カルシウムが豊富なレシピ&吸収を助けるレシピ~おかずからおやつまで~

成長コラム

子どもの成長に限らず、大人の健康維持という観点においてもカルシウムは重要な栄養素のひとつです。

カルシウムといえば、牛乳や小魚に多く含まれているというイメージですが、意識的に摂取しようとしないと不足がちになります。

今回はカルシウムが豊富な食材を使った料理レシピをはじめ、カルシウムを効率的に摂取するのに役立つ料理レシピを紹介します。

この記事の監修者

 

佐藤 留美

2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

カルシウムが豊富な食材&吸収を助ける食材

カルシウムが豊富な料理レシピを紹介する前に、まずはカルシウムが豊富な食材についておさらいしておきましょう。

カルシウムは成長期の子どもで1日700㎎~1000㎎、成人後も男性は700~800mg、女性は600~650mgの摂取が推奨されています。

カルシウムの推奨摂取量については「カルシウム不足になるとどうなる?症状や食事の改善対策」で詳しく解説しています。

カルシウムが豊富な食材

カルシウムが豊富な食材とその含有量は次の通りです。

摂取量 含有量
牛乳 200g(コップ1杯) 220㎎
ヨーグルト 100g(1パック) 120㎎
チーズ(チェダーチーズ) 20g(1切れ) 148㎎
しらす(釜揚げ) 25g(1食分) 48㎎
さくらえび(素干し) 5g(大さじ1杯) 100㎎
ししゃも(焼き) 15g(1尾) 54㎎
いわし(まいわし・焼き) 96g(1尾) 94㎎
サバ缶(水煮) 190g(1缶) 494㎎
豆腐(木綿) 約1/2丁(150g) 140mg
納豆(糸引き) 1パック(50g) 45mg
小松菜(ゆで) 1/4束(70g) 105mg
チンゲン菜(ゆで) 1株(80g) 96㎎
水菜(ゆで) 1/4束(50g) 100mg

参考:文部科学省「食品成分データベース

上に挙げたものは代表的なものであり、カルシウムが豊富な食材は他にも多数あります。乳製品、魚介類、大豆製品、野菜類に多く含まれています。なかでも、牛乳など乳製品は、他の食品に比べてもカルシウムの吸収率が高く、おおよそ40%といわれています(小魚は約33%、野菜は約19%)

カルシウムの吸収を助ける食材

カルシウムを摂取する上で、カルシウムが豊富な食材を食べることはもちろん有効ですが、同時に吸収を助ける食材と一緒に摂ることでより効率的に摂取できます。

カルシウムの吸収を助ける栄養素として知られているのが、ビタミンC、ビタミンD、マグネシウムです。これらが豊富に含まれるのは次のような食材です。

・赤ピーマン

・黄ピーマン

・まいたけ

・しいたけ

・ゆず

・レモン

・あおさ

・あおのり

・わかめ

・ひじき

・昆布

・アーモンド

・きな粉

カルシウムが豊富な食材とこれらの食材を合わせることで、カルシウムの吸収率はグッと高くなります。

カルシウムの吸収を助ける栄養素、食材については「【医師監修】カルシウムの吸収率を上げる&阻害する食べ物を一挙紹介」でも詳しく解説しています。

カルシウムが豊富かつ効率的に摂れるレシピ7選

それでは、カルシウムを豊富&効率的に摂取できるレシピを1週間分の献立として活用できるように7つ紹介します。

豚肉と小松菜のガーリック炒め

材料(2人分)

・豚肉・・・150g

・小松菜・・・1袋(200g)

・ニンニク・・・1カケ

・サラダ油・・・大さじ1杯

・ごま油・・・大さじ1杯

・塩・・・少々

・コショウ・・・少々

 

作り方

➀ 豚肉、小松菜を食べやすい大きさにカット

➁ ニンニクを薄くスライス

③ フライパンにサラダ油を敷いて、スライスしたニンニクを入れる

④ 中火でニンニクに焼き色がつくまで炒める

⑤ ニンニクを取り出し、そこに豚肉を入れる

⑥ 豚肉が両面こんがり焼けたら、小松菜、ごま油を入れて強火で炒める

⑦ 小松菜がしんなりしたら、ニンニク、塩、コショウを入れて混ぜる

⑧ 味の調整できたらお皿に盛る

小松菜はカルシウムが豊富な食材であると同時に、カルシウムの吸収を助けるビタミンCも含まれています。また、豚肉との相性もよく、豚肉に含まれるタンパク質にもカルシウムの吸収を助ける働きがあります。

豚肉と小松菜はガーリック炒めだけでなく、オイスターソースやすき煮風にして食べるのもおすすめです。

ししゃもの南蛮漬け

材料(2人分)

・ししゃも・・・6尾

・玉ねぎ・・・2分の1個

・赤ピーマン・・・1個

・黄ピーマン・・・1個

・にんじん・・・3分の1個

・サラダ油・・・大さじ1杯

・だし汁・・・100cc

・砂糖・・・大さじ2杯

・醬油・・・大さじ2杯

・酢・・・100cc

 

作り方

➀ 玉ねぎを薄くスライス、赤ピーマン、黄ピーマン、にんじんを千切りにする

➁ だし汁、砂糖、醬油、酢を混ぜ合わせ、そこに➀を漬ける

③ フライパンにサラダ油を敷いて、ししゃもを焼く

④ 焼いたししゃもを➁に入れて、漬ける

⑤ 1時間ほど漬ければ、お皿に盛り付ける

カルシウムが豊富なししゃもにビタミンCが豊富な赤ピーマン、黄ピーマンを合わせた一品です。南蛮漬けの調味料として使う酢のクエン酸にもカルシウムを吸収を助ける働きがあるため、カルシウムの摂取においては理想的な料理といえます。

さんまの味噌チーズ焼き

材料(2人分)

・さんま・・・2尾

・スライスチーズ・・・2枚

・サラダ油・・・大さじ1杯

・醬油・・・大さじ1杯

・砂糖・・・大さじ1杯

・酒・・・大さじ2杯

・塩・・・少々

・コショウ・・・少々

・パセリ・・・少々

 

作り方

➀ さんまを3枚におろして、半分にカットして塩とコショウを少々まぶす

➁ フライパンにサラダ油を敷いて、さんまを並べて入れる

➂ 中火で片面2分ずつ蒸し焼きにする

④ その間に、醬油、砂糖、酒を混ぜ合わせる

⑤ フライパンに④のタレを入れ、からめた後にスライスチーズをさんまに乗せる

⑥ チーズが溶けたら、お皿に盛り付け、パセリを適量振りかける

サバやいわしと同様に、秋が旬のさんまもカルシウムが豊富な魚です。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含んでいます。さんま単体でも充分ですが、チーズと合わせることでより効率的にカルシウムを摂取できます。

さくらえびと豆腐のチャンプルー

材料(2人分)

・木綿豆腐・・・1丁(300g)

・卵・・・2個

・さくらえび・・・大さじ3杯

・ごま油・・・大さじ1杯

・塩・・・少々

・コショウ・・・少々

 

作り方

➀ 卵を溶く

➁ フライパンにごま油を敷いて、卵、木綿豆腐をくずしながら入れる

➂ 中火である程度炒めたら、さくらえび、塩、コショウを加える

④ お好みで醬油を加えて、まんべんなくかき混ぜたらお皿に盛り付ける

さくらえびはカルシウムが豊富ですが、意外と料理に使うのは難しい食材です。今回紹介したように、炒め物のアクセントとして活用するのがおすすめです。卵は「完全栄養食」と言われているように栄養価が高く、タンパク質をはじめ、ビタミンD、マグネシウムも含まれているので、カルシウムの吸収をサポートする役割も果たしてくれます。

パプリカのグラタン

材料(2人分)

・赤ピーマン・・・1個

・黄ピーマン・・・1個

・玉ねぎ・・・2分の1個

・じゃがいも・・・2個

・鶏むね肉・・・150g

・バター・・・10g

・ホワイトソース・・・1缶

・牛乳・・・50ml

・ピザ用チーズ・・・50g

・パセリ・・・少々

 

作り方

➀ 赤ピーマン、黄ピーマンを半分にカット、玉ねぎをスライスする

➁ 鶏むね肉を一口大にカット

➂ じゃがいもの皮をむき、一口大にカットして、電子レンジで加熱

④ フライパンにバターを敷いて、玉ねぎを炒める

⑤ 玉ねぎが透き通ってきたら鶏むね肉を加えて炒める

⑥ 鶏むね肉に焼き色がついたら、牛乳、ホワイトソースを入れてひと煮立ちさせる

⑦ ⑥にカットした赤ピーマン、黄ピーマンを入れる

⑧ ⑦にチーズを散らして、オーブンで20分程度焼く

⑨ 焼き上がったらパセリを適量振りかける

グラタンは牛乳を使う料理の代表格です。グラタンに赤ピーマンや黄ピーマンを使うのはあまり馴染みがないかもしれませんが、通常の青ピーマンに比べて苦味が抑えられているので、下手に主張することはなく、他の食材ともマッチしてくれます。

いわしとまいたけのトマト煮

材料(2人分)

・いわし(缶詰)・・・1缶

・まいたけ・・・1パック(100g)

・ケチャップ・・・100cc

・水・・・100cc

・パセリ・・・少々

 

作り方

➀ まいたけを一口大にカット

➁ 鍋にケチャップ、水、いわしの缶詰を入れて、カットしたまいたけを入れる

➂ 落し蓋をして、中火で5分程度煮る

④ まいたけがしんなりしたタイミングで火を止める

⑤ お皿に盛り付けて、パセリを適量振りかける

カルシウムが豊富ないわし、ビタミンDが豊富なまいたけをビタミンCが豊富なトマト(ケチャップ)で煮詰める簡単料理です。いわしやサバなどの魚は調理が面倒ですが、缶詰を活用することで、調理の手間を省くことができます。

サーモンシチュー

材料(2人分)

・塩鮭・・・2切れ

・鶏むね肉・・・100g

・ブロッコリー・・・1/2個

・ニンジン・・・1/2個

・たまねぎ・・・1/2個

・まいたけ・・・1パック(100g)

・サラダ油・・・適量

・水・・・200ml

・固形シチュールー・・・20g

・牛乳・・・100ml ※シチュールーの商品による

・塩・・・適量

・コショウ・・・適量

 

作り方

➀ 塩鮭、鶏むね肉、ニンジン、まいたけを一口大、玉ねぎは薄切りにカット

➁ ブロッコリーは塩ゆでにした後、食べやすい大きさにカット

➂ 鍋にサラダ油を入れ、にんじん、たまねぎ、まいたけを中火で炒め、水を加える

④ フライパンにバターを熱し、鮭、鶏むね肉を炒める

⑤ 鍋のアクを取りながら、ニンジンがやわらかくなったタイミングで鮭、鶏むね肉を加え、固形シチュールーを少しずつ溶かしながら入れて、とろみがつくまで煮込む

⑥ ブロッコリー、牛乳を加え、ひと煮立ちさせる。

⑦ お好みでコショウを少々かけて完成

先ほど紹介したグラタンだけでなく、シチューも牛乳を使う料理の代表格です。ビタミンDが豊富な鮭、まいたけ、ビタミンC豊富な緑黄色野菜がカルシウムの吸収をサポートしてくれます。

カルシウムの吸収を助ける付け合わせレシピ3選

ここでは、副菜(または汁物)としてカルシウムの吸収を助ける付け合わせ料理を3つ紹介します。

まいたけとわかめのスープ

材料(2人分)

・まいたけ・・・2分の1パック

・カットわかめ・・・大さじ1杯

・水・・・400cc

・鶏がらスープの素・・・小さじ1杯

・しょうゆ・・・小さじ1杯

・コショウ・・・少々

 

作り方

➀ まいたけを食べやすいように裂いてバラバラにする

➁ 鍋に水を入れて沸騰するまで中火にかけて、まいたけを加える

➂ カットわかめ、鶏がらスープの素、醬油を入れて、ひと煮立ちさせる

④ お椀に移して、お好みでコショウを加える

きのこ類、海藻類はカルシウムの吸収を助けるビタミン、ミネラルが豊富です。付け合わせの汁物に活用しましょう。

ひじきとパプリカ炒め

材料(2人分)

・ひじき(乾燥)・・・15g

・赤ピーマン・・・2分の1個

・黄ピーマン・・・2分の1個

・オリーブオイル・・・小さじ1杯

・醬油・・・小さじ1杯

・塩・・・少々

・コショウ・・・少々

 

作り方

➀ ひじきを水で戻す

➁ 赤ピーマン、黄ピーマンを千切りにする

➂ フライパンにオリーブオイルを敷いて、赤ピーマン、黄ピーマンを入れる

④ 赤ピーマン、黄ピーマンがしんなりとしたらひじきを加える

⑤ 醬油、塩で味を調整したら器に移す

ひじきは単体でもカルシウムが豊富な食材ですが、マグネシウム、ビタミンCも豊富です。赤ピーマン、黄ピーマンなどは一度に全て使い切れないことが多いので、副菜として活用しましょう。

昆布としいたけの佃煮

材料(2人分)

・昆布・・・2枚(約10cm)

・しいたけ・・・5個

・水・・・200cc

・醬油・・・大さじ2杯

・酒・・・大さじ2杯

・みりん・・・大さじ2杯

・砂糖・・・大さじ1杯

 

作り方

➀ 鍋に昆布と水を入れて30分ほどつける(もどす)

➁ 根本を切り落とたしいたけを5mm幅にカット

➂ もどした昆布を取り出して、1cm角にカット

④ 鍋に昆布、しいたけ、醬油、酒、みりん、砂糖を入れて弱火で5分ほど煮る

⑤ 中火で水分が完全に飛ぶまで炒めたら、お皿に盛り付ける

佃煮のように保存のきく料理は忙しい方にはピッタリです。ここでは2人分の材料で紹介していますが、保存することを見越して大量に作り置きするのもいいでしょう。

カルシウムを豊富に摂れるおやつ3選

カルシウムが豊富にとれる料理はおかずだけではありません。

ここではおすすめのおやつを3つ紹介します。

アーモンドケーキ

材料(16センチ型1台)

・アーモンドプードル・・・100g

・薄力粉・・・20g

・スライスアーモンド・・・50g

・無塩バター・・・110g

・砂糖・・・80g

・卵・・・2個

・生クリーム・・・40cc

・ラム酒・・・15cc

 

作り方

➀ 常温にもどしたバター、砂糖をボウルに入れて練り混ぜる

➁ ➀にアーモンドプードルを入れて練り混ぜる

➂ ②に溶いた卵と薄力粉をふるい入れて、練り混ぜる

④ ③に生クリーム、ラム酒を入れて混ぜる

⑤ ④を型に入れて、スライスアーモンドを表面に敷き詰める

⑥ オーブン(160度)で30分程度焼く

⑦ 粗熱がとれたら型から外して、カットしてお皿に盛り付ける

ケーキをはじめ洋菓子は、バター、生クリームなどの乳製品を使うため、和菓子に比べるとカルシウムが多く含まれています。そして、アーモンドはカルシウムだけでなく、マグネシウムを豊富に含んだ食材です。もちろん、単体で食べるのもおすすめですが、今回のようにケーキに活用するのもいいでしょう。

アセロラジュレのヨーグルト

材料(2人分)

・プレーンヨーグルト・・・300cc

・アセロラジュース・・・200cc

・粉ゼラチン・・・5g

・水(お湯)・・・大さじ3杯

・はちみつ(もしくは砂糖)・・・適量

 

作り方

➀ お湯に粉ゼラチンを溶かして、アセロラジュースと混ぜ合わせる

➁ ➀をバッドに入れて冷やし固める

➂ ヨーグルトを器に入れて、はちみつもしくは砂糖でお好みの味に調整する

④ ➂に②のアセロラジュレを乗せて、お好みでミントを添える

アセロラはカルシウムの吸収を助けるビタミンCを最も豊富に含んだ食材のひとつです。

詳しくは「ビタミンCが多い食べ物・飲み物ランキング20選~効率的な取り方~」をご覧ください。

生のアセロラはなかなか食べる機会がありませんが、アセロラジュースならスーパーやコンビニでも購入できます。カルシウム豊富なヨーグルトにアセロラジュレを合わせることで、より効率的にカルシウムを吸収できます。

きな粉の牛乳プリン

材料(2人分)

・牛乳・・・250ml

・砂糖・・・大さじ1杯

・きな粉・・・大さじ3杯

・粉ゼラチン・・・5g

・水・・・100ml

 

作り方

➀ 鍋に水、きな粉、砂糖を入れて火をかける

➁ ➀が煮立ったら、牛乳を入れてかき混ぜる

➂ 粉ゼラチンを入れて、溶かしながらよくかき混ぜ、粗熱をとる

④ 器に流し入れて、冷蔵庫で冷やし固める(2時間程度)

牛乳プリン単体でも十分にカルシウムを摂取できますが、マグネシウムが豊富なきな粉を加えることで、カルシウムの吸収をサポートしてくれます。

調理が面倒な方は、牛乳にきな粉を入れただけのきな粉牛乳でもいいでしょう。

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冒頭でも書きましたが、カルシウムは意識して摂取しないと不足がちになりやすい栄養素です。とくに、成長期のお子さまにとって「カルシウム不足」は成長を妨げる要因となります。

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