オートファジーダイエットの正しいやり方とは? 食べていいもの&飲んでいいものを紹介

近年はプチ断食の流行とともに、「オートファジー」という言葉を耳にする機会が増えました。

オートファジーとは「自食作用」と訳され、端的に表現すると「細胞自身が生まれ変わる仕組み」です。オートファジーを活性化させることで、ダイエットや美容、病気の予防など様々な効果を期待できます。

今回はオートファジーダイエットをテーマに、正しいやり方からダイエット中に食べていいもの&飲んでいいものなどについて解説します。

この記事の監修者

大橋成孝
赤坂一ツ木通りクリニック医院長

経歴

慶応義塾大学医学部卒業後、循環器内科入局。2019年より赤坂一ツ木通りクリニックの院長に就任。循環器内科を専門とし、一般内科に加えて循環器疾患の診療も行っている。

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

オートファジーダイエットとは

オートファジーとは、ギリシャ語の「オート(自ら)」と「ファジー(食べる)」を掛け合わせた造語です。日本語では「自食作用」と訳されますが、細胞自身が老廃物や悪玉タンパク質を分解、エネルギー源として処理して、新しいものに作り替える仕組みです。

このオートファジーを利用したダイエットを「オートファジーダイエット」といいます。

オートファジーはもともと体に備わっている仕組みであり、栄養が足りない「飢餓状態」になると作動されます。そのため、オートファジーダイエットでは飢餓状態を作るために16時間の断食を行います。

16時間断食については「16時間断食ダイエットと他のプチ断食との違いとは?女性は12時間の方がいい? 」で詳しく解説しています。

オートファジーダイエットのメリット・デメリット

オートファジーダイエットのメリットとデメリットについて解説します。

オートファジーダイエットのメリット

オートファジーダイエットのメリットは主に2つあります。

  • ダイエット以外の効果も期待できる
  • やり方がシンプル

オートファジーダイエットは、瘦せるだけでなく、腸内環境が整うこともメリットのひとつ。腸内環境が整うと、体に必要な栄養素が吸収されやすくなるほか、肌荒れや血流の改善も期待できます。ちなみに、オートファジーが活性化されると、自律神経が安定し、メンタル面でもポジティブになる人が多いとも言われています。

また、オートファジーダイエットは食事をしない時間を16時間設けるだけなので、やり方がシンプルでわかりやすいのも嬉しいポイント。ただ、やり方はシンプルではあるものの注意点はいくつかあります。
※オートファジーダイエットの注意点について詳しくは後述します。

オートファジーダイエットのデメリット

オートファジーダイエットのデメリットは主に3つです。

  • 筋肉量が減りやすい
  • 過食になる可能性がある
  • 栄養不足によって健康被害が出る可能性がある

オートファジーダイエットでは基本的に食事量が減るため、運動をしないと筋肉量は減ってしまいます。さらに、食事をしない16時間で体は脂肪だけでなく、筋肉も分解します。筋肉量が減ると基礎代謝は落ちるので、オートファジーダイエット中は運動が必須といえるでしょう。

また、オートファジーダイエットでは16時間食事を取らないので、いざ食事をするときに過食になる可能性があります。また逆に、食べ過ぎを気にして食べなさ過ぎるケースもあり、その場合は栄養不足による健康被害が懸念されます。

オートファジーダイエットをはじめ、プチ断食系のダイエットは食事量の加減が難しいのが難点といえるでしょう。

オートファジーダイエットの正しいやり方と注意点

オートファジーダイエットは正しい方法で行わないとダイエット効果が出ないだけでなく、健康を害する可能性があります。

ここでは、オートファジーダイエットの正しいやり方や考え方、注意点について解説します。

オートファジーダイエットは朝食を抜くだけ

先述したように、オートファジーダイエットのやり方は非常にシンプル。24時間のうち、食事しない時間を16時間設けて、残りの8時間で2回の食事をとるだけです。

食事をしない16時間はいつでも問題ありませんが、朝食を抜いて調整するのが一般的です。例えば、前日の夕食を20時までに済ませたとすると、その日の朝食を抜いて、昼食を12時以降にすれば、前の食事からきっちり16時間空けることができます。

オートファジーダイエットでは夕食を抜く方法もありますが、夕食を抜くと空腹でスムーズに入眠できなくなり、生活リズムを乱す可能性があるのでおすすめしません。

バランスの良い食事を心がける

オートファジーダイエット中は1日3食ではなく、1日2食になるので栄養の偏りが出やすくなります。そのため、普段以上に栄養バランスの良い食事をとるように意識しましょう。

食事においては、食物繊維の多い野菜や海藻類をしっかり摂るのをはじめ、筋肉量を維持するためにタンパク質を積極的に摂ることが重要です。

バランスの良い食事については「バランスの良い食事とは?栄養・生活スタイル・家計の観点で解説 」で詳しく解説しています。

毎日実践しなくてもいい

ダイエットに無理は禁物です。とくにオートファジーダイエットは間違ったやり方で行うと健康を害する可能性があるので、体に不調を感じたらすぐに止めることも大事です。

なお、オートファジーダイエットは1週間に1度実行するだけでも、腸内環境が整ってデトックス効果を得られるため、無理のない範囲で継続できる頻度で行いましょう。

必ず運動を行う

オートファジーダイエットは、筋肉量が落ちやすいダイエット法なので筋トレは欠かせません。また、オートファジーは運動することでより活発になるため、その効果を最大化するためにも運動は必ず行うようにしましょう。

 オートファジーダイエット中に食べていいもの&飲んでいいもの

オートファジーダイエットは16時間何も食べないのが基本ですが、どうしても空腹に耐えられないときもあるでしょう。

ここでは、オートファジーダイエット中におすすめの食べてもいいものと飲んでもいいものを紹介します。

オートファジーダイエット中に食べていいもの

少量のナッツ

ナッツ類は脂質が多く含まれているため腹持ちが良いのが特徴であり、ビタミンやミネラルが豊富なのもおすすめできるポイントです。ただし、脂質が多いので、少量(1日20gまで)に抑えるようにしましょう。

ヨーグルト

味付けをしていないプレーンヨーグルトに限りますが、ヨーグルトは乳酸菌が豊富なので腸内環境の改善も期待できます。

チーズ

オートファジーダイエットにおいては血糖値を上げないことが重要です。チーズは糖質が低く、血糖値が上がりくいという特徴があります。ただし、カロリーは決して低くはないので食べ過ぎないようには注意しましょう。

糖質の少ないフルーツ

血糖値を上げないという意味では、糖質の少ないフルーツもおすすめです。とくに、イチゴ、すいか、ブルーベリー、グレープフルーツなどがおすすめです。逆に、健康的なイメージが強いバナナは糖質が多いのでNGです。

オートファジーダイエット中に飲んでいいもの

水や白湯、炭酸水

オートファジーダイエット中の飲み物は、ゼロカロリーのものであれば問題ありません。水や白湯はもちろん、空腹を紛らわす意味では炭酸水がおすすめです。また、ノンカロリーのお茶や紅茶も問題ありません。

コーヒー

コーヒーは無糖のものであれば飲んでも問題ありません。ただし、カフェインは、食欲を抑制したり脂肪代謝を活性化したりする効果が期待できる反面、胃に負担をかける可能性があるので大量に飲むのは控えましょう。

スムージー

スムージーはノンカロリーではないものの、ビタミンや食物繊維も豊富で胃腸に負担をかけないので飲んでも問題ありません。

断食中に飲んでいいもの、おすすめのスムージーについては「16時間断食中に飲んでいいもの&自作できるおすすめドリンク〜プロテインやコーヒーはOK?〜 」で詳しく解説しています。

オートファジーダイエットに関するQ&A

オートファジーダイエットに関するよくある質問をまとめました。

オートファジーダイエットの効果はどれくらいで実感できますか?

A. 個人差がありますが、1ヶ月継続して行うと効果を実感する人が多いです。

オートファジーダイエットの効果に関しては実践する期間や頻度にもよりますが、個人差が非常に大きく、2~3週間の短期間で効果を実感する方もいれば、半年以上継続しても効果を実感しない方もいます。

オートファジーダイエットは少なくとも週1~2回を3ヶ月は継続して行って、自分に合っているかどうかを判断するのがおすすめです。

オートファジーダイエットに取り組んでいるのですが、瘦せないのは何故ですか?

A. 食べ過ぎが原因かもしれません。

オートファジーダイエットは、基本的に1日のうち8時間以内なら何を食べてもOKですが、食べていい8時間に食べ過ぎている方が結構多いです。また、運動をしていない方も瘦せにくいので注意しましょう。

オートファジーダイエット中にプロテインは飲んでもいい?

A. 基本的にはおすすめしません。

オートファジーダイエットは身体を飢餓状態にして、オートファジーを機能させる必要があります。タンパク質を補給するとオートファジーが機能しなくなる可能性があるので、プロテインは控えることをおすすめします。

瘦せたいなら血糖値を上げないことが大事

オートファジーダイエットに取り組む方は増えており、効果を実感している方も多いですが、注意すべきポイントがあります。

オートファジーダイエットは血糖値が上がりやすい

空腹時間は長いほど食後の血糖値は上がりやすくなります。血糖値が急上昇すると大量のインスリンが分泌されてしまうため、体内のブドウ糖が脂肪に変わりやすくなります。

オートファジーダイエットは16時間食べないため、血糖値が上がりやすい状態をつくっているともいえます。オートファジーダイエット中の食事においては、いかに血糖値を上げないかが重要となります。

ターミナリアファーストでサポートも

オートファジーダイエットは取り組みやすいダイエット法ですが、同時に血糖値を上げない工夫が必要となります。糖質制限サプリメント「ターミナリアファースト」は食後の血糖値の上昇を抑える作用があるため、オートファジーダイエットを実践する方におすすめです。

ターミナリアファーストについて詳しくはコチラ