DHA・EPAが多い魚ランキング〜サバ、イワシ、マグロなど全21種類を比較〜
中性脂肪の改善や血栓の予防など、様々な健康効果があるDHA・EPAは、青魚に多く含まれていることが広く知られています。
しかし、魚の種類によってDHA・EPAが含まれる量は大きく異なることは意外と知られていません。DHA・EPAをきちんと摂るためには、選ぶべき魚とそうでない魚があるのです。
今回は、DHA・EPAが多い魚をランキング形式で紹介します。効率的にDHA・EPAを摂取したい方はぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
藤堂 紗織
Alohaさおり自由が丘クリニック開業医
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
DHA・EPAが豊富な魚ランキング〜全21種類を比較〜
それでは早速、DHA・EPAが豊富な魚をランキング形式で紹介します。ランキングの対象となるのは、以下21種類の日常的に食べられることが多い魚です。
・アジ ・サバ ・イワシ ・サンマ ・マグロ ・サケ ・カツオ ・ブリ ・タイ ・ウナギ ・アナゴ ・ヒラメ ・カレイ ・タラ ・サワラ ・ニシン ・メバル ・キス ・アユ ・ホッケ ・シシャモ |
今回は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に、生の状態における可食部 100 g 当たりのDHA・EPAの合計含有量をランキングにしました。DHA・EPAの合計含有量が同じ場合はDHAの含有量が多い方を上位にランクさせています。
また、様々な種類が存在する魚については、最もポピュラーまたは流通量が多い種類の数値を採用しています。例えば、アジであればマアジ、サバであればマサバです。
※例外的に、マグロは流通量が最も多いメバチマグロではなく、クロマグロ、ミナミマグロの数値を採用しています
ランキング結果は以下の通りとなりました。
それぞれについて解説します。
1位 マグロ(ミナミマグロ、クロマグロ)
【可食部100g当たりの含有量】 ミナミマグロ(脂身):DHA4000mg、EPA1600㎎ クロマグロ(脂身):DHA3200mg、EPA1400㎎ |
マグロはDHA・EPAの含有量が多い魚です。とくにミナミマグロとクロマグロの脂身は顕著に多いことで知られています。ただし、注意したいのが上記の数値は脂身の場合であること。赤身だとDHA・EPA含有量は一気に少なくなります。※ミナミマグロの赤身は可食部100g当たりDHA64㎎、EPA10mg
また、マグロの中で最も流通量が多いメバチマグロは、脂身でも可食部100g当たりDHA1300mg、EPA320㎎となっており、ミナミマグロやクロマグロと比較すると少なくのが特徴です。DHA・EPAを効率的に摂取したい方は、ミナミマグロまたはクロマグロの脂身、つまり「トロ」を積極的に食べるようにしましょう。
2位 サンマ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA2200mg、EPA1500㎎ |
サンマのDHA・EPA含有量はミナミマグロやクロマグロの脂身と比較すると少ないものの、魚の中ではトップクラスです。旬の時期が9月~10月の約1ヶ月と短いのが難点ですが、サンマは効率的にDHA・EPAを摂取するのに適した魚といえます。
3位 ブリ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA1700mg、EPA940㎎ |
ブリは先のサンマよりもDHA・EPAの含有量がそれぞれ約500㎎ずつ少なくなるものの、全体3位にランクインするほどDHA・EPAが豊富です。また、ブリはDHA・EPAの酸化を防ぐビタミンEが豊富に含まれていることも特筆すべきポイントといえます。
4位 ウナギ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA1100mg、EPA580㎎ |
ウナギはEPAの含有量がこれまでの魚と比較すると見劣りするものの、全体4位ではランクインします。ブリ同様にビタミンEが豊富に含まれているのも特長です。
5位 サバ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA970mg、EPA690㎎ |
サバのDHA・EPA含有量は4位のウナギには若干劣るものの、EPA単体の含有量はウナギよりも多いです。また、ウナギよりも安価なので、普段の食事メニューに取り入れやすいのも特長といえるでしょう。
6位 イワシ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA870mg、EPA780㎎ |
イワシのDHA・EPA含有量はサバとほぼ同じであり、DHAとEPAがバランスよく含まれています。サバ同様に、比較的安価で流通量も多いので、日常的に摂取しやすい魚の一つです。
7位 ニシン
【可食部100g当たりの含有量】 DHA770mg、EPA880㎎ |
ニシンはイワシと同じニシン科に属する魚であり、DHA・EPAの合計含有量はイワシと同じです。イワシよりもDHAが若干少ない一方で、EPAが多く含まれています。
8位 サワラ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA1100mg、EPA340㎎ |
サワラはDHA含有量が4位のウナギに匹敵するほど多いものの、EPAが少ないのが特徴です。
9位 カツオ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA970mg、EPA400㎎ |
上記は「戻りガツオ」と呼ばれる秋に獲られる本カツオの数値であり、春に獲られる「初ガツオ」は同じ本ガツオでありながらDHA・EPA含有量が約10分の1にまで低下するので注意しましょう。
10位 タイ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA780mg、EPA520㎎ |
タイは青魚ではありませんが、青魚以外の魚の中ではトップクラスにDHA・EPAが多く含まれています。
11位 シシャモ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA550mg、EPA670㎎ |
シシャモはDHA・EPAが豊富ですが、上の数値は可食部100g当たりの含有量です。シシャモ1匹の重さは約15g~20gなので、100g摂取したい場合は5〜6匹は食べなければならない計算になります。
12位 アナゴ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA550mg、EPA560㎎ |
アナゴはウナギと比較されやすいですが、DHAの含有量はウナギの約半分です。EPAの含有量はウナギとほぼ同じであり、アナゴ単体でみると、DHAとEPAがバランスよく含まれています。
13位 ホッケ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA530mg、EPA450㎎ |
上の数値は生の状態におけるDHA・EPA含有量ですが、ホッケは鮮度が落ちやすいため、産地である北海道以外は干物を食べるのが一般的です。意外かもしれませんが、干物にするとDHA・EPAの含有量は約倍に増えます。(※)
※「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」における、ホッケ(開き干し 焼き)の数値はDHA860mg、EPA1100mg
14位 アジ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA570mg、EPA300㎎ |
アジはサバやイワシと並んで、日本人には馴染みのある青魚ですが、DHA・EPAの含有量はサバとイワシよりも少なめです。
15位 メバル
【可食部100g当たりの含有量】 DHA390mg、EPA370㎎ |
メバルは合計含有量が決して多くはないものの、DHAとEPAがバランスよく含まれています。
16位 サケ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA460mg、EPA240㎎ |
上記は、サケの中で最も流通量が多い白鮭の数値です。サケの中だと銀鮭はDHA・EPAが豊富に含まれています。
※銀鮭は可食部100g当たりDHA890mg、EPA310㎎含まれる
17位 ヒラメ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA520mg、EPA170㎎ |
ヒラメは白身魚の中ではDHA・EPAが高い部類ではあるものの、青魚と比較すると少なめです。
18位 アユ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA440mg、EPA180㎎ |
上記は養殖ものの数値ですが、天然ものになるとDHA58mg、EPA89㎎と極端に低くなります。
19位 カレイ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA96mg、EPA180㎎ |
カレイはヒラメと似たイメージがありますが、DHA含有量はヒラメの5分の1以下となっています。
20位 タラ
【可食部100g当たりの含有量】 DHA42mg、EPA24㎎ |
タラは白身魚の中でもDHA・EPA含有量が少なめです。DHA・EPAを効率的に摂取したい方には向いていません。
21位 キス
【可食部100g当たりの含有量】 DHA31mg、EPA17㎎ |
キスは高タンパク・低脂質の白身魚の中でも脂質が少ないので、DHA・EPAの含有量は少なめです。
DHA・EPAが多い魚介類ランキング
続いて、魚も含めた「魚介類」という括りでDHA・EPAが多いものを調査しました。
なお、一般的な食生活ではDHAの約90%、EPAのほぼ100%を魚介類から摂取しています。つまり、DHA・EPAが多い魚介類ランキングは、DHA・EPAが多い食品ランキングと同義となります。
ここではDHA、EPAがそれぞれ豊富なランキングに加えて、一般的に販売されている魚の缶詰のDHA・EPA含有量ランキングも紹介します。
DHAが豊富な魚介類ランキング
※参考:文部科学省「食品成分データベース 」より抜粋
EPAが豊富な魚介類ランキング
※参考:文部科学省「食品成分データベース 」より抜粋
DHA・EPAが豊富な缶詰ランキング
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂) 」を元に作成
DHA・EPAが豊富な食べ物、レシピについては「DHA・EPAを効率的に摂取できる食べ物&レシピ〜魚以外で摂る方法も紹介〜」で詳しく解説しています。
DHA・EPAは推奨量を摂取するのが難しい
ここまで、DHA・EPAが豊富な魚、魚介類を紹介してきました。しかし、そもそもDHA・EPAを1日にどれだけ摂取したらよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、DHA・EPA個別の摂取目安量は示されていないものの、DHA・EPAが属するn-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)の1日の摂取目安量を年齢別に以下のように定めています。
年齢 |
男性 |
女性 |
12~14歳 |
1.9g |
1.6 g |
15~17歳 |
2.1 g |
1.6 g |
18~29歳 |
2.0 g |
1.6 g |
30~49歳 |
2.0 g |
1.6 g |
50~64歳 |
2.2 g |
1.9 g |
65~74歳 |
2.2 g |
2.0 g |
75歳以上 |
2.1 g |
1.8 g |
DHA・EPAを含めたn-3系脂肪酸は1日約2000mg 摂取するのがベターです。しかし、これまでに紹介した魚および魚介類のDHA・EPA含有量をみる限り、この量を毎日摂取するのが容易ではないことがわかります。
また、DHA・EPAは加熱することによって減少してしまうので、DHA・EPAが多い魚であっても調理の方法次第では十分な量を摂取できないケースも少なくありません。
DHA・EPAを効率的に摂取できるサプリメント
日常の食事では十分な量を摂取するのが難しいDHA・EPAは、サプリメントで補うことをおすすめします。
ジャパンプレミアムDHA&EPA+GABA
「ジャパンプレミアムDHA&EPA+GABA」は、基礎健康のためのオールインワンサプリメントです。日本人が1日あたりで不足しているDHA・EPAの(DHA480mg、EPA100mg)のほか、α-リノレン酸を含む亜麻仁油もサポート成分として配合しています。
DHA・EPAを効率的に摂取したい方はぜひご検討ください。
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