【年齢別】ベストな睡眠時間とは? 長すぎても短すぎてもダメな理由

日本は世界の中でも睡眠時間が短い国として知られています。

睡眠不足が健康や美容に悪影響を及ぼすのは周知の事実ですが、「適切な睡眠時間」には個人差があります。

今回は睡眠時間をテーマに、睡眠不足のリスクをはじめ、理想の睡眠時間の考え方や睡眠不足を解消するポイントについて解説します。

この記事の監修者

 

佐藤 留美

藤崎メディカルクリニック 副院長

現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック 副院長に就任。
医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨している訳ではございません。

睡眠時間は長くても短くてもダメ

睡眠時間に関しては、睡眠不足による健康リスクを指摘されることが多いですが、実は長ければいいというものでもありません。

睡眠時間が短いことのリスク

慢性的な睡眠不足は、以下のようなリスクがあります。

・慢性的な疲労感

・認知機能の低下

・うつ、不安感の増大

・肌の不調

・体の成長の鈍化

慢性的な疲労感

睡眠不足は言い換えると、「十分に休息を取れていない状態」です。睡眠時は脳や体が休息しているわけですから、その時間が短いと疲労感、倦怠感につながります。

また、疲労感があると日中の活動量が少なくなってしまうので、夜は寝つきにくいという悪循環に陥っている方も少なくないでしょう。

認知機能の低下

疲労感があると、思考力や記憶力、判断力、感情の制御といった能力が低下します。睡眠時間が短い日が続くと、体はその状態に慣れてしまうので自覚が薄れてしまい、知らないうちに日中のパフォーマンスが下がっていることも珍しくありません。

不安感の増大、うつ病の発症

睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、その結果、不安感が生またり、うつ病を発症する可能性があります。睡眠中に目が覚めてしまうケースも少なくないため、さらなる睡眠不足を招いてしまいます。

規則正しい生活を心掛けて、十分に睡眠を取ることが一番の改善策ですが、うつ病が疑われる場合は早期に専門医に相談しましょう。

肌の不調

「睡眠不足は肌の天敵」といわれることもありますが、まさにその通りです。

皮膚を修復したり、新陳代謝を活性化させる働きがある成長ホルモンは睡眠中に最も分泌されます。睡眠時間が短いと、成長ホルモンが十分に分泌されないので、肌のターンオーバーが正常に行われず、肌荒れや肌トーンの悪化につながるのです。

肌のターンオーバーについては「肌のターンオーバーを促進させる方法~促進され過ぎるデメリットも解説~」で詳しく解説しています。

体の成長が鈍化する

「寝る子は育つ」といわれますが、子どもの身長を伸ばす上で、骨や筋肉を増やす働きがある成長ホルモンは欠かせません。どれだけ栄養をとり、運動をしたとしても十分に睡眠をとらないと成長ホルモンの分泌は少なくなるので、体の成長は鈍化してしまいます。

子どもの身長と睡眠の関係については「日本の子は世界一「睡眠不足」!子どもを眠りへ導く”入眠ワザ”とは?」で詳しく解説しています。

睡眠時間が長いからといって健康になるわけではない

睡眠時間が短いとさまざまなリスクがあるわけですが、前述したように睡眠時間は長ければいいというものでもありません。

アメリカで実施された、死亡率と睡眠時間の関係についての調査によると、1日の睡眠時間が約7時間(6.5時間以上7.5時間未満)の人たちが最も死亡率が低いということがわかったのです

※参考:NIH(アメリカ国立衛生研究所)「睡眠時間と不眠症に関連する死亡率

また、国立がん研究センターが公表しているデータでも睡眠時間が7時間よりも長いグループは死亡リスクが増加することが示されています。ただ、長時間睡眠のグループはすでに病気を持っている人が多いことは考慮しなければならなりません。

※参考:国立研究開発法人 国立がん研究センター「睡眠時間と死亡リスクとの関連について

ともあれ、長時間睡眠=健康というのは大きな間違いであり、 “適度”な睡眠時間が理想だといえます。

必要睡眠時間と適正睡眠時間

適度な睡眠時間を目指す上で覚えておきたいのが「必要睡眠時間」と「適正睡眠時間」という考え方です。

必要睡眠時間・・・生きていく上で最低限必要な睡眠時間

適正睡眠時間・・・基礎代謝以外の活動で生じた疲労を回復するために必要な睡眠時間

睡眠時間は「必要睡眠時間」+「適正睡眠時間」となるわけですが、必要睡眠時間は体質も大きく関係していると言われています。

つまり、その人にとっての適度な睡眠時間は体質、ひいては遺伝的要素が大きいのです。

日本人の平均睡眠時間

※OECD「Gender Data Portal 2021

日本人は世界的にみても睡眠時間が短いといわれますが、OECD(経済協力開発機構)が2021年に調査した結果によると、日本の平均睡眠時間はOECD加盟国中最短の平均7時間22分でした。

また、総務省が公表している結果によると、10歳以上の日本人における睡眠時間は平均7時間54分というデータもあります。

※参考:総務省「令和3年社会生活基本調査」

なお、次章で詳しく解説しますが、年代別でみると40代・50代が最も睡眠時間が短い傾向にあります。

【年齢別】理想の睡眠時間とは?

睡眠時間は長すぎても短すぎても良くないわけですが、明確に○時間が理想と定義することもできません。何より、理想の睡眠時間は年齢によっても変わってきます。

アメリカ国立睡眠財団が発表した年齢別の適切な睡眠時間は以下の通りです。

新生児(0~3ヶ月):14〜17時間

乳幼児(4~11ヶ月):12〜15時間

幼児(1~2歳): 11〜14時間

未就学児童(3~5歳):10〜13時間

学齢児童(6~13歳):9〜11時間

10代(14~17歳): 8〜10時間

若年成人(18~25歳):7〜9時間

成人(26~64歳):7〜9時間

高齢者(65歳以上):7〜8時間

参考:NIH(アメリカ国立衛生研究所)「National Sleep Foundationの睡眠時間に関する推奨事項: 方法論と結果の概要

幼少期はともあれ、成人以降も7〜9時間程度の睡眠時間が適切とされているのです。しかし、成人以降で8時間以上も睡眠をとっている方は少数派ではないでしょうか。

厚生労働省が調査した結果では、年齢別の平均睡眠時間は以下のようになっています。

〜10歳:8〜9時間

15~24歳:約7~8時間

25~49歳:約6~7時間

50~65歳:約6時間

※参考:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告

この調査の結果では睡眠時間が6時間未満の方も多く、その割合は30代~50代の「働き盛り世代」で最も多くなっています。

ちなみに、別の調査では都市部に住んでいる人ほど睡眠時間は短い傾向にあることがわかっています。

※参考:総務省統計局「平成23年社会生活基本調査 47都道府県 睡眠時間たっぷり!?ランキング

日本人の睡眠時間が短い理由として、夜も明るいこと、座っている時間が長いことが挙げられますが、この傾向は都市部で顕著といえるかもしれません。

それでは、年代別に睡眠の傾向と対策について解説します。

子どもの理想の睡眠時間は長い

前述のように、子ども時代における適切な睡眠時間は幼児(1~2歳)では11~14時間、学齢期でも(6~13歳)では9~11時間と長いわけですが、この時期はそのくらい睡眠をとることも難しくはないでしょう。

問題なのが中高生以降になってからの睡眠時間。8時間〜10時間くらいが適切とされていますが、塾や部活動を始めると帰宅も遅くなり、睡眠時間は短くなりがちです。また、最近ではスマートフォンの普及により、夜遅くまで動画を視聴したり、ネットサーフィンをする中高生も増えています。

生活リズムが乱れると体の成長はおろか、学業にも影響を与えるので、しっかりと睡眠をとることを最優先に、スマートフォンの利用が睡眠の弊害になっているのであれば、親子で話し合うなどして、利用を制限するのもいいでしょう。

20代は環境の変化によるストレスで寝不足になるケースが多い

若い世代に限ったことではありませんが、20代は学生から社会人になるタイミングでもあり、環境の変化が目まぐるしく、そのストレスが睡眠不足を招いているケースも少なくありません。

また、そのストレスは睡眠不足によって増大してしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。ストレスを軽減するには、第一に睡眠をとることが大事です。睡眠を最優先に考えつつ、運動をする、友達と話す、カラオケで大声を出すなど自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

30代は育児による寝不足が増える

一般的に20代後半〜30代にかけては家庭を持つようになり、育児による寝不足が増えます。子どもが幼児期のときは夜にしっかり眠ることは難しいかもしれないので、日中に昼寝をするなど「分割睡眠」を有効活用するようにしましょう

40代・50代がもっとも睡眠時間が短い

「令和元年国民健康・栄養調査報告」のデータによると、40代、50代の睡眠時間が最も短く、約半数近くの方が1日の睡眠時間が6時間未満という結果でした

この年代は仕事や子育てによるストレスもありますが、体の基礎代謝が下がり始めます。代謝量と睡眠時間には相関関係があるため、睡眠時間が自然と減ってしまうと考えられます。また、活動量も若い頃よりも少なくなることも睡眠時間が減る要因のひとつでしょう。

実は年齢を重ねても睡眠時間はそれほど短くならない

前述のように、基礎代謝量が減ると睡眠時間も少なくなりますが、実は睡眠時間は年齢が10歳上がるにつれ10分間短くなる程度と言われています。20歳と80歳では1時間ほどしか変わらないのです。

つまり、年齢を重ねて睡眠時間が減る主な原因は、日々の活動量の減少です。基礎代謝量が減ってしまうのは仕方ありませんが、運動習慣を作るなど1日の活動量を増やす工夫を心掛けましょう。

季節によっても睡眠時間は変化する

余談ですが、睡眠時間は日の短い冬の時期は長くなりやすく、日が長い6月、7月は短くなる傾向にあります。毎日の睡眠時間を管理する上では、季節要因も考慮しましょう。

睡眠状態チェックシート

自分の理想の睡眠時間は簡単にはわからないものです。

以下に睡眠状態チェックシートをご用意しました。当てはまるものにチェックをつけましょう。

ひとつも当てはまらないのであれば、現状の睡眠時間でも問題ないでしょう。逆に当てはまるようなら改善が必要です。

睡眠不足を解消する方法

先ほどのチェックシートでひとつでも該当する項目があった方は、睡眠不足の可能性が高いです。ここでは、睡眠不足を解消するための主な方法について解説します。

毎朝同じ時間に起きる

適切な睡眠時間を確保する上で最も大事なのが、日々の生活リズムを一定にすることです。睡眠時間と体内時計は大きく関係しており、体内時計を乱さないためには、毎朝同じ時間に起きるのが有効です。

目覚め方として一番良いのが太陽光による目覚め。朝起きたらベランダに出て、太陽光を浴びるようにしましょう。また、食事をとって、胃腸を働かせるのも効果的です。

朝が苦手な方は「時間差アラーム」がおすすめ

朝が苦手な方におすすめなのが「時間差アラーム」。起きる20分前に小さい音を鳴らし、その20分後にアラームを鳴らす方法です。20分前に小さい音を鳴らすことで浅い睡眠になり、20分後にすっきり起きやすくなります。

運動習慣をつける

1日の活動量は睡眠時間との関連性は低いものの、睡眠効率には大きく関わると考えられています。つまり、質の良い睡眠をとるためには運動が非常に有効なのです。運動をすることで、寝つきがよくなり、夜中に目を覚ますことも減るため、人によっては睡眠時間も増えかもしれません。

ストレスを緩和する効果も期待できる

運動をすると気分が良くなる方も多いでしょう。事実、軽度のうつ病には運動が効くと言われています。

ジョギングなどの有酸素運動はもちろん、筋トレなど無酸素運動も気分転換になります。軽い運動からでいいので、運動は毎日、少なくとも週3日以上行うようにしましょう。

夕方以降はカフェインを控える

カフェインの効果は、摂取してから2時間半~4時間ほど持続するといわれています。なので、夜の遅い時間にカフェインを摂取すると、カフェインの覚醒作用によって眠れなくなる可能性があります。夜だけでなく、午後以降はコーヒーや紅茶などカフェイン入りの飲み物は控えましょう。

仮眠をとる

日中に眠気を感じているのに無理して起きているのは身体に負担をかけるのでよくありません。そういった場合は15分〜30分ほどの仮眠をとりましょう。仮眠をとることで、その後活発に活動できるため、結果的に夜もスムーズに入眠できるかもしれません。

1時間以上の仮眠は逆効果なので、仮眠をとりすぎないようには注意しましょう。

食事を改める

食事と睡眠は大きく関係しています。食事の時間を規則正しくすることで生活サイクルが整うため、就寝時間も一定になります。逆に、20時以降の食事は胃腸の働きが活発になってしまうので、睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、睡眠の質を高めるといわれている栄養素もあります。意識的に日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

栄養素

働き

多く含まれる食べ物

グリシン(アミノ酸)

体の末端部分の血行量を増やして深部体温を下げるため、睡眠の質を向上させる

豚肉、大豆など

カルシウム

神経伝達物質の分泌を抑制して、脳の興奮を沈める鎮静作用がある

牛乳、いわしなど

マグネシウム

緊張した体を緩和するリラックス効果がある

わかめ、ピーナッツなど

GABA

抗ストレス作用、神経の興奮を静める作用がある

トマト、ケースなど

睡眠時間に関するQ&A

1日最低8時間は寝てしまいます。睡眠時間を減らしたいのですがどうすればいい?

A. 無理に減らす必要はありません。

睡眠時間は個人差があり、8時間も特別に長いわけではありません。睡眠時間を減らして日中の活動に影響するのであれば本末転倒なので、今の状態で全く問題ないでしょう。

1日の睡眠時間が5時間程度なのですが、大丈夫ですか?

A. 日中の活動に影響がないのであれば問題ありません。

睡眠時間が短い場合も、無理に長くする必要はありません。ただ、ストレスなどが原因で睡眠時間が短くなっている場合は改善が必要です。

肌を綺麗にするなら、どれくらい睡眠時間を確保しないといけない?

A. 明確に○○時間と決められませんが、質の高い睡眠を心掛けましょう。

質の高い睡眠によって肌のターンオーバーは正常に行われます。睡眠を改善するのはもちろん、肌への負担が少ないパジャマ、部屋着で眠るようにするのもいいでしょう

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睡眠時間が短いと、身長は伸びない?

A. 睡眠時間と身長のノビには相関関係があります。

今回の記事でも解説したように、睡眠と身長には相関関係があり、実際に多くの統計的調査でも明らかにされています。

子どもの身長が伸びない理由と対策については「【医師監修】子どもの身長が伸びない理由とは?低身長の原因と対策」で詳しく解説しています。

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中・高校生の受験時期はどうしても睡眠時間が短くなってしまうのですが、どうすればいい?

A. できる限り睡眠を優先しましょう。

睡眠の質は学習効率にも影響します。長時間勉強することも大事ですが、しっかりと睡眠を取るようにしましょう。

痩せるためにベストな睡眠時間は?

A. ダイエットに適切な睡眠時間は7〜8時間と言われています。

これも明確に○時間とは決められず、あくまでも目安であり個人差はあります。ただ、睡眠不足は食欲の増大、ホルモンバランスの乱れを招くので、しっかり寝ることはダイエットにおいては重要です。

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睡眠不足は薄毛につながる?

  1. 睡眠不足は自律神経の乱れ、血行不良を招くので頭皮環境を悪化させます。

睡眠不足はストレスの増大を招きます。ストレスも間接的に薄毛の進行にかかわるので注意しましょう。

ストレスと薄毛の関係性については「【図解】ストレスで抜け毛が増える理由と治すために必要なアクション」で詳しく解説しています。

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