「ダイエットに良い食べ物」の考え方と献立例

 

「野菜はどれだけ食べても大丈夫」

「甘いものは太るから避けよう」

ダイエットにおいて、食べ物に神経を使うことは大事です。しかし、過度に食べるものを限定してしまって、“食べる楽しみ”がなくなってしまうこともあるでしょう。

そして、「野菜はいくら食べてもいい」「甘いものはダメ」という決めつけはよくありません。野菜でも太りやすいものとそうでないものがあります。また、一概に甘いものがダイエットに向かないというわけでもないからです。「ダイエットに良い食べ物=瘦せる食べ物、太らない食べ物」というのも短絡的な考えといえます。

今回はダイエットに良い食べ物をテーマに、おすすめの食材はもちろん、ダイエット中の食事の考え方、具体的な献立例をご紹介します。

この記事の監修者

 

佐藤 留美

藤崎メディカルクリニック 副院長 

2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。

現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック 副院長に就任。
医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

 「ダイエットに良い食べ物」の3つの基本

ダイエットに良いとされる食べ物の条件は次の3つです。

・タンパク質が豊富である

・低糖質である

・低脂質である

それぞれについて解説します。

タンパク質が豊富である

ダイエットにおいて重要なことは瘦せることだけでなく、太りにくい体を作ることです。

太りにくい体とは、基礎代謝量が高い体と言い換えることができます。基礎代謝量は筋肉量に比例しますが、その筋肉を作るのがタンパク質です。そして、タンパク質は炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素のなかで、最も脂肪になりにくい栄養素でもあります。

また、あまり知られていませんがタンパク質には「CKK」の分泌を促進する働きもあります。CKKは消化を助けるだけでなく、満腹中枢に働きかけるため、食べ過ぎを抑える効果も期待できます。

低糖質である

糖質制限ダイエットが近年流行っているように、糖質は太る、ダイエットの敵という認識を持っている方も少なくないでしょう。糖質は活動エネルギーの源になる栄養素であるため、一概に糖質=太るという認識は間違っていますが、過剰に摂取すると太ってしまうのは事実です。

糖質を過剰に摂取すると太ってしまうのは、糖質を摂ると血糖値が上昇するからです。血糖値が上昇すると、体内でインスリンを分泌し、そのインスリンが体内のブドウ糖を脂肪に変えてしまうのです。

日本人は食文化的に、糖質を摂り過ぎる傾向があるため、糖質を制限するだけでもダイエット効果を期待できます。糖質を過度に制限するのは良くありませんが、ダイエット中は少なめに抑えるように意識しましょう。

糖質制限ダイエット中におすすめの食べ物は「糖質制限ダイエット中の食べ物総集編!OK&NG食材を一挙紹介」で詳しく解説しています。

低脂質である

ダイエットの基本は消費カロリー>摂取カロリーを守ること。カロリーの摂り過ぎが良くないことは言うまでもありません。脂質は1g当たりのカロリーが最も高い栄養素であり、1g当たり9kcalに相当します。タンパク質のカロリーが1g当たり4kcalなので、倍以上の計算になります。

「脂質制限ダイエット」が人気を集めているのも、カロリーを抑えることにコミットしやすいからです。

脂質制限ダイエットについては「脂質制限ダイエットとは?コツを押さえたやり方【成功の秘訣7選】」で詳しく解説しています。

揚げ物、スナック菓子など見るからに脂っこい食べ物は見分けがつきますが、意外と脂質量が高い食べ物も多いので注意しましょう。

【掛け合わせ別】ダイエットに良い食材

タンパク質が豊富×低糖質×低脂質

ダイエットに良い食べ物の基本条件を3つ全て兼ね備えているのは、以下のような食べ物です。

・鶏のささみ

・牛肉や豚肉の赤身

・ラム肉

・かつお

・あじ

・海藻

・卵

・豆腐

これでもごく一部であり、他にも沢山あります。

例えば、鶏肉はささみだけでなく、脂質が多い皮以外はタンパク質が豊富で低糖質かつ低脂質です。なかでも脂肪分が少ない、ささみは“最強の食べ物”といえるでしょう。鶏肉だけでなく、牛肉や豚肉も脂身以外であれば、全ての条件を兼ね備えています。

また、魚は総じて糖質が少なく、その中でもかつおはタンパク質が豊富で低脂質。あじはかつおに比べると若干脂質は多いですが、タンパク質が豊富です。

なお、魚の脂には血液をサラサラにして、コレステロール値を下げてくれるDHAやEPAが含まれているので、魚に限っていえば、脂質量はそこまで気にする必要はないでしょう。

タンパク質が豊富×低糖質

・サーロインステーキ

・いわし

・チーズ

・ナッツ

これらの食材は、脂質量はそれなりにあるものの、タンパク質が豊富で糖質が少ない食材です。ある程度の脂質がないと物足りないと感じる方、糖質制限ダイエットをしている方におすすめです。

チーズやナッツはおやつとしてコンビニでも買えるので、空腹を満たす間食にもうってつけです。ただし、食べ過ぎるとすぐにカロリーオーバーしてしまうので注意しましょう。

タンパク質が豊富×低脂質

・かまぼこ

・あんこ

糖質量はそれなりにあるものの、タンパク質が豊富で脂質が少ない食材の代表例は“練り物”です。ちくわやはんぺん、さつま揚げなど数ある練り物のなかでも、かまぼこは脂質が最も少ないことで知られています。

また、あんこもタンパク質が豊富で脂質は少ないですが、砂糖が多く含まれているため糖質量は高くなります。砂糖が少ないものを選ぶのがおすすめです。

低糖質×低脂質

・緑黄色野菜

・こんにゃく

低糖質かつ低脂質の代表例は野菜、とくにピーマン、トマトなどの緑黄色野菜はその傾向が顕著です。同じ野菜でも、大根やじゃがいもなど根菜類は糖質が多いので気をつけましょう。

こんにゃくは食物繊維が豊富で、汎用性が高い食材なので付け合わせのメニューにはうってつけです。

腸内環境を整える食材もダイエットに良い

ここまでは栄養素に焦点を絞って紹介してきましたが、少し違った視点で腸内環境を整える食材もダイエットに良い食べ物といえます。というのも、腸内細菌のバランスを整えて、腸の調子を良くなると、体に余計な脂肪が溜まりにくくなるからです。

腸内環境を整える効果があるのは、以下のような発酵食品です。

・納豆

・ヨーグルト

・キムチ

朝食や付け合わせの一品として、普段の食事に取り入れてみましょう。

ダイエットに良い献立を作るポイントと実例

ダイエット中はついつい同じものばかりを食べがちになります。メニューのマンネリ化を防ぐために、ここでは献立を作るポイントを紹介します。

ダイエットに良い食材を使う

まず、大前提として先ほど紹介したダイエットに良い食材を使うのが基本です。

タンパク質が豊富×低糖質×低糖質の食材は沢山あります。今回紹介した食材は一部であり、ネットで調べれば沢山あることが分かるはずです。それらの中から好きな食材をピックアップして、情報をストックおきましょう。好きな食材リストが充実すれば、メニューのマンネリ化は起こりにくくなります。

バランスの良い食事を心掛ける

ダイエットに良い食材ばかりを食べようとすると、メニューのバリエーションは少なくなります。また、栄養が偏る可能性もあるので、健康の観点でも良くありません。

献立を作るときは、全体を俯瞰して考えることが重要です。献立は「一汁三菜」を基本にして、油物がメインディッシュのときは副菜を脂肪の吸収を抑える食物繊維が豊富な食べ物(きのこ、海藻)を副菜にして調整する。また、翌日の献立は脂質が少ない料理にするなど1週間単位で考えるのもいいでしょう。

ダイエットに良い食材だけは料理はできないので、全体でバランスが整えればいい、と考えるようにしましょう。

バランスの良い食事については「バランスの良い食事とは?栄養・生活スタイル・家計の観点で解説」でも詳しく解説しています。

ダイエットに良い献立例2選

鮭たま焼き

献立

主食:ご飯(少なめ)

汁物:わかめの味噌汁

主菜:鮭たま焼き

副菜①:納豆

副菜②:キムチ

メインディッシュには、タンパク質が豊富で低糖質かつ低脂質の鮭と卵を使った「鮭たま焼き」。副菜の納豆、キムチはどちらも発酵食品ですが、お互いの発酵パワーを引き立ててくれるため、最高の食べ合わせです。

また、糖質量が気になる方はご飯の量を少なめにして調整しましょう。

牛肉の塩昆布炒め

 

 

献立

主食:ご飯(少なめ)

汁物:卵の味噌汁

主菜:牛肉の塩昆布炒め

副菜①:冷奴

副菜②:こんにゃくの甘辛煮

海藻は、副菜や味噌汁に使うことが多いですが、メインディッシュに活用するのもおすすめ。塩昆布であれば、牛肉と野菜(キャベツやきゅうり)と炒めるだけで味付けは不要。牛肉は脂身が少ないモモがおすすめです。

「一汁三菜」を全て調理するのは大変なので、副菜はあまり調理する必要がないもの(冷奴やキムチ、納豆など)、または今回のこんにゃくの甘辛煮のような作り置きできるものがいいでしょう。

ダイエットに悪い食べ物・飲み物

ここまでダイエットに良い食材、献立について解説してきましたが、反対にダイエット中は控えた方がいい食べ物・飲み物を紹介します。

加工食品

加工食品は総じて、糖質、脂質が多い傾向があります。例えば、ウィンナーは糖質量が100g当たり2~3gと少なめとはいえ、同量の豚肉に比べると約10倍以上、脂質量は100g当たり約30gと非常に多いです。

ただ、同じ加工食品でも魚肉ソーセージやかまぼこなど魚系の加工食品は糖質量こそ多いものの、脂質量はそれほど多くないので、ダイエット中でもあまり気にする必要はありません。

ソーセージやハム、レトルト食品、フルーツの缶詰などの加工食品はできるだけ控えるようにしましょう。

ジャンクフードは脂質が桁違いに多いことも

広い意味では加工食品と同類ですが、スナック菓子やファストフード、インスタント食品などのジャンクフードも糖質、脂質が多く、とくに脂質量は桁違いに多いものもあります。

たまに食べる分には問題ありませんが、脂質量(カロリー)は確認するようにしましょう。

洋菓子

洋菓子、和菓子問わず甘いものは砂糖を使っているため、糖質量は多いです。なかでも、ケーキやドーナツなどの洋菓子は生クリームやバターなど乳製品を使っているため脂質量が非常に多くなります。

一概には言い切れないものの、ダイエット中のスイーツは、比較的脂質が少ない和菓子を選ぶのがベターです。

ジュース

ジュースは砂糖を大量に使用しているため、ダイエット中は控えた方がいいですが、「果汁100%のジュースは健康にいい」という声を聞くこともあるでしょう。しかし、果汁100%ジュースも製造過程で食物繊維はほとんど除かれてしまいます。ビタミンをはじめとする栄養素が摂れるとはいえ、糖質が多いことに変わりありません。

基本的に、ジュースはどんな種類であってもダイエット中は控えることをおすすめします。

お酒

お酒の中でも糖質量、カロリーは様々です。焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は糖質が少ない反面、カロリーは高いです。逆に、ビールや発泡酒はカロリーが低い反面、糖質は多いです。お酒において、糖質とカロリーの両方を抑えることは難しく、どちらか一方を犠牲にせざるを得ません。

また、アルコールは食欲をかき立てる効果もあるため、基本的にダイエット中は控えた方がいいでしょう。

「食べれば食べるほど瘦せる食べ物」はない

「食べれば食べるほど瘦せる食べ物」「○○だけダイエット」など、ある特定の食べ物が話題になることがありますが、どんな食べ物であっても適量を越えればカロリーが過剰になり、太ります。何より同じものばかりを食べるのは健康によくありません。

今回紹介したダイエットに良い食べ物をバランス良く摂り、ダイエットに悪い食べ物を控えるのが瘦せるための近道であり、「食べれば食べるほど瘦せる食べ物」のような偏った情報には惑わされないようにしましょう。

ダイエットに良い食べ物に関するQ&A

コンビニで買えるダイエットに良い食べ物は?

A. ゆで卵、するめイカ、ナッツ、ヨーグルトがおすすめです。

「タンパク質が豊富×低糖質×低脂質」の観点では、ゆで卵とするめイカがおすすめです。また、「タンパク質が豊富×低糖質」という観点だとナッツがおすすめです。コンビニはナッツの種類も豊富なので、お好みのものを選びましょう。甘いものなら発酵食品のヨーグルトをおすすめします。

 

野菜は全てダイエットに良い食べ物??

A. 基本的には良いですが、根菜類は糖質が多いので注意しましょう。

野菜は全般的に低糖質かつ低脂質ですが、大根やニンジン、かぼちゃ、じゃがいもなどの根菜類は糖質が多いため、糖質を制限している方には向きません。ただ、根菜類は食物繊維が豊富なので適度には食べるようにしましょう。

ダイエットに良い食べ方はある?

A. ベジファースト、適度に間食を摂ることです。

野菜から食べる「ベジファースト」は、最初に食物繊維が豊富な野菜を食べることで、脂質と糖質の消化・吸収が緩やかになり、血糖値の上昇を抑えてくれます。

また、仕事などで夜の遅い時間に食事をする場合は、夕方に軽く間食を摂ることで急な血糖値の上昇を抑えてくれます。間食=悪ではなく、空腹時間があまりにも長くなるときは適度に摂るようにしましょう。

ダイエットに良いおやつは?

A. あんこを使ったおやつがおすすめです。

先述したように、洋菓子よりも和菓子は脂質が少ない傾向にあります。とくに、あんこはタンパク質が豊富であり、羊羹(ようかん)やどら焼き、ぜんざいなど様々なバリエーションを楽しめるのでおすすめです。

「ターミナリアファースト」でダイエット中も食事を楽しもう

今回解説したように、ダイエットの基本はタンパク質を意識的に摂り、糖質と脂質を抑えることです。

しかし、糖質と脂質を抑える食事は満足感を感じにくく、それが長く続くとストレスを感じる方もいるでしょう。ストレスが暴飲暴食に繋がることもあるので、ダイエット中はストレスを溜めないことも大事です。

ターミナリアファーストが「糖脂コントロール」を可能にする

食事を楽しみながらも糖質、脂質を抑えたい方におすすめなのが「ターミナリアファースト」。ターミナリアファーストは食事前に飲むだけで、糖質と脂質の吸収を抑えてくれる「ターミナリアベリリカ」を主成分としたサプリメントです。

普段の食事をしながらも「糖脂コントロール」をしてくれるので、ダイエット中も食事を思う存分楽しみたい方におすすめです。

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