内臓脂肪を減らす食事方法~改善ポイントや取り入れたい食べ物~

内臓脂肪を減らす食事で大切なのは、糖質や脂質を減らし、タンパク質・オメガ3系脂肪酸・食物繊維を増やすことです。

この記事では、内臓脂肪を減らす食事について解説しますので、毎日の食事メニューやレシピを考える際の参考にしてください。

なお、おすすめの運動法について、詳しくは「中性脂肪を減らす方法は「運動」が効果的~中性脂肪対策」で解説しているので併せてご覧ください。

この記事の監修者

 

監修者

藤堂 紗織

Alohaさおり自由が丘クリニック開業医
日本医科大学医学部卒業。
日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している

内臓脂肪とは?内臓脂肪が増える原因

内臓脂肪とは、胃や腸の周辺に過剰に蓄積された脂肪のことです。

食事で摂取した糖質や脂質がエネルギーとして消費されないと、肝臓で中性脂肪に変換されます。そして血液中の中性脂肪もエネルギーとして消費されずに余ってしまうと、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられます。

糖質の分解過程

脂肪はよく預貯金で例えられますが、

  • 内臓脂肪は「普通預金」
  • 皮下脂肪は「定期預金」

とイメージしていただくと分かりやすいです。

内臓脂肪は普通預金と同じく「貯まりやすく減らしやすい」という特徴があり、皮下脂肪は定期預金のように「一度貯まると減らしにくい」という特徴があります。

内臓脂肪が増える原因とは

内臓脂肪が増える原因は、身体活動によって消費される「基礎代謝量」よりも、食事で摂取する「摂取エネルギー」の方が多いことです。

  • 摂取エネルギーが多い
    食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎ
  • 基礎代謝量が少ない
    運動不足や基礎代謝量の低下

食事で摂取エネルギー(脂質や糖質)を沢山摂取しているのに、デスクワークでほとんど運動をしないとエネルギーとして消費しきれず、結果として内臓脂肪として蓄えられてしまうのです30代以降の男性・女性で「食べる量も飲む量も昔と変わっていないのに内臓脂肪が増える」とお悩みの場合、加齢によって基礎代謝量が低下している可能性が考えられます。基礎代謝量は10代をピークにどんどん低下していくため、20代の頃と同じような食生活を続けていては、必然と内臓脂肪が蓄えられてしまいます。

 

内臓脂肪を増やさないためには、1日あたりの基礎代謝量を知り、摂取エネルギーに注意をしながら栄養バランスの良い食事内容に見直すことが大切です。 基礎代謝量は以下の方法で計算できますので、まずはご自身の1日あたりの基礎代謝量がどのくらいなのかを確認しておきましょう。

基礎代謝量の計算方法

基礎代謝量(1日) = 基礎代謝基準値 × 体重(kg) 

<基礎代謝基準値>

 

男性

女性

18~29歳

24.0

22.1

30~49歳

22.3

21.7

50~69歳

21.5

20.7

【厚生労働省e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」より抜粋】

内臓脂肪を減らす食事で大切な3つの改善ポイント

内臓脂肪を減らす食事で大切なのは、栄養バランスが取れた食事を13食ちゃんと食べることです。

また、同じ摂取カロリーであっても、食べ物の種類に少し工夫をすることで、内臓脂肪が増えにくくなります。内臓脂肪を減らす食事メニューやレシピを考える際は、以下の3つの改善ポイントを意識しましょう。

3つの改善ポイント

  • 脂質を減らしてタンパク質を増やす
  • 飽和脂肪酸を減らしてオメガ3系脂肪酸を増やす
  • 糖質を減らして食物繊維を増やす

大前提として、脂質や糖質は必要不可欠な栄養素で、決して「悪」ではありません。

  • 炭水化物を一切食べない
  • お肉を食べない

など過度な糖質制限や脂質制限をすると、健康に悪影響を及ぼす可能性もありますのでNGです。

糖質や脂質を減らしつつ、栄養バランスを考えた食事内容に改善することが大切です。

脂質を減らしてタンパク質を増やす

内臓脂肪を減らす食事で意識していただきたいのは、脂質を減らして筋肉を維持するために必要不可欠なタンパク質を増やすことです。

種類

食べ物

動物性タンパク質

ヒレ肉・ラム肉・モモ肉・鶏ムネ肉・ささみ・卵白など

植物性タンパク質

大豆・納豆・豆腐・えんどう豆など

例えば、お肉を食べる時は脂の少ないヒレ肉などを選び、鶏肉を食べる時は脂の少ないムネ肉やささみを選びましょう。この他にも、食生活が偏りがちな方は、プロテインでタンパク質を補うという方法もあります。そして脂質が多くなりがちな「炒める」「揚げる」などの調理法を避け、調理油を使わない「蒸す」「煮込み」「グリル」などの調理法を選択しましょう。

飽和脂肪酸を減らしてオメガ3系脂肪酸を増やす

内臓脂肪を減らす食事で次に意識していただきたいのは、飽和脂肪酸を減らしてオメガ3系脂肪酸を増やすことです。

脂質を構成する脂肪酸は、大きく分けると「飽和脂肪酸」「オメガ9系脂肪酸」「オメガ3系脂肪酸」「オメガ6系脂肪酸」「トランス脂肪酸」に分類されます。

脂肪酸の種類

食べ物

飽和脂肪酸

肉類・乳製品・チョコレートなど

オメガ3系脂肪酸

青魚・アマニ油・えごま油など

オメガ9系脂肪酸

オリーブオイル・アボカド・なたね油など

オメガ6系脂肪酸

コーン油・大豆油・グレープシードオイルなど

トランス脂肪酸

マーガリン・ショートニングなど

青魚やアマニ油に含まれるオメガ3系脂肪酸は、脂肪燃焼効果や血流の改善効果がある上、内臓脂肪や皮下脂肪として貯まりにくいという特徴があります。さらにオメガ3系脂肪酸は体内で合成されない「必須脂肪酸」のため、毎日の食事で摂取する必要があります。肉類や乳製品に含まれる飽和脂肪酸は、過剰摂取をすると内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えるため、食べ過ぎには注意をしてください。そしてトランス脂肪酸は健康被害も報告されているため、極力摂取しないことが大切です。

糖質を減らして食物繊維を増やす

食物繊維は糖質や脂質を吸収して体外に排出する働きがあるため、糖質を摂取する際は食物繊維もたっぷり摂取しましょう。

食品の種類

食べ物

野菜や根菜

キャベツ・ごぼう・切干大根など

きのこ類

しいたけ・ぶなしめじ・なめこなど

海藻類

わかめ・めかぶなど

その他

こんにゃく・玄米・大麦など

例えば、主食を白米ご飯ではなく玄米や大麦に変えるだけで、食物繊維の摂取量が大幅にアップします(糖質量はほぼ同じですが)。糖質はエネルギー源となる栄養素ですが、糖質は3大栄養素の中で唯一「血糖値を上昇させる」栄養素です。そして血糖値を下げるために膵臓でインスリンが分泌され、体内のブドウ糖を中性脂肪に変え、結果として内臓脂肪や皮下脂肪を増やしてしまいます。

糖質の基本的な考え方について、詳しくは「糖質とは結局どんなものなのか?わかりやすく簡単に解説」をご覧ください。

内臓脂肪を減らす食事に取り入れたい食べ物や飲み物

ヘルシー食材

内臓脂肪を減らす食事に積極的に取り入れていただきたい、食べ物や飲み物についてご紹介します。

青魚(DHAEPA

前章でご紹介した通り、青魚には必須脂肪酸であるオメガ3系脂肪酸(DHAやEPA)が豊富な食材です。特に、以下の青魚はDHAやEPAが多く含まれる生魚ですので、毎日の食事に積極的に取り入れましょう。

 

生魚の種類

DHA

マグロ脂身・サバ・さんま・ブリ・きんき

EPA

サバ・さんま・うなぎ・マグロ脂身・イワシ

【文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より抜粋】

お酢(酢酸)

お酢に含まれる酢酸には、脂肪の合成を抑制し、脂肪燃焼を促進する働きがあります。

またお酢の酸味の元となるクエン酸は抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの発生を防ぐ働きもあります。

酢酸は加熱OKのため、お酢をそのまま飲むのが辛い方は、調味料として毎日の食事に取り入れても良いでしょう。

緑茶やウーロン茶(ポリフェノール)

緑茶やウーロン茶には、ポリフェノールや茶カテキンが含まれており、脂肪の代謝向上効果や内臓脂肪の低減効果が確認されています。緑茶やウーロン茶はトクホマークが付いた商品も販売されているので、毎日の食事のお供に取り入れたいですね。

内臓脂肪を減らす食習慣も身につけよう

内臓脂肪を減らす食事の改善ポイントや食べ物だけではなく、食習慣を身につけることも大切です。

内臓脂肪を減らす食習慣

  • 食物繊維から食べ進める
  • ゆっくりと噛んで食べる
  • 腹八分目でストップする
  • 夕食は21時までに食べ終える
  • アルコールを飲む量を減らす

どんなに栄養バランスが良い食事をしていても

  • 早食いしていたり
  • 夕食を食べるのが遅かったり
  • お酒を飲みすぎたり

などを行っていては、意味がありません。

これまでにご紹介した食事の改善ポイントや取り入れたい食べ物だけではなく、内臓脂肪を減らす食習慣も身につけましょう。

食物繊維から食べ進める

内臓脂肪を減らす食習慣として、食事は食物繊維から食べ進めましょう。消化に時間がかかる食物繊維から食べ始めることで、脂質や糖質の消化・吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を防ぐことができます。

食事を食べ進める順番

  1. 食物繊維(野菜や海藻)
  2. 脂質(肉や魚)
  3. 糖質(ご飯などの炭水化物)

ただし、じゃがいもやカボチャなどの根菜を使ったサラダは糖質量が高いため、食べ進める順番を間違えないようにしましょう。

ゆっくりと噛んで食べる

内臓脂肪を減らす食習慣として、食事はゆっくりと噛んで食べるよう心がけてください。目安としては1食あたり20分以上の時間をかけ、1口に対して2030回は噛むことを意識されると良いでしょう。この理由は、満腹中枢にスイッチが入るのは、食べ始めてから20分経過後と言われているためです。早食いをすると満腹感を感じず食事量が多くなり、血糖値を急上昇させる原因にもなりますので、ゆっくりと味わって食べる癖をつけましょう。

腹八分目でストップする

内臓脂肪を減らす食習慣として、満足するまで食べるのではなく、食事は腹八分目でストップしてください。ゆっくり噛んで食べれば満腹感も得られますが、「あとちょっと食べたいな…」と思った時点でお箸を置く癖をつけましょう。どうしてもコントロールが難しければ、大皿盛りをやめて1人前ずつ取り分ける、食事前に水を飲むなどの工夫をされると良いでしょう。

夕食は21時までに食べ終える

内臓脂肪を減らす食習慣として、夕食は21時までには食べ終えるよう心がけ、夜食はできるだけ避けましょう。人間のDNAに結合しているタンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」には、糖から脂肪細胞を作る際に必要となる酵素を増やす働きがあります。このBMAL1は昼の分泌量は少ないものの、午後10時~午前2時の分泌量は昼の20倍に増えるため、21時以降に食事をすると脂肪細胞が作られやすくなるのです。

仕事などで夕食を21時以降しか食べられない方は、夕方に炭水化物を食べ、21時以降は野菜やおかずを中心に食べる「分食」をされると良いでしょう。

アルコールを飲む量を減らす

内臓脂肪を減らす食習慣として、アルコールを飲む量を減らしましょう。アルコールの量は1日25g以下、ビールだと500ml・日本酒1合・ワイン2杯程度に抑え、週に2日は休肝日を設けましょう。

アルコールはビールなどの種類に関わらず高カロリーな上に、ステロイドというホルモン分泌を促すため、内臓脂肪が付きやすくなってしまいます。さらにお酒を飲む際に、おつまみとして揚げ物や炭水化物など、脂質や糖質が多い食品を食べてしまい、その結果摂取エネルギーが増えていることも考えられます。

どうしても飲む機会が多い方は、「糖質制限中におすすめの飲み物&&NG飲み物【食べ物シリーズvol.4】」で糖質が少ないお酒の種類を知ることが大切です。

内臓脂肪を減らす食事方法まとめ

内臓脂肪を減らす食事方法は、摂取カロリーを守りながら脂質と糖質のバランスを考えて、メニューやレシピを考えることが大切です。この記事では、主に「改善点ポイント」や「取り入れたい食べ物や飲み物」をご紹介しましたが、このようなメニューはいかがでしょうか?

内臓脂肪を減らす食事メニュー

【主菜】青魚の南蛮漬け

【副菜①】キノコのサラダ

【副菜②】納豆や冷奴

【汁物】なめたけの味噌汁

【主食】玄米ご飯

【飲み物】ウーロン茶や緑茶

そして、内臓脂肪を減らす食習慣(食べる順番・量・時間)を身につけ、効率的に内臓脂肪を減らしていきましょう。

「サプリメントで内臓脂肪対策」という選択肢も

内臓脂肪を減らす食事は1~2週間だけなどの短期ではなく、長期的に継続しないと意味がありませんが、この継続させるのが大変ですよね。長期的に継続するのが難しい方や、どうしても外食が多い方は、糖脂ケアサプリメント「ターミナリアファースト」で内臓脂肪のケアをされてみてはいかがでしょうか?

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