ダイエットで気を付けたいのは「GI値」よりも「GL値」だった!

健康維持やダイエットの方法として定着しつつある血糖値コントロール。

食パンからライ麦パンに、白米から玄米に変えるといいと聞いたことがある人が多いかもしれません。これはGI値をもとに、より食事の後に血糖値が上がりにくい食材に変える方法です。

ところが今、GI値ではなく「GL値」を指標にする方が、より血糖値コントロールに適していると注目されています。GL値を正しく理解して、ダイエットや健康維持に役立てましょう!

GI値とGL値の考え方

GL値はGI値よりも実際の食事に即しているといわれています。

それぞれどのような値なのか、違いを見てみましょう。

GI値とは?

食品に含まれる炭水化物量「50g分」を摂取した際の血糖値の上がり方を示した数値。たとえば100g中10gが炭水化物の食品なら、500g食べた場合の血糖値の上がり方を示した数値です。

GL値とは?

食品に含まれる炭水化物量とGI値をかけ合わせた値。以下の式のように導き出されます。

GL値 = GI値×各食材に含まれる炭水化物量(g)÷100

これにより、一人前の食事単位で食材ごとの血糖値の上昇値がわかります。

GL値が高いか低いかの判断は、上の表が基準にしなしょう。なるべく低GLの食品を選ぶことで、食後血糖値の上昇を穏やかにすることができます。

このように、普段の食事量に近いGL値は「太りやすさの鍵」を握る重要な指標なのです!

GL値はより実用的!

GI値とGL値の違いは、実際に食べる食品の量を加味していること。白米といちごを例に、GI値で表す際の、それぞれ食品の「量」に注目してみましょう。

まず、GI値の考え方では「炭水化物量50g分」が基準となるため、食品の量を置き換えなければなりませんね。

白米の場合、白米135gで炭水化物量が50gになります。

したがって白米のGI値は、白米を1膳弱(一般的に1膳分で約150g)食べたときの血糖値の上がりやすさを表していることになります。

一方、いちごの炭水化物量は100gあたりたったの9g。

炭水化物を50gとるには、いちごを550g以上とる必要があります。したがって、いちごのGI値は、約37粒(いちご中粒1個で約15g)食べたときの血糖値の上がりやすさを表していることになります。

お茶碗1杯弱のごはんは普通の食事で十分食べられる量ですが、いちごを37粒も食べるのは現実的ではありません。

だからこそ、実際に食べた量に即した血糖値の上がり方を見られるGL値が注目を集めているのです。

食品別GI値・GL値一覧

主食のほか、糖質が比較的多いとされる根菜、果物のGI値とGL値を見てみましょう。主食は一般的な1食あたりの量で、根菜と果物は100gあたりの量で計算しました。特に主食は、同じ炭水化物でもGL値に置き換えてみると、意外にも数値に差があることがわかります!

主食のGI値・GL値

GL値で見てみると、ライ麦パンはやはり血糖値コントロールに適した食品だということがわかります。白米と食パンはGI値が同じですが、1食あたりの量で見るとGL値に倍近い差が出ていますね。

野菜のGI値・GL値

いずれも高GI値として糖質制限では避けがちな野菜。しかし100gあたりのGL値を見ると、にんじんやじゃがいもは低GLの分類に入ります。

果物のGI値・GL値

すいかはGI値だけ見ると白米や食パン並みに高い食材。しかしほとんどが水分で100gあたりの炭水化物量が少ないため、GL値は低くなります。

同じ100gでも、食品によって満足度が異なります。気になる食品があれば、実際に普段自分が食べている量をはかって、GL値を計算してみると新しい発見があるかもしれません。

GI値・GL値は意識できる範囲で十分

ストイックに糖質コントロールを行いたいときには、食品ごとにGL値を計算するやり方も大切。ですが、食材ごとにGI値と炭水化物量を調べ、毎食ごとにGL値を導き出して…と計算するのは大変。

せっかく糖質コントロールを始めても、続かなくなってしまうのはもったいないですよね。初めは、普段よく食べるものの中で糖質GI値やGL値が高い食材を把握して、可能なラインで制限するなどコントロールしてみるのも良いでしょう。

数値管理ナシ!血糖値の上昇を抑える5つの技

血糖値の上昇の仕方は、食べ方や食べる順番で変化するもの。まずは以下の5つのポイントを意識してみましょう。

調理次第でGI値は下がる

ゆでる、揚げる、皮つきのまま調理など、調理方法がGI値とGL値に影響します。たとえばじゃがいもは、生の場合は66、ゆでると49、フライドポテトにすると70とGI値が変化。ゆでるとGI値が下がる傾向があるため、野菜を調理する際に意識してみてください。GL値を下げる調理方法はインターネット上でもあまり見かけませんが、GI値を下げる調理方法と同様のものを活用して良いでしょう。

食べる順番は食物繊維が多いものから

食物繊維の多いものから先に食べると、糖質の吸収がおだやかになって血糖値の急上昇を抑えてくれます。ただし、味つけに糖分を多く使った料理は血糖値が上がりやすい傾向が。野菜の味噌汁など、糖分が少なく食物繊維が多い料理からいただきましょう。

時間をかけてよく噛む

よく噛んで食べることで、血糖値の急上昇を抑制。満腹感が早く得られ、食べ過ぎも防いでくれます。忙しいときもできるだけ食事の時間をしっかり取り、よく噛んでいただきましょう。

どうしても食べたいときはガマンしない

血糖値コントロールのために糖質制限をする、と固い決意を持っても、ときには食べたくなりますよね。ガマンしすぎると、かえって反動でドカ食いしてしまうことも。どうしても食べたいときはガマンしすぎなくて大丈夫。ただし、その日の夕食や翌日の食事で調整するなどして、バランスをとりましょう。

サプリメントなども活用して食事を楽しむ

ガマンせず食事を楽しみたい、お付き合いでどうしても糖質制限が難しいという場合もありますよね。そんなときには、糖質の吸収を抑えるサプリメントを活用するのがおすすめ。外出先にも持っていきやすいので、外食が多い人も食前に飲むだけで糖質の吸収をコントロールできます。

【医師監修】糖質制限サプリにダイエット効果がある理由>>

「ゆる血糖値コントロール」で手軽にヘルシー

GI値に代わって注目され始めたGL値。

よく食べる主食だけでもGL値を気にしてみると、食後の血糖値の上がり方をコントロールしやすくなります。今回ご紹介したリストも参考に、少しずつGL値を意識してみてくださいね。

ただ、食事は体をつくる栄養を摂るだけでなく、楽しみでもある時間。健康のために糖質制限をしているのに、ガマンしすぎてストレスをためてしまっては勿体ないことです。食べる順番を意識したり、サプリメントを賢く取り入れたりしながら、毎日の食事をヘルシーに楽しみましょう。

参照:

“食品成分データベース”文科省. https://fooddb.mext.go.jp/(参照2020-03-02)

“Glycemic index for 60+ foods”Harvard medical school.https://www.health.harvard.edu/diseases-and-conditions/glycemic-index-and-glycemic-load-for-100-foods(参照2020-03-02)