そばがダイエットにいい理由〜失敗しないための7ルールとおすすめレシピ3選〜

「そばは太りにくい」「そばはダイエットにいい」と言われることがよくあります。実際、そばは白米やうどんよりも血糖値の上昇が緩やかで、ダイエットに適した主食のひとつです。
しかし、ただ「そばを食べれば痩せる」というわけではありません。そばでダイエットを成功させるためにはいくかの注意点があります。
そこで今回はそばダイエットをテーマに、そばがダイエットにいい理由から失敗しないために押さえておきたいポイント、おすすめレシピを紹介します。
この記事の監修者

中島 由美
Crystal 医科歯科 Clinic International 内科院長
金沢医科大学医学部卒。金沢医科大学病院にて小児科・内科専攻。日本各地の病院で内科、皮膚科を担当。美容クリニック院長を経て、2018年8月にCrystal 医科歯科 Clinic International 内に内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設。現在内科院長として、テレビやラジオ出演、Webメディアの記事編集を行っている。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
そばダイエットとは
そばダイエットとは、主食の一部をそばに置き換えることで摂取カロリーを抑えつつ、血糖値の上昇を緩やかにするダイエット法です。
糖質を完全に抜くような極端な食事制限ではなく、血糖コントロールと満腹感の最適化を目指すものです。
そばダイエットといっても、毎食そばを食べる必要はなく、1日1食だけの置き換えでも効果を期待できます。とくに昼食や夕食で実践することで、食後の眠気や間食欲を抑えやすく、自然と摂取カロリーを減らすことができます。
そばダイエットの利点
そばダイエット最大のメリットは、白米やうどんに比べてGI値が低いことです。GI値とは「食後の血糖値上昇の度合い」を示す指標で、低GIの食品ほど血糖値の急上昇を抑え、脂肪が蓄積しにくくなります。
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主食 |
GI値(目安) |
エネルギー(kcal/100g) |
糖質量(g) |
食物繊維(g) |
|
白米 |
約88 |
約168 |
約37 |
約0.5 |
|
うどん(ゆで) |
約85 |
約105 |
約21 |
約0.8 |
|
パスタ(ゆで) |
約65 |
約138 |
約25 |
約1.5 |
|
そば(二八) |
約54 |
約130 |
約24 |
約2.0 |
|
十割そば |
約50 |
約132 |
約23 |
約3.0 |
また、そばは麺類の中でも食物繊維が豊富であるため満腹感を得やすいほか、外食やコンビニでも実践しやすい点も魅力です。生活スタイルを大きく変えずに取り入れられるため、継続しやすいダイエット方法といえるでしょう。
そばがダイエットにいい理由
「そば=ヘルシー」と言われる理由は、単にGI値やカロリーが低いからではありません。
ここでは、そばがダイエットにいい理由を詳しく紹介します。
食後の血糖急上昇を抑えられる
先述したように、そばは白米やうどんに比べてGI値が低く、食後の血糖値の上昇が緩やかです。血糖値が急激に上がると、体内ではインスリンが大量に分泌され、余分な糖を脂肪として蓄積しようとします。

そばはこのインスリンの分泌を抑えられるため、脂肪がつきにくくなります。
また、ダイエットの観点ではGI値だけでなく「GL値」も重要な観点です。GL値とは「GI値×糖質量」で計算され、同じGIでも食べる量が多ければ血糖負担も増えるという指標です。
そばは1食(乾麺80〜100g)あたりの糖質量もそこまで多くはないため、GL値も適正といえます。
GI値、GL値については「ダイエットで気を付けたいのは「GI値」よりも「GL値」だった!」で詳しく解説しています。
カロリーが低い
ダイエットにおいてカロリーは最も重要な要素です。摂取カロリーが消費カロリーを上回らない限りは太ることはないからです。

一般的なゆでそばは100gあたり約130kcalで、同量の白米(約168kcal)よりも低カロリーです。
また、つゆを薄めたり、天ぷらなどの高脂質なトッピングを控えることで、1食あたり400kcal前後に抑えることもできます。主食をそばに置き換えるだけでも、1日100〜200kcal程度はカロリーを減らすことができるでしょう。
食物繊維が満腹感を持続させる
そば粉には、可溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれています。特に十割そばや田舎そばは繊維量が多く、腸内環境を整えつつ、満腹感を長時間維持できます。
食物繊維は血糖値の急上昇を防ぐ働きがあるほか、間食や食べすぎの防止にもつながります。
良質なタンパク質でPFCバランスが整う
PFCバランスとは三大栄養素=Protein(タンパク質)・Fat(脂質)・Carbohydrate(炭水化物)」の摂取バランスのことです。健康的に体重を減らすためには、カロリーを減らすだけでなく、この3つの栄養素を適切な比率で摂取することが重要とされています。目安としては、一般的に「P:F:C=2:2:6」が理想的といわれています。
PFCの中でも最も不足しがちなのがタンパク質ですが、そばは穀類の中でもタンパク質を比較的多く含んでいるのが特長です。そのため、PFCバランスを整えやすい食品といえます。
ただし、そば単体では1食あたり6〜8g程度しかタンパク質を含まないため、卵・鶏むね肉・納豆・豆腐などの高タンパク食材を組み合わせることが大切です。
ポリフェノール(ルチン等)が豊富
そばにはポリフェノールの一種であるルチンが豊富に含まれています。ルチンには毛細血管を強化し、血流を改善する働きがあるため、冷え性改善、代謝アップの効果を期待できます。
直接的な脂肪燃焼効果は限定的ではあるものの、代謝の底上げ・体調維持という面でダイエットをサポートしてくれるでしょう。
そばダイエットの失敗しないための7つのルール
そばダイエットは、正しく実践しないとダイエット効果が薄れてしまいます。ここでは、そばダイエットを実践するにあたって押さえておきたいルールを7つ紹介します。
① 乾麺80–100g/回を上限にする
そばなら大盛りでもOKと考える方も少なくありませんが、それでは糖質量がオーバーしてしまいます。
1食あたりの糖質を40〜50g以内に保つには、乾麺80〜100gが目安です。乾麺を輪ゴム1本分=約80〜100gで仕分けしておくと便利です。また、冷凍そばの場合は1玉の重量(ゆで後)をパッケージで確認しましょう。
② つゆは薄め・塩分控えめを選ぶ
そばダイエットを実践する上で注意したいのはそばつゆです。つゆの種類や濃さによって、糖分・塩分・カロリーが大きく変わるため、せっかくのダイエット効果を打ち消してしまうことがあります。
市販のめんつゆは、砂糖やみりんが多く含まれているものが多く、原液のまま使うと糖質過多になりがちです。濃縮タイプのめんつゆは必ず水で薄め、甘みの強いものよりも出汁をベースにした塩分控えめのタイプを選びましょう。物足りなさを感じたときは、柑橘果汁や酢、生姜、薬味などで風味を加えると、塩分を減らしても満足感を保てます。
③ タンパク質をプラスする
先述したように、そばだけではタンパク質は十分ではありません。筋肉を維持し代謝を保つためには、1食あたり20〜30gのタンパク質を目標にしましょう。
そばとの相性が良い身近な食材のタンパク質量をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
|
食材 |
目安量 |
タンパク質量 |
|
卵 |
Mサイズ2個 |
約12g |
|
サラダチキン |
100g |
約23g |
|
ツナ(水煮) |
1缶70g |
約16g |
|
木綿豆腐 |
150g |
約10g |
|
納豆 |
1パック |
約8g |
④ 野菜・海藻・きのこでかさ増しする
そばはラーメンやうどんに比べると「パンチがない」「味気がない」と言われることがあります。そのため、満足感が得にくく、ついつい食べ過ぎてしまうことも少なくありません。
それを防ぐためには、食物繊維が豊富な野菜や海藻、きのこを加えるのがおすすめです。カロリーは抑えながら量をかさ増しすることで満腹感を得られ、食べすぎを防ぐことができます。
特にとろろやオクラなどの粘り系食材×冷やしそばは、血糖上昇を緩やかにする働きもあるのでおすすめです。
⑤ 天ぷら・揚げ物は週1程度で量も控える
そばダイエットで最も注意すべきはトッピング、とくに揚げ物です。天ぷらや揚げ物は高脂質・高カロリーなので基本的に控えるのがベターです。食べるにしても、週に1回で量も少なめにしましょう。
目安としては、小海老天2本、または野菜天1個程度にとどめ、大きなかき揚げなどは避けましょう。
⑥ 夜はざるorぶっかけで塩分をセーブする
夜にそばを食べるときに注意したいのが、つゆの塩分量です。温かいつゆそばは、汁を多く使うため塩分摂取が増えやすく、塩分を摂りすぎると、翌朝のむくみや体重増加(体内の水分保持)につながるだけでなく、高血圧や睡眠の質の低下にも影響します。
そのため、夜はできるだけ「ざるそば」や「ぶっかけそば」を選びましょう。つゆの使用量を抑えられるため、自然と塩分摂取も減らせます。
⑦ 体重よりも「食後の眠気」「間食欲」を観察する
そばダイエットは、短期間で体重を落とすのが目的ではなく、長期的に実施することで血糖コントロールを整えていき、その結果として体重も減らすことを目的としています。
そのため、短期間での体重変化よりも、血糖コントロールの改善を実感できているかどうかに注目しましょう。とくに注目したいのが「食後の眠気」と「間食への欲求」です。これらは血糖値の上下動を反映するサインであり、そばダイエットがうまく機能しているかを判断する手がかりになります。
以下のように5段階でのセルフチェックを1週間単位で続けてみるのがおすすめです。
|
項目 |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
|
食後の眠気 |
まったくない |
少しある |
普通 |
やや強い |
強い |
|
間食欲 |
不要 |
ややある |
普通 |
強い |
我慢できない |
1週間ごとに記録を見返し、眠気や間食欲が前週よりも軽くなっていれば、そばの量や食べ方が体に合っているサインです。逆に、強くなっている場合は麺量を減らす・つゆを薄める・野菜を増やすといった微調整をしましょう。
おすすめレシピ3選
そばダイエットを続けていると、どうしても同じ味に飽きてしまいがちです。継続するためには、メニューのバリエーションを増やすことが大切です。ここでは、おすすめレシピを3つ紹介します。
鶏むね&温玉のぶっかけそば

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材料(1人分) ・そば(乾麺)・・・1束(約80~100g) ・鶏むね肉・・・80~100g ・温泉卵・・・1個 ・小ねぎ・・・適量 ・海苔(刻み海苔)・・・適量 ・めんつゆ(3倍濃縮)・・・大さじ2 ・水・・・大さじ2(つゆを薄める用) ・レモン汁または酢・・・小さじ1 |
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作り方 ➀ 鶏むね肉を耐熱容器に入れ、塩少々をふってふんわりラップをかけ、電子レンジ(600W)で1分30秒加熱する ➁ ①を裏返してさらに1分加熱し、粗熱を取ってそぎ切りにする ➂ そばを茹で、冷水でしっかりとしめ、水気を切る ④ 器にそばを盛り、鶏むね肉をのせる ⑤ 中央に温泉卵をのせ、小ねぎと刻み海苔を散らす ⑥ めんつゆと水を混ぜたものを全体に回しかけ、最後にレモン汁または酢を少量かけて完成 |
鶏むね肉と卵は、高タンパクで低脂質な食材の代表格です。鶏むね肉の代わりに市販のサラダチキンを使うと時短にもなります。
納豆おろしの冷やしそば

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材料(1人分) ・そば(乾麺)・・・1束(約80~100g) ・納豆・・・1パック ・大根おろし・・・100g ・めかぶ・・・1パック(約50g) ・青じそ・・・2枚(細切り) ・めんつゆ(3倍濃縮)・・・大さじ2 ・水・・・大さじ2(つゆを薄める用) ・酢またはレモン汁・・・小さじ1 |
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作り方 ➀ そばを茹でて冷水でしっかりとしめ、水気を切る ➁ 大根をすりおろし、水気を軽く切る ➂ 器にそばを盛り、上に納豆・大根おろし・めかぶをのせる ④ めんつゆと水を混ぜ合わせ、全体に回しかける ⑤ 仕上げに青じそをのせ、酢またはレモン汁をひとまわしかけて完成 |
納豆おろしの冷やしそばは、発酵食品と食物繊維を一度に摂れる腸活メニューです。納豆とめかぶの粘りがそばにしっかり絡み、少ない量でも満足感が高いのが特長です。
海藻そばサラダ

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材料(1人分) ・海藻サラダ・・・1パック ・そば・・・1束 ・トマト・・・2分の1個 ・レタス・・・2~3枚 ・めんつゆ・・・大さじ1杯 ・ポン酢・・・大さじ1杯 |
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作り方 ➀ 海藻サラダを水で戻す ➁ そばを茹でて冷水でしめる ➂ トマト、レタスを食べやすい大きさにカットする ④ そば、海藻サラダ、トマト、レタスを盛り付ける ⑤ その上からめんつゆとポン酢をかければ完成 |
海藻そばサラダはよりヘルシーさを求める方におすすめの一品です。海藻は低カロリーで食物繊維やミネラルが豊富なうえ、そばと組み合わせることで栄養バランスを整えることができます。満足感をプラスするために、スープを添えるのがポイントです。
そばダイエットに関してよくある質問
最後に、そばダイエットに関してよくある質問にお答えします。
そばは毎日食べても大丈夫?
A. 全く問題ありません。
そば自体は毎日食べても問題ありませんが、トッピングの偏りには注意が必要です。同じ食材ばかりを使っていると栄養が偏りやすくなるため、月曜は納豆、火曜は鶏むね肉、水曜は豆腐や温泉卵、といった具合に日ごとに具材を変えてバランスを取るようにしましょう。
十割と二八、どちらが痩せる?
A. 食物繊維量は十割そばの方が多いですが、「痩せるかどうか」は総量と食べ合わせの影響が大きいです。
十割そばは食物繊維が豊富である一方で、切れやすく、人によっては食感や味に慣れにくいこともあります。継続することが何より大事なので、自分が美味しく感じ、無理なく続けられる方を選びましょう。
ダイエット効果を高めるために、相性の良い食べ合わせの食材はありますか?
A. 基本的には、タンパク質と食物繊維が豊富な食材はおすすめです。
今回の記事でも紹介したように、鶏むね肉や卵、納豆などのタンパク質が豊富な食材、野菜やキノコなど食物繊維が豊富な食材はおすすめです。
また、酢や青じそ、生姜などの香味野菜を加えると、血糖値の上昇をさらに緩やかにする効果が期待できます。そのほか、海苔や小松菜、ほうれん草などは、そばだけでは不足しやすいカリウムやマグネシウム、鉄などのミネラル補給にもなります。
血糖値の急上昇を抑える「ターミナリアファースト」
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