【医師監修】糖質の摂取量って1日何グラムが正しい?1日の食事例を紹介
今や定番ともなっている糖質制限ダイエットですが、いざ始めようと思ってもどれくらい制限すればいいのか分からない方は多いでしょう。糖質は生きていく上で必要な栄養素なので、摂り過ぎもダメですが、不足し過ぎもダメです。また、1日に必要な糖質量は人によって変わってきます。これから糖質制限(コントロール)をしようと考えている方はぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
2002年久留米大学医学部卒業後、久留米大学病院で研修医として勤務。現在は同大学の関連病院で呼吸器科・感染症科・アレルギー科として勤務する傍ら、2023年10月より藤崎メディカルクリニック副院長に就任。医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医等を取得。
本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が商品を推奨しているわけではございません。
糖質の1日の摂取量の目安
1日に摂るべき糖質量は体格、活動量によって変わります。
1日の糖質摂取量の計算式
1日に必要な糖質摂取量(g)は次の計算式で算出できます。
標準体重(kg)×活動量(kcal)×0.6÷4
|
(参考)活動レベルの定義
軽い |
生活の大半が座っているなど、静かな活動が中心 |
普通 |
通勤や買い物などで一定の立っている時間があり、軽い運動をする |
重い |
移動や立っている時間が長く、活発な運動をしている |
目安にすべき糖質量は活動量によって変わる
上の計算式でも分かるように、1日に必要な糖質量は活動量によって変わってきます。活動レベルは厳密に定義するのは難しいので、あくまでも目安として考えておきましょう。
例えば、身長160cmで、1日の大半が座っている方であれば・・・
(1.6×1.6×22)×25×0.6÷4 = 211g
平均的に日本人は300g程度の糖質を摂っているわけですが、活動量がほとんどない方であれば、それほどの糖質は必要ない計算になります。
糖質制限中は130g以下を目安にしよう
糖質制限をする場合、1日に摂取すべき糖質量は先の式で算出する量だと少し多くなります。また、糖質制限もその度合いによって3段階に分かれます。
ハード=70g以下
普通=100g以下
ゆるめ=130g以下
普通がスタンダードな糖質制限であり、ハードは「ケトジェニックダイエット」、ゆるめは「ロカボ」と呼ぶことがあります。そして、健康の観点でおすすめなのは「ロカボ」です。というのも、本来糖質制限は糖尿病治療の1種であり、医師の指導のもと行うものだからです。医師の指導もなく、極端な糖質制限をしてしまうと、健康を害する危険があるのです。ですので、自力で糖質制限をする場合は「ロカボ」とも呼ばれる、1日130g以下を目安に行いましょう。1日3食として、1食あたり40gが目安となります。
糖質40gの目安
糖質40gと言われても、食材に換算するとどれくらいか分からない方も多いでしょう。糖質が多い炭水化物だと、次のような量になります。
- ご飯 110g
⇒ 茶碗1杯(150g)よりの約3分2 - 食パン80g
⇒ 5枚切り1枚 - 中華麺 140g
⇒ 1玉(120g)より少し多め - そば150g
⇒ 1玉(100g)の1.5倍 - うどん 185g
⇒ 1玉(200g)より少し少なめ
どの炭水化物であっても一般的な1食分を食べると、それだけでオーバーしてしまうことが分かります。いかに炭水化物の量を抑えるかが糖質制限のカギとなります。
糖質を摂らなさすぎるのも注意
日本人における1日あたりの炭水化物の摂取基準量は320g※です。糖質制限ダイエットの流行もあり、糖質=太るというイメージから避ける方が多いですが、生きる上では不可欠な栄養素です。
※参考:栄養素等表示基準値及び栄養機能 食品に係る食品表示基準案について
糖質は必要以上に摂取すべきではありませんが、摂らなさすぎることがないように注意しましょう。
糖質をコントロールするコツ
ここでは、糖質を上手にコントロールするためのコツを解説します。
朝・昼・晩で糖質量のバランスを考える
糖質のコントロールは、単純に糖質をカットすればいいというものではありません。極端に食事の量や回数を減らすようなやり方はおすすめしません。3食きちんと食べた上で、上手に糖質を制限しましょう。3食食べる上で注意すべきは「バランス」です。基本的に、食後の活動量が少ない夕食は糖質も少なめにするのがいいでしょう。糖質量のバランスは、朝:昼:晩=4:4:2を目安にするのがいいでしょう。
食材ごとの糖質量を知る
また、糖質をコントロールする上で必須なのが食材ごとの糖質量を把握しておくことです。炭水化物のほか、甘いもの、イモ類は基本的に糖質が高いです。反対に、肉や魚、緑黄色野菜は糖質が少ないです。
食材別の糖質量について詳しくは「【図解】糖質一覧表~食材・コンビニ・外食別まとめ」をご覧ください。
また、糖質のコントロール方法についてさらに詳しくは「【医師監修】糖質を上手にコントロールする方法」をご覧ください。
糖質量を上手に抑える1日の食事例
それでは、1日の糖質量が130g前後となる食事例を朝・昼・晩に分けてご紹介します。
【朝食例】糖質量40g~60g
ケース① パン食
●材料・・・糖質量 食パン1枚(5枚切り):約35g |
朝ご飯は手軽にパンで済ませる方は多いでしょう。
食パンは厚みによって糖質量が変わってきます。5枚切りだと約30~35gですが、4枚切りだと40gを超えてしまいます。そして、食パンの付け合せには注意が必要です。例にある卵やハム、定番ともいえるバターは糖質がほとんどありません。反対に、ジャムやハチミツ、ピーナッツバター、あんこなどの甘いものは砂糖が使われていることもあり糖質量は多くなります。また、タンパク質を補給する意味でもヨーグルトなど乳製品を朝ご飯に取り入れるのがおすすめです。
ケース② 和食
●材料(糖質量) ご飯1杯:約55g |
忙しい朝でもしっかりと食べたい方は和食がおすすめです。
ご飯自体に糖質が多く含まれているので、おかずは糖質が少ないメニューがいいでしょう。また、食べる順番は味噌汁⇒焼き魚(納豆)⇒ご飯がおすすめです。糖質が最も多いご飯を最後に食べることで食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
朝食は多少多めに糖質を摂っても問題ない
朝ご飯はそこまで糖質量を意識する必要はありません。
というのも、糖質はその日1日の大切なエネルギー源となるので、多少多くても消費されるので問題ないのです。逆に、朝ご飯を抜くなどしてその日の活動に支障をきたすことのないように注意しましょう。
【昼食例】糖質量40g~60g
ケース➀ コンビニ
●材料:糖質量 おにぎり1個:約30g |
ランチでは外出していることが多いため、コンビニを利用することも少なくないはずです。コンビニのおにぎりは2個食べてしまうと、それだけで目安の糖質量60gをオーバーしてしまうので、できれば控えましょう。最近のコンビニは惣菜系の商品も充実しているので、栄養バランスの取れた食事を摂ることができます。例のように、サラダ(野菜)を加えるのがおすすめです。
また、コンビニはデザートも充実しているので、どうしても甘いものが食べたい方は目安とする糖質量の範囲内でお好みのものを選びましょう。
ケース② 外食
●材料:糖質量 ご飯(少なめ)1杯:40g |
ランチでは、会社の近くのお店で食べることも多いはずです。ファストフードやラーメンといった栄養バランスが偏りやすいものはできるだけ避けて、バランスの良い食事が摂れる定食屋がおすすめです。また、ご飯を注文する際は「少なめ」にしてもらうなど調整しましょう。
ランチはコンビニを味方にしよう
コンビニはジャンクな食べ物を手軽に買えるため、糖質制限中は敬遠する方もいます。しかし、コンビニの商品にはそれぞれに糖質量(炭水化物量)が明記されているので、実はコントロールしやすい側面もあります。上手にコンビニを活用しましょう。
【夕食例】糖質量20g~30g
ケース➀ 糖質ゼロ麺を活用
●材料:糖質量 糖質ゼロ麺(1袋):0g |
夕食は朝食、昼食よりも糖質を抑えるようにしましょう。炭水化物は控えめにするのが基本です。そこで、おすすめなのが「糖質ゼロ麺」の活用です。
糖質ゼロ麺とは、こんにゃくやおから、大豆などを原料として作られた糖質が一切入っていない麺です。種類も豊富なので、アレンジ次第でラーメンやうどん、パスタなど様々な麺料理を作ることができます。糖質ゼロ麺だけだともの足りないかもしれないので、糖質の目安量をオーバーしない程度の付け合せがあってもいいでしょう。
糖質ゼロ麺のおすすめメニューについて詳しくは「糖質ゼロ麺は瘦せる?危険?~美味しい食べ方まとめ~」で紹介しています。
ケース② ステーキ
●材料:糖質量 ご飯(3分の1):20g |
糖質を抑えつつもガッツリしたものを食べたい方は「ステーキ」がおすすめです。ステーキはその部位によりますが、基本的に糖質はほとんどありません。ただし、ご飯の量は控えめにしましょう。お肉などタンパク質が豊富な食材の糖質量は「糖質制限といえばタンパク質(肉&魚)」は正しい?【食べ物シリーズvol.5】」で詳しく解説しています。また、ステーキの味付け次第でも糖質量は変わってしまいます。糖質がほとんどない塩コショウがおすすめです。調味料の糖質については「糖質制限中は控えたい調味料と上手な代用方法【食べ物シリーズvol.1】」で詳しく解説しています。
いつもの食事にターミナリアファースト
今回は糖質量を上手に抑えた1日の食事例を紹介してきました。
しかし、実際の食事で厳密に糖質量をオーバーしないようにするのは難しいものです。そこでおすすめなのが「ターミナリアファースト」です。
ターミナリアファーストは食後の血糖値上昇を緩やかにする
ターミナリアファーストは食後前に飲むことで、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれるサプリメントです。そもそも、糖質を摂ると太ると言われているのは食後の血糖値が急上昇するからです。血糖値が上昇すると、それを抑えるために体内ではインスリンが分泌されます。このインスリンが体内のブドウ糖を脂肪に換えてしまいます。
つまり、食後の血糖値を抑えることが何より重要なのです。ターミナリアファーストは食後の血糖値上昇を抑える効果がある「ターミナリアべリリカ」をはじめ、糖質・脂肪のコントロールに効く様々な成分を配合しています。食事を楽しみながら、上手に糖質コントロールをしたい方はぜひお試しください。