16時間断食ダイエットと他のプチ断食との違いとは?女性は12時間の方がいい?
16時間断食をテーマに、メリット・デメリットをはじめ、16時間断食中に食べていいもの、断食中の食事で意識すべきことなどについて解説。また、16時間断食と他のプチ断食方法を比較しているので、あなたに合った断食法を見つけください。
美容と健康を目的に「プチ断食」を実践する方が増えていますが、プチ断食には、「1日断食」や「3日断食」などさまざまな種類があります。
その中でも近年とくに注目を集めているのが「16時間断食」です。16時間断食に関する書籍は多数出版されており、多くのメディアにも取り上げられています。今回は「16時間断食」について詳しく解説します。
この記事の監修者
藤堂 紗織
Alohaさおり自由が丘クリニック開業医
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。
16時間断食とは
16時間断食とは、24時間のうち16時間は何も食べずに、残りの8時間で自由に食事をする断食法です。
例としては、夕食を20時までに済ませて、翌日の12時まで何も食べない食事サイクルであれば、16時間断食を実践していることになります。
また、16時間断食は基本的に毎日、習慣的に実践するのが理想です。
なぜ、「16時間」なのかというと、人間は通常は糖質をエネルギーにする「ブドウ糖代謝」ですが、空腹の時間続くと中性脂肪を分解してエネルギーにする「ケトン体代謝」に切り替わります。その空腹による効果が最大限享受できるのが16時間とされているからです。
上の文脈で18時間断食を推奨する方もいますが、空腹時間が長くなりすぎるリスクもあるため、16時間がポピュラーとなっています。
16時間断食で機能する「メタボリックスイッチ」「オートファジー」
前述したブドウ糖代謝からケトン代謝に変わることを「メタボリックスイッチ」といい、食後12時間でメタボリックスイッチが入ると言われています。
そして、メタボリックスイッチが入ると体内では「オートファジー」が機能します。オートファジーとは「自食作用」と訳されますが、細胞内の古くなった悪玉タンパク質が新しく作り替えるメカニズム。
つまり、脂肪や筋肉を分解してエネルギーや新しい細胞を作る出す作用を指します。
オートファジーが機能することで、自律神経の安定や免疫機能の向上、血流改善、美肌効果を期待できます。
16時間断食のやり方
16時間断食のやり方は非常にシンプルで、先述した夕食を20時までに済ませて、翌日の12時まで何も食べないなど、1日の中で16時間全く何も食べない時間を作るだけです。
「何も食べない」といっても、水分は摂ってもよく、どうしても空腹に耐えられない場合は食べても構いません。
※16時間断食中に食べてもいいものについては後ほど解説します。
16時間断食のメリット・デメリット
メリット
16時間断食の主なメリットは以下の4つです。
- 誰でも簡単に実践できる
- 腸内環境が整う
- 免疫力が向上する
- ダイエット効果を期待できる
まず、第一のメリットとして挙げられるのは断食期間(時間)が短いために、精神的にも楽なので、誰でも簡単に実践できることです。
朝食を食べる習慣がない方にとっては、意識せずとも毎日16時間断食を行っている可能性もあります。16時間の断食時間のうち、約半分の8時間くらいは睡眠時間にあたるため、精神的苦痛が少ないのもポイントです。
また、これは16時間断食に限ったメリットではないですが、腸内環境が整う、免疫力が向上するといった一般的に言われる断食効果も期待できます。
16時間断食を実践する上で心得ておきたいのは、ダイエット効果がメインではないということ。断食中は間食が減る、胃腸が活性化して代謝が上がるといったダイエットにおいてプラスに働く要素を兼ね備えていますが、必ずしも痩せるわけではない点には注意が必要です。
デメリット
16時間断食のデメリットは以下の通りです。
- ドカ食いする可能性がある
- 血糖値が急上昇する可能性がある
- 妊娠中の方は胎児に悪影響を及ぼす可能性がある
16時間断食は「残りの8時間で自由に食事をしてもいい」ですが、“何でも食べていい”というわけではありません。断食直後は血糖値が急上昇しやすいため、血糖値をできるだけ上げないような食事を意識すべきです。※詳しくは後述します。
また、女性は16時間の断食はホルモンバランスの乱れにつながると指摘されており、妊娠中の場合は胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。女性の場合、断食時間は12時間が理想であるとも言われており、この点についても記事の後半で詳しく解説しています。
16時間断食はどれくらいで効果が出てくる?
16時間断食はどんな目的で行っているかにもよりますが、1ヶ月間ぐらい続けることで効果が表れると言われています。とはいえ、16時間断食は効果が出たからやめるというものではなく、習慣にするものです。
目安として3ヶ月以上やっても効果が出ない場合は別の方法を考えた方がいいでしょう。
16時間断食中&断食後に食べていいもの
この章では、16時間の断食中に食べていいもの、16時間断食直後に食べてもいいものを紹介するとともに、食べてもいい8時間で意識すべきことを解説します。
16時間断食中に食べてもいいもの
16時間の断食中は健康のため、空腹感を軽減するために水分を多めに摂ることを意識しましょう。空腹を紛らわすという意味では、炭酸水がおすすめです。また、ノンカフェインのお茶や紅茶を飲むのも問題ありませんが、カフェインは胃腸に負担をかけるので避けるのがベターです。
16時間の断食中にどうしても空腹に耐えられないなら、以下のような食べ物がおすすめ。
- ナッツ
- 豆乳
- チーズ
- ヨーグルト
ナッツや豆乳は腹持ちがいいのが特長。ただ、ナッツはカロリーが高めなので食べ過ぎには注意しましょう。また、タンパク質が豊富で低糖質のチーズ、腸内環境が整える善玉菌が豊富なヨーグルトなどもおすすめです。
断食中にバナナはNG
バナナは健康的なイメージもあり、ダイエット中でも食べていいものとして認識されていますが、断食中においては糖質が多いため避けた方がいいでしょう。果物なら、糖質が少ないイチゴやアボカドがおすすめです。
16時間断食後の最初の食事で食べていいもの
断食直後は、血糖値が上がりやすい状態なので脂っこい食事や糖質が多い食事は避けましょう。以下のような食べ物がおすすめです。
- 緑黄色野菜
- きのこ
- 豆腐などの大豆製品
- 海藻
もちろん、これらだけを食べようというわけではありませんが、野菜や海藻など栄養バランスを意識した食事を心掛けましょう。当然ですが、お菓子やジャンクフードはNGです。
「食べていい8時間」で意識すべきこと
16時間断食を実践する上で、普段の食事で意識すべきは以下の2つです。
- タンパク質を摂取する
- 野菜から食べる
断食によるダイエットは短期間で効果が出やすいものの、筋力が低下しやすいため、基礎代謝が下がってしまい、長期的にみると逆効果になるケースも少なくありません。
ですので、断食中は筋肉のもとになるタンパク質を意識して摂るようにしましょう。
断食中の食事は糖質制限ダイエットにおける食事にも通じるところがあるので、タンパク質を意識した食事については「「糖質制限といえばタンパク質(肉&魚)」は正しい?【食べ物シリーズvol.5】」をご覧ください。
また、血糖値の上昇を防ぐために野菜から食べるのがおすすめです。「ベジファースト」という言葉をご存知の方も多いと思いますが、最初に食物繊維が豊富な野菜を食べることで、食後の血糖値上昇は抑えられます。
野菜⇒おかず(肉や魚)⇒炭水化物(ご飯)の順番で食べるのがベスト。また、ゆっくり噛んで食べることで満腹中枢を刺激されるので、食べ過ぎ防止のために時間をかけて食事をしましょう。
16時間断食とその他の断食法を比較
16時間断食のほかにも、プチ断食には様々な方法があります。
方法 |
内容 |
16時間断食 |
24時間のうち16時間は何も食べず、残りの8時間で食事をする方法 |
半日断食 |
24時間のうち12時間は何も食べず、残りの12時間で食事をする方法 |
1日1食ダイエット |
1日に1食だけ食事をする方法 |
1日断食 |
1日に1食も食事をしない方法 |
2日断食 |
連続した2日間に食事をしない方法 |
3日断食 |
連続した3日間に食事をしない方法 |
5:2ダイエット |
1週間のうち、2日間だけ食事を制限する方法 |
目的や体質によっては16時間断食が向いていない可能性があるので、ここでは16時間断食をその他の方法と比較して解説します。
精神的負担が少ないのは半日断食、16時間断食
16時間断食と半日断食は混同されることがありますが、厳密には違います。半日断食は様々な定義(解釈)がありますが、ここでは文字通り、「半日=12時間」何も食べない断食法としています。
1日のうちで○○時間空けるという点においては、半日断食と16時間断食で共通していますが、半日断食の場合、12時間なので夜7時にご飯を食べた場合は翌日の朝7時にご飯を食べることができます。つまり、1日3食の生活も可能。朝ご飯を抜きたくない方は半日断食がおすすめです。
両者とも「プチ断食」の中でもミニマムな期間で行う方法なので、精神的負担が少ないのは大きな魅力です。
脂肪燃焼を目的にするなら「3日断食」がおすすめ
断食をすると、約12時間後にオートファジー機能が働きますが、断食後48時間までは血液中や筋肉中のグリコーゲンを分解することで、グルコースの枯渇を補います。つまり、完全にエネルギーが切れるわけではありません。
断食は3日以上実践すると、体内でエネルギー切れを起こし、集中的に脂肪を分解してエネルギーに変えると言われています。つまり、16時間断食でもダイエット効果は期待できますが、期間が短いため、脂肪燃焼を目的に断食をするのであれば3日以上は必要なのです。
ただし、長期間の断食は健康を害する可能性もあるので、実践する場合は医師や専門家に相談しましょう。
プチ断食は基本的に日数が長いほど、ダイエット効果は高くなります。ただし、その分精神的負担は大きくなります。以下のようなイメージが分かりやすいでしょう。
「女性は12時間断食の方がいい」と言われる理由
「16時間断食は女性には向いていない」と指摘する方が多くいます。
女性は生理がある体の特性上、16時間断食は体への負担が大きく、女性ホルモンの分泌が乱れる可能性が指摘されています。また、空腹時間が長いと体温が上がらず、子宮の血流が悪くなり、排卵や妊娠に悪影響を及ぼす可能性もあります。
オートファジーは食後16時間後が最も活性化しますが、その効果が最大にならないだけで、12時間のプチ断食(半日断食)でも充分にオートファジーは活性化するといわれています。
健康リスクを考慮すると、女性は3食きちんと食べられる半日断食(12時間断食)が向いているでしょう。
断食中に運動することで効果は上がる
断食中は体を動かすと空腹感が増すという思いから運動を避けがちですが、実は断食中こそ運動がおすすめです
オートファジーは運動することで活発になる
運動の強度や持続時間にもよりますが、運動することで筋肉の細胞は破壊され、その細胞の修復のために新陳代謝が促されます。つまり、オートファジーが活性化している状態で運動すると、新陳代謝と連動して、オートファジーはより活発になります。
筋肉を維持するためにも運動は必要
そもそも断食は食事量が少ないので、筋肉量が減りやすいというリスクがあります。筋肉は基礎代謝に関わるため、筋肉量が減るのはダイエットにおいては重大な問題です。
上述したように運動をすることで、体内では細胞の修復・合成が活発になるため、筋肉の維持につながります。
軽い有酸素運動がおすすめ
断食中に運動をするのが効果的とはいえ、激しい運動は禁物。ウォーキングやヨガなど軽い有酸素運動を心掛けましょう。
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