中性脂肪とは?健康診断で指摘された人のために原因と対策をわかりやすく解説

 

健康診断で中性脂肪の数値を指摘される方は少なくありません。テレビCMやネット広告などでも「中性脂肪を減らす」を謳った商品はよく目にします。

しかし、中性脂肪は私たちの体にとっては欠かせないエネルギー源であり、問題なのは増えすぎていることです。また、中性脂肪は少なすぎるのも問題であり、基準値の範囲であっても「グレーゾーン」であれば注意が必要です。

そこで今回は、中性脂肪基本的な役割をはじめ、基準値の考え方や増えてしまう原因、対処法について解説します。

この記事の監修者

中山樹先生
ALMOND CLINIC院長

日本美容外科学会、日本内科学会所属 順天堂大学卒業。 大学病院、市民病院に勤務後、大手美容クリニックにて美容外科・美容皮膚科の経験を積む。 現在はALMOND CLINIC院長として美容医療・再生医療に携わる傍ら、 医療に関する記事の監修も多数行っている。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

中性脂肪とは

中性脂肪(トリグリセリド)は、血液中に含まれる脂質のひとつです。健康診断の血液検査で測定される代表的な項目であり、一般的に空腹時150mg/dL以上は高値と判定されます。

脂質と聞くと体に悪いものという印象を持つかもしれませんが、中性脂肪は生命活動を支える重要なエネルギー源です。

中性脂肪は予備燃料である

食事で摂取した脂質や糖質は、すぐに使われなかった分が中性脂肪として体内に蓄えられます。つまり、エネルギーが不足したときに備える“予備燃料”のようなものです。

また、血液中に増えた中性脂肪は、使われずに余ると皮下脂肪や内臓脂肪として体に蓄積されます。

 

中性脂肪の増え方には2種類ある

中性脂肪自体は悪いものではないものの、増えすぎには注意が必要です。その増え方には、大きく分けて2つのタイプがあります。

食後に増えやすい「外因性TG」

脂っこい食事をすると、小腸から吸収された脂質がカイロミクロンという粒子に乗って血液中を流れます。これが「外因性TG(トリグリセライド)」です。

食後に一時的に中性脂肪が上昇するのは自然な反応で、通常は数時間で下がります。健康診断が空腹時採血で行われるのは、この食後の一時的な上昇の影響を避けるためです。

食べ過ぎ・糖質過多で増えやすい「内因性TG」

糖質を過剰に摂取すると、使いきれなかった分が肝臓で脂肪酸へと変換され、中性脂肪として合成されます。この中性脂肪はVLDLという粒子に乗って血液中へ放出され、これを「内因性TG(トリグリセリド)」と呼びます。

外因性TGが小腸由来であるのに対し、内因性TGは肝臓で作られるのが特徴です。空腹時の中性脂肪が慢性的に高いのは、この内因性TGが増加しているケースが考えられます。

中性脂肪は脂っこいものを食べたから増えるよりも糖質を摂り過ぎた結果として増えるケースが多いのです。

食後高脂血症とは

空腹時は正常でも、食後に中性脂肪が大きく上昇する状態を「食後高脂血症」といいます。

肥満傾向や運動不足、血糖コントロール不良がある人に多く見られ、動脈硬化リスクとの関連も指摘されています。空腹時検査だけでは見えないリスクが潜んでいる場合もあるのです。

中性脂肪とコレステロールの違い

冒頭で中性脂肪は血液中に含まれる脂質のひとつと説明しましたが、その他の脂質としてはコレストロール、リン脂質があります。

とくに中性脂肪とコレストロールは混同している方が多いので、両者の違いについて整理しましょう。

役割の違い

中性脂肪はエネルギーの貯蔵庫です。一方、コレステロールは細胞膜やホルモンの材料になります。どちらも体に必要ですが、役割はまったく異なります。

悪玉コレステロールと善玉コレステロール

「悪玉コレステロール(LDL)」と「善玉コレステロール(HDL)」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これらはコレステロールの種類ではありません。正確には、コレステロールを運ぶ“運び屋(リポタンパク質)”の種類です。

悪玉コレステロールは肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがあります。重要な存在ですが、増えすぎると動脈硬化の原因になることがあるため「悪玉」と呼ばれています。

一方で、善玉コレステロールは余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す働きがあります。この“掃除役”の機能が血管を守る方向に働くため、「善玉」と呼ばれています。

中性脂肪が増えると善玉コレステロールが減る理由

中性脂肪が高い状態では、善玉コレステロールが分解されやすくなります。その結果、血管を守る働きが弱まり、動脈硬化のリスクが高まります。

中性脂肪は単体で見るのではなく、善玉コレステロールとのバランスで評価することが大事なのです。

基準値とグレーゾーン

先述したように、中性脂肪は150mg/dLを超えていると高値と判定されます。ただし、150を境に急に健康と不健康が分かれるわけではありません。実際にはグレーゾーンも存在します。

ここでは、中性脂肪の基準値の目安と数値の見方をみていきましょう。

基準値の目安

中性脂肪は空腹時30〜149mg/dLが基準範囲となります。

ただし、これはあくまで目安です。150を少し超えただけで直ちに重篤な疾患になるわけではありません。しかし、慢性的に超えている場合は注意が必要です。

また、150を超えていなくても前年より大きく上昇している場合は要注意です。中性脂肪の数値は単発ではなく、数年間の流れで見ることが大事です

中性脂肪とセットで見るべき項目

中性脂肪は、単独の数値だけで健康リスクを判断できるものではありません。他の検査項目とセットでみることが大事です。

特に大事な3項目を紹介します。

善玉コレステロール(HDL)

中性脂肪が高く、善玉コレステロール(HDL)の値が低い場合は動脈硬化リスクが高まります。一般的にHDLが40mg/dL未満は低値とされるので注意しましょう。

血糖値

中性脂肪と血糖値がともに高い場合は、メタボリックシンドロームのリスクが高まります。空腹時血糖値が100mg/dL以上の方は注意しましょう。

血糖値に関しては「【図解】血糖値の正常値(通常値)・基準範囲・平均値を説明します【医師監修】 」で詳しく解説しています。

肝機能(ALT)

中性脂肪と肝機能異常が同時にある場合は脂肪肝が疑われます。ALTは肝臓の状態を反映する代表的な数値で、一般的に40U/L以上は高値とされます。

中性脂肪はなぜ増える?

では、なぜ中性脂肪は増えるのでしょうか。

中性脂肪が増える代表的な原因をみていきましょう。

食べ過ぎ・糖質過多

摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余ったエネルギーは中性脂肪として体内に蓄えられます。特に影響が大きいのが糖質です。

白米、パン、麺類、菓子類、甘い飲み物などの糖質を多く摂ると、使いきれなかった分が肝臓で中性脂肪に変換されます。これが内因性TGが増加する原因となります。

とくに注意したいのがジュースや乳酸菌飲料などの「液体の糖」です。これらは吸収が速く、満腹感が得られにくいため、摂取過多になりやすいからです。

運動不足

中性脂肪は、有酸素運動によってエネルギーとして消費されます。しかし、運動不足になると体に蓄積したままになります。

特に注意したいのは、食事量は変わらないのに活動量だけが減っている方です。若いころと同じ食生活を続けていると、加齢による代謝低下も重なり、中性脂肪が上がりやすくなります。

アルコール

アルコールは中性脂肪の増加に大きく影響します。アルコールを摂取すると、肝臓はまずアルコールの分解を優先します。その結果、脂質の代謝が後回しになり、中性脂肪が合成されやすくなります。

さらに問題なのは、飲酒時の食事です。つまみの唐揚げや締めのラーメンなどは糖質と脂質の同時過多を招き、中性脂肪を大きく押し上げます。

アルコールによって中性脂肪が増える仕組みについては「アルコールが中性脂肪になるメカニズムを解説「検査前日の飲酒は大丈夫?」」で詳しく解説しています。

睡眠不足・ストレス

睡眠不足は、食欲を増進させるホルモン(グレリン)を増やし、食欲を抑えるホルモン(レプチン)を減らします

また、慢性的なストレスはコルチゾールの分泌を高め、脂肪の蓄積を促進します。ストレス解消としての過食や飲酒も重なると、さらに中性脂肪の上昇につながるので注意が必要です。

病気・体質

中性脂肪の増加は生活習慣だけが原因ではありません。糖尿病や甲状腺機能低下症をはじめ、腎疾患、遺伝性高トリグリセリド血症といった病気や体質が背景にある場合もあります。

生活習慣を見直しても改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。

中性脂肪が増えすぎると何が起きる?

中性脂肪は長期的に高い状態が続くと、様々な症状が起こります。

無症状で進行することが多い

中性脂肪の増加で厄介なのは、基本的には自覚症状がほとんどないことです。頭痛や痛みが出るわけでもなく、日常生活に支障がないために放置されがちです。

しかし血液中では、脂質バランスの乱れは静かに進行しています。自覚症状がないまま数年単位で悪化し、ある日突然、動脈硬化や心血管疾患として表面化するケースもあります。

動脈硬化リスクを高める

中性脂肪が慢性的に高い状態が続くと、動脈硬化が進みやすくなります。

先述したように中性脂肪が高い状態が続くと、善玉コレステロール(HDL)が低下しやすくなります。さらに、悪玉コレステロール(LDL)が小型化し、血管壁に入り込みやすくなります。その結果、血管の内側にコレステロールがたまりやすくなり、動脈硬化が進行していくのです。

動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞、狭心症といった命に関わる疾患のリスクが高まるので、自覚症状がなくとも数値が高い状態が続いている場合は早めに対策しましょう。

脂肪肝

中性脂肪が増えると肝臓にも脂肪がたまりやすい「脂肪肝」になります。脂肪肝の初期はほとんど自覚症状がありません。しかし、健康診断でAST・ALTといった肝機能数値の上昇として見つけることができ、倦怠感やお腹の張り、右上腹部の違和感として現れることもあります。

脂肪肝を放置すると、炎症を伴う脂肪肝炎(NASH)へと進行し、さらに肝線維化が進むことで「肝硬変」になる可能性があります。

中性脂肪の増加は、将来的な肝疾患リスクのサインでもあるのです。

急性膵炎

中性脂肪が500mg/dL以上、特に1000mg/dLを超えるような極端な高値になると「急性膵炎」のリスクが高まります。

膵炎は、以下のような症状を伴う重篤な疾患です。

  • みぞおちの激しい痛み
  • 背中に抜けるような痛み
  • 吐き気や嘔吐

 

急性膵炎は入院治療が必要になることも多く、場合によっては命に関わります。早めに医師に相談し、適切な治療や生活改善を行いましょう。

中性脂肪を減らす方法

 中性脂肪が増えると様々な問題があるわけですが、中性脂肪は生活習慣の改善によって比較的下げやすいという特徴もあります。

ここでは、中性脂肪を減らすために効果的な方法をみていきましょう。

糖質を制限する

糖質制限は中性脂肪を減らすうえで非常に有効です。とくにジュースや乳酸菌飲料などの摂取は控えるようにしましょう。日常的にジュースを飲んでいる方であれば、水やお茶に置き換えるだけでも比較的早い段階で数値に変化が出るはずです。

ただし、糖質を極端に減らす必要はありません。糖質は脳や体の重要なエネルギー源なので、極度に減らすと頭痛やめまいなどを招きます。

糖質を完全に制限するのではなく、量を調整するだけで充分です。白ご飯であればお茶碗一杯から半分にするのが目安です。これだけでも糖質は毎食の糖質は約30gも減らすことができます。

お茶碗一杯の糖質量

正しい糖質制限の方法については「正しい糖質制限とは?「ご飯を抜けばいい」は間違い」で詳しく解説しています。

食物繊維を摂取する

糖質を減らすこととあわせて意識したいのが、食物繊維を意識的に摂ることです。中性脂肪は血糖値の急上昇と深く関係しているため、血糖値の上昇を緩やかにする食物繊維は中性脂肪を減らすために重要な役割を果たしてくれます。

野菜や海藻、キノコ類などを日々の食事に積極的に取り入れましょう。

食物繊維が豊富な食べ物は「食物繊維が多い食べ物ランキング!手軽&効率的に摂取する方法とは」で紹介しています。

また、食後の血糖値を急上昇させないためには「ベジファースト」がおすすめです。血糖値が上がりにくい野菜・汁物から食べて、次に肉や魚などのタンパク質、最後に主食であるご飯を食べる順番にするだけでも、血糖値の急上昇を抑える効果を期待できます。

お酒を減らす

お酒は完全にやめるのは難しいという方も多いでしょう。週に2日は休肝日をつくる、飲む量を2~3割減らすといった現実的な目標から始めてみましょう。ビールや甘いカクテルを蒸留酒に代えるのも糖質を減らすという観点ではおすすめです。

また、つまみは冷奴や枝豆、海藻サラダなど糖質や脂質が少ないものを選ぶようにしましょう。

有酸素運動を習慣化する

中性脂肪を減らすうえで不可欠なのが、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動です。特に食後の軽い運動は、血糖が中性脂肪に変換されるのを抑える効果も期待できます。

時間の目安としては週150分、たとえば、30分のウォーキングを週5日行うイメージです。最初から難しい場合は毎日10分歩くことを目標にするのでもいいでしょう。

また、家事などで外に出られない方には、踏み台の昇り降りがおすすめです。高さ10〜20cm程度の台を使い、一定のリズムで昇り降りを繰り返すだけでも十分な有酸素運動になります。

踏み台

中性脂肪を減らすために効果的な運動については「中性脂肪を減らす方法は「運動」が効果的~中性脂肪対策vol.1~」で詳しく解説しています。

中性脂肪が少なすぎるのも問題

ここまで中性脂肪が増えすぎるリスクや中性脂肪を減らすための方法を解説してきましたが、中性脂肪は少なすぎることも問題です。

低すぎる場合に起こりうること

中性脂肪は空腹時や運動時にエネルギーとして使われる“予備燃料”です。極端に低い状態だとエネルギー不足が起こり、慢性的な倦怠感や集中力の低下、体温の低下を招きます。

また、女性の場合は、極端な脂肪不足がホルモンバランスの乱れにつながり、生理不順を引き起こすこともあります。

中性脂肪が少なくなる要因

中性脂肪が極端に少なくなる主な要因は、極端な食事制限と過度な運動です。ダイエットやボディメイクの過程で一時的に減ることはありますが、慢性的に少ない場合は栄養不足の可能性があります。

また、稀ではあるものの、重度の吸収不良や甲状腺機能亢進症、慢性疾患などが原因であるケースもあります。

中性脂肪は多すぎても少なすぎてもよくありません。目標はあくまで適正範囲(おおよそ30〜149mg/dL)に安定させることであり、減らしすぎないようには注意しましょう。

よくある質問

最後に、中性脂肪に関してよくある質問にお答えします。

中性脂肪を下げるのにおすすめの食べ物はありますか?

A. 野菜やきのこ類以外だと、青魚がおすすめです。

先述した血糖値の急上昇を抑える働きがある野菜やきのこはもちろんのこと、それ以外だとサバやサンマなどの青魚がおすすめです。

青魚に含まれるDHA ・EPAは、中性脂肪を分解、抑制する作用があることが知られており、医療現場でも中性脂肪を下げる薬の成分として使われています。

DHA ・EPAが豊富な青魚は「DHA・EPAが多い魚ランキング〜サバ、イワシ、マグロなど全21種類を比較〜」で詳しく解説しています。

痩せているのに中性脂肪が高いのはなぜですか?

A. 中性脂肪は体重だけで決まるわけではありません。

痩せていても、糖質中心の食習慣や飲酒習慣がある場合、中性脂肪の数値は高くなることがあります。また、遺伝的に中性脂肪が高くなりやすい体質の方もいるため、太っていないことが中性脂肪の量が正常であるという保証にはなりません。

中性脂肪を抑えたい方へ

中性脂肪の増加を抑えるためには、糖質や脂質を制限するのが最も効果的ですが、普段の食生活でこれらを制限することは容易ではありません。

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