【医師監修】糖質制限と脂質制限はどちらが効果的?両方同時でもいい?
最近はテレビCMなどでも「糖質と脂質の吸収を抑える!!」といった宣伝文句はよく使われています。糖質と脂質の過剰摂取が脂肪の増加に繋がるのは周知の事実ですが、実際どちらの方がより太るのかどうかは気になりますよね。
この記事では、糖質制限と脂質制限がどちらの方がダイエットに効果的なのかをテーマに、ダイエット経験者100人のアンケート結果から実際にどういった方が糖質制限または脂質制限に向いているのかを詳しく解説します。
この記事の監修者
藤堂 紗織
Alohaさおり自由が丘クリニック開業医
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。現在は、Alohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している
【ダイエット経験者100人アンケート】糖質と脂質どっちを制限しましたか?
まずはダイエット経験者100人にアンケートを実施して、食生活でとくに意識していることについて調査しました。
結果は以下の通りです。
半数以上が「糖質」を気にしている
アンケートの結果、最も多かったのが「糖質を制限している」という回答でした。全体の61%を占めています。次いで「脂質を制限している」が27%、「その他」が12%と続きます。
ちなみに、「その他」と回答した方は次のような内容でした。
- 食べる時間
- 食べる順番
- 間食をしない
- バランスの良い食事メニュー
「脂質」を制限する理由
今回のアンケートでは、糖質ほどではないにせよ脂質を制限している方も全体の4分の1以上いました。
脂質を制限している理由として多かったのが「カロリーを減らしやすい」です。摂取カロリーが消費カロリーを上回らなければ、体重が増えないというのはダイエットの常識であり、カロリーはダイエット中の分かりやすい指標になります。
脂質は1gあたりのカロリーが高いので、制限するだけでもカロリーカットに繋がるため実践する方は多いです。
糖質制限と脂質制限はどちらが効果的?
先のアンケートでは糖質制限を実践されている方の方が多かったですが、「糖質制限」と「脂質制限」ではどちらの方が効果的なのでしょうか。ここでは、両者の特徴を見ていきましょう。
「糖質制限」「脂質制限」とは?
糖質制限ダイエット
糖質制限ダイエットとは、ご飯やパン、麵類といった炭水化物を中心に糖質の多い食べ物を制限することです。
1日に摂るべき糖質量は250g~300gと言われているので、糖質制限中はその半分の130g以下を目安にしましょう。糖質があまりにも少ないと日常生活に支障をきたすので、最低でも70g以上は摂取するのがおすすめです。
ちなみに、お茶碗一杯のご飯(約150g)だけでも糖質は約57gもあります。朝昼晩の3食食べると、ご飯だけで目安量をオーバーしてしまうのです。いかに、炭水化物を控えることが糖質制限につながるのかをお分かりいただけるかと思います。
ご飯やパンなど炭水化物の糖質量については「糖質制限ダイエットはご飯・パン・麵類が9割?【食べ物シリーズvol.3】」で詳しく解説しています。
脂質制限ダイエット
先ほど簡単に説明しましたが、脂質制限ダイエットとはカロリーが多い脂質を制限するダイエット法であり、「カロリー制限」と言い換えられます。1日に摂るべき脂質量は約50g~80gと言われていますが、脂質制限中はその半分の25g~40g※を目安にするといいでしょう。
※制限中の脂質量は総カロリーの約20%以下に抑えるのが理想であり、脂質1gで9kcalとして計算した数値
例えば、ポテトチップス1袋(60g)だけでも脂質量は約20gあることを考えると、1日の目安量である25g~40gは簡単にオーバーしてしまいます。揚げ物はもちろん、肉の脂身を控えるなど細やかな配慮が必要となるダイエット法でもあるのです。
糖質制限ダイエットのメリット・デメリット
続いては、糖質制限と脂質制限のメリット・デメリットを見ていきましょう。まずは糖質制限のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット |
デメリット |
・効率よく体重を落とせる ・筋肉の減少を抑えられる ・食事の満足感は高い |
・脂質やタンパク質を過剰摂取しやすい ・便秘、頭痛など健康上のリスクを引き起こす可能性がある |
糖質制限は基本的に炭水化物さえ我慢すれば、肉や魚は気兼ねなく食べられるので、食事の満足感は高いでしょう。その分、タンパク質や脂質の過剰摂取には気をつけましょう。
糖質の方が脂質よりも太る
そして、糖質制限の最大のメリットは、効率よく体重を落とせることにあります。
もちろん個人差はありますが、“痩せやすさ”では脂質制限よりも秀でているでしょう。なぜなら、糖質の方が脂質よりも太る原因となりやすいからです。糖質が太る原因となるのは、摂取すると血糖値が上昇するからです。血糖値が上昇すると、体内ではインスリンが分泌されます。このインスリンが体内のブドウ糖を脂肪に変えます。このように、脂肪に変換されるまでの経路が複雑です。
対して、脂質は血糖値を上昇させる働きはなく、多少摂り過ぎたとしても皮膚や髪の毛などの細胞を作ることに使われます。
つまり、糖質は消費されないと確実に体脂肪になりますが、脂質は別の使い道があるので必ずしも体脂肪になるわけではありません。
体重を減らすために効果的な糖質制限ですが、間違ったやり方をすると便秘や頭痛など体調不良を招くこともありますので、過度な糖質制限はこういったデメリットを引き起こすので、絶対にやめましょう。
糖質制限のデメリットについては「糖質制限の7つのデメリット~正しいやり方を知ることが大切~」で詳しく解説しています。
脂質制限ダイエットのメリット・デメリット
脂質制限ダイエットのメリット・デメリットは下記の通りです。
メリット |
デメリット |
・摂取カロリーが減りやすい ・炭水化物が好きな人なら満足感が高い |
・極端に制限するとホルモンバランスに影響する ・調理法に気を使う ・人によってはストレスを感じやすい |
最大のメリットは、脂質制限本来の目的でもあるカロリーカットがしやすい点です。
カロリーが高い脂質を制限するので、あまり意識せずとも摂取カロリーは減りやすいです。もちろん、食べ過ぎには気を付けましょう。また、糖質同様に過度に制限するのは良くありません。適度に脂質を摂取しないと肌や髪の毛は乾燥してしまいますし、最悪の場合はホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。
また、もともと脂っこい食事が好きな方だとストレスを感じることもあるでしょう。
糖質制限と脂質制限には向き不向きがある
これまで説明した通り、糖質制限と脂質制限はそれぞれ一長一短あり、どちらか一方が優れているというわけではありません。糖質制限ではダイエット効果をあまり感じなくても、脂質制限だと効果があった方もいます。その逆もしかりです。
つまり、その人の体質、食事の好みに合った方法を選ぶのが良いでしょう。
糖質制限と脂質制限の違い一覧
以下に、糖質制限と脂質制限の違いを簡単にまとめましたので、参考にしてください。
|
糖質制限 |
脂質制限 |
制限するもの |
ご飯、パンなど炭水化物等 |
脂っこい食事全般 |
食べる量 |
そこまで減らさなくても良い |
ある程度制限する必要がある |
調理法 |
とくに制限はない |
揚げ物、炒め物は控えた方がいい |
痩せやすさ※ |
比較的短期間で痩せる |
比較的じっくり痩せる |
起こりうるデメリット |
頭痛、便秘等 |
ホルモンバランスの乱れ等 |
※個人差があります。
次章では、どのような方が糖質制限、脂質制限に向いているのかを解説します。
糖質制限ダイエットが向いている人
あくまでも代表的な例ですが、糖質制限ダイエットの方が向いているのは次のような方です。
- 運動する時間があまりない
- 食べる量をあまり減らしたくない
- 主食よりもおかずを沢山食べたい
糖質制限が向いている人➀ 運動する時間があまりない
ダイエットは食事+運動とよく言われますが、運動習慣がない方、運動する時間が作れない方は糖質制限がおすすめです。
というのも、糖質をエネルギー代謝によって消費するのは脂質よりも回路的に難しいからです。運動習慣がある方であれば、糖質をしっかり消費できますが、活動量が少ない方だと難しいのです。
糖質制限が向いている人② 食べる量をあまり減らしたくない
糖質制限は脂質制限と違って、カロリーの総量よりも、内容を重視するので食べる量はそこまで減らす必要はありません。
また、糖質制限だと食べられる食材が脂質制限よりも多いので、食事のバリエーションは豊富です。食事のケアにあまり気を使わなくてもいいのも糖質制限の魅力と言えます。
糖質制限が向いている人③ 主食よりもおかずを沢山食べたい
ご飯やパンなど主食をある程度我慢できる方であれば、糖質制限の方が続けやすいでしょう。
また脂っこい食事をどうしても食べたい方も糖質制限がおすすめです。当然脂っこい食事はほどほどにしないといけませんが、脂質をそこまで意識する必要がないのは糖質制限の強みです。
脂質制限ダイエットが向いている人
脂質制限ダイエットが向いているのは次のような方です。
- 「空腹感」に耐えられる
- 炭水化物は欠かせない
- できるだけお金をかけたくない
脂質制限が向いている人➀ 「空腹感」に耐えられる
脂質は腹持ちが良いので、制限すると「空腹感」はどうしても強くなります。また、カロリーを気にすると食事の量自体も少なくなるので、糖質制限よりも「我慢」は必要になるでしょう。
逆に、それに耐えられる方であれば脂質制限はおすすめです。
脂質制限が向いている人② 炭水化物は欠かせない
炭水化物が欠かせない方は問答無用で糖質制限は向いていないので、脂質制限がおすすめです。
ただ、炭水化物のなかでも脂質量は様々です。ご飯の脂質量は100gあたり0.3gですが、食パンの脂質量はその10倍以上の100gあたり4.4gです。また、チャーハンなど油を使う料理は脂質量が跳ね上がるので注意しましょう。
できるだけお金をかけたくない
一般的に主食よりもおかずの方がお金はかかります。糖質制限は主食が減る分、おかずは増えるので、お金はかかりがちです。
一方、脂質制限はおかずが増えることはないので脂質制限に比べると経済的です。
糖質制限と脂質制限の両方を同時にやるのは危険?
糖質制限or脂質制限のどちらか一方ではなく、両方ともやるのはどうなの? という方もいるかもしれません。
両方同時にやれないことはありませんが、おすすめしません。
自己流でやるのはおすすめしない
糖質制限と脂質制限を同時にやるのは理論上可能ですが、カロリー、栄養不足に陥りやすくなります。糖質も脂質も制限しようとすると、食べられる食材はかなり限定されるので、バランスの良い食事をするのが難しいのです。
何より持続するのが難しくなります。医師の指導のもとで行うなら安心ですが、自己流でやるのはやめておきましょう。
糖質制限と脂質制限を交互でやるのはアリ
糖質制限と脂質制限を同時にやるのはおすすめしませんが、一定期間ずつ交互に行うのは良いでしょう。
というのも、糖質制限であれ脂質制限であれ、一定期間続けると身体が順応するためダイエット効果が薄くなります。いわゆる停滞期です。また、意識せずとも栄養が偏っている可能性は高いです。そういった停滞期や栄養の偏りを解消する意味でも、糖質制限から脂質制限(もしくは逆)への切り替えは有効です。
また、どちらが自分に合っているのかを確かめる意味でも試す価値はあります。
糖質も脂質も「制限」ではなく「調整」という意識を持とう
大前提として、糖質も脂質も人間にとっては大事な栄養素であり、欠かすことはできません。「制限」と言われると、摂ってはいけないもののように捉える方がいますが、そうではありません。
糖質制限、脂質制限のどちらを選んだとしても、徹底的に排除するのではなく「減らす」だけです。「制限」ではなく「調整」という意識を持つのが良いでしょう。
ダイエットの強い味方「ターミナリアファースト」
糖質であれ、脂質であれ、長期間制限するのは辛いものです。たまには気兼ねなく食べる日も作らないとダイエットは長続きしません。
とはいえ、思うままに食べるのは罪悪感がありますよね。そこでおすすめなのが糖質制限サプリ『ターミナリアファースト』です。
ターミナリアファーストは糖質制限にも脂質制限にもおすすめ
ターミナリアファーストは、食事の前に飲むだけで糖や脂肪の吸収、食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。急な血糖値の上昇が脂肪の増加に繋がるメカニズムについては「【医師監修】糖質制限サプリにダイエット効果がある理由」で解説しています。
ターミナリアファーストは“糖質制限サプリ”ですが、糖質制限ダイエットだけでなく、脂質制限ダイエット中の方にもおすすめです。
というのも、ご飯などの炭水化物は血糖値が上昇しやすいですが、脂質制限では基本的に炭水化物を控えることはなく、むしろ脂っこい食事を控えている分、普段よりも沢山の炭水化物を食べる可能性もあるからです。
糖質制限、脂質制限のどちらにとっても味方になってくれる「ターミナリアファースト」。この機会にぜひお試しください。
ターミナリア ファーストについて詳しくは「待望の糖質・脂肪コントロールサプリが完成しました。 」で詳しく解説しています。