【医師監修】オートファジーダイエットの危険性&安全に行うためのポイントを解説
オートファジーダイエットは近年注目を集めていますが、その危険性を指摘する声も少なくありません。事実、オートファジーダイエットを実施したことで健康被害が出たというケースは数多くあります。
今回はオートファジーダイエットの危険性と安全に行うためのポイントについて解説します。オートファジーダイエットに興味がある方はぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
佐藤 留美
2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
オートファジーダイエットとは
まずはオートファジーダイエットについて簡単におさらいしましょう。
オートファジーとは、ギリシャ語の「オート(自ら)」と「ファジー(食べる)」を掛け合わせた造語であり、細胞自身が細胞内の悪玉タンパク質をエネルギー源として処理し、新しいタンパク質に作り替える仕組みを意味します。
このオートファジーを利用したダイエットが「オートファジーダイエット」であり、オートファジーを作動させるためには16時間断食をして飢餓状態をつくる必要があります。
16時間断食については「16時間断食ダイエットと他のプチ断食との違いとは?女性は12時間の方がいい?」で詳しく解説しています。
オートファジーダイエットは方法がシンプルなのも人気の理由
オートファジーダイエットのやり方はシンプルで、1日のうちに何も食べない16時間を設けるだけです。16時間というと長く感じるかもしれませんが、夕食を20時までに済ませて、翌日の朝食を抜き、12時に昼食を取れば16時間断食は成立します。
また、オートファジーダイエットは肌荒れや血流の改善、自律神経の安定などダイエット以外の効果も期待できます。
オートファジーダイエットの概要や効果、正しいやり方については「オートファジーダイエットの正しいやり方とは? 食べていいもの&飲んでいいものを紹介」で解説しています。
「オートファジーダイエットは瘦せる」は嘘??
オートファジーダイエットは、人間の体にもともと備わっている「オートファジー」を活用して効率的に瘦せることを目指したダイエット法ですが、いざ実施してみると、瘦せなかったり、逆に体重が増えたりするケースもあります。
ここでは、オートファジーダイエットを実践しても瘦せられない理由について解説します。
オートファジーダイエットで瘦せない理由
オートファジーダイエットを実践しても瘦せない理由としては、以下の2つが考えられます。
・筋肉量が減って代謝が落ちる
・過食になる
まず、オートファジーダイエットは食事量を減らすダイエット法であるため、運動をしないでいると筋肉量は減ってしまいます。さらに、16時間の断食中において体は脂肪だけでなく、筋肉の分解も進んでいます。
つまり、オートファジーダイエット中は筋肉が減らないように意識しないと代謝がどんどん落ちてしまい、結果的に太ってしまうのです。
また、16時間の空腹に耐えた後の食事でドカ食いしてしまうケースもあるかもしれません。16時間断食をしたとしても、1日の食事の総量が増えると当然太ってしまいます。
断食後の食事は血糖値の急上昇に注意
断食後の食事は普段よりも慎重になる必要があります。なぜなら、空腹期間が長いほど食後の血糖値は急上昇しやすくなるからです。血糖値が急激に上がると体内ではインスリンが分泌されますが、インスリンには体内のブドウ糖を脂肪に変える働きがあります。
とくに糖質の摂取には注意が必要であり、血糖値を上げないためには食物繊維が豊富な野菜から摂取するように心掛けましょう。
断食後の食事で血糖値の上昇を抑える方法については「プチ断食後は危険な状態?断食後の血糖値上昇を抑える方法とは」で詳しく解説しています。
一度瘦せてもリバウンドする可能性がある
オートファジーダイエットは一時的には瘦せても、それを継続できるかどうかが問題です。
16時間断食が常態化してしまうと、身体は長時間の飢餓に備えて、極力エネルギーを消費しないように代謝を下げてしまいます。このような “省エネ体質”になると、ダイエットをやめた途端にリバウンドする可能性が高まります。
リバウンドを防ぐためには、筋肉を維持するような運動習慣を持つことが大事です。
なお、オートファジーダイエットは1週間に1度実行するだけでもデトックス効果を得られるため、無理に毎日やる必要はありません。
オートファジーダイエットに潜む危険性
オートファジーダイエットは瘦せないだけでなく、場合によっては健康被害が出る可能性があります。
ここではオートファジーダイエットによって起こり得る危険性について解説します。
血糖値スパイクが起こる
先述したように、空腹時間が長く、飢餓状態のときに食事をすると、急激に血糖値が上昇します。食後は誰でも血糖値が高くなるものですが、その上がり方(下がり方)が急激なことを「血糖値スパイク」といいます。
血糖値スパイクは高血糖・低血糖症状を引き起こし、糖尿病リスクを高める可能性があります。
【血糖値スパイクによる症状】 ・頭痛 ・眠気 ・倦怠感 ・気絶 ・異常な空腹感 |
上記のような症状が出た場合はオートファジーダイエットを中断しましょう。また、断食中であっても軽い間食(ナッツやヨーグルトなど)をするなど、血糖値スパイクが起きないように工夫するのもよいでしょう。
血糖値スパイクについては「【医師監修】血糖値スパイクの症状は眠気?自己診断、原因、血糖値を抑える飲み物・食事・運動とは」で詳しく解説しています。
ホルモンバランスが乱れる
断食による飢餓状態は、身体にとってはストレスです。とくに女性はストレスによって、女性ホルモンの分泌を司る甲状腺機能が低下し、生理不順や更年期症状の悪化、肌荒れを引き起こす可能性があります。
また、妊娠中の場合は胎児に悪影響を及ぼす恐れもあります。女性の場合は長時間の断食で飢餓状態をつくるのは危険であるため、断食時間は長くても12時間までにするのがよいといわれています。
甲状腺機能が低下する
前述のように、長時間の断食は甲状腺機能を低下させる恐れがあります。
【甲状腺機能の低下による症状】 ・無気力 ・体重増加 ・疲労感 ・記憶力の低下 ・便秘 ・むくみ |
これらの症状が出た場合はオートファジーダイエットを中断し、症状がひどい場合は専門医師に相談しましょう。とくに女性に多い症状なので、繰り返しになりますが女性は長時間の断食は避けるのが賢明といえます。
オートファジーダイエットを安全に行うためのポイント
オートファジーダイエットを行う上で心掛けたいポイントは以下の2つです。
・栄養バランスの良い食事をする
・必ず運動をする
オートファジーダイエットは1日2食になるので栄養の偏りが出やすくなります。基本的に16時間断食後の食事は何を食べても構いませんが、食物繊維の多い野菜や海藻類をしっかり摂ることは意識するようにしましょう。
バランスの良い食事については「バランスの良い食事とは?栄養・生活スタイル・家計の観点で解説」で詳しく解説しています。
また、オートファジーダイエットは筋肉量が落ちやすいダイエット法なので、食事だけで瘦せようとすると基礎代謝が低下します。筋トレやジョギングといった運動を必ず行うようにしましょう。
オートファジーダイエットを安全に行うために+αで注意したいこと
栄養バランスの良い食事や運動をすることに加えて、オートファジーダイエットを安全に行うために注意したいポイントは以下の3つです。
・持病がある方は実施しない
・空腹を我慢しすぎない
・体を冷やさない
それぞれについて解説します。
持病がある方は実施しない
オートファジーダイエットは糖尿病体質の方や持病を持っている方は健康被害が出やすいのでおすすめしません。どうしても実施したい場合は必ず医師に相談するようにしましょう。
なお、持病がない方も体調が優れないときは無理に実施しないことが大事です。
空腹を我慢しすぎない
オートファジーダイエットは飢餓状態をつくることが重要ではありますが、耐えられない空腹感は身体が発する危険信号ともいえます。無理に空腹に耐えるのではなく、ナッツやヨーグルトなどで小腹を満たすようにしましょう。
体を冷やさないようにする
「冷えは万病のもと」ということわざもありますが、体が冷えると自律神経が乱れたり、内臓の動きや血行が悪くなったりします。断食中は食事が液体のみとなるので体温が低下しやすく、消化吸収による熱エネルギーを得られないため、冷えを感じやすくなります。
断食中は防寒をはじめ、こまめに白湯を飲む、適度に運動するなど体を冷やさないための工夫をしましょう。
血糖値の急上昇を抑えるサプリメント
今回解説したように、空腹時間が長いほど食後の血糖値は上がりやすくなります。そして、血糖値の急激な上昇は脂肪の生成だけでなく、さまざまな健康被害を招く恐れもあります。
オートファジーダイエットにおいては、断食後の食事でいかに血糖値を上げないかが重要です。
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