【医師監修】中性脂肪を減らす食事方法(食べ物や飲み物)~中性脂肪対策vol.2~

中性脂肪を減らす食事の基本は、中性脂肪を増やしやすい食品やアルコールを控え、中性脂肪を減らす効果がある食べ物や飲み物を毎日の食事に取り入れることです。この記事では、具体的な中性脂肪を減らす食事のポイントはもちろん、献立レシピもご紹介します。

健康診断などで「中性脂肪の数値が高い」と指摘され、「中性脂肪を減らす食事方法」をお探しの方のために書きました。

中性脂肪を減らす食事の基本は、「中性脂肪を増やしやすい食べ物(糖質や脂質が多い食品)」をコントロールし、1日の摂取カロリーや食事を食べ進める順番を知ることです。

この記事の監修者

 

監修者

佐藤 留美

藤崎メディカルクリニック 副院長 

2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。

現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック 副院長に就任。
医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。

中性脂肪とは?増える原因は「偏った食事」「飲み過ぎ」「運動不足」

中性脂肪とは血液中に存在する脂肪の一種で、食事から摂取したエネルギー(ブドウ糖)が不足した時に、この不足したエネルギーを補う役割を担っています。「中性脂肪が増える原因=脂質の摂り過ぎ(脂っこい肉類)」と考えがちですが、実は中性脂肪が増える原因は「糖質の摂り過ぎ(炭水化物や砂糖)」にもあります。

例えば、お菓子やスイーツを毎日食べる、白米や麺類(パスタ・うどん・ラーメン)を沢山食べる、お砂糖たっぷりの甘いジュースを毎日飲む、などですね。食事で摂取した脂質や糖質は胃や腸で吸収され、血液に送られて全身のエネルギー源となります。

ただ、血液中に送られた脂質や糖質がエネルギーとして消化されないと、これらを材料として肝臓で中性脂肪が合成されてしまいます。そしてエネルギーとして消費されなかった血液中の中性脂肪は、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられ、生活習慣病などのリスクが高くなってしまうのです。

 

この他にも、中性脂肪が増えてしまう原因として、「アルコールの飲み過ぎ」や「運動不足」も挙げられます。お酒を飲む機会が多い・飲む量が多い方は、純アルコール量を1日25g以下(ビール500ml・日本酒1合・ワイン2杯程度)に抑え、週に2日以上は休肝日を設けるようにしましょう。

また血液中の中性脂肪を効率的に減らすためにも、日頃の運動不足を解消してください。以下の記事では、中性脂肪を減らす効率的な運動方法をご紹介しているので、併せてご覧ください。

>>中性脂肪を減らす方法は「運動」が効果的~中性脂肪対策

ポイント

中性脂肪とは血液中に存在する脂肪の一種。

中性脂肪が増える原因=脂質の摂り過ぎ(脂っこい肉類)だけではなく、糖質の摂り過ぎ(炭水化物や砂糖)も原因になる

中性脂肪を減らすためでもやってはいけないNG食事法

「中性脂肪を減らすため」だからと言って、以下のような極端な食事法は危険なので絶対NGです。

NG食事法

×厳しい糖質制限(炭水化物を一切食べない)

×厳しい脂質制限(肉類を一切食べない)

×断食をする(一切食べない、1日1食のみなど)

中性脂肪を減らしたいからと、毎日の食事から糖質や脂質を排除すれば良い訳ではありません。

脂質や糖質は生きていく上で必要不可欠なエネルギー源となるため、完全に排除すると様々な健康被害が起きてしまいます。例えば「厳しい糖質制限」をした場合、低血糖症による頭痛や眠気を引き起こしやすくなり、便秘や下痢に見舞われてしまいます。

重要なのは、栄養バランスの取れた食事を心がけ、脂質や糖質をコントロールすることです。1週間などの短期的な食事の見直しではなく、栄養バランスの取れた食事を1日3食必ず食べ、中~長期的に中性脂肪対策を行いましょう。

厳しい糖質制限を行うことによるデメリットについて、詳しくは「【医師監修】糖質制限の7つのデメリット~正しいやり方を知ることが大切~」をご覧ください。

ポイント

脂質や糖質は生きていく上で必要不可欠なエネルギー源。極端な食事制限はNG。

中性脂肪を減らす食事の3つのポイント

中性脂肪を減らす食事を始めるにあたって、必ず守るべき大切な3つのポイントがあります。

大切な3つのポイント

  1. 中性脂肪を増やしやすい食べ物や飲み物を控える
  2. 標準体重やエネルギー摂取量を知る
  3. 食事は「食物繊維」から食べ始める

この章では、上記の3つのポイントについて、詳しく解説します。

中性脂肪を増やしやすい食べ物や飲み物を控える

冒頭でご紹介した通り「極端な糖質制限や脂質制限」はNGですが、中性脂肪を増やしやすい食べ物や飲み物はなるべく控えましょう。

糖質が多い食べ物や飲み物

  • 炭水化物(ご飯・パン・麺類・餅など)
  • お菓子(スナックやチョコレート)
  • スイーツ
  • 加糖飲料(炭酸飲料・清涼飲料水・果汁100%のジュース)

脂質が多い食べ物

  • 脂身が多い肉類
  • 揚げ物
  • バターやクリーム
  • アイスクリーム
  • マーガリン

糖質が多く含まれる白米やパンなどの炭水化物は食べ過ぎ注意し、麺類を食べるならパスタやうどんではなく「蕎麦」を選択しましょう。そしてお砂糖たっぷりのお菓子やスイーツ類は控え、炭酸飲料・清涼飲料水・果汁100%のジュースは避け、お茶や無糖のコーヒーなどに変えてください。また、脂質はカロリーが高くなってしまうため、脂身が多い肉類・マーガリン・高脂肪な乳製品はなるべく避けましょう。そして良質な油(不飽和脂肪酸)へ切り替えたり、脂質の低い肉類を選択したりすると良いでしょう。

ポイント

糖質や脂質が多く含まれる食材を知り、工夫をしながら栄養バランスの取れた食事をすることが大切。

糖質制限中の食べ物について、詳しくは「糖質制限ダイエット中の食べ物総集編!OK&NG食材を一挙紹介」をご覧ください。

標準体重に合ったエネルギー摂取量を知る

食事そのものの食べ過ぎによる中性脂肪の増加を招かないためにも、標準体重に合ったエネルギー摂取量を知っておきましょう。エネルギーの摂取量の計算方法は、以下の通りです。

エネルギー摂取量の計算方法

  1. 身長(m)×身長(m)×22(BMI)=標準体重(kg)
  2. 標準体重(kg)×以下の身体活動量(kcal)=1日のエネルギー摂取量(kcal)

【身体活動量】

  • 低い身体活動(デスクワーク)…25~30kcal
  • 適度の身体活動(立ち仕事)…30~35kcal
  • 高い身体活動(力仕事やスポーツ)…35kcal~

※①の計算式の「22」は病気の発症率が一番低いとされるBMIの値

例えば、身長160cmのデスクワークの女性であれば、①の計算式は「身長1.6m×身長1.6m×BMI22」で、標準体重は56.32kgとなります。

②の計算式は「標準体重56.32kg×低い身体活動25~30kcal」となるため、この女性の1日のエネルギー摂取量は1,408~1,689kcalが目安となります。

この女性の場合、一食あたりの摂取エネルギーを500kcal程度にし、糖質や脂質の摂り過ぎに注意をして食事内容を考えると良いでしょう。

食事は「食物繊維」から食べ始める

中性脂肪を減らしたい方は、食事は「食物繊維から食べ始める」ことを習慣化されることをおすすめします。この理由は、消化に時間がかかる食物繊維を最初に食べることで、脂質や糖質の消化・吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑えてくれるためです。

食事を食べ進める順番

  1. 食物繊維(野菜)
  2. 脂質や不飽和脂肪酸(肉類や魚介類)
  3. 糖質(ご飯や麺類)

また、食物繊維をしっかり噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、食事の食べ過ぎを防ぐ効果もあります。ただし、食物繊維が豊富な根菜類には糖質も多く含まれるため、どの種類を選択するのかは工夫が必要です。糖質制限中に選択したい野菜について、詳しくは「糖質制限中に摂りたい野菜&果物(フルーツ)【食べ物シリーズvol.2】」をご覧ください。

中性脂肪を減らす食事~取り入れたい食べ物や飲み物~

中性脂肪を減らす食事の3つのポイントについて解説しましたが、具体的にはどんな食事を心がければ良いのでしょうか?この章では、中性脂肪を減らす効果がある、食べ物や飲み物についてご紹介します。毎日の摂取カロリーや糖質・脂質量に気を付け、毎日の食事に積極的に取り入れましょう。

魚介類(EPADHA

魚介類には多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)のオメガ3脂肪酸である、「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」が多く含まれています。青魚に多く含まれるEPADHAには、血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる効果があります。EPAやDHAが特に多く含まれる生魚をランキング形式でまとめたので、毎日の食事に取り入れてはいかがでしょうか。

EPAが多く含まれる生魚ランキング

【1位】サバ(1,800mg)

【2位】さんま(1,500mg)

【3位】うなぎ(1,500mg)

【4位】マグロ脂身(1,400mg)

【5位】イワシ(1,100mg)

【文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より抜粋】

※生の場合の可食部100gあたり

DHAが多く含まれる生魚ランキング

【1位】マグロ脂身(3,200mg)

【2位】サバ(2,600mg)

【3位】さんま(2,200mg)

【4位】ブリ(1,700mg)

【5位】きんき(1,500mg)

【文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より抜粋】

※生の場合の可食部100gあたり

この他、カキやムール貝などの貝類、カニやイクラにもEPAやDHAは多く含まれています。

外食が多い方や自炊が難しい方は、コンビニ等で販売されている「イワシの缶詰」や「サバの開き干し」にもEPAやDHAが豊富に含まれているため、上手に利用されると良いでしょう。

アマニ油やエゴマ油(αリノレン酸)

先述した魚介類と同じ、多価不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸である「αリノレン酸」にも、血液をサラサラにして中性脂肪を減らす効果があります。このαリノレン酸が多く含まれるのは、以下の植物性の油脂類です。

αリノレン酸が多く含まれる油脂類

  • エゴマ油(58,000mg)
  • アマニ油(57,000mg)
  • キャノーラ油(7,500mg)
  • 調合油/サラダ油(6,800mg)
  • 大豆油(6,100mg)

【文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より抜粋】

※可食部100gあたり

特にエゴマ油とアマニ油はαリノレン酸が多く含まれますが、高温調理だと酸化してしまうため、サラダドレッシングやマリネなどで取り入れましょう。この他、乾チアシードやクルミにも、αリノレン酸が多く含まれているため、毎日の食事やおやつに取り入れたいですね。

野菜や海藻(水溶性食物繊維)

野菜・きのこ・海藻に多く含まれる水溶性食物繊維は、糖質や脂質の吸収を緩やかにしてくれる働きがあります。水溶性食物繊維が多く含まれる食品から食べ始めるよう、心がけましょう。また、玉ねぎ・青ネギ・ニンニクなどには、「アリシン(硫化アリル)」や「ケルセチン」という成分が含まれています。血液をサラサラにし、強い抗酸化力による血圧低下や脂肪吸収効果なども期待できるため、積極的に食事に取り入れましょう。

大豆製品(植物性たんぱく質)

植物性たんぱく質を豊富に含む大豆製品には、血液中の中性脂肪を減らす働きがあります。納豆・豆腐・おから・豆乳などの大豆製品を、毎日の食事にぜひ取り入れてください。大豆製品は低糖質ですが、同じ豆類でも、インゲン豆・レンズ豆・そら豆・ひよこ豆は糖質が高くなるため、食べ過ぎには注意をしましょう。

ポリフェノールを多く含む飲み物や食べ物

ポリフェノールは植物由来の苦味や色素の元となる抗酸化物質で、自然界に8000種類以上あると言われており、中には中性脂肪やコレステロールを減らす効果がある成分もあります。例えば、カテキン・ウーロン茶ポリフェノール・カカオポリフェノール・クロロゲン酸などですね。これらの中性脂肪やコレステロールを減らすポリフェノールを含む、飲み物や食べ物を毎日の食事に取り入れましょう。

ポリフェノールが多く含まれる飲み物や食べ物

  • 緑茶
  • 紅茶
  • ウーロン茶
  • 高カカオチョコレート
  • ココア
  • コーヒー
  • 赤ワイン
  • ブドウジュース
  • トマトジュース

※すべて無糖の場合

スーパーやドラッグストアで飲み物を買う時は、消費者庁が表示を許可している「特定健康用食品(トクホマークの商品)」を選択すると良いでしょう。特定健康食品には様々な目的の商品がありますが、「血中の中性脂肪を減らすのを助ける」などと記載されている商品を選択してください。また、高カカオチョコレートやココアは、糖質や摂取カロリーを考え、食べ過ぎ・飲み過ぎに注意をしましょう。

中性脂肪を減らす献立レシピ

中性脂肪を減らす食事のメニューや献立は、EPAやDHAを多く含む魚介類を中心に、「一汁三菜」のバランスを考えましょう。洋食のメニューはバターや味が濃いソースを使用するため、伝統的な和食メニューがおすすめです。また調理方法でも糖質量や脂質量が変わってくるため、炒める・揚げる・甘い煮つけ・照り焼きなどは避け、「生」「蒸す」「焼く(グリル)」を中心に調理をしましょう。

刺身

中性脂肪を減らす食事として特におすすめなのが、マグロ・青魚・サケなどの刺身です。特にマグロの脂身(トロや中トロ)は、DHAやEPAが豊富に含まれるためおすすめです。洋風ならアマニ油エゴマ油を使ってカルパッチョにしても良いですし、夏ならレモンをキュッと絞った生ガキもおすすめです。

焼き魚

中性脂肪を減らす食事として次におすすめなのが、旬の魚を使った焼き魚(グリル)です。春ならサワラ・カツオ・アジ、夏ならアジ・イワシ・スズキ、秋ならサバ・マス・さんま・カツオ、冬ならブリ・タラ・シシャモがおすすめ!ここに副菜としてキノコのサラダ・納豆・冷奴等を足し、貝類の味噌汁を足せば中性脂肪対策にぴったりの献立になります。

ホイル焼き

EPAやDHAを含む魚と共に、水溶性食物繊維であるキノコ類や野菜をたっぷり食べられるのが、ホイル焼きです。アルミホイルの上にキノコや野菜等を敷き、鮭やタラなどの白身魚を乗せて包み、フライパンで蒸し焼きにするだけととっても簡単!風味付けにアマニ油やエゴマ油をプラスすれば、素材のうま味たっぷりの一皿を味わえます。

食事内容を見直す

中性脂肪を減らすには、「毎日の食事内容の見直し」と「運動不足の解消」が大切です。大前提として、中性脂肪を増やしやすい食べ物や飲み物を避け、1日の摂取カロリーや食事を食べ進める順番を知りましょう。そして中性脂肪を減らす効果がある食べ物や飲み物を、毎日の食事に積極的に取り入れてください。

サプリメントで中性脂肪をケアするという選択肢

中性脂肪対策を始めるにあたって、毎日食事の栄養バランスに気をつけたり、日常的に運動をしたり…。

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