【医師監修】食物繊維ダイエットがおすすめされる理由と意外な落とし穴

食物繊維がダイエットに欠かせない重要な栄養素であることはよく知られています。しかし、食物繊維をたくさん摂取したからといって、必ずしも瘦せるわけではありません。

もちろん、食物繊維には様々なダイエット効果があるわけですが、食物繊維ダイエットを実践している方のなかにはなかなか効果を実感しない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は食物繊維がダイエットに効果的とされる理由とともに、見落としがちな注意点について解説します。

この記事の監修者

齊藤 純
さいとう内科クリニック 院長

大阪大学医学部を卒業後、腎移植に携わりたいと考えて大阪大学医学部附属病院の泌尿器科に入局し、大学病院や総合病院に勤務。 その後、2014年2月にさいとう内科クリニックを開院。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

食物繊維ダイエットとは

食物繊維ダイエットとは文字通り、日頃の食事に食物繊維を多く含む食材を取り入れるダイエット方法のことです。

食物繊維がダイエットにおすすめとされる理由は数多くあります。

食物繊維がダイエットにおすすめな理由

満腹感を得やすく、食べ過ぎを抑えられる

食物繊維が豊富な野菜や豆、きのこ類、海藻類などは、カロリーが低い割に「噛みごたえ」や「かさ」があるのが特徴です。満腹中枢へ働きかけるため、自然と総摂取カロリーを減らすことができます。

血糖値の急激な上昇を抑える

食物繊維が多い食材は、糖質の吸収速度をゆるやかにするため、食事後の血糖値の上昇もゆるやかにしてくれます。血糖値が急上昇しにくいということは、結果的に過剰なインスリン分泌を抑え、脂肪が蓄積されにくくなるということです。

代謝が上がる

食物繊維は善玉菌のエサとなって腸内環境を良好に保つ効果があります。腸は「第二の脳」と呼ばれるほど重要な器官であり、腸を整えることで栄養素の吸収効率や代謝が上がるほか、ダイエットにおいても重要なメンタル面をサポートする効果も期待できます。

便秘解消によるデトックス効果

食物繊維をしっかり摂ると腸の「ぜん動運動」が活発になるため、便秘が解消されます。便秘は体重増加の原因になるだけでなく、肌荒れにもつながるため、美容面においては非常に重要なポイントです。

1日に必要な食物繊維の摂取量

厚生労働省が推奨する1日の食物繊維摂取目標量は、成人男性で20g以上、成人女性で18g以上とされています。近年の研究では、1日25g程度摂取することが望ましいという意見もありますが、実際には難しいため20g前後を一つの目安にするといいでしょう。

食物繊維の概要や一日の摂取量目安について、詳しくは「食物繊維の一日摂取量の目安は何グラム?効果的なメニューの考え方」をご覧ください。

過剰摂取には注意

また、食物繊維は過剰摂取すると、お腹が張りやすくなるほか、下痢の原因になる場合もあります。食物繊維のみを意識しすぎないで、タンパク質、脂質、ビタミンをバランスよく摂取するように心掛けましょう。

食物繊維の過剰摂取のデメリットについて詳しくは「【医師監修】食物繊維のとりすぎは便秘を招く?適切な摂取量と効率的なとりかた」で解説しています。

食物繊維が豊富な食べ物

食物繊維が豊富な食べ物には、以下のような食材が挙げられます。

野菜

ブロッコリー、キャベツ、ごぼう、オクラ、かぼちゃなど

果物

リンゴ、キウイ、バナナ、柑橘類など

穀物類

玄米、雑穀米、全粒粉製品など

豆類

大豆、納豆、おからなど

海藻

わかめ、ひじき、きくらげ、もずく、昆布など

きのこ

しめじ、エリンギ、舞茸、椎茸など

ナッツ

アーモンド、くるみ、カシューナッツなど

種子類

チアシード、フラックスシード、かぼちゃの種、ゴマなど

これらの食材を毎日の食事にうまく取り入れることで、食物繊維はもちろん、ビタミンやミネラルなどの栄養素もしっかり摂取することができます。

ただし、これらの食材だけに偏ってしまうと逆にタンパク質や脂質が不足し、筋肉量の低下や代謝の悪化を招く恐れがあるため、必ず肉や魚、卵などのタンパク質も同時に摂取するように心掛けましょう。

食物繊維が豊富な食べ物について詳しくは「食物繊維が多い食べ物ランキング!手軽&効率的に摂取する方法とは」で解説しています。

食物繊維ダイエットの落とし穴

食物繊維ダイエットは効果的ではあるものの、正しい知識がないまま始めると逆効果になる可能性もあります。

ここでは、食物繊維ダイエットのよくある落とし穴を紹介します。

カロリー過多になりやすい

「食物繊維が豊富=ヘルシー=いくら食べてもOK」と勘違いしてしまう方は多いですが、結果的にカロリー過多になってしまうことは少なくありません。なぜなら、食物繊維が豊富であったとしても、低カロリーではない食材もあるからです。

例えば、ドライフルーツや一部のナッツ類は食物繊維が多いもののカロリーや糖質は高めです。ナッツは1日30g、ドライフルーツは小ぶりなものを1〜2個程度など、目安量をあらかじめ決めておきましょう。

便秘になることもある

食物繊維は水分を含んで膨らむ性質があるため、しっかり水分を補給することでその力を発揮します。一方、水分が不足していると、かえって便が硬くなり、便秘や腹痛につながることも少なくありません。

食物繊維を意識して摂るなら、1日1.5~2リットルを目安に、普段以上にこまめに水やお茶を飲むことを心がけましょう。

栄養バランスが偏る

先述したように食物繊維にフォーカスしすぎて、タンパク質やその他の栄養素を軽視するのは危険です。栄養バランスが偏ると、筋肉量が落ちて基礎代謝が低下したり、疲れやすくなったりする可能性があります。

タンパク質と食物繊維を同時に摂取できる食材としては、納豆やオートミールがおすすめです。

食物繊維を普段の食事に上手に摂り入れるコツ

実際に食物繊維ダイエットを実践してみるとわかりますが、食物繊維を普段の食事に取り入れることは想像以上に難しいものです。

ここでは、普段の食事に食物繊維を上手に摂り入れるコツを紹介します。

ご飯を玄米・雑穀米に置き換える

食物繊維を摂取するために最も効率的なのは、主食のご飯(白米)を玄米もしくは雑穀米に置き換えることです。

とはいえ、玄米や雑穀米は高い、もしくは味が好きではないという方も多いかもしれません。いきなりすべてを玄米や雑穀米に切り替えるのが難しければ、「白米:玄米=1:1」や「白米:雑穀米=3:1」などから始めてみるのもいいでしょう。

ご飯だけでなく、パスタやパンも全粒粉のものに変更するのがおすすめです。

間食やおやつはナッツやフルーツを選ぶ

スナック菓子や甘い洋菓子は、食物繊維がほとんど含まれず、脂質や糖質が多い傾向にあるため、普段の間食やおやつはナッツ、フルールに換えるのがおすすめです。

アーモンドやくるみなどは栄養豊富で食感も楽しめ、フルーツは水溶性食物繊維やビタミンをとるのに最適です。

ただし前述のとおり、食べ過ぎるとカロリーや糖質の過剰摂取につながるため食べる量には注意しましょう。

チアシードやフラックスシード(亜麻仁)を活用する

チアシードやフラックスシード(亜麻仁)は食物繊維だけでなく、オメガ3脂肪酸を豊富に含む「スーパーシード」として知られています。

どちらも水を含むとゼリー状になって満腹感をサポートしてくれるため、料理に加えることで自然と食事の量をセーブしやすくなります。

通常はヨーグルトやスムージーに混ぜることが多いですが、パンケーキに加えるのもおすすめです。水に浸しておいたチアシードを生地に混ぜ込むことで、プチプチした食感を楽しめます。

最初に食べる

「ベジファースト」とも呼ばれますが、野菜や海藻などの食物繊維を先に食べてから、肉や魚などのタンパク質→ご飯(炭水化物)の順番で食べることで、血糖値の急上昇が抑えられます。

特別な食材や調理は不要で、「サラダ→肉・魚→ご飯」の順番を意識するだけで実践できるので、ぜひ習慣にしてみてください。

食物繊維ダイエットにおすすめのレシピ2選

最後に、食物繊維ダイエットにおすすめのレシピを2つ紹介します。

きのこたっぷりの全粒粉パスタ

 

材料(1人分)

・全粒粉パスタ・・・80~90g

・しめじ・・・50g

・エリンギ・・・50g

・舞茸・・・50g

・にんにく・・・2分の1片

・オリーブオイル・・・大さじ2分の1杯

・酒・・・大さじ2分の1杯

・みりん・・・大さじ2分の1杯

・醤油・・・大さじ2分の1杯

・顆粒和風だし・・・大さじ2分の1杯

・塩……ひとつまみ(パスタゆで用にも少々)

・黒こしょう……適量

・刻みねぎ……適量

 

作り方

① しめじは石づきを切って小房に分け、エリンギは縦薄切りに、舞茸は手でほぐす

② 鍋に湯を沸かして全粒粉パスタをゆでる(袋に記載されている表示時間より1分短めにゆでる)

③ フライパンにオリーブオイル大さじ½とにんにくを入れ、弱火で香りが立つまで炒める

④ 中火にしてしめじ・エリンギ・舞茸を加え、サッと炒める

⑤ ④に酒を入れて、アルコールを飛ばす

⑥ ⑤にみりん、醬油、顆粒和風だしを加えて混ぜる

⑦ ⑥にゆで上がったパスタをフライパンへ移し、ゆで汁(約50ml)を加えて全体を和える

⑧ 塩・黒こしょうで味を整え、皿に盛り、刻みねぎを散らして完成

全粒粉パスタは通常のパスタと比べて約2倍の食物繊維を含むため、同じボリュームでも満足感が高いのが特徴です。今回は和風パスタですが、牛乳と味噌を加えてクリームソース風味にしたり、カレーパウダーを加えてカレー風味にするといったアレンジもおすすめです。

鶏肉とピーマンのナッツ炒め

 

材料(1人分)

・鶏むね肉・・・100g

・ピーマン・・・1個

・ミックスナッツ・・・30g

・オイスターソース・・・小さじ1杯

・しょうゆ・・・小さじ1杯

・ごま油・・・少量

 

(下味用)

・片栗粉・・・小さじ1杯

・しょうゆ・・・小さじ1杯

・ごま油・・・小さじ1杯

 

作り方

➀ ピーマンは半分にカットし、ヘタと種を取り除いて2cm角にカット

➁ 鶏むね肉も2㎝角にカットし、下味用の片栗粉、しょうゆ、ごま油にからめる

➂ ごま油をひいたフライパンに⓶を入れて、3~4分ほど焼く

④ そこにピーマンとミックスナッツ、オイスターソース、しょうゆを入れて、3分ほど炒めたら完成

食物繊維が豊富なピーマンとナッツに、タンパク質が豊富な鶏肉を合わせた一品。ナッツは加熱しすぎると苦味が出るので、薄いきつね色になったらすぐ火を止めて取り出しましょう。

食事を愉しみながらダイエットしたい方へ

ダイエット中の食事では糖質と脂質を抑えることが大事ですが、抑え過ぎるのも体によくありません。

糖脂ケアサプリメント「ターミナリアファースト」は糖質と脂質の吸収を抑える効果があるため、糖質や脂質を過度に気にしまう方やダイエット中であっても思う存分食事を愉しみたい方におすすめです。

今なら初回限定価格でご提供しているので、ぜひご検討ください。

ターミナリアファースト詳しくはコチラ