16時間断食をしても瘦せない人の特徴&対策レシピ【医師監修】

1日のうちの16時間は何も食べないというシンプルなダイエット法「16時間断食」。近年はテレビや雑誌で取り上げられることが増えていることもあり、実践する方が増えています。

16時間断食を実践する方が増えるのにともなって、「なかなか瘦せない」「逆に太った」という声もちらほら聞かれます。

今回は16時間断食を実践しても瘦せない人の特徴について解説します。16時間断食で瘦せるために心掛けたいこと、おすすめのレシピも紹介します。

この記事の監修者

 

佐藤 留美

2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。

本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。

16時間断食とは?

まずは16時間断食について簡単におさらいしましょう。

16時間断食とは、1日のうちの16時間は何も食べずに、残りの8時間で食事を済ませるダイエット法です。方法がシンプルなことに加えて、食事量が制限されるわけではないので精神的な苦痛が少ないのがメリットといえます。

また、16時間断食はダイエット効果だけでなく、腸内環境が整うことによる美容効果や免疫力の向上を期待できるのも魅力です。

16時間断食について詳しくは「16時間断食ダイエットと他のプチ断食との違いとは?女性は12時間の方がいい?」で解説しています。

16時間断食中は基本的にカロリーのない飲み物以外を摂取することは許されませんが、野菜や果物を攪拌して作るスムージーは飲んでも問題ありません

16時間断食中に飲んでいいものについて詳しくは「16時間断食中に飲んでいいもの&自作できるおすすめドリンク〜プロテインやコーヒーはOK?〜」で解説しています。

なお、16時間断食中にどうしても空腹が耐えられない場合は、ナッツやチーズなど低糖質で腹持ちのよい食べ物がおすすめです。

16時間断食を実践しても瘦せない人の特徴

16時間断食は高いダイエット効果が期待できる一方で、「瘦せない」「逆に太った」という方も一定数います。ここでは、16時間断食を実践しても瘦せない人の特徴について解説します。

 ①ドカ食いしている

16時間断食をしても瘦せない人にありがちなのが、食べてもいい8時間でドカ食いしているケースです。

16時間断食では、断食時間以外の8時間は好きなものを食べることができます。しかし、何をどれだけ食べてもいいわけではありません。摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように調整することはダイエットの基本です。

16時間の空腹に耐えた後の食事でドカ食いしたくなる気持ちも分かりますが、おおよそのカロリー計算は行うようにしましょう。

また、よく嚙んで食べることもドカ食いの防止につながるのでおすすめです。

 ②栄養バランスが偏っている

前述のように、16時間断食では断食時間以外の8時間は好きなものを食べることができます。しかし、好きなものばかりを食べていると栄養バランスが偏ってしまいます

栄養バランスが偏ってしまうと、腸内環境が悪化して太りやすくなったり、最悪の場合は健康被害が出たりする可能性もあります。食事量がそこまで多くないのに瘦せない方は食事の内容を見直しましょう。

栄養バランスの整った食事について詳しくは「バランスの良い食事とは?栄養・生活スタイル・家計の観点で解説」で解説しています。

③食後の血糖値が急上昇している

人間は空腹時間が長いほど、食後の血糖値は上昇しやすくなります。血糖値が急上昇すると、それを抑えるために体内ではインスリンというホルモンを分泌しますが、このインスリンは体内のブドウ糖を脂肪に変える働きがあります。

とくに糖質は血糖値を上げやすいので注意が必要です。

16時間の断食明けは空腹の状態なので、基本的に食後の血糖値の急上昇は避けられません。そこでおすすめなのが「ベジファースト」と呼ばれる、野菜から食べる食事法です。

野菜を最初に食べることで、野菜の水溶性食物繊維が糖質の消化吸収を遅らせる効果を期待できます。野菜(サラダ)→おかず(たんぱく質)→ご飯(糖質)の順番で食べるようにしましょう。

④基礎代謝が落ちている

16時間断食は、はじめは順調に体重が落ちていたものの、徐々に落ちにくくなり、その後は逆に太ってしまう方も少なくありません。これは、断食中に十分な栄養がとれずに筋肉量が減って基礎代謝が落ちることが原因と考えられます

筋肉量を維持するためには筋肉の元となるタンパク質の摂取量を減らさないことはもちろん、運動習慣をつくることが大事です。

16時間断食で瘦せるために心掛けたいこと

16時間断食はやり方自体がシンプルではあるものの、食事内容についてはよく考えないと瘦せられません。ここでは、16時間断食で瘦せるために、食事において心掛けたい3つのことを解説します。

①タンパク質を積極的に摂る

先述したように、16時間断食は筋肉量が減りやすいダイエット法なので、タンパク質は積極的に摂取することが重要です。タンパク質の一日の目標摂取量は、成人男性であれば約60g、成人女性であれば約50gとなります。

タンパク質は肉や魚をはじめ、卵、豆類、乳製品に多く含まれているので、これらの食材を日常の食事に意識的に取り入れるのはもちろん、不足する場合はプロテインを活用するのもいいでしょう。

 ② 脂質の摂取はほどほどにする

ダイエットにおいてカロリー管理は欠かせませんが、脂質は糖質やタンパク質に比べてカロリーが高いため、摂り過ぎには要注意です。

揚げ物やスナック菓子、お肉の脂身が好きな方は摂り過ぎないようにしましょう。

脂質制限ダイエットについては「脂質制限ダイエットとは?コツを押さえたやり方【成功の秘訣7選】」で解説しています。

ただし、同じ脂質でも青魚やナッツ類、オリーブオイルなどの“良質な油”は血液中の悪玉コレステロール(LDL)を下げる働きがあるので、きちんと摂取しましょう。

 ③ 低GI/GL食品を意識的に選ぶ

16時間断食によって瘦せるためには、断食後の食事において、血糖値の上昇をいかに抑えられるかがポイントとなります。

先述した「ベジファースト」を実践することはもちろん、GI値およびGL値が低い食品を選択することも大事です。

GI(glycemic index)とは、食品に含まれる炭水化物量「50g分」を摂取した際の血糖値の上がり方を示した数値であり、GL(glycemic load)とは、食品に含まれる炭水化物量とGI値をかけ合わせた数値です。

つまり、GI値およびGL値が低い食品ほど食後の血糖値が上がりにくいことを意味します。すべての食品のGI値およびGL値を覚えるのは難しいですが、血糖値の上昇に大きく影響する主食(炭水化物)については、ある程度覚えておくことをおすすめします。

白米やうどん、食パンなどはGI値が高く、玄米、そばなどはGIが低いです。ただし、GL値はそばよりも食パンの方が低くなるといったように、必ずしもGL値とGI値は比例しません。

GL値は実際に食べる量を考慮した指標なので、GI値よりもGL値を優先することをおすすめします。

GI、GLについて詳しくは「ダイエットで気を付けたいのは「GI値」よりも「GL値」だった!」で解説しています。

16時間断食で瘦せたい人におすすめのレシピ

ここでは16時間断食で瘦せるために、16時間の断食後の食事におすすめのレシピを2つ紹介します。

ミネストローネ

◎材料(1人分)

・鶏ムネ肉・・・100g

・大根・・・50g

・豆腐・・・50g

・にんじん・・・4分の1本

・じゃがいも・・・2分の1個

・玉ねぎ・・・4分の1個

・オリーブオイル・・・大さじ1杯

・トマトジュース・・・100ml

・水・・・70ml

・コンソメ顆粒・・・小さじ1杯

・塩・・・小さじ1杯

・こしょう・・・適量

・タバスコ・・・適量

 

◎作り方

① 鶏ムネ肉、豆腐、大根を解凍する

② 玉ねぎを薄切り、にんじん、じゃがいもを1cm角にカット

③ フライパンにオリーブオイルを入れる

④ 鶏ムネ肉、大根、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを入れて、玉ねぎが透き通るまで炒める

⑤ トマトジュース、水、コンソメ顆粒を入れてひと煮立ちさせる

⑥ 豆腐を入れて、野菜がしんなりとするまで弱火で煮込む

⑦ 塩、こしょうで味を調整する

⑧ お好みでオリーブオイルをひと回ししたら完成

16時間の断食明けの食事は、野菜や汁物を中心としたメニューがおすすめ。その中でもミネストローネはGI値およびGL値が低いため、血糖値の急激な上昇を防ぐためにピッタリです。

アボカドナポリタン

 

 

◎材料(1人分)

・パスタ・・・120g

・アボカド・・・1/2個

・ピーマン・・・1/2個

・玉ねぎ・・・1/4個

・ケチャップ・・・大さじ2杯

・ウインナー・・・2本

・塩・・・少々

・コショウ・・・少々

・オリーブオイル・・・適量

 

◎作り方

➀ パスタをお湯で茹でる

➁ アボカド、ピーマン、玉ねぎ、ウインナーを食べやすい大きさにカット

➂ 玉ねぎをオリーブオイルを入れたフライパンに入れて炒める

④ 玉ねぎがしんなりしたら、②の残りとケチャップを入れて炒める

⑤ 全体的に香ばしい香りがしたら火を止めて、茹で上がったパスタを入れる

⑥ 塩コショウを加えて全体を混ぜ合わせたら完成 ※ケチャップを足してもいい

スパゲッティは麵類の中だとGI値およびGL値が低い食材です。また、アボカドは食物繊維が豊富に含まれているため、血糖値の急上昇を抑えるのに効果的です。

16時間断食は血糖値の急上昇に注意

今回の記事でも解説したように、16時間断食のデメリットの一つは断食明けの食事で血糖値が上昇しやすくなり、それによって太りやすくなることです。

そのため、16時間断食後の食事において血糖値を上げない工夫が必要です。糖質制限サプリメント「ターミナリアファースト」は食後の血糖値の上昇を抑える作用があるため、16時間断食を実践している方におすすめです。

ターミナリアファーストについて詳しくはコチラ