【医師監修】お腹の脂肪を落とす方法~脂肪タイプ&原因チェックリスト~

「太ったなぁ」と実感する瞬間は様々ですが、なかでもお腹周りに脂肪がついたのを実感するときはその代表例といえます。

ただ、一口に「お腹の脂肪」といってもその中身は内臓脂肪と皮下脂肪に分かれるのをご存知でしょうか。また、お腹に脂肪がついてしまう原因も人によって様々です。

そこで今回はお腹の脂肪をテーマに、お腹に脂肪がついてしまう原因やお腹の脂肪を落とす方法について解説します。あなたのお腹の脂肪のタイプ、原因を特定するためのチェックリストも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

中島 由美

Crystal 医科歯科 Clinic International 内科院長

金沢医科大学医学部卒。金沢医科大学病院にて小児科・内科専攻。日本各地の病院で内科、皮膚科を担当。美容クリニック院長を経て、2018年8月にCrystal 医科歯科 Clinic International 内に内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設。現在内科院長として、テレビやラジオ出演、Webメディアの記事編集を行っている。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

お腹の脂肪は「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類ある

冒頭でも説明しましたが、お腹の脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類があります。

内臓脂肪とは

内臓脂肪とは、内臓のまわりに蓄積した脂肪のことです。内臓脂肪が多い人の特徴はお腹だけがポッコリしており、いわゆる「リンゴ型体形」ともいわれます。

皮下脂肪とは

皮下脂肪とは、皮膚の下に蓄積した脂肪のことです。皮下脂肪が多い人の特徴は、お腹だけでなく、おしりや太ももなど下半身に脂肪がついており、いわゆる「洋ナシ形体型」ともいわれます。

内臓脂肪・皮下脂肪がつくメカニズム

人間の体は、食事で摂取したエネルギーが必要以上になると、血液中の中性脂肪として一時的に存在します。中性脂肪は体を動かすためのエネルギー源となりますが、消費されずに余ってしまうと、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されるのです。

内臓脂肪や皮下脂肪について詳しくは「【医師監修】皮下脂肪・内臓脂肪とは?中性脂肪が原因⁉効果的な減らし方とは?」で解説しています。

お腹に脂肪がつく原因

では、なぜお腹周りに内臓脂肪や皮下脂肪が蓄積されてしまうのでしょうか。その原因は大きく4つあります。

①基礎代謝の低下

まず挙げられるのが加齢による基礎代謝の低下です。基礎代謝とは、心拍や呼吸など生命を維持するために最低限必要とされるエネルギー量のことです。基礎代謝は筋肉量に比例しますが、年齢を重ねると筋肉が少なくなるため、基礎代謝が低下しやすくなり、太りやすい体になります。

⓶運動不足

2つ目が運動不足です。先ほどの基礎代謝の低下にも通じることですが、ダイエットの原則は消費カロリー>摂取カロリーを維持することです。運動不足や基礎代謝が低下すると、消費カロリーが少なくなるので、結果として太りやすくなります。

③悪い姿勢

3つ目が悪い姿勢です。猫背や反り腰などの悪い姿勢はお腹周りの筋肉の衰えにつながり、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。また、筋肉の衰えによって内臓が本来の位置より下がってしまうため、お腹周りについた脂肪以上に、見た目はポッコリお腹になってしまいます。

④生活習慣の乱れ

最後が生活習慣の乱れです。栄養バランスの偏った食事や過食、飲み過ぎは、脂肪が蓄積される大きな原因となります。また、睡眠不足は、食欲を抑えるホルモンであるレプチンを減少させ、一方で食欲を増進させるホルモンのグレリンの分泌を増加させます。そのため、食事をしても満腹感を得にくくなり、過食に陥りやすくなるのです。

お腹の脂肪タイプ&原因チェックリスト

ここまで、お腹の脂肪の種類(内臓脂肪と皮下脂肪)と原因について解説してきました。

ここでは、自分のお腹の脂肪のタイプ(内臓脂肪型or皮下脂肪型)および原因を特定するためのチェックリストを用意しました。あくまでも参考ですが、ぜひご活用ください。

お腹の脂肪を落とす方法

それでは、お腹の脂肪を落とす方法について解説します。

トレーニング

お腹の脂肪を落とすためのトレーニングは、有酸素運動と腹筋を組み合わせるのがおすすめです。腹筋はお腹を引き締める効果はもちろんのこと、その後に有酸素運動をすることで脂肪燃焼がスムーズになる効果を期待できます。

有酸素運動には以下のようなメニューがあります。

・ウォーキング(ランニング)

・自転車(エアロバイク)

・踏み台昇降

・スイミング

・ヨガ

トレーニングはいきなり負荷の大きいものではなく、体力や筋力に応じた軽い運動から始めることが大事です。重い負荷のトレーニングはケガのリスクが高まるだけでなく、継続するモチベーションも失いやすくなります。軽い負荷のトレーニングから徐々に負荷を上げていきましょう。

内臓脂肪を減らすための運動については「【医師監修】内臓脂肪を減らす方法~食事・運動・生活習慣の見直しを~」で詳しく解説しています。

骨盤のゆがみを治す

悪い姿勢はポッコリお腹の原因の一つですが、骨盤のゆがみは姿勢の悪さに直結しています。そのため、正しい姿勢を保つためには、まず骨盤のゆがみを治すことが重要です。

骨盤のゆがみを治すのにおすすめなのがストレッチであり、そのなかでも「猫のポーズ」は背筋を伸ばしながら骨盤周りの筋肉をほぐすのに効果的です。

猫のポーズ

やり方

①    四つん這いになる

②    息を吸いながら上をみて腰を反らせる

③    息を吸いながら背中をまるめる

④    これを4〜5セット繰り返す

また、背骨を伸ばすストレッチとしては「ダウンドッグ」も効果的です。

ダウンドッグ

やり方

①    両手両足を床につけて、身体全体で三角形を作る

②    息を吐きながら、顔と上半身を足に向けて近づける

③    お尻が上がったら、手と足でしっかり床を押す

④    そこで深く呼吸をする

⑤    持ち上げたら戻す

⑥    これを2~3セット繰り返す

食生活の改善

お腹周りの脂肪を解消するためには、トレーニングやストレッチだけでなく食生活の改善が欠かせません。

食生活において気を付けるべきことは以下の4つです。

・食物繊維を意識的に摂取する

・タンパク質を多く摂取する

・糖質、脂質の多い食事を控える

・1日3食規則正しい時間に食べる

食物繊維は、消化を助け、満腹感を長く持続させるため、意識的に摂取することで食べ過ぎの防止につながります。また、血糖値の急上昇を抑える効果もあります。

食物繊維が豊富な食べ物については「食物繊維が多い食べ物ランキング!手軽&効率的に摂取する方法とは」でくわしく解説しています。

また、タンパク質は基礎代謝に関わる筋肉量を維持するために欠かせません。食べ過ぎは禁物ですが、適切な量を摂取することで、筋肉の分解を防ぎ、ダイエット中でも効率的に脂肪を燃焼させることができます。

食物繊維やタンパク質は積極的に摂取してもいい一方で、糖質や脂質はできるだけ控えるのがダイエットの基本です。ただし、極端な制限は逆効果となることがあるため、適度なバランスを意識しましょう。

糖質制限ダイエットと脂質制限ダイエットについては「【医師監修】糖質制限と脂質制限はどちらが効果的?両方同時でもいい?」でくわしく解説しています。

なお、食べる内容だけでなく、時間も重要です。規則正しい時間に食事をとることは、体内のリズムを整え、過食を防ぐことにつながります。また、3食きちんと食べることで空腹を感じにくくなり、余計な間食を減らす効果も期待できます。

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