男性のネイルケア入門〜道具選びから第一印象を格上げするセルフルーティンまで〜

ネイルケア=女性が行うものというイメージがあるかもしれませんが、近年ではビジネスシーンやプライベートでの清潔感を重視する男性が増え、身だしなみの一環としてネイルケアへの関心が高まっています。

ネイルケアは見た目を整えるだけでなく、爪周りの乾燥やささくれを防ぎ、指先のトラブルを未然に防いでくれるため、健康面にも大きなメリットがあります。しかし、爪の正しいケア方法について知らない男性はまだまだ多いでしょう。

そこで今回は、男性のネイルケア方法やお手入れに必要な道具について解説します。

この記事の監修者

稲葉 岳也
いなばクリニック 医院長

東京慈恵会医科大学卒業後、千葉大学大学院にて医学博士を取得。東京慈恵会医科大学附属病院、聖路加国際病院を経て、2004年にいなばクリニックを開業。皮膚科・形成外科領域のレーザー治療およびアレルギー疾患の総合的治療を専門としている。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

男性がネイルケアを行う4つのメリット

男性は女性と比べてネイルケアへの関心が低いですが、ネイルケアを行う男性ならではともいえるメリットも存在します。

ビジネスシーンでの手元の第一印象をアップさせられる

ビジネスシーン、とくに名刺交換や握手、プレゼンでの指差しシーンなどでは指先を見られることが多いです。とくに爪に装飾をすることが基本的にない男性にとっては、爪が「清潔感」や「几帳面さ」を伝えるパーツとなります。

逆に、爪の表面が曇っていたり長さが不揃いだったりすると、「清潔感がない」「自己管理が甘い」「細部に気が回らない」というマイナス評価になることがあるでしょう。

細菌・外傷リスクを抑えて健康トラブルを防げる

爪の下には1 cm²あたり平均1万個の細菌が潜むと言われています。とくに男性は皮脂分泌量が女性の約1.5倍も多いため、指先に皮脂と汗が混ざると黄色ブドウ球菌などが増えやすく、ささくれや蜂窩織炎などの感染症になる傾向が高いです。

スポーツや趣味でのパフォーマンス向上

男性に人気のゴルフやテニス、格闘技など、グリップを多用するスポーツでは爪が割れるとパフォーマンスに影響が出るだけでなく、思わぬケガにもつながります。

また、ギターやベースといった楽器演奏では、弦との摩擦で二枚爪が起こりやすくなり、演奏中に痛みや引っかかりを感じることも少なくありません。趣味を思う存分楽しむためにも、日頃の爪のケアは非常に重要です。

自己肯定感が向上する

男性は美容への投資が女性よりも少ない傾向にありますが、だからこそ手元を整えるケアは他人と差をつけられるポイントとなります。

心理学的にも、外見を整える小さな成功体験は「自己効力感」を高めることが知られています。朝のルーティンに「爪チェック」を取り入れることで、出社前にひとつのタスクをクリアしたという達成感を得られ、一日のスタートをより軽快に切ることができるでしょう。

男性に多い爪トラブル

それでは、男性に多い爪のトラブルをみていきましょう。

① 巻き爪

男性は角質が厚く、爪の主成分であるケラチンの硬度が高いため、靴の中で指先が圧迫されると爪が巻き込み、肥厚化しやすくなります。とくに先が細いビジネスシューズや安全靴を履いている方は、爪が湾曲して巻き爪になりがちです。

② 二枚爪

一般的に二枚爪自体は男性よりも女性に多い症状とされています。しかし、建設業や製造業など男性が多い現場職では重機や工具の使用に伴って洗剤での手洗いを頻繫に行うため、爪を構成するケラチン層が過度に乾燥し、表面が剥がれて上下に分かれて二枚爪になる方が多いです。

また、現場職にありがちなコンビニ中心の偏った食生活では、爪の主成分であるケラチンを生成するために不可欠なタンパク質やビオチン、亜鉛といった栄養素が不足しがちで、爪がもろく割れやすい状態になっている方が少なくありません。

爪に必要な栄養素については「爪が割れるのは栄養不足が原因!?必要な栄養素とおすすめレシピを紹介」で詳しく解説しています。

③ 爪白癬

温泉やスポーツジムでの共有スリッパやマットには、皮膚糸状菌(いわゆるカビ)が付着していることが少なくありません。とくにサウナやジムを日常的に利用する男性は、共用のスリッパを介してこうした菌を取り込みやすく、さらに皮脂分泌量も多いため、靴の内で菌が急速に繁殖し、爪白癬に感染することがよくあります。

④ 爪下血腫・黒爪

男性は一般的に女性よりも平均体重が約10 kg近く重いため、その分ランニングやサッカーなど走行・キック動作時に爪先へ加わる衝撃も大きくなりがちです。靴の中で指先が継続的につま先部分にぶつかると、爪の下に出血がたまる「爪下血腫」が起こり、黒く変色することがあります。

爪下血腫は小さな出血でも強い圧痛を伴うことがあり、痛みがひどい場合や日常生活に支障をきたします。

基本のメンズネイルケア道具5選【サイズ・番手まで解説】

男性にとってもネイルケアが大事とはいえ、爪のケア道具といえば爪切りくらいしか思い浮かばない方も少なくないでしょう。しかし、適切な爪のケアを行うためにはいくつかの専用アイテムを揃える必要があります。

ここでは、本格的にネイルケアを実施するために、押さえておきたいネイルケア道具を5つ、選び方やメンテナンスのポイントを含めて紹介します。

ニッパー型爪切り

ニッパー型の爪切りは、通常の爪切りに比べて切れ味がよく、少ない力で切れるので爪への負担が少ないのが特長です。ニッパー型の爪切りには様々な種類がありますが、ステンレス鋼素材のものは硬度が高いため、男性の分厚い爪でも“つぶれ”が少ないのでおすすめです。

また、刃の形状は直刃、湾曲刃、凸刃があり、使い勝手がよいものがベストですが、一般的に爪の形状をスクエアオフにするなら直刃、ラウンド型にするなら湾曲刃が適しています

なお、ニッパー型の爪切りは特別なメンテナンスは必要ありませんが、使用後は乾いた布で汚れや水分を拭き取り、定期的に防錆油を塗布して錆を防止しましょう。

エメリーボード

エメリーボードとは、爪の長さ調整したり、断面処理をしたりするための爪やすりであり、表面の粗さは100〜250G程度が一般的です。市販品の多くは片面が150G、もう片面が250Gといった両面タイプのものとなっており、150Gの面で長さを調整し、250Gの面で断面処理を行うといった使い方をします。

選び方としては、使用頻度や目的に応じて素材と形状を使い分けるのがポイントです。使い捨てできて手頃な価格の紙製は、定期的に交換して衛生面を重視する方に適しています。一方、プラスチック製はしなりが良く折れにくくて耐久性に優れるため、ケアの頻度が高い方にとってはコストパフォーマンスに優れます。

また形状は直線型やアーチ型、先細り型のほか、指先のカーブに沿いやすいカーブ型など多彩なバリエーションがあるため、自分の爪や手の大きさに自然にフィットするものを選ぶといいでしょう。

シャイナー

シャイナーは、エメリーボードと同じ爪やすりですが、さらに細かい研磨面を持ち、爪表面の微小な凹凸をならして光沢を出すために使用します。タイプとしては、荒らし用の1000 G前後と光沢用3000〜4000 Gを組み合わせた2面式と、600 G・1500 G・3000 G超の3面式の2種類に分かれます。

3面式は仕上がりがよりピカピカで綺麗になりますが、基本的なセルフケアであれば2面式のもので十分です。

キューティクルリムーバー

キューティクルリムーバーとは、爪の甘皮(キューティクル)を処理するために使用するジェル状または液体の製品です。キューティクルリムーバーを爪の根元に塗布することで、硬くなった甘皮が柔らかくなって浮き上がり、拭き取るだけで簡単に除去できるようになります。

キューティクルリムーバーには液だれしにくいジェルタイプと、細部まで浸透してくれる液体タイプがありますが、好みに合わせて選ぶとよいでしょう。また、敏感肌の方にはアルカリ成分が低いものや、保湿成分配合で乾燥を防いでくれるタイプがおすすめです。

なお、甘皮処理には爪と皮膚の境目に残る甘皮を押し上げるプッシャーという道具もあるので、気になる方は検討してください。

ネイルオイル&ハンドクリーム

ネイルケアには日常的な保湿ケアが欠かせません。ネイルオイルは爪周り、ハンドクリームは手全体の乾燥を防ぐために使用するものですが、両方使用することで指先から手全体までムラなく乾燥を防ぐことができます。

ネイルオイルはサラッと浸透しやすい植物性オイル(ホホバ、アルガン、スイートアーモンドなど)配合のものが、ベタつきも少なく使いやすくおすすめです。

ハンドクリームは「セラミド」や「ヒアルロン酸」など保湿持続成分が入ったものは手洗いでは落ちにくいため塗り直しの頻度が少なくなりますが、ベタつきが気になる方はジェルタイプや乳液タイプのライトなテクスチャーを選ぶといいでしょう。

初心者〜上級者別セルフケアルーティン

これまでネイルケアに馴染みのなかった男性は何から始めればいいかわからないという方が多いでしょう。

ここでは、初級者と上級者それぞれのレベルに合わせたセルフケアルーティンを紹介します。

初心者 (週1回・約6分)

これから初めてネイルケアをするという男性であれば、週に1回の頻度で以下のケアを実施するのがおすすすめです。

  • シャワー後に爪を切る(1 分)
  • エメリーボード150Gで長さを整える(2 分)
  • シャイナー1000Gで表面を軽く均す(1 分)
  • ネイルオイル1滴→ハンドクリームで封じ込め(2 分)

 

これまでネイルケアをしてこなかった男性であっても、爪切りは週に1回くらいの頻度でしているでしょう。これからはそこにプラスして、エメリーボードで長さを揃えて、シャイナーで爪の表面を綺麗にし、最後にネイルオイル&ハンドクリームで保湿しましょう。

なお、エメリーボードとシャイナーは一方向に動かすようにしましょう。往復させると爪が傷んでしまう可能性があります。

また、爪を切る際は、切りっぱなしのままにせず、エメリーボード(250G)で断面を処理すると仕上がりが美しくなります。爪の形は「スクエアオフ」と呼ばれる、先端に直線的な角を残した四角形が理想です。爪の中央からカットし、左右対称になるようにエメリーボード(250G)で形を整えましょう。

上級者 (月に2回・約5分)

続いて、上級者は前述した初級者のケアにプラスして、2週間に1回くらいの頻度で以下のケアを実施するのがおすすすめです。

  • キューティクルリムーバー塗布(30 秒)
  • 甘皮を押し上げて不要な角質を除去(5 分)
  • シャイナー2面(600G→1000G)でツヤ出し(3 分)
  • ネイルオイル1滴→ハンドクリームで封じ込め(2 分)

 

2週間に1度の頻度で実施するネイルケアでは、甘皮を処理します。甘皮処理を効率よく行うためにキューティクルリムーバーを塗布して30秒ほど放置。このとき、液が爪の根元にしっかり行き渡るように、細いチップや綿棒で甘皮全体にムラなく塗るのがコツです。放置時間は長すぎると余分に皮膚をふやかしすぎる恐れがあるため、長くても1分程度を目安にしましょう。

甘皮を押し上げる際に力を入れすぎると皮膚を傷つけたり炎症を起こしたりするので、あくまで「優しく当ててそっと押す」ことを心がけてください。

甘皮処理が終わったら、シャイナーの荒らし面(600G)からツヤ出し面(1000G)と2面式シャイナーを使って約3分間バッフィング(爪を磨くこと)し、オイルとハンドクリームで保湿しましょう。

正しいネイルケアの方法については「【医師監修】正しい爪のケア方法〜健康的で美しい爪の条件とは?〜」で詳しく解説しています。

男性のネイルケアに関するよくある質問

最後に、男性のネイルケアでよくある質問にお答えします。

爪切りの適切な頻度はどれくらいですか?

A. 手の爪であれば7~10日に1回、足の爪は3~4週間に1回程度が目安です。

手の爪は1日あたり約0.1mmほど伸びると言われており、1週間放っておくと先端が引っかかりやすくなるため、このくらいの間隔で整えると清潔感と快適さを両立できます。足の爪は伸びる早さが手に比べると遅いですが、伸びすぎると靴と爪先が擦れて痛みや深爪を招きやすいため、あまり間隔を空けすぎず、少なくとも月に1回は切るようにしましょう。

ネイルサロンは女性客ばかりで通いづらくないですか?

A. 最近はメンズ専用枠を設けているサロンが増加しています。

男性だとネイルサロンに通うことに抵抗感がある方もいるかもしれませんが、最近はメンズ専用枠を設けているサロンや完全個室のサロンも増えています。ネイルサロンでは、スタッフが道具の使い方を教えてくれるのでセルフケアの質も上がることでしょう。

男性のネイルケアに

ビタブリッド ネイルシールドプレミアム

「ビタブリッド ネイルシールドプレミアム」は、ネイルケア専門ブランドTITANAIL(チタネイル)監修のもとに開発した、傷んだ爪の表面を瞬時に補修するネイルケア補修液です。

ケラチンの生成を補助するヘマチンを高濃度で配合しているほか、爪の内部結合を強化するプレックス成分(ジカルボン酸×コハク酸)を配合することで、弾力のあるしなやかで強い爪に導きます。

爪の乾燥や縦線が気になる方、変色が気になる方、爪が割れしまった(または割れやすい)方はぜひご検討ください。

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