様に、糖尿病や脳卒中、心臓病を発症するリスクが高くなります。
また、女性の場合は内臓脂肪が多くなることで、排卵障害の一つである「多嚢胞性卵巣症候群」になる可能性が高くなると指摘されており、不妊の原因ともなります。もちろん、稀な例ではありますが、気を付けるようにしましょう。
男女の太り方・やせ方の違いについて詳しくは「男女で違う? ダイエットで痩せる順番とは~顔やデコルテ、背中…はいつ痩せる?~」をご覧ください。
メタボリックシンドロームに該当しないかをチェックしよう
男女問わず、ビール腹(内臓脂肪型肥満)の方は、メタボリックシンドロームの可能性が高いです。
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満を要因として、高血糖・脂質異常・高血圧のうち2つ以上が該当した状態のことを指します。
単なる肥満=メタボリックシンドロームではありません。
メタボリックシンドロームになると、心臓病や脳卒中などの病気を引き起こすリスクが高まります。
メタボリックシンドロームの原因
メタボリックシンドロームの原因は、体質(遺伝)と生活習慣(環境)の2つが要因となり、内蔵脂肪が蓄積されることです。
内蔵脂肪が蓄積されるのは、「食事から摂取するカロリー」が「消費されるカロリー」を上回ってしまうことが原因です。
メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームの診断基準は、「①ウエスト周囲径」だけではなく、「②のうち2つ以上の項目」が当てはまることを定義としています。
ウエスト径は立位・軽呼気時・臍レベルで測定します。脂肪蓄積が著明で臍が下方に偏位している場合は肋骨下縁と前上腸骨棘の中点の高さで測定しましょう。
※参考:厚生労働省「メタボリックシンドロームの定義と診断基準」
ビール腹の解消法
食べ方を変える
普段から取り入れられるビール腹の解消法として、まずは食べ方を変えるのがおすすめです。
食べ方を変える上で、意識すべきは以下の3つです。
- ベジファーストで食べる
- よく噛んで食べる
- おつまみは低脂質なものを選んで食べる
ベジファーストで食べる
食事では、①野菜→②お肉やお魚などのタンパク質→③ご飯などの炭水化物、の順で食べるように意識しましょう。
野菜を最初に食べることで、野菜に含まれている食物繊維が先に胃腸に届き、後から届く糖の吸収を効率よく遅らせ、インスリンの分泌を抑えて脂肪がつきにくくなります。
例えば、居酒屋なら最初にサラダや付け合わせのキャベツ、キュウリ、家なら味噌汁のわかめやきのこなどを最初に食べるのがおすすめです。
よく噛んで食べる
子供のころ、給食の時間に「一口20回以上噛みましょう」などと言われたことがある方もいるのではないでしょうか。
噛むことは消化を助けるだけでなく、アミノ酸の一種である「ヒスタミン」が分泌されます。ヒスタミンの分泌が活発になると満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを抑えられます。
コースメニューのように食べる順番を選べない時も、「よく噛んでゆっくり食べる」は意識しましょう。
おつまみは低脂質なものを選んで食べる
ビールを飲むときのおつまみは、高タンパクで低脂質なものを選びましょう。
タンパク質は三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)の中で一番脂肪に変わりにくい栄養素。タンパク質を多くして脂質や炭水化物を控えめにするだけで、食べる量を減らさずに自然と脂肪がつきにくくなります。
【居酒屋にあるタンパク質が多いメニュー】 ・枝豆 ・冷奴 ・お刺身 ・ししゃも ・焼き鳥(塩)とくにささみ ・エイヒレ などなど |
飲み方を変える
ビールが直接の原因でないとはいえ、ビール腹を解消するためにはビール(お酒)を控えるのがベストです。とはいえ、「一切飲まないなんて無理」という方もいるでしょう。
そういった方は飲む量を上手く調整しましょう。
ビール⇒ノンアルコールビール⇒ソフトドリンク
普段から1日何杯もお酒を飲んでいる方は、そのうち数杯をノンアルコールに替えることを意識しましょう。
例えば、普段3杯ともビールを飲んでいる方は1杯目にビールを飲んだら、2杯目はノンアルコールビール、3杯目はウーロン茶にするといった具合でビールを飲む量を減らしましょう。
ノンアルコールビールに抵抗がある方もいるかもしれませんが、昨今のノンアルコールブームで、ノンアルコール飲料の品数が多くなり、本物のビールのような風味を味わえる商品も多いです。好みの味のノンアルコールビールを見つけるのもいいでしょう。
運動習慣をつける
内臓脂肪を減らすためには、運動をして消費エネルギー量を増やし、加齢と共に低下した基礎代謝量を底上げすることが大切です。
脂肪燃焼=有酸素運動と考える方が多いですが、中性脂肪を減らすには「有酸素運動+筋トレ」がおすすめです。
まずは軽い有酸素運動
運動に慣れていない方は、以下の順番で体を動かす習慣をつけましょう。
1,早歩き 2,階段 3,遠回り 4,自転車 |
まずは外出して歩くときにいつもより早くあること、大股で歩くことを心がけましょう。それだけでもだらだら歩くのとは大違いです。少し息が上がるくらいを目指してテンポよく歩きましょう。
また、普段はエスカレーターやエレベーターを使っている方は、降りるときだけ、登るときだけでも階段を使うようにしてみてください。1階分だけでも大きな進歩です。
歩くのに慣れてきたら、わざと遠回りして歩く距離を増やしてみましょう。普段はどうしても効率よく最短距離で歩いてしまいがちです。運動をはじめるなら、電車の駅を一つ手前で降りて歩いて帰ったり、駅からの帰り道でもあえて遠くなる道を選んだりしてみましょう。
自転車を使う習慣があれば、自転車に乗る回数や距離を増やしてみましょう。ただし街中では自動車に十分気を付けてください。
ストレッチも習慣化しよう
家ではストレッチがおすすめです。とくにお風呂上りは体が緩んでいて伸ばしやすいです。
無理はせず、気持ちいいと感じるところまでのばしたらゆっくり10数えてから戻しましょう。ストレッチの動画はYoutubeにもたくさんあるので飽きずに続けられるでしょう。
目標は週に3回の筋トレ
筋トレは基礎代謝に関わる筋肉量を維持するためには欠かせません。
以下の筋トレがおすすめです。
筋トレメニュー |
ポイント・目安 |
腕立て伏せ |
・ペースはゆっくりで負荷をかける ・呼吸を意識する |
スクワット |
・背筋を伸ばす ・ペースはゆっくりで負荷をかける |
ツイスト腹筋 |
・腕や足よりも腹筋を意識して上体をひねる ・勢いをつけずに、ゆっくり行う |
それぞれの詳しいやり方は「痩せるには運動は本当に必要??運動嫌いのためのおすすめメソッド」をご覧ください。
ビール腹でお悩みの方にターミナリアファースト
「運動が続かない」
「やっぱり食事は我慢せず好きなものを食べたい」
食事制限や運動習慣を継続するのが難しい方や外食が多い方は、糖脂ケアサプリメント「ターミナリアファースト」でビール腹(内臓脂肪型肥満)をケアしてみていはいかがでしょうか。
ターミナリアファーストには、機能性関与成分ターミナリアアベリリカが主配合されています。ターミナリアアベリリカには、糖質や脂質の吸収を抑えるだけではなく、食後の中性脂肪の上昇を抑え、肥満気味な方の内臓脂肪を減らすのを助ける働きがあります。
ターミナリアファーストは食事の前に飲むだけなので、誰でも手軽に糖質・脂質・中性脂肪・内臓脂肪のケアが可能です!
>>ターミナリアファーストの詳細についてはコチラ