血糖値スパイクになると眠気がくる理由とは?対策法&おすすめランチメニューを紹介

 

食後はいつも眠くなり、昼からの仕事に集中できなかったり、知らない間に寝てしまったりすることはありませんか。

食後は多少眠くなるものですが、強烈な眠気は「血糖値スパイク」が関係している可能性があります。

今回は血糖値スパイクによる眠気をテーマに、その原因から対処法について解説します。

この記事の監修者

 

藤堂 紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック開業医

日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

血糖値スパイクとは

まずは血糖値スパイクについて、簡単におさらいしましょう。

血糖値スパイクとは、食後の血糖値が急激に上昇および下降する状態のことをいいます。

「スパイク」という表現は、血糖値のグラフで突然高くなり突然下がる「棘=スパイク」のような線が描かれることに由来しています。

血糖値スパイクによって起こる症状

血糖値スパイクによって起こる症状は、今回のテーマである眠気のほか、頭痛、場合によっては意識がもうろうとして気絶してしまうケースもあります。

また、日常的に血糖値スパイクを繰り返すことで血管を傷つけ、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を招くリスクがあります。

血糖値スパイク危険度セルフチェック

健康診断は食後ではなく、空腹時に血糖値を測定するので、血糖スパイクかどうかを判断することはできません。そのため、気付かないままに症状が進行してしまうリスクがあるのです。

以下に該当する方は血糖値スパイクになる可能性が高いので注意しましょう。

①BMI25以上

②朝ご飯を食べないor3食のうち1食抜くことが多い

③週3回以上外食する

④血縁のある兄弟姉妹・家族・祖父母に糖尿病の人がいる

⑤1日1食は10分以内に食べ終わるor早食いと言われる

⑥食後は動かないことが多い

⑦丼・麺類など、炭水化物メインの食事が多い

⑧甘いものやジュース・お酒をよく飲食する

⑨野菜・海藻・きのこをあまり食べない

血糖値スパイクの概要や対策方法については「【医師監修】血糖値スパイクの症状は眠気?自己診断、原因、血糖値を抑える飲み物・食事・運動とは」で詳しく解説しています。

なぜ血糖値スパイクになると眠気がくるのか

それでは、今回のテーマである血糖値スパイクと眠気の関係について解説していきましょう。

血糖値スパイクで眠くなるメカニズム

血糖値スパイクが起こると、急激に上がった血糖値を下げるために、体内ではインスリンが大量に分泌されます。血管中に必要以上のインスリンが取り込まれると、今度は低血糖に近い状態となってしまいます。

その結果、脳に供給されるブドウ糖が不足するため、強い眠気を感じるようになるのです。

血糖値スパイクを引き起こす主な原因は糖質の摂り過ぎ

当然のことですが、血糖値スパイクが起きてしまうのは、食後の血糖値が上がりやすい食事をしているからです。お米やパン、麺類といった炭水化物は糖質が多く含まれているため、血糖値スパイクを引き起こしやすくなります。

とくにランチは手軽な丼ものやカップ麵、菓子パンなど炭水化物メイン(もしくはオンリー)の食事になりがちなので要注意です。

眠気がくるのは必ずしも血糖値スパイクではない

食後の眠気は必ずしも血糖値スパイクが原因というわけではありません。

人間の脳内には「オレキシン」という、脳を活性化させる働きがある神経伝達物質がありますが、このオレキシンは空腹時に血糖値が低くなると活性化し、満腹時の血糖値が高くなると活動が低下するという特性があります。つまり、満腹時は脳が活性化しづらくなるのです。

また、食後は食べたものを消化する必要があるため、胃や腸に血液が優先的に回されて脳への血流が相対的に不足します。

加えて、人間は体内リズムの関係から「アフタヌーンディップ」と呼ばれる、午後2時頃になると眠気を感じる生理現象があるため、昼食時間の後はたとえ食事をしていなくても眠くなる可能性があるのです。

眠気は以上のような理由からも起こるため、食後の眠気が必ずしも血糖値スパイクによるものではないことは知っておきましょう。

血糖値スパイクで眠気がきたら寝た方がいい?

「食後すぐに寝るのはよくない」と言われることがありますが、これは食後すぐに寝てしまうと、胃や腸の働きが低下して、消化不良を起こしやすくなるからです。どうしても眠たい場合は無理に我慢せずに、「仮眠」をとることをおすすめします。ただし、仮眠時に注意すべきポイントはあります。

理想的な仮眠のとり方

寝る時間は20分以内にする

睡眠時間が長すぎると、いつもの就寝時間になってもスムーズに入眠できない可能性があります。また、深い眠りに入ると目が覚めても脳が眠っている「睡眠慣性」の状態になる可能性もあるので、昼の仕事中はとくに注意です。

30分以上寝ると深い眠りに入るため、仮眠時間は15~20分程度にしましょう。

15時以前に仮眠をとる

夕方以降に仮眠をとると、たとえ短い時間であっても夜間の睡眠リズムに影響を与える可能性があります。仮眠は昼食後、遅くとも15時以前にとるのが理想です。

血糖値スパイクによる眠気対策5選

血糖値スパイクによる眠気を抑えたい場合、血糖値スパイクを起こさないようにするのが第一。ここでは、血糖値スパイクおよび眠気を防止するために心掛けたいことを5つ紹介します。

 ① 食べる前に水を飲む

血糖値スパイクが起こる原因の一つは食べ過ぎです。食べる前に1杯の水を飲むだけでも食欲を抑えて、食べ過ぎの予防につながります。また、炭酸水は胃を膨らませて満腹感を高めてくれる働きがあるのでおすすめです。

 ② 野菜や海藻から食べる

「ベジファースト」とも呼ばれますが、食物繊維には糖の吸収を緩やかにする働きがあるため、食物繊維が豊富な野菜や海藻を先に食べるだけでも、血糖値の上昇を抑える効果を期待できます。野菜もしくは海藻類から口にして、おかず→主食の順で食べることを心掛けましょう。

③ よく噛んでゆっくり食べる

早食いは血糖値の急上昇を招く原因の一つです。食事はよく嚙んで、ゆっくり食べることを心掛けましょう。よく嚙んで食べることは食べ過ぎの防止にもつながります。

④ 食後に軽い運動をする

食後すぐの運動は消化吸収によくないと言われていますが、軽い運動であれば問題ありません。食後に体を動かして体内のブドウ糖を消費することで、血糖値の上昇は抑えられます

食後15分の軽い運動でも血糖値が低下したという研究があるので、ウォーキングやストレッチからはじめてみましょう。

出典:立命館大学「食後の血糖値は運動で下がる。でもどれくらいの運動が最適なの?

食後にコーヒーを飲む

眠気を覚ますためにはカフェインが効果的です。食後に必ずコーヒーを飲むことを習慣にするのもいいでしょう。ただし、砂糖入りの甘いコーヒーは逆効果なので要注意です。

血糖値スパイク対策におすすめのランチメニュー2選

血糖値スパイクを防止するためには食事選びも重要です。仕事中の眠気を抑えたい方のために、血糖値スパイク対策におすすめのランチメニューを2つ紹介します。

海藻そばサラダ

材料(1人分)

・海藻サラダ・・・1パック

・そば・・・1束

・トマト・・・2分の1個

・レタス・・・2~3枚

・めんつゆ・・・大さじ1杯

・ポン酢・・・大さじ1杯

 

作り方

➀ 海藻サラダを水で戻す

➁ そばを茹でて冷水でしめる

➂ トマト、レタスを食べやすい大きさにカットする

④ そば、海藻サラダ、トマト、レタスを盛り付ける

⑤ その上からめんつゆとポン酢をかければ完成

ランチは手軽な麺類で済ませたい方は多いでしょう。麺類の中でもそばはうどんやラーメンに比べて血糖値が上がりにくい「低GI食品」として知られています。海藻そばサラダだけでは満足感が足りない方はスープを添えるなど工夫しましょう。

血糖値の上がり方を示す指標GIについては「ダイエットで気を付けたいのは「GI値」よりも「GL値」だった!」で詳しい解説しています。

高野豆腐ピザ

 

 

材料(1人分)

・高野豆腐・・・大きめのもの1枚

・とろけるチーズ・・・1枚

・ケチャップ・・・適量

・オリーブオイル・・・大さじ1杯

・塩・・・適量

・ウィンナー・・・2本

・ピーマン・・・4分の1個

・パセリ・・・適量

 

作り方

➀ 高野豆腐を水に戻した後、水気をとる

➁ 高野豆腐を2cm幅くらいにカットする

➂ 高野豆腐をフライパン(中火)で2分素焼きにする

④ ウィンナーを1cm幅にカット、ピーマンを細切りにする

⑤ 素焼きにした高野豆腐にオリーブオイル大さじ1杯ほど塗る

⑥ その上から塩、ウィンナー、ピーマンを乗せる

⑦ ⑥の上にケチャップ、とろけるチーズを乗せて、トースターの1000wで5分焼く(フライパンの場合は中火で5分)

⑧ パセリを振りかけて完成

大豆製品も血糖値の上昇が緩やかな低GI食品として知られています。パンの代わりに高野豆腐を使ったピザは、作り置きにも便利なのでランチだけでなく朝ご飯にもおすすめです。

オリーブオイルには糖質の吸収を抑える効果があるので、ピザだけでなく、様々な料理でぜひご活用ください。

血糖値コントロールにはターミナリアファーストがおすすめ

 

血糖値スパイクを防止するためには、日常の食事においてGI値や糖質量に注意する必要があります。しかし、毎食意識するのは面倒くさいという方が多いのではないでしょう。そんな方におすすめなのが「ターミナリアファースト」です。

ターミナリアファーストは、糖質および脂肪の吸収を抑えるサプリメント。食前に飲むことで、血糖値の急上昇を防いでくれます。「好きなものを食べたい!! だけど血糖値はコントロールしたい」という方はぜひご検討ください。

 

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