身長が遺伝だけで決まらない理由と最大限伸ばすために必要なこと

成長コラム

「親の身長が高いと、子どもの身長も高くなる」というのは定説となっています。もちろん、身長は遺伝が大きく影響するのは事実ですが、それだけではありません。

今回は、身長に与える遺伝の影響度と身長が遺伝だけで決まらない理由をはじめ、身長を伸ばすために心掛けたいポイントについて解説します。

この記事の監修者

大橋成孝
赤坂一ツ木通りクリニック医院長

慶応義塾大学医学部卒業後、循環器内科入局。2019年より赤坂一ツ木通りクリニックの院長に就任。循環器内科を専門とし、一般内科に加えて循環器疾患の診療も行っている。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません

身長における遺伝の影響度は何%??

身長における遺伝の影響度は諸説あり、おおよそ6割〜9割というのが大方の意見(研究結果)です。身長が遺伝するというのは疑いようのない事実ですが、どのくらい影響するのかまでは明確には分からないのです。

親の身長から子どもの最終身長を計算する方法

子どもの最終身長を算出する方法として、以下の計算式は有名です。

男の子=(父親の身長+母親の身長+13)/2

女の子=(父親の身長+母親の身長−13)/2

一昔前までは、上記に+2cmしたのが子どもの最終身長とされていました。しかし、それは戦後など栄養環境が十分でなかった世代を起点にして、1世代ごとに平均身長が約2cm伸びていたからです。現代の日本の平均身長は横ばいである(若干下がっている)ため、+2cmは必要ありません。

そして、あくまでもこの計算式は目安です。
実際、両親の身長よりも著しく高い、もしくは低い方もいるでしょう。

最終身長を予測する方法については「最終身長があと何センチ伸びるのかを予測する3つの方法 」で詳しく解説しています。

身長は父親と母親のどっちの遺伝が強いのか

「身長は母親に似る」と聞いたことはありませんか?

これは、胎児の時期に母親から受ける影響がその後にも影響するということに端を発しています。実際、プロ野球のスカウトの中には、母親の体型をみてその後の成長を予測する人もいると言われています。

また、「男の子は母親、女の子は父親に似る」と言われることもあります。

しかし、これらに科学的根拠はありません。いわゆる“流説”と考えて問題ありません。基本的に、子どもの身長は父親と母親の影響を均等に受けると考えるのが自然です。

身長が遺伝だけで決まらない理由

繰り返しますが、身長は遺伝の影響を大きく受けますが、それだけではありません。
遺伝以外の要素で大きく影響を与えるのは、生活環境(食事、睡眠、ストレスなど)です。

双子でも育った環境で最終身長は変わる

一卵性双生児の2人が家庭の事情で別々に育った結果、身長が変わるケースがあります。また、同じ家庭で育ったとしても身長は全く同じにはならないケースも珍しくありません。

大阪大学の早川和生教授が生活習慣と遺伝に関する研究を行った結果、遺伝因子が同一である成人の一卵性双生児について、異なった環境で生活した場合の老化現象に差異があることが報告されています。
参考:KAKEN「高齢一卵性双子1220組の老化遺伝子発現差からみた健康寿命決定分子機構の解明

上の研究は老化に関するものですが、ライフスタイルが人の成長に大きく影響する証左といえるでしょう。

世界一身長が高い国「オランダ」は食文化、睡眠時間が影響している?

比較的身長が高い欧米人の中でも、オランダ人は特に身長が高いことで有名です。平均身長は男性184cm、女性170cmで、日本人の平均身長よりも10㎝以上高いです。

オランダ人の身長が高いのは遺伝的要素もありますが、食文化も影響していると考えられています。オランダは酪農大国として知られているように、チーズや牛乳などの乳製品の消費量の多さは世界屈指です。

日本でも「牛乳を飲めば身長が伸びる」なんて言われますが、乳製品は体の成長に欠かせないタンパク質、ビタミン、カルシウムが豊富に含まれています。

また、オランダ人は睡眠時間が長い国としても知られ、平均睡眠時間は7時間28分で世界3位※、日本よりも約1時間も長いことになります。ちなみに、睡眠時間が最も多いベルギーの男性の平均身長はオランダに次いで世界2位。睡眠時間の長さが身長に好影響を与えていることがうかがい知れます。

※参考:PR TODAY「2021年世界睡眠ホワイトペーパー【完全版】」

身長を最大限伸ばすために押さえたいポイント

子どもの最終身長の目安は、「(父親の身長+母親の身長±13)÷2」で計算することができますが、生活習慣が影響することを考慮すると、「(父親の身長+母親の身長±13)÷2+α」と考えることができます。

この+αに関わるのが、食事、睡眠、運動です。それぞれのポイントについて解説しましょう。

食事のポイント

「牛乳を飲めば背が伸びる」はウソ

牛乳に豊富に含まれるカルシウムには、骨を丈夫にする効果がありますが、骨を伸ばす働きはありません。牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が少ないお子さまもいるため、場合によってはお腹を壊したり、他の食べ物を摂れなくなるケースも考えられます。

身長を伸ばす食べ物について詳しくは「身長を伸ばす食べ物って本当にあるの? 注意すべきは食べ方だった? 」で解説しています。

背を伸ばすためにはタンパク質が最も大事

「骨を伸ばす」という観点で言うと、骨を作る材料となるタンパク質を摂ることが重要です。先述したオランダでは、1日に平均100g以上のタンパク質を摂取していると言われています。

ただ、タンパク質を沢山摂ればよいというものではなく、カルシウムやビタミンなど様々な栄養素をバランスよく摂取することが最も重要です。おすすめは以下の食材です。

小魚 タンパク質、カルシウムが豊富なだけでなく、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含まれる
大豆製品 タンパク質のほかに成長ホルモンの分泌や筋肉組織を補強する「アルギニン」が豊富に含まれる

脂質の摂りすぎには注意

脂質は成長に欠かせない栄養素ではあるものの、脂質を摂りすぎると肝臓に負担をかけて、その分解にエネルギーを使うため、成長ホルモンの分泌が抑えられてしまいます。食事においては脂質過多にならないように注意しなければいけません。

おやつもスナック菓子やドーナツなどの油を使ったものではなく、小魚やナッツなど栄養価の高いものがおすすめです。

成長期の献立については「成長期の食事メニューの考え方&一日の献立例【医師監修】 」で詳しく解説しています。

睡眠のポイント

睡眠は最低でも9時間以上とる

最低でも9時間以上というのは多いように感じる方もいるかもしれませんが、理想の睡眠時間は小学生なら10時間以上、中高生でも9時間以上と言われています。

朝7時に起床すると想定すると、遅くとも22時には寝る習慣をつけるようにしましょう。

食事は20時までに終わらせるのが理想

また、22時に寝るためには20時までには食事を終わらせておくのがベスト。というのも、血糖値が高い状態だと入眠しにくく、食後に上昇した血糖値が平常に戻るには2時間くらいかかるからです。

中高生になると、部活や塾などで帰宅が遅くなることが増えますが、その場合は間食をして、夕食後の血糖値の急上昇を抑えるように工夫しましょう。

温度・湿度の調節も抜かりなく

質の高い睡眠をとるためには就寝環境を整えることは重要ですが、なかでも寝室の温度と湿度の調節には細心の注意を払うようにしましょう。成長ホルモンが分泌されると体は暑くなるので、夏場は温度調整だけでなく、除湿も有効です。

成長期における睡眠については「日本の子は世界一「睡眠不足」!子どもを眠りへ導く"入眠ワザ"とは? 」で詳しく解説しています。

運動のポイント

食事、睡眠と比べると軽視されがちですが、運動は成長ホルモンの分泌を活発にすると言われます。なにより、怪我や病気に強い体作りのために欠かせません。

全身運動がおすすめ

運動は成長ホルモンの分泌を活発するだけでなく、骨が刺激されるという側面があります。骨が刺激されることで、軟骨部分に栄養行き渡り、成長を促してくれるのです。

そして、運動は水泳、ジョギング、縄跳びなど全身を使う運動がおすすめです。適度な疲労感が得られるので、食欲の増進、質の高い睡眠につながります。

筋トレや激しいトレーニングは中高生以降でいい

小学生の時点で筋力は50%程度しか成長していないと言われます。また、呼吸循環器系の発達も中学生以降なので、小学生時点ではこれらを鍛えるトレーニングはほどほどにするのがよいでしょう。

また、中高生以降は部活で激しいトレーニングを強いられることもありますが、無理に運動し過ぎると怪我のリスク、膝や腰に障害を及ぼす危険があります。適度に疲労感を得られる運動量を心掛けましょう。

ストレスを軽減してあげることも大事

ストレスが身長の成長に悪影響を及ぼすケースもあります。個人差はあるものの、子どもは入園、入学、進学と生活環境が目まぐるしく変わるため、親が思っているよりもストレスを感じやすいものです。

子どものストレスサインを感じとるためには、日々のコミュニケーションをしっかりとることを心掛け、ストレスを感じているようであれば、その原因を突き詰めて、解消してあげましょう。

「身長が遺伝しなかったらどうしよう」と心配な親御さんへ

自分と夫(または妻)の身長が高いにも関わらず、子どもの身長が低くて心配な親御さんもいるでしょう。

子どもの成長期にはバラつきがある

一般的に男の子は13歳、女の子は11歳からが著しく身長が伸びる時期(成長期スパート)ですが、高校生で成長期スパートを迎えることも珍しくありません。

お子さまの身長に不安を感じていたとしても、成長期がまだきていないだけの可能性が大いにあるのです。

成長スパートについては「【医師監修】身長が伸びる時期=成長スパートとは?親が子どものためにできること 」で詳しく解説しています。

ちなみに、親の成長期が遅いと、子どもの成長期も遅い可能性があります。そして、いわゆる“晩熟型”の子どもの方が最終身長は大きくなりやすいとも言われています。

晩熟型の特徴については「【医師監修】成長期は遅いほうがいいって本当?晩熟型の特徴とメリット 」で詳しく解説しています。

気長に成長を見守ることも大事

親が子どもの身長についてあれこれ悩んだところで、すぐに解決するものではありません。

現在小学生、中学生のお子さまをお持ちの親御さんは、先述した食事、睡眠、運動のサポートに徹して、気長に成長を見守ってあげましょう。

成長に必要な栄養素がたっぷり摂れる「レベルアップ」

成長サポート飲料「レベルアップ」は1日1杯牛乳に混ぜるだけで、成長期に必要な25種類の栄養素を摂取できます。

成長期の食事だけでなく睡眠もサポート

また、レベルアップに含まれるカルシウム、マグネシウム、GABAは身長を伸ばすために欠かせない栄養素であるだけでなく、リラックス効果を高める効果もあるため、睡眠にも効果的です。

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